◎禮志二
○凶儀
喪葬儀:聖宗が崩御し、興宗は菆塗殿において哭臨した。大行の夜、四鼓が終わると、皇帝は群臣を率いて入り、柩の前で三たび奠を致し、柩を奉じて殿の西北門を出て、輼輬車に就かせ、素裀を敷いた。巫者が祓除する。翌朝、発引し、祭に至るまで、凡そ五たび奠を致す。太巫が祈禳する。皇族・外戚・大臣・諸京の官が順次に祭を致す。乃ち衣・弓矢・鞍勒・図画・馬駝・儀衛等の物を皆燔いた。山陵に至り、葬が終わると、哀冊を上る。皇帝は幄に御し、改火を命じ、火に向かって奠を致し、三拝する。又東に向かい、天地に再拝し終わり、馬に乗り、送葬者を率いて神門の木を過ぎてから下り、東に向かって又再拝する。翌日の朝、群臣・命婦を率いて山陵に詣で、初奠の礼を行う。御容殿に昇り、遺賜を受ける。又翌日、初めの如く再奠する。興宗が崩御し、道宗は自ら地を選んで以て葬った。道宗が崩御し、遊仙殿に菆塗し、有司が喪服を奉る。天祚皇帝は総知翰林院事耶律固に礼を問い、始めて斬衰を服した。皇族・外戚・使相・矮墩官及び郎君は之に如く服した。余りの官及び承応人は皆白掞衣巾を以て入り、哭臨した。惕隠・三父房、南府宰相・遙輦常袞・九奚首郎君・夷離畢・国舅詳穏・十閘撒郎君・南院大王・郎君、各順次に奠を薦め、鞍馬・衣襲・犀玉帯等の物を進め、表に其の数を列ねる。読み終わり、表を焚く。諸国の賻した器服、親王・諸京留守の奠祭・賻物を進めるも亦之の如し。先帝の小斂の前日、皇帝は喪服を着て香を上り、酒を奠し、哭臨する。其の夜、北院枢密使・契丹行宮都部署が入り、小斂する。翌日、北院枢密副使・林牙を遣わし、賵した器服を以て、幽宮に置く。霊柩が車に昇ると、親王が之を推し、食羖の次に至る。蓋し遼国の旧俗、此に於いて羖羊を刑して以て祭る。皇族・外戚・諸京州の官が順次に祭を致す。葬所に至り、霊柩が車より降りる。挙に就き、皇帝は喪服を免じ、歩いて引いて長福岡に至る。是の夕、皇帝は陵寝に入り、遺物を皇族・外戚及び諸大臣に授け、乃ち出る。先帝の寝幄を以て、陵前の神門の木を過ぎることを命ず。帝は親しく往かず、近侍に冠服を赴かせしむ。初奠、皇帝・皇后は皇族・外戚・使相・節度使・夫人以上の命婦を率いて皆拝祭し、陵を循ること三匝して降りる。再奠、初めの如し。陵に辞して還る。
上謚冊儀:先一日、菆塗殿の西廊に御幄並びに臣僚の幕次を設く。太楽令は殿庭に宮懸を展べ、協律郎は挙麾の位を設く。至日の、北南面の臣僚は朝服を着し、昧爽に菆塗殿に赴く。先ず冊・宝案を西廊下に置く。閣使は皇帝を御幄に引く、寛衣皂帯を服す。臣僚の班斉う、分班して引入れ、殿に響いて合班立定す。冊案を引いて殿に上り褥位に至らしめ、宝案之に次ぎ、西階に設く。閣使は皇帝を西階より殿に昇らしむ。初め行く時、楽作る。位に立ち、楽止む。宣徽使は皇帝を揖して鞠躬再拝し、陪位者皆再拝す。翰林使は台盞を執りて進み、皇帝再拝す。皇帝を神座の前に引き至らしめ、跪きて三たび奠し、楽作る。奠を進め終わり、位に復し、楽止む。又再拝し、陪位者皆再拝す。帝を神座の前に引き至らしむ。北面に立つ。冊函を捧ぐる者は蓋を去り、進み前へ跪く。冊案は退き、殿の西壁下に置く。冊を読む者を引き進み前へ、俯伏跪き、自ら全銜を通して臣某謚冊を読むと称す。読み終わり、俯伏興り、位に復す。冊函を捧ぐる者は案上に置き、宝函を捧ぐる者は進み前へ跪く。宝を読む官は銜を通し跪きて読み終わり、皇帝を褥位に引き至らしめて再拝し、陪位者皆再拝す。礼畢し、皇帝を御幄に引き帰らしむ。初め行く時、楽作る。御幄に至り、楽止む。臣僚を引き分班して出だす。若し皇太后が酒を奠するは、常儀に依る。
宋使祭奠吊慰儀:太皇太后は菆塗殿に至り、喪服を着る。太后は北間の南面に簾を垂れて坐し、皇帝は南間の北面に坐し、使は幕次に至る。素服・皂帯を宣賜し、衣を更え終わり、南北の臣僚を引き入班し、立定す。可矮墩以下、並びに殿に上り位に依り立つ。先ず祭奠使副を引き祭文を捧げて南洞門より入り、殿上下の臣僚並びに哀を挙げ、丹墀に至り立定す。西上閣門使は南階より下り、祭文を受け、殿に上り封を啓き、香案に置く。哭止み、祭奠の礼物を殿前に列ねる。使副を引き南階より殿に上り、褥位に至り立ち、揖し、再拝す。大使を引き近く前へ上香せしめ、退き、再拝す。大使は近く前へ跪き、台盞を捧げ、進みて酒を三たび奠し、教坊は楽を奏し、退き、再拝し、揖す。中書の二舍人は跪きて祭文を捧げ、大使を引き近く前へ俯伏跪かしめ、読み終わり、哀を挙げる。使副を引き下殿し立定せしめ、哭止む。礼物の担床出づる畢り、使副を引き近く南へ、面北に立たしむ。吊慰使副を勾して南洞門より入らしむ。四使同じく大行皇帝の霊を見、再拝す。引き出し、幕次に帰す。皇太后は別殿に坐し、喪服を着る。先ず北南面の臣僚を引き並びに殿上下に於いて位に依り立たしめ、吊慰使副は書匣を捧げて右より入り、当殿に立つ。閤門使は右下殿し書匣を受け、殿に上り「封全」と奏す。開き読み終わり、使副を引き南階より殿に上らしめ、吊慰を伝達し終わり、退き、下殿し立つ。礼物の担床過ぐる畢り、使副を引き近く南へ、北面に立たしむ。祭奠使副を勾して入らしむ。四使同じく見る。鞠躬し、再拝す。班を出でず、「聖躬万福」と奏し、再拝す。班を出で、面天顔を謝し、又再拝し、立定す。宣徽は聖旨を伝えて撫問し、就位して謝し、再拝す。引き出し、幕次に帰す。皇帝は南殿に御し、喪服を着る。使副は入見し、皇太后を見るの儀の如く、遠接撫問・湯薬を謝するを加え、再拝す。次に使副並びに従人に宣賜し、祭奠使副には別に祭文を読む例物を賜う。即日館に就きて宴を賜う。高麗・夏国の奉吊・進賻等の使の礼、略之の如し。道宗が崩御し、天祚皇帝は耶律固に礼を問う。宋国は使を遣わして吊し及び祭を致し、賵を帰す。皇帝は喪服を着し、遊仙の北の別殿に御す。使は門に入り、皇帝は哭す。使者は柩の前に詣り香を上り、祭文を読み終わり、又哭す。有司は遺詔を読み、慟哭す。使者出づ、少頃、復た入り、賻賵を柩の前に陳べ、皇帝は入臨哭す。退き、衣を更え遊仙殿の南の幄殿に御す。使者は入見し且つ辞し、勅して有司に館に於いて宴を賜わしむ。
宋使告哀儀:皇帝は素冠服、臣僚は皂袍・皂鞓帯を着用す。宋使は書を奉じて右より入り、丹墀内に立つ。西上閣門使は右階より下殿し、書匣を受け取り、上殿して欄内にて鞠躬し、「封全」と奏す。開封し、殿西の案にて宰相に授け読み終わり、皇帝哀悼の意を示す。舍人は使者を導き右階より上り、欄内にて俯跪し、起居を附奏し終わり、俯興して立つ。皇帝「南朝皇帝聖躬萬福」と宣問し、使者は跪奏して「来時皇帝聖躬萬福」と奏し、起きて退く。舍人は使者を導き右階より下殿し、丹墀の西にて、東に向き鞠躬す。通事舍人は使者の名某祗候見を通じ、再拝す。班を出ず、「聖躬萬福」と奏し、再拝す。班を出て、天顔拝謁を謝し、再拝す。また班を出て、遠接・撫問・湯薬を謝し、再拝す。祗候を賛し、引出し、幕次に就き、衣物を宣賜す。従人を引き入れ、名を通じ拝し、「聖躬萬福」と奏し、出て幕に就き、衣を賜うこと、使者の儀の如し。また使者を引き入れ、殿に向き鞠躬し、恩謝を賛す。再び「敕を賜い宴す」と賛し、再拝す。祗候を賛し、出て幕次に就き宴す。従人を引き入れ恩を謝し、敕賜宴を拝すること、皆初めの如し。宴畢わり、館に帰る。
高麗・夏國告終儀:期前に、先宮の左右に禦帳を下し、使客の幕次を東南に設く。至日、北面臣僚は各常服、その余の臣僚は並びに朝服を着し、入朝す。使者幕次に至り、有司は嗣子の表状を以て先ず枢密院に呈し、奏呈を準備す。先ず北面臣僚並びに矮墩已上を引き、禦帳に近づけ、相対して立ち、その余の臣僚は班位に依り序立す。告終人使を引き右より入り、丹墀に至り、殿に向き立つ。右上に引き、立ち、揖して少しく前進し、拝し、跪奏し終わり、宣問す。若し嗣子既に立つは、恭しく聖旨を受け、奏し終わり、位に復す。嗣子未だ立たざるは、宣問せず、右下丹墀に引き、北に向き鞠躬す。通班畢わり、殿に向き再拝す。班を出ず、「聖躬萬福」と奏し、再拝す。班を出て、天顔拝謁を謝し、位に復し、再拝す。班を出て、遠接を謝し、位に復し、再拝す。祗候を賛し、退き幕次に就く。再び入り、前に依り北に向き鞠躬し、辞を通じ、再拝す。闕を恋慕するを叙し、再拝す。「好去」と賛す。礼畢る。
宋使進遺留禮物儀:百官昧爽に朝服し、殿前班立す。宋遺留使・告登位使副は内門に入り、館伴副使は謝登位使を引き幕次に就き坐らしむ。館伴大使は遺留使副とともに書を奉じ入り、西上閣門外の氈位に至り立つ。閣使は書匣を受け、殿西階下の案に置く。引進使は遺留物を引き西上閣門より入り、即ち廊下の横門より出づ。皇帝殿に升り坐す。宣徽使は殿前班の起居を押し畢わり、宰臣を引き文武班の起居を押し、中書令を引き西階より上殿し、宋使見の榜子を奏す。契丹臣僚起居し、控鶴官起居す。遺留使副は西上閣門より入り、殿に向き立つ。舍人は使副を引き西階より上殿し、起居を附奏し終わり、西階より下殿に引き、丹墀の東にて、西面に鞠躬し、名を通じ「聖躬萬福」と奏すること、告哀使の儀の如し。天顔拝謁を謝し、遠接・撫問・湯薬を謝す。遺留使の従人を引き見ることもまた之の如し。次に告登位使副を引き書匣を奉じ、東上閣門より入り、殿に向き立つ。閣使は東階より下殿し、書匣を受く。中書令読み終わり、舍人は使副を引き東階より上殿し、起居を附奏す。下殿に引き、南面に立つ。告登位禮物入り、即ち廊下の横門より出づ。退き、西面に鞠躬し、起居を附奏し、天顔拝謁・遠接等を謝すること、皆遺留使の儀の如し。遺留・登位の両使副並びに従人に衣物を宣賜すること、告哀使の如し。座すべき臣僚は皆上殿し位に就き立ち、両使副等を分けて引き両廊に立たしむ。皇帝使副に「沖涉不易」と問い、丹墀内五拝す。各引き上殿し祗候位に立たしむ。大臣進灑し、皇帝酒を飲む。契丹は通じ、漢人は賛し、殿上の臣僚は皆拝し、「萬歳」と称す。各坐に就くを賛し、酒肴・茶膳・饅頭を行い畢わり、従人は水飯を出し畢わり、臣僚は皆起つ。契丹は通じ、漢人は賛し、皆再拝し、「萬歳」と称す。各祗候す。独り宋使副を引き下殿し謝せしめ、五拝す。引出す。控鶴官は門外に祗候し、閣門に報じて無事、供奉官は班を巻き出づ。