禮志三(軍儀)
皇帝親征儀: 常に秋冬を以てす、敵に応じて変を制す、或いは時を定めず。将に出師せんとすれば、必ず先ず廟に告ぐ。乃ち三神主を立てて之を祭る: 先帝と曰い、道路と曰い、軍旅と曰う。青牛白馬を刑して以て天地を祭る。其の祭は、常に独樹に依る。独樹無ければ、即ち舍する所に就いて之を行ふ。或いは皇帝介冑を服し、諸の先帝宮廟に祭り、乃ち兵を閲す。将に行かんとす、牝牡の麃各一を以て𥜒祭と為す。将に敵に臨まんとす、馬尾を結び、天地を祈拝して後に入る。城を下し敵に克ちては、天地を祭り、牲は白黒羊を以てす。師を班すには、獲たる牡馬・牛各一を以て天地を祭る。出師には死囚を以てし、還師には一諜者を以てし、柱を植え其上に縛り、向かふ所の方に向けて乱射し、矢集り猬の如くす、之を「射鬼箭」と謂ふ。
出軍儀: 制は『兵志』に見ゆ。
禮志四(賓儀)
常朝起居儀: 昧爽、臣僚朝服を着して朝に入り、各幕次に依る。内侍「班斉れり」と奏す。先づ京官班を三門外に引き、当直舍人起居を放ち、再拝し、各祗候す。次に両府以下の文武官に依り、丹墀内殿に面して立ち、豎班諸司並びに供奉官は、東西道外に相向ひ立ち定む。当直閣使副起居を放つを賛し、再拝し、各祗候す。退きて幕次に還り、公服す。帝殿に升り坐す、両府並びに京官丹墀内に声喏し、各祗候す。教坊司北班と同しく起居畢り、事を奏す。
燕京嘉寧殿、西京同文殿。朝服は、襆頭・袍笏。公服は、紫衫・帽。
正座儀: 皇帝殿に升り坐す、警声絶ゆ。契丹・漢人殿前班畢り、各位に依り侍立す。次に教坊班畢り、巻退す。京官班入り拝し畢り、右横街西に揖し、位班に依り立ち。次に武班入り拝し畢り、位に依り立つ。文班入り拝し畢り、位に依り立つ。北班入り、起居畢り、左横街東に序班立ち。次に両府班入り、鞠躬し、宰臣某官已下起居を通じ、拝し畢り、上殿に引き事を奏す。
已上六班の起居は、並びに七拝す。内に節度使を帯びざる者は、班首止めて名を通ず、亦七拝す。巻班は常朝と同し。直院は旨有りて文班に入る。留守司・三司・統軍司・制置司を京官と謂ふ。都部署司・宮使・副宮使・都承以下令史、北面主事以下随駕諸司を武官と為す。館・閣・大理寺、堂後以下、御史臺・随駕閑員・令史・司天臺・翰林・医官院を文官と為す。
臣僚接見儀: 皇帝座に御す、見榜子を奏し畢り、臣僚左より入り、鞠躬す。文武百僚宰臣某官以下祗候見を通ず。面殿に引き鞠躬し、起居し、凡そ七拝す。班首を引き出班せしめ、宣諭を謝し、五拝す。各祗候畢り、矮墩以上は近前に引き、「聖躬万福」と問ふ。伝宣「跋渉容易ならず」と問ひ、鞠躬す。班舍人を引き各祗候畢るを賛し、右上に引き、宣問に準備す。其の余の臣僚は並びに右に侍立す。
宣答して云く、「卿等久しく郷邑に居り、来りて乗輿に奉ず。時に霜寒に属し、或いは炎蒸と云ふ、諒く労止多からん。卿各平安好し。想ふに宜しく知悉すべし」。
車駕還京儀:前日の一日、宣徽使以下の横班、諸司・閣門は皆公服を着し、宿帳において祗候す。当日の明け方、皇帝玉輅に乗り、閣門が軍民に宣諭を終え、駕を導く。時相以下内門に進み、閣副が箭を勘じ終わり、通事舍人鞠躬し、「臣、宜しく仗を放つ」と奏す。礼畢。
勘箭儀:皇帝玉輅に乗り、内門に至る。北南の臣僚、輅の前にて対班して立つ。勘箭官、雌箭を執り、門中に立つ。東上閣門使、車前に詣り、雄箭を執り車の左に立ち、勘箭官の進むを勾す。勘箭官揖して進み、車より約五歩に至り、車に向かって立つ。閣使言う「箭を受け行って勘ぜよ」。勘箭官拝跪し、箭を受け、手を挙げて勘じ終わり、鞠躬し、「内外勘同」と奏す。閣使言う「敕に準じて行って勘ぜよ」。勘箭官平身して立ち、退き門中の旧位に立ち、当胸に箭を執り、「軍将門仗官近前せよ」と賛す。門仗官声に応じて門を開き、声を挙げて両辺より斉に出で、左右に並列して立つ。勘箭官右手を挙げて「箭を呈せ」と賛し、次に「内より喚仗の禦箭一隻出づ、敕に準じて左金吾仗に付して行って勘ぜよ」と賛す。「合わざるか合うか」と賛すれば、「合う、合う、合う」と応じ、「同じからざるか同じか」と賛すれば、「同じ、同じ、同じ」と応ず。畢る。勘箭官再び進み、位に依り立ち、鞠躬し、自ら全銜臣某と通し、禦に对して箭を勘じて同じきを奏し、退き門中に立つ。「其の箭謹みて閣門使に付して進入せしむ」と賛す。事畢り、其の箭を閣使に授け、宣徽使に転付す。
宋使見皇太后儀:宋使、生辰・正旦を賀す。当日、臣僚昧爽に入朝し、使者は幕次に至る。臣僚班斉し、皇太后殿に御して坐す。宣徽使、殿前班の起居を押し畢り、班を巻く。次に契丹臣僚班の起居畢り、応坐の臣僚を引き上殿せしめ、位に就きて立つ。其の余の臣僚で応坐せざる者は、東面に退き侍立す。漢人臣僚、東洞門より入り、西に向かって鞠躬す。舍人鞠躬し、某以下起居を通し、凡そ七拝畢り、各祗候すと賛す。応坐の臣僚を引き上殿せしめ、位に就きて立つ。中書令・大王、西階より上殿し、宋使並びに従人の榜子を奏し畢り、位に就きて立つ。其の余の臣僚で応坐せざる者は、西面に退き侍立す。次に宋使副六人を東洞門より引き入れ、丹墀内にて殿に向かい斉しく立つ。閣使、東階より下り、書匣を受け、書匣を捧ぐ使人は皆跪き、閣使は笏を搢げて立ち、書匣を受く。東階より上殿し、欄内にて鞠躬し、「封全」と奏し畢り、枢密に授けて開封せしむ。宰臣、皇太后に対し読み畢り、使副六人を引き東階より上殿せしめ、欄内に立たしむ。使者、生辰節の大使を揖して少しく前進せしめ、使者俯伏跪き、起居を附し畢り、起き、位に復して立つ。次に皇太后正旦を賀する大使を引き、起居を附す、前の儀の如し。皇太后、「南朝皇帝聖躬万福」と宣問す。舍人、生辰大使並びに皇太后正旦大使を揖して少しく前進せしめ、皆跪く。唯だ生辰大使、「来時聖躬万福」と奏す。皆俯伏し、興る。東階より引き下殿せしめ、丹墀内にて殿に向かい斉しく立たしむ。引進使、礼物を西洞門より引き入れ、殿前に担床を置く。控鶴官起居し、四拝し、担床を東便門より出だし畢り、使副を揖して東方に退かしめ、西に向かわせ、皆鞠躬す。舍人鞠躬し、南朝国信使某官某以下祗候見すと通し、舞蹈し、五拝畢り、班を出でず、「聖躬万福」と奏し、再拝す。班首を揖して班を出だし、面天顔を謝し畢り、位に復し、舞蹈し、五拝畢り、各上殿祗候すと賛し、各使副を引き西階より上殿せしめ位に就かしむ。従人を勾して両洞門より入らしめ、殿に向かい鞠躬し、名を通し、拝を賛し、起居し、四拝畢り、各祗候すと賛し、分班して両洞門より引き出だす。若し使副に「跋涉不易」と宣問せば、西階より引き下殿せしめ、丹墀内にて舞蹈し、五拝畢り、各上殿祗候すと賛し、西階より引き上殿せしめ、位に就きて立たしむ。契丹舍人・漢人閣使斉しく拝を賛し、応坐の臣僚並びに使副皆拝し、「万歳」と称す。各就坐すと賛し、湯を行い茶を行ふ。供過人殿門を出で、臣僚並びに使副を揖して起たしめ、鞠躬す。契丹舍人・漢人閣使斉しく賛し、皆拝し、「万歳」と称す。各祗候すと賛す。先ず宋使副を引き西階より下殿せしめ、西洞門より出だし、次に臣僚を揖して出だし畢り、閣門に事無しと報ず。皇太后起つ。
宋使の皇帝拝謁儀:宋使が誕辰(誕生日)・正旦(正月元旦)を賀する儀式。当日、臣僚は未明に朝廷に入り、使者は幕次(仮設の幕舎)に至る。「班斉(列が整った)」と奏上し、警蹕(警護の声)が発せられ、皇帝が殿上に昇り着座する。宣徽使が殿前班(殿前の列)を押して起居(挨拶)を終え、班を巻いて退出する。契丹臣僚の班が起居を終え、応坐(着座すべき)臣僚を引いて殿上に上り、就位して立つ。その他の応坐に非ざる臣僚は皆、北面に退き侍立する。次いで漢人臣僚を北洞門より引き入れ、殿に向かって鞠躬(礼)する。舍人が鞠躬し、某官某以下起居を通奏し、皆七拝して終わる。応坐臣僚を引いて殿上に上り、就位して立たせる。首相を南階より殿上に上らせ、宋使及び従人の名刺(榜子)を奏上し、就位して立たせる。臣僚は皆、南面に退き侍立する。教坊(楽団)が入り、起居を終える。南使(宋使)副使を北洞門より引き入れ、丹墀(赤い階段前の広場)内で殿に向かって立たせる。閣使が北階より下殿し、書匣(国書の箱)を受け取る。書匣を捧げる使人は跪き、閣使は笏を帯に挿し(搢笏)、北階でこれを受ける。殿上に上り、欄内で鞠躬し、「封全(封印が完全である)」と奏上し終わり、枢密に授けて開封させる。宰臣が皇帝に対し読み終わり、舍人が使副を北階より殿上に上らせ、欄内に立たせる。誕辰大使を揖して少し前に進め、俯伏跪(ひれ伏し跪き)、起居を附奏する。俯伏して起き上がり、元の位置に戻って立つ。大使が俯伏跪し、奏上し終わり、俯伏して起き上がり、退く。北階より下殿させ、使副を北方に揖し、南面して鞠躬する。舍人が鞠躬し、南朝国信使某官某以下が祗候して起居を拝謁する旨を通奏し、七拝して終わる。班首を揖して列より出させ、天顔拝謁を謝し、舞蹈し、五拝して終わる。列より出させ、遠接・御筵・撫問・湯薬を謝し、舞蹈し、五拝して終わり、各祗候を賛する。引出して幕次に帰らせる。閣使が宣を伝えて対衣・金帯を賜う。従人以下を勾して入見させる。舍人が班首姓名以下を賛し、再拝する。列を出ずに「聖躬万福」と奏上し、再拝を賛し、「万歳」と称え、各祗候を賛する。引出す。舍人が宣を伝えて衣を賜う。使副及び従人が賜衣を着用し終わり、舍人が使副を引き入れ、丹墀内で殿に向かって鞠躬させる。舍人が恩謝を賛し、拝礼、舞蹈、五拝して終わり、殿上祗候を賛する。使副を南階より殿上に上らせ、就位して立たせる。従人を勾して入れ、恩謝を賛し、拝礼、「万歳」と称える。「勅有りて宴を賜う」と賛し、再拝、「万歳」と称える。各祗候を賛する。承受官が北廊下に立たせる。御床(皇帝の食卓)が入り、大臣が酒を進め、皇帝が酒を飲む。契丹舍人・漢人閣使が斉しく拝礼を賛し、応坐及び侍立の臣僚皆拝礼し、「万歳」と称える。各祗候を賛する。飲み終わり、拝礼を賛し、応坐臣僚皆拝礼し、「万歳」と称える。各就坐して酒を行わしめ、親王・使相・使副が共に楽曲を奏する。もし飲み干すよう宣令あれば、皆起立して飲み終わる。盞を置き、就位して謝する。拝礼を賛し、皆これに随って拝礼し、「万歳」と称える。各就坐を賛する。次いで方茵(方形の敷物)の地に坐する臣僚等の官酒を行わしめる。もし飲み干すよう宣令あれば、初めの如く謝を賛する。殿上の酒一行が終わり、廊下の従人の拝礼を賛し、「万歳」と称え、各就坐を賛する。もし飲み干すよう伝宣あれば、皆拝礼し、「万歳」と称える。各就坐を賛する。殿上の酒三行、茶を行い、肴を行い、肴を行う。酒五行、曲の終わるのを待ち、廊下の従人を揖して起たせ、拝礼を賛し、「万歳」と称える。各祗候を賛し、引出す。曲破(曲の終わり)、臣僚及び使副皆起立し、鞠躬する。拝礼を賛し、応坐臣僚及び使副皆拝礼し、「万歳」と称える。各祗候を賛する。使副を南階より下殿させ、丹墀内で舞蹈し、五拝して終わり、各祗候を賛する。引出す。次いで衆臣僚を下殿退出させ終わり、閣門に事無しと報ずる。皇帝起立し、声蹕(警護の声)が発せられる。
曲宴(私的な宴)宋使儀:未明、臣僚が朝廷に入り、宋使が幕次に至る。皇帝が殿上に昇る。殿前・教坊・契丹文武班は、皆初見の儀と同様。宋使副は翰林学士班に連なり、東洞門より入り、西に向かって鞠躬する。舍人が鞠躬し、文武百僚臣某以下起居を通奏し、七拝する。宣召を受けて宴に赴くことを謝し、致詞し終わり、舞蹈、五拝して終わり、各殿上祗候を賛する。舍人が大臣・使相・臣僚・使副及び方茵朵殿(方形敷物の側殿)の応坐臣僚を西階より殿上に引き上げ、就位して立たせる。その他応坐に非ざる臣僚は皆、西洞門より退出する。従人を勾して入れ、起居し、賜宴を謝し、両廊に立たせる。初見の儀と同様。二人が盞を監し、教坊が再拝し、各殿上祗候を賛する。御床が入り、大臣が酒を進める。舍人・閣使が拝礼・行酒を賛し、皆初見の儀と同様。次いで方茵朵殿の臣僚に酒を行わしめ、飲み干すよう伝宣すれば、常儀の如し。殿上の酒一行が終わり、両廊の従人の行酒は初めの如し。殿上の餅茶が終わり、教坊が致語(挨拶の言葉)し、臣僚・使副及び廊下の従人を揖して皆起立させ、口號(合いの手の言葉)が絶えるのを待ち、臣僚等を揖して皆鞠躬させる。拝礼を賛し、殿上の応坐及び侍立の臣僚皆拝礼し、「万歳」と称える。各就坐を賛する。次いで廊下の従人の拝礼を賛するも、またこれに同じ。宴を休み、臣僚を揖して起立させ、御床が出、皇帝が起立し、閣(奥の間)に入る。臣僚を東西階より下殿させ、幕次に還らせ、内(宮中)より花を賜う。承受官が従人を引き出し、花を賜うも、またこれに同じ。簪花(花を挿す)し終わり、従人を再び両廊の位置に立たせる。次いで臣僚・使副を両洞門より引き入れ、再び殿上の位置に立たせる。皇帝が閣より出て再び着座する。御床が入り、応坐臣僚・使副及び侍立臣僚を揖して鞠躬させる。拝礼を賛し、「万歳」と称え、各就坐を賛する。両廊の従人を賛するもまたこれに同じ。単茶(茶)を行い、酒を行い、膳を行い、果物を行う。殿上の酒九行、使相が楽曲を奏する。声絶え、両廊の従人を揖して起たせ、拝礼を賛し、「万歳」と称え、「各好去(皆よき旅路を)」と賛し、承受が引出す。曲破、殿上の臣僚・使副皆起立し、拝礼を賛し、「万歳」と称える。各祗候を賛する。臣僚使副を東西階より下殿させる。契丹班が宴を謝して退出し、漢人及び使副班が宴を謝し、舞蹈、五拝して終わり、「各好去」と賛する。引出し終わり、閣門に事無しと報ずる。皇帝起立する。
賀生辰正旦宋使の太后への朝辞(別れの挨拶)儀:臣僚・使副の班が整う。曲宴儀と同様。皇太后が殿上に昇り着座する。殿前の契丹文武が起居し殿上に上り終わる。宰臣が宋使副・従人の朝辞の名刺(榜子)を奏上し終わり、就位して立つ。舍人が使副を北洞門より引き入れ、南に向かって鞠躬させる。舍人が鞠躬する。南朝国信使某官某以下が祗候して辞する旨を通奏する。再拝する。列を出ずに「聖躬万福」と奏上し、再拝する。列を出て、恋闕(朝廷を慕う)の意を致詞し終わり、また再拝する。各殿上祗候を賛する。舍人が南階より殿上に引き上げ、就位して立たせる。従人を引き入れ、姓名を賛し、再拝する。「聖躬万福」と奏上し、再拝、「万歳」と称える。「各好去」と賛し、引出す。殿上で応坐臣僚及び使副を揖して就位し鞠躬させる。拝礼を賛し、「万歳」と称える。各就坐を賛する。湯を行い、茶を行い終わる。臣僚及び南使(宋使)を揖して起立させ、応坐臣僚と共に鞠躬させる。拝礼を賛し、「万歳」と称える。各祗候を賛し、立たせる。使副六人を欄内に引き入れ拝跪させ、書匣を受け取り終わり、直ちに起立し、揖して少し前に進め、鞠躬し、伝答の言葉を受け終わり、退く。北階より下殿し、丹墀内で殿に向かって鞠躬する。舍人が「各好去」と賛し、引出す。臣僚退出する。
賀賀生辰・正旦の宋使が朝辞する皇帝の儀:臣僚は朝に入ることは常儀の如く、宋使は幕次に至る。外において従人に衣物を賜う。皇帝殿に升り、宣徽使・契丹文武班は起居して上殿することは、曲宴の儀の如し。中書令が宋使副並びに従人の朝辞の榜子を奏し畢り、臣僚は皆南面に侍立す。教坊が起居し畢り、舍人が使副六人を引いて北洞門より入り、丹墀の北方にて、面を南に向けて鞠躬す。舍人鞠躬す。通じて南朝国信使某官某以下祗候して辞すと、再拝し、起居し、恋闕すことは、皇太后に辞する儀の如し。各祗候すと賛し、平身して立つ。使副を揖して鞠躬す。宣徽使が「勅有り」と賛し、使副再拝し、鞠躬して平身して立つ。宣徽使が「各卿に対衣・金帯・匹段・弓箭・鞍馬等を賜う、宜しく知悉すべしと思料す」と賛し、使副平身して立つ。大使三人を揖して少しく前に進め、俯伏して跪き、笏を搢ぎ、閣門使が別録の賜物を授く。過ぎ畢り、俯して起ち、位に復して立つ。副使三人を揖して賜物を受けることも亦之の如し。謝恩を賛し、舞蹈し、五拝す。上殿して祗候すと賛し、舍人が使副を引いて南階より上殿し、位に就いて立つ。従人を引き、謝恩を賛し、再拝す。起居し、再拝す。賜宴を賛し、再拝す。皆「万歳」と称す。各祗候すと賛し、承受が両廊に引いて立たしむ。御床入り、皇帝酒を飲む。舍人・合使が臣僚・使副の拝を賛し、「万歳」と称することは、皆曲宴の如し。座すべき臣僚は拝し、「万歳」と称す。座に就き、酒を行い、楽曲を奏し、方茵・両廊も皆之の如し。肴を行い、茶を行い、膳を行うことも亦之の如し。饅頭を行い畢り、従人起つことは、登位使の儀の如し。曲破に至り、臣僚・使副皆起立し、拝し、「万歳」と称することは、太后に辞する儀の如し。使副下殿し、舞蹈し、五拝す。各上殿して祗候すと賛し、北階より上殿に引き、欄内に立たしむ。生辰・正旦の大使二人を揖して少しく前に進め、斉しく跪き、書を受け畢り、起立す。揖して磬折して起居を受け畢り、退く。北階より下殿に引き、丹墀内に並びて鞠躬す。舍人が「各好去せよ」と賛し、南洞門より引き出す。次に殿上の臣僚を南北洞門より引き出し畢り、閣門に事無しと報ず。
高麗使入見の儀:臣僚は常服にて、起居し、上殿すべき臣僚は殿上に序立す。閣門が榜子を奏し、高麗使副を引いて面殿に立たしむ。上露臺に引き上げて拝跪し、附奏して起居し訖り、拝し、起立す。閣門が「王詢安否や」と伝宣し、使副皆跪き、大使が「臣等来たりし時、詢安し」と奏す。下殿に引き、面殿に立たしむ。進奉物入り、殿前に列置す。控鶴官が起居し畢り、引進使が鞠躬し、高麗国王詢の進奉を通ず。宣徽使が殿上にて進奉の庫に赴くことを賛し、馬出で、擔床出で畢り、使副を引き退かせ、面西に鞠躬せしむ。舍人が鞠躬し、高麗国謝恩進奉使某官某以下祗候して見ゆと通じ、舞蹈し、五拝す。班を出でず、「聖躬万福」と奏し、再拝す。班を出で、面天顔を謝し、五拝す。班を出で、遠接・湯薬を謝し、五拝す。各祗候すと賛す。使副の私献入り、殿前に列置す。控鶴官が起居し、引進使が鞠躬し、高麗国謝恩進奉某官某以下の進奉を通ず。宣徽使が殿上にて初めの如く賛す。使副を西階より上殿に引き、序立せしむ。皇帝は御床に入らず、臣僚酒に伴う。契丹舍人が通じ、漢人閣使が賛し、再拝し、「万歳」と称し、各座に就く。酒三行、肴膳二味。若し令を宣して飲み尽くさしむれば、位に就いて拝し、「万歳」と称し、各座に就くことを賛す。肴膳は賛せず、起ち、再拝し、「万歳」と称す。下殿に引き、舞蹈し、五拝す。各祗候すと賛す。引出し、幕次内に於いて別に使臣を差して宴に伴わしむ。起ち、宣賜して衣物し訖り、遙かに謝し、五拝し畢り、館に帰る。
高麗使を曲宴する儀:臣僚朝に入り、班斉う。皇帝殿に升る。宣徽・教坊・控鶴・文武班の起居は、皆常儀の如し。宣宴を謝することは、宋使の儀の如し。各上殿して祗候すと賛す。契丹臣僚が宣宴を謝す。高麗使を勾して入らしめ、面南に鞠躬せしむ。舍人が鞠躬し、高麗国謝恩進奉使某官某以下が起居し、宣宴を謝すと通じ、合わせて十二拝す。各上殿して祗候すと賛し、臣僚・使副位に就いて立つ。大臣酒を進め、契丹舍人が通じ、漢人閣使が賛し、上殿の臣僚皆拝す。各祗候すと賛し、酒を進む。大臣位に復して立ち、座すべき臣僚の拝を賛し、各座に就きて酒を行わしむと賛す。若し令を宣して飲み尽くさしむれば、再拝を賛し、各座に就くことを賛す。教坊が致語し、臣僚皆起立す。口號絶え、再拝を賛し、各座に就くことを賛す。凡そ拝するには、皆「万歳」と称す。曲破に至り、臣僚起ち、下殿す。契丹臣僚が宴を謝し、中書令以下宴を謝し畢り、使副を引いて謝せしめ、七拝す。「各好去せよ」と賛し、控鶴官門外に祗候し、閣門に事無しと報ず。供奉官が班を巻いて出づ。来日聖体を問う。
高麗使朝辞の儀:臣僚の起居・上殿は常儀の如し。閣門が高麗使朝辞の榜子を奏し、起居・恋闕することは、宋使の儀の如し。各上殿して祗候すと賛す。西階より上殿に引きて立たしむ。契丹舍人が拝を賛し、「万歳」と称す。各座に就くことを賛し、中書令以下酒に伴うこと三行、肴膳二味は、皆初見の儀の如し。既に謝し畢り、「勅宴有り」と賛し、五拝す。「各好去せよ」と賛し、引出し、幕次内に於いて別に使臣を差して宴に伴わしむ。畢り、衣物を賜い、跪いて受け、遙かに謝して五拝す。館に帰る。
西夏国進奉使朝見の儀:臣僚の常朝畢り、使者を左より引き入れ、丹墀に至り、面殿に立たしむ。使者を上露臺に引き上げて立たしむ。揖して少しく前に進め、拝跪し、附奏して起居し訖り、俯して興き、位に復す。閣使が「某安否や」と宣問し、鞠躬して旨を聴き、跪きて「某安し」と奏す。俯伏して興き退き、位に復す。左下に引き、丹墀に至り、面殿に立たしむ。礼物は右より入り左より出づ。畢り、閣使が鞠躬し、某国進奉使姓名が候見すと通じ、合わせて十七拝す。祗候すと賛し、平身して立つ。私献有れば、過ぎ畢り、使者を揖して鞠躬せしめ、「進奉収め訖りぬ」と賛す。祗候すと賛し、左上より殿に引き、位に就いて立たしむ。臣僚・使者斉しく声を喏す。酒三行、使者を左下に引き、丹墀に至りて宴を謝し、五拝す。畢り、「勅宴有り」と賛し、五拝す。祗候し、右より引き出す。礼畢る。外に於いて宴を賜い、客省が宴に伴い、仍て衣物を賜う。
西夏使朝辞の儀:常朝畢り、使者を左より引き入れ、某国某使が祗候して辞すと通じ、再拝す。班を出でず、起居し、再拝す。班を出で、恋闕・致詞し、復た再拝す。衣物を賜い、謝恩は常儀の如し。若し宴を賜わば、五拝す。畢り、「好去せよ」と賛し、右より引き出す。