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遼史
本紀第十三: 聖宗四
聖宗 四
八年春正月辛巳、臺湖に行幸す。庚寅、滞獄を決するを詔す。庚子、沈子濼に行幸す。二月丁未朔、于闐・回鶻各使を遣わして来貢す。壬申、女直使を遣わして来貢す。三月丁丑、李継遷使を遣わして来貢す。庚辰、太白・熒惑鬥い、凡そ十有五度。乙酉、杏堝に城し、宋の俘虜を以て之を実す。辛丑、宜州を置く。夏四月丙午朔、厳州刺史李壽英恵政有り、民留まるを請う、之に従う。庚戌、女直使を遣わして来貢す。庚午、歳旱を以て、諸部食に艱し、之を振恤す。五月戊子、宋の降卒を以て諸軍に分隷す。庚寅、女直宰相阿海来貢し、順化王に封ず。丙申、胡土白山に清暑す。民田を括するを詔す。六月丙午、北面林牙磨魯古を以て北院大王と為す。阿薩蘭回鶻の于越・達剌幹各使を遣わして来貢す。甲寅、月天駟の第一星を掩す。丙辰、女直使を遣わして来貢す。秋七月庚辰、南京熊軍を改めて神軍と為す。東京路諸宮分提轄司に詔し、定霸・保和・宣化の三県を分置し、白川州に洪理を置き、儀坤州に廣義を置き、遼西州に長慶を置き、乾州に安德各一県を置く。遂・媯・松・饒・寧・海・瑞・玉・鐵裏・奉德等十州、及び玉田・遼豊・松山・弘遠・懷清・雲龍・平澤・平山等八県を省き、其の民を以て他郡に分隷す。八月乙卯、黒白羊を以て天地を祭る。九月乙亥、北女直四部内附を請う。壬辰、李継遷宋の俘虜を献ず。冬十月丙午、宋軍を大いに敗るを以て、復た使を遣わして来告す。己酉、阻卜等使を遣わして来貢す。是の月、大王川に駐蹕す。十一月庚寅、吐谷渾民饑を以て、之を振恤す。丁酉、太白昼に見ゆ。十二月癸卯、李継遷宋の麟・鄜等州を下し、使を遣わして来告す。女直使を遣わして来貢す。庚戌、使を遣わし李継遷を夏國王に封ず。癸丑、回鶻来貢す。是歳、鄭雲從等二人を放ち及第せしむ。
九年春正月甲戌、女直使を遣わして来貢す。丙子、私度僧尼を禁ずるを詔す。庚辰、臺湖に行幸す。乙酉、枢密使・監修國史室昉等『実録』を進む、物を賜うこと差有り。戊子、宋の降卒五百を選び宣力軍と為して置く。辛卯、三京諸道の租賦を免じ、仍て田を括するを罷むるを詔す。二月丙午、夏國使を遣わし宋を伐つ捷を告ぐ。丁未、涿州刺史耶律王六を以て惕隠と為す。甲子、威寇・振化・来遠の三城を建て、戍卒を屯す。閏月辛未朔、日食有り。壬申、翰林承旨邢抱樸・三司使李嗣・給事中劉京・政事舎人張幹・南京副留守呉浩を遣わし諸道の滞獄を分決せしむ。三月庚子朔、室韋・烏古諸部を振恤す。戊申、復た庫部員外郎馬守琪・倉部員外郎祁正・虞部員外郎崔祐・薊北県令崔簡等を遣わし諸道の滞獄を分決せしむ。甲子、南京に幸す。夏四月甲戌、回鶻来貢す。乙亥、夏國王李継遷杜白を遣わし封冊を謝す。丙戌、炭山に清暑す。五月己未、秦王韓匡嗣の私城を以て全州と為す。六月丁亥、突厥来貢す。是の月、南京霖雨稼を傷つく。秋七月癸卯、戸口を通括す。乙巳、諸道に詔し才行を挙げ、貪酷を察し、高年を撫し、奢僭を禁じ、王事に歿する者有らば其の子孫に官す。己未、夏國綏・銀二州を復するを以て、使を遣わして来告す。八月癸酉、銅州嘉禾生じ、東京甘露降る。戊寅、女直喚鹿人を進む。壬午、東京三足烏を進む。九月庚子、鼻骨徳来貢す。己酉、廟城に駐蹕す。南京地震す。冬十月丁卯、阿薩蘭回鶻来貢す。壬申、夏國王李継遷使を遣わし宋の授くる所の勅命を上る。丁丑、定難軍節度使李継捧来附し、推忠効順啓聖定難功臣・開府儀同三司・検校太師兼侍中を授け、西平王に封ず。十一月己亥、青牛白馬を以て天地を祭る。十二月、夏國王李継遷潜かに宋に附す、招討使韓徳威を遣わし詔を以て之を諭す。是歳、進士石用中一人を放ち及第せしむ。
十年春正月丁酉、喪葬の礼に馬を殺し、及び甲胄・金銀・器玩を蔵するを禁ず。丙午、臺湖に行幸す。二月乙丑朔、日食有り。韓徳威李継遷故有りと称して出でず、霊州に至り俘掠して以て還るを奏す。壬申、兀惹来貢す。壬午、雲州の租賦を免ず。庚寅、夏國韓徳威の俘掠を以て、使を遣わして来奏す、詔を賜い安慰す。辛卯、雲州の流民に復を給す。三月甲辰、鐵驪来貢す。丙辰、炭山に行幸す。夏四月乙丑、臺湖を以て望幸裏と為す。庚寅、群臣に命じ射を較べしむ。五月癸巳、朔州の流民に復を給すること三年。七月辛酉、鐵驪来貢す。八月癸亥、稼を観、仍て使を遣わし分ちて苗稼を閲す。九月癸卯、五臺山金河寺に幸し僧に飯す。冬十月壬申、夏國王使を遣わして来貢す。戊寅、鐵驪来貢す。十一月壬辰、回鶻来貢す。十二月庚辰、儒州東川に猟す。天を拝す。是の月、東京留守蕭恒徳等を以て高麗を伐たしむ。
十一年春正月壬寅、回鶻来貢す。丙午、内帑の銭を出し南京統軍司の軍に賜う。高麗王治朴良柔を遣わし表を奉り罪を請う、女直鴨淥江東数百里の地を取って之に賜うを詔す。二月癸亥、霸州の民の妻王氏妖を以て衆を惑わし、誅に伏す。夏四月、炭山に幸し清暑す。六月、大雨。秋七月己丑、桑乾・羊河溢れ居庸関の西に至り、禾稼を害すること殆んど尽く、奉聖・南京の居民廬舎多く墊溺する者有り。八月、秋山に行幸す。冬十月甲申朔、蒲瑰阪に駐蹕す。是歳、進士王熙載等二人を放ち及第せしむ。
十二年春正月癸丑の朔、漷陰鎮に水あり、三十余村を漂溺せしむ。詔して旧渠を疏せしむ。甲寅、同政事門下平章事耶律碩老を以て惕隱と為す。詔して行在五十里内の租を復す。乙卯、延芳澱に幸す。戊午、宜州の賦調を蠲す。庚申、郎君耶律鼻舍等謀叛し、誅に伏す。壬戌、南院大王耶律景を以て上京留守と為し、漆水郡王に封ず。霸州の民李在宥年百三十三あり、束帛・錦袍・銀帯を賜い、月ごとに羊酒を給し、仍て其の家を復す。二月甲申、南京の水に被れる戸の租賦を免ず。己丑、高麗来貢す。甲午、諸部の歳輸羊及び関征を免ず。庚子、回鶻来貢す。三月丁巳、高麗使いを遣わし俘虜の人畜を請う。詔して贖い還す。戊午、南京に幸す。丙寅、使いを遣わし高麗を撫諭す。己巳、涿州に木連理す。壬申、長春宮に如き牡丹を観る。是の月、南京軍都監を復置す。夏四月辛卯、南京に幸す。壬辰、枢密直学士劉恕を南院枢密副使と為す。戊戌、景宗の石像成るを以て、延寿寺に幸し僧に飯す。五月甲寅、詔して北皮室軍の老いて事に任ぜざる者は役を免ず。戊午、炭山に如き清暑す。庚辰、武定軍節度使韓德沖秩満す。其の民留まるを請う。之に従う。六月辛巳の朔、詔して州県の長吏才能有りて過無き者は、一資考を減じて之を任ず。癸未、可汗州刺史賈俊新歴を進む。庚子、囚を録す。甲辰、詔して龍・鳳両軍の老疾なる者は之を代えしむ。是の月、太白・歳星相犯す。秋七月辛亥の朔、日食あり。甲寅、使いを遣わし諸道の禾稼を視しむ。辛酉、南院枢密使室昉を中京留守と為し、尚父を加う。丙寅、女直使いを遣わし来貢す。戊辰、獲を観る。庚午、詔して契丹人十悪を犯す者は漢律に依う。己卯、翰林承旨邢抱樸を以て参知政事と為す。八月庚辰の朔、詔して皇太妃に西北路烏古等部の兵及び永興宮分軍を領せしめ、西辺を撫定せしむ。蕭撻凜を以て其の軍事を督せしむ。乙酉、宋使いを遣わし和を求む。許さず。戊子、国舅帳克蕭徒骨を以て夷離畢と為す。乙未、詔を下し中外の官吏を戒諭す。丁酉、囚を録し、雑犯死罪以下を釈す。九月壬子、室韋・党項・吐谷渾等来貢す。辛酉、宋復た使いを遣わし和を求む。許さず。壬戌、拜奥の礼を行ふ。癸酉、阻卜等来貢す。冬十月乙酉、可汗州の西山に猟す。乙巳、詔して均税法を定む。丁未、大理寺に少卿及び正を置く。十一月戊申の朔、再生の礼を行ふ。鉄驪来貢す。詔して諸部の俘虜にせし宋人に官吏儒生器能を抱く者、諸道の軍に勇健なる者有らば、具に名を以て聞かしむ。庚戌、詔して郡邑に明経・茂材異等を貢せしむ。甲寅、詔して南京に滞獄を決せしむ。己未、宋の俘虜衛徳升等六人に官す。十二月戊寅の朔、日食あり。詔して奚王府の奥理・墮隗・梅只の三部を併せて一と為し、其の二克各々部に分ち、以て六部の数を足す。甲申、南京統軍司の貧戸に耕牛を賜う。戊子、高麗妓楽を進む。之を却く。庚寅、遊食の民を禁ず。癸巳、女直宋人の海を浮かびて本国及び兀惹に賂し叛くを以て来告す。丁未、南京に幸す。是年、進士呂徳懋等二人を放ち及第せしむ。
十三年春正月壬子、延芳澱に幸す。甲寅、広霊県を置く。丁巳、泰州・遂城等県の賦を増す。庚申、詔して諸道に農を勧めしむ。癸亥、長寧軍節度使蕭解裏秩満す。民留まるを請う。之に従う。庚午、長春宮に如く。三月丁丑の朔、女直使いを遣わし来貢す。甲辰、高麗李周楨を遣わし来貢す。三月癸丑、夏国使いを遣わし来貢す。戊辰、武清県百余り宋の境に入り剽掠す。命じて之を誅し、其の獲たる人畜財物を還す。夏四月己卯、参知政事邢抱樸母憂を以て官を去る。起復す。丙戌、詔して諸道の民戸応暦以来脅従して部曲と為りし者は、仍て州県に籍す。甲午、炭山に如き清暑す。五月壬子、高麗鷹を進む。乙亥、北・南・乙室の三府富民の馬を括り以て軍需に備えんことを請う。許さず。官馬を以て給す。六月丙子の朔、啓聖軍節度使劉継琛秩満す。民留まるを請う。之に従う。丁丑、詔して前歳の括田租賦を減ず。甲申、宣徽使阿没裏の私城を以て豊州と為す。丙戌、詔して昌平・懐柔等県の諸人の荒地に業を請うを許す。秋七月乙巳の朔、女直使いを遣わし来貢す。丁巳、兀惹の烏昭度・渤海の燕頗等鉄驪を侵す。奚王和朔奴等を遣わし之を討たしむ。壬戌、詔して蔚・朔等州の龍衛・威勝軍を更戍せしむ。八月丙子、夏国使いを遣わし馬を進む。壬辰、詔して山沢の祠宇・先哲の廟貌を修め、時に之を祀らしむ。九月戊午、南京太学生員浸多きを以て、特ちに水硙荘一区を賜う。丁卯、景宗及び皇太后の石像を延芳澱に奉安す。冬十月乙亥、義倉を置く。辛巳、回鶻来貢す。甲申、高麗李知白を遣わし来貢す。戊子、兀惹款に帰す。詔して之を諭す。庚子、鼻骨徳来貢す。十一月乙巳、阿薩蘭回鶻使いを遣わし来貢す。辛酉、使いを遣わし王治を冊して高麗国王と為す。戊辰、高麗童子十人を遣わし来たり本国語を学ばしむ。十二月己卯、鉄驪使いを遣わし鷹・馬を貢す。辛巳、夏国宋人を敗れるを以て使いを遣わし来告す。是年、進士王用極等二人を放つ。
十四年春正月己酉、潞河にて漁す。丁巳、三京及び諸州の税賦を蠲免す。丙寅、夏国使いを遣わして来貢す。庚午、宣徽使阿沒裏の家奴閻貴を以て豊州刺史と為す。二月庚寅、回鶻使いを遣わして来貢す。三月壬寅、高麗王治表を奉り婚を乞う、東京留守・駙馬蕭恒德の女を嫁がすことを許す。庚戌、高麗復た童子十人を遣わして来たり本国語を学ばしむ。甲寅、韓德威党項を討ち捷を奏す。甲子、朔州の流民を安集せしむるを詔す。夏四月甲戌、東辺諸糺各都監を置く。庚寅、炭山に如きて清暑す。己亥、大安山を鑿ち、劉守光の蔵する所の銭を取る。是の月、奚王和朔奴・東京留守蕭恒德等五人兀惹を討ち克たず、官を削る。諸部の令穩を改めて節度使と為す。五月癸卯、参知政事邢抱樸に詔し南京の滞獄を決せしむ。庚戌、朔州威勝軍一百七人叛きて宋に入る。六月辛未、炭山に如きて清暑す。鉄驪来貢す。乙酉、回鶻来貢す。己丑、高麗使いを遣わして起居を問う。後至するに時無し。秋七月戊午、回鶻等来貢す。閏月丁丑、五院部穴地に得たる所の金馬を進む。冬十月丙辰、劉遂に命じ南京神武軍の士に剣法を教えしめ、袍帯錦幣を賜う。戊午、烏昭度内附を乞う。十一月甲戌、諸軍官に詔し時ならず畋猟して農を妨げざらしむ。乙酉、景宗及び太后の石像を乾州に奉安す。是の月、回鶻阿薩蘭使いを遣わして子の為に婚を求む、許さず。十二月甲寅、南京道新定の税法重きを以て、之を減ず。甲子、撻凜叛酋阿魯敦等六十人を誘いて之を斬り、蘭陵郡王に封ず。南京に幸す。是の年、進士張儉等三人を放つ。
十五年春正月庚午、延芳澱に幸す。丙子、河西党項叛くを以て、韓德威に詔し之を討たしむ。庚辰、諸道に詔し民を勧めて樹を種えしむ。癸未、兀惹の長武周来降す。戊子、女直使いを遣わして来貢す。己丑、南京に詔し滞囚を決せしむ。乙未、流民の税を免ず。二月丙申朔、長春宮に如く。戊戌、品部の富民を勧めて銭を出だし以て貧民を贍わしむ。庚子、梁門・遂城・泰州・北平の民を内に徙す。丙午、夏国使いを遣わして来貢す。甲寅、皇太后に安否を問う。丙辰、韓德威党項を破り捷を奏す。丁巳、品部の曠地を詔し民をして耕種せしむ。三月乙丑朔、党項来貢す。戊辰、民を募りて灤州の荒地を耕さしめ、其の租賦を十年免ず。己巳、夏国宋の兵を破り、使いを遣わして来告す。己卯、夏国王李継遷を西平王に封ず。壬午、宮分人戸を通括し、南京の逋税及び義倉粟を免ず。甲申、河西党項内附を乞う。庚寅、兀惹烏昭度地遠きを以て、歳時に鷹・馬・貂皮を進むるを免ぜんことを乞う、詔して生辰・正旦の貢は旧の如くし、余は免ず。癸巳、宋主炅殂し、子恒位を嗣ぐ。甲午、皇太妃西辺の捷を献ず。夏四月乙未朔、奚五部の歳貢摐を罷む。戊戌、囚を録す。壬寅、義倉粟を発し南京諸県の民を振恤す。丙午、広徳軍節度使韓德凝善政有り、秩満す、其の民留まることを請う、之に従う。己酉、南京に幸す。丁巳、太宗皇帝廟に致奠す。己未、炭山に如きて清暑す。五月甲子朔、日食有り。己巳、平州に詔し滞獄を決せしむ。是の月、敵烈八部詳穩を殺し以て叛き、蕭撻凜追撃し、部族の半を獲る。六月丙申、鉄驪来貢す。壬子、夏国使いを遣わして封冊を謝す。秋七月戊辰、党項来貢す。辛未、吐谷渾別部の宋に馬を鬻ぐを禁ず。丙子、高麗韓彦敬を遣わし幣を奉り越国公主の喪を弔わしむ。辛卯、南京に詔し疾く獄訟を決せしむ。八月丁酉、平地松林に猟す、皇太后誡めて曰く「前聖言有り、欲は縦すべからず。吾が児天下の主と為り、馳騁田猟す、万一銜橛の変有らば、適に予の憂いを遣わさん。其れ深く之を戒めよ」。九月丙寅、東辺の戍卒を罷む。庚午、饒州に幸し、太祖廟に致奠す。戊子、蕭撻凜阻卜を討ち捷を奏す。冬十月壬辰朔、駝山に駐蹕し、奚王諸部の貢物を罷む。乙未、宿衛に時服を賜う。丁酉、諸山寺に禁じ濫りに僧尼を度せしめざらしむ。戊戌、東京道魚濼の禁を弛む。戊申、上京獄訟繁冗なるを以て、其の主者を詰む。辛酉、囚を録す。十一月壬戌朔、囚を録す。丙戌、顕州に幸す。戊子、顕陵に謁す。庚寅、乾陵に謁す。是の月、高麗王治薨じ、侄誦王同潁を遣わして来告す。十二月乙巳、土河にて鉤魚す。己酉、駝山に駐蹕す。壬子、夏国使いを遣わして来貢す。甲寅、使いを遣わし高麗王治を祭り、其の侄に詔し国事を権知せしむ。丙辰、囚を録す。是の年、進士陳鼎等二人を放つ。