明史

志第三十一 礼九

志第三十一 礼九

原文志第三十一 禮九

嘉礼三

原文嘉禮三

天子納后儀・皇太子納妃儀・親王婚礼・公主婚礼・品官婚礼・庶人婚礼・皇帝視学儀・経筵・日講・東宮出閣講学儀・諸王読書儀

原文天子納后儀 皇太子納妃儀 親王婚禮 公主婚禮品官婚禮 庶人婚禮 皇帝視學儀 經筵 日講 東宮出閣講學儀 諸王讀書儀

天子納后儀

原文天子納后儀

婚礼には六礼があるが、天子には親迎の礼のみがない。漢・晋以来、皆使いを遣わし節を持たせて奉迎し、その礼物儀文はそれぞれ時代によって増減した。明が興り、諸帝は皆即位後に冊立の礼を行った。正統七年、英宗の大婚に至り、初めて儀注を定めた。

原文婚禮有六,天子惟無親迎禮。漢、晉以來,皆遣使持節奉迎,其禮物儀文,各以時損益。明興,諸帝皆即位後行冊立禮。正統七年,英宗大婚,始定儀注。

納采・問名については、前もって日を選び、官を遣わして天地宗廟に告げる。当日、御座・制案・節案・鹵簿・彩輿・中和大楽を儀式に従って設ける。礼部は礼物を丹陛上及び文階下に陳列する。夜明け、皇帝は冕服を着て座に昇り、百官は朝服で礼を行い終え、それぞれ就位する。正副使は朝服で四拝し、執事が制案・節案を挙げ、中門より出て、礼物がこれに随い、皆丹陛の中道に置く。伝制官が制を宣して言う、「某官某の女を選び皇后となす。卿等に命じて節を持たせ、納采・問名の礼を行わせる」と。正副使は四拝し、駕は興る。制・節案を挙げて奉天門中門より出る。正副使は節及び制書を取って彩輿の中に置き、儀仗・大楽が前導し、大明門を出る。朝服を脱ぎ、馬に乗って行き、皇后の邸に詣でる。邸の中では、使いの幕次を大門外左に南向きに設け、香案を正堂に設け、制・節案を南に設け、別に案を北に設ける。使者が至ると、引礼が導いて幕次に入り、執事官が礼物を正堂に陳列する。使者が次を出て、制書を案に奉る。礼官が先に入り、東に立つ。主婚は朝服で出て、西に立つ。礼官が言う、「制を奉じて后を建て、使いを遣わして納采・問名の礼を行わせる」と。主婚者を引いて出迎えさせる。使者が制書及び節を捧げ、主婚者がこれに随って堂に至り、制書及び節を案に置く。正副使は案の左右に分かれて立つ。主婚者は四拝し、案前に詣でて跪く。正使が納采の制を取り、宣して言う、「朕は天の序を承け、鴻図を欽紹す。国を経るの道は、家を正すを本とす。夫婦の倫、乾坤の義は、実に宗祀の敬を相い、奉養の誠を協わしむるに資る。重きを資る所なり。謹んで聖母皇太后の命に遵い、使いを遣わし節を持たせ、礼を以て採択す」と。宣し終え、主婚者に授ける。主婚者は執事者に授け、北の案上やや左に置かせる。副使が問名の制を取り、宣して言う、「朕惟うに、夫婦の道は大倫の本なり。内に位を正すは、必ず名家に資る。特に使いを遣わし節を持たせ、礼を以て名を問う。尚ほ来聞を佇つ」と。宣し終え、前に如く授け、案上やや右に置かせる。主婚者は俯伏し、興る。執事が表案を挙げ、表を主婚者に授ける。主婚者は跪いて正使に授け、表に言う、「臣某、嘉命を伏して承る。正使某官某等、重ねて制詔を宣し、臣が名族を問う。臣が女は、臣夫婦の生む所、先臣某官某の曾孫、先臣某官某の孫、先臣某官某の外孫なり。臣が女は今年若干、謹みて具し奏聞す」と。主婚者は俯伏し、興り、退いて四拝する。使者が出て、表を彩輿の中に置く。主婚者が進み出て言う、「礼従者を請う」と。酒饌が終わり、主婚者は幣を捧げて使者を労う。使者が出て、主婚者は大門外まで送る。使者は彩輿に随って大明門左門に入り、奉天門外に至り、表・節を司礼監に授け、命に覆う。

原文凡納采問名,前期擇日,遣官告天地宗廟。至期,設御座、制案、節案、鹵簿、彩輿、中和大樂如儀。禮部陳禮物于丹陛上及文樓下。質明,皇帝冕服升座,百官朝服行禮訖,各就位。正副使朝服四拜,執事舉制案、節案,由中門出,禮物隨之,俱置丹陛中道。傳制官宣制曰:「茲選某官某女爲皇后,命卿等持節行納采問名禮。」正副使四拜,駕興。舉制、節案由奉天門中門出。正副使取節及制書置彩輿中,儀仗大樂前導,出大明門。釋朝服,乘馬行,詣皇后第。第中設使者幕次於大門外左,南向,設香案於正堂,設制、節案於南,別設案於北。使者至,引禮導入幕次,執事官陳禮物於正堂。使者出次,奉制書於案。禮官先入,立於東;主婚朝服出,立於西。禮官曰:「奉制建后,遣使行納采問名禮。」引主婚者出迎。使者捧制書及節,主婚者隨至堂,置制書及節於案。正副使分立案左右。主婚者四拜,詣案前跪。正使取納采制,宣曰:「朕承天序,欽紹鴻圖。經國之道,正家爲本。夫婦之倫,乾坤之義,實以相宗祀之敬,協奉養之誠,所資惟重。祗遵聖母皇太后命,遣使持節,以禮採擇。」宣訖,授主婚者。主婚者授執事者,置於北案上稍左。副使取問名制,宣曰:「朕惟夫婦之道,大倫之本。正位乎內,必資名家。特遣使持節以禮問名,尚佇來聞。」宣訖,授如前,置案上稍右。主婚者俯伏,興。執事舉表案,以表授主婚者。主婚者跪授正使,表曰:「臣某,伏承嘉命。正使某官某等,重宣制詔,問臣名族。臣女,臣夫婦所生,先臣某官某之曾孫,先臣某官某之孫,先臣某官某之外孫。臣女今年若干,謹具奏聞。」主婚者俯伏,興,退四拜。使者出,置表彩輿中。主婚者前曰:「請禮從者。」酒饌畢,主婚者捧幣以勞使者。使者出,主婚者送至大門外。使者隨彩輿入大明門左門,至奉天門外,以表節授司禮監,覆命。

次に納吉・納徴・告期、制を伝え使いを遣わすこと、並びに前の儀の如し。但し納徴には玄纁・束帛・六馬・穀圭等の物を用い、制詞に言う、「某官某の女を聘して皇后となす。卿等に命じて節を持たせ、納吉・納徴・告期の礼を行わせる」と。皇后の邸は、陳設は前の如し、ただ玉帛案を更に設ける。使者が至り、制書・玉帛を案上に置き、六馬を堂下に陳べる。執事は先に皇后の冠服諸物を正堂に設ける。礼官が入り、主婚者が出迎え、執事が玉帛案を挙げ、正使が納吉・納徴の制書を捧げ、副使が告期の制書を捧げ、節を執る者が節を捧げ、次第に入り、それぞれ案に置く。主婚者は四拝し、案前に詣でて跪く。正使が制書を取り、宣して言う、「大婚の卜、亀筮師士協従す。礼典を敬って循い、使いを遣わし節を持たせ、吉を告ぐ」と。また宣して言う、「卿が女に貞静の徳あり、母儀の選に称し、宜しく天地宗廟を共に承くべし。特に使いを遣わし節を持たせ、礼を以て納徴す」と。宣し終え、主婚者に授ける。正副使はまた圭及び玄纁を捧げて主婚者に授け、皆前の儀の如し。副使が制書を取り、宣して言う、「歳令月良、吉日某甲子、大婚維れ宜し。特に使いを遣わし節を持たせ、礼を以て期を告ぐ」と。宣し終え、前に如く授ける。主婚者は四拝し、使者は節を持って出て、主婚者は使者に礼し、使者は還り、初めの如く命に覆う。

原文次納吉、納徵、告期,傳制遣使,並如前儀。但納徵用玄纁、束帛、六馬、穀圭等物,制詞曰:「茲聘某官某女爲皇后,命卿等持節行納吉、納徵、告期禮。」皇后第,陳設如前,惟更設玉帛案。使者至,以制書、玉帛置案上,六馬陳堂下。執事先設皇后冠服諸物於正堂。禮官入,主婚者出迎,執事舉玉帛案,正使捧納吉、納徵制書,副使捧告期制書,執節者捧節,以次入,各置於案。主婚者四拜,詣案前跪。正使取制書,宣曰:「大婚之卜,龜筮師士協從。敬循禮典,遣使持節告吉。」又宣曰:「卿女有貞靜之德,稱母儀之選,宜共承天地宗廟。特遣使持節,以禮納徵。」宣訖,授主婚者。正副使又捧圭及玄纁以授主婚者,俱如前儀。副使取制書,宣曰:「歲令月良,吉日某甲子,大婚維宜。特遣使持節,以禮告期。」宣訖,授如前儀。主婚者四拜,使者持節出,主婚者禮使者,使者還,覆命如初。

次に冊を発し奉迎す。所司は前の儀の如く陳設する。礼部は雁及び礼物を丹陛上に陳べ、内官監は皇后の鹵簿車輅を奉天門外に陳べる。制詞に言う、「某官某の女を冊して皇后となす。卿等に命じて節を持たせ冊宝を奉じ、奉迎の礼を行わせる」と。正副使は冊宝を彩輿の中に置き、随って皇后の邸に詣でる。門に至り、制書冊宝を取って案上に置く。礼官が先に入り、主婚者は朝服で出て見る。礼官が言う、「制を奉じて后を冊し、使いを遣わし節を持たせ冊宝を奉じ、奉迎の礼を行わせる」と。主婚者は出迎える。執事者が案を挙げて前行し、使者が制書及び節を捧げ、執事者が雁及び礼物を以てこれに従う。堂中に至り、それぞれ案に置く。使者は左右に立ち、主婚者は四拝し、退いて西南に立つ。

原文次發冊奉迎,所司陳設如前儀。禮部陳雁及禮物于丹陛上,內官監陳皇后鹵簿車輅於奉天門外。制詞曰:「茲冊某官某女爲皇后,命卿等持節奉冊寶,行奉迎禮。」正副使以冊寶置彩輿中,隨詣皇后第。至門,取制書冊寶置案上。禮官先入,主婚者朝服出見。禮官曰:「奉制冊后,遣使持節奉冊寶,行奉迎禮。」主婚者出迎。執事者舉案前行,使者捧制書及節,執事者以雁及禮物從之。至堂中,各置於案。使者左右立,主婚者四拜,退立於西南。

女官が九龍四鳳の冠と禕衣を捧げて皇后に進める。内官が儀仗を中堂の前に陳列し、女楽を堂下に設け、動作停止は常の儀式の如し。使者が節・冊・宝を司礼監官に授け、内賛が中堂に導き入れる。皇后は礼服を整えて閣を出、香案の前に詣で、闕に向かって立ち、四拝する。賛が冊を宣するを唱え、皇后は跪く。宣冊官が宣し終わり、皇后に授ける。皇后は圭を搢ぎ、冊を受け、女官に授ける。女官は跪いて受け、西に立つ。賛が宝を宣するを唱え、冊を宣する儀式の如し。賛が圭を出すを唱え、賛が興つを唱え、四拝し終わり、皇后は閣に入る。司礼監官が節を持って出、使者に授け、冊宝を受ける礼の終わりを報ずる。主婚者が案の前に詣でて跪く。正使が奉迎の制を取り宣し終わり、主婚者に授ける。副使が雁及び礼物を進める。主婚者は皆跪いて受け、前の儀式の如し。主婚者は興ち、使者は四拝して出る。主婚者は使者を初めの如く礼す。女官が皇后に閣を出るよう奏請する。東階より下り、香案の前に立ち、四拝する。堂に昇り、南に向かって立つ。主婚者が進み東に立ち、西に向かい、曰く「戒めよ敬えよ、夙夜違うこと無かれ」と。退いて東階に立つ。母が進み、西に立ち、東に向かい、衿を施し帨を結び、曰く「勉めよ敬えよ、夙夜違うこと無かれ」と。退いて西階に立つ。内執事が輿に乗るよう請う、皇后は階を降りて輿に昇る。導従が出、儀仗大楽が先に行き、次に彩輿、正副使が随い、次に司礼監官が擁導し、大明門の中門より入る。百官は朝服を着て承天門外に班を列ねて迎え、輿の入るを待ち、乃ち退く。皇后が午門外に至ると、鐘鼓を鳴らし、鹵簿は止む。正副使が節を司礼監に授け、命を覆す。捧冊宝官が冊宝を捧げ、儀仗女楽が前導し、奉天門に進む。内庭の幕次に至り、司礼監が冊宝を女官に授ける。皇后は輿を出、西階より進む。皇帝は東階より降りて庭に迎え、皇后を揖して内殿に入れる。帝は更服の処に詣で、袞冕を具える。后は更服の処に詣で、礼服に更える。共に奉先殿に詣で、謁廟の礼を行う。祭り終わり、宮に還る。合巹し、帝は皮弁に更え、内殿に昇る。后は衣を更え、従って昇る。各々座に昇り、東西相向かう。執事者が饌案を前に挙げ、女官が四つの金爵を取り、酒を酌んで進める。飲み終わり、饌を進める。再び酒を進め、飯を進め終わり、女官が両巹で酒を酌み、合和して進める。飲み終わり、又饌を進め終わり、興ち、常服に易える。帝の従者が后の饌を餕い、后の従者が帝の饌を餕う。

原文女官以九龍四鳳冠禕衣進皇后。內官陳儀仗於中堂前,設女樂於堂下,作止如常儀。使者以節冊寶授司禮監官,內贊導入中堂。皇后具服出閣,詣香案前,向闕立,四拜。贊宣冊,皇后跪。宣冊官宣訖,以授皇后。皇后搢圭,受冊,以授女官。女官跪受,立於西。贊宣寶,如宣冊儀。贊出圭,贊興,四拜訖,皇后入閣。司禮監官持節出,授使者,報受冊寶禮畢。主婚者詣案前跪。正使取奉迎制宣訖,授主婚者。副使進雁及禮物。主婚者皆跪受,如前儀。主婚者興,使者四拜出。主婚者禮使者如初。女官奏請皇后出閣。自東階下,立香案前,四拜。升堂,南向立。主婚者進立於東,西向,曰:「戒之敬之,夙夜無違。」退立於東階。母進,立於西,東向,施衿結帨,曰:「勉之敬之,夙夜無違。」退立於西階。內執事請乘輿,皇后降階升輿。導從出,儀仗大樂前行,次彩輿,正副使隨,次司禮監官擁導,從大明門中門入。百官朝服於承天門外班迎,候輿入,乃退。皇后至午門外,鳴鐘鼓,鹵簿止。正副使以節授司禮監,覆命。捧冊寶官捧冊寶,儀仗女樂前導,進奉天門。至內庭幕次,司禮監以冊寶授女官。皇后出輿,由西階進。皇帝由東階降迎於庭,揖皇后入內殿。帝詣更服處,具袞冕。后詣更服處,更禮服。同詣奉先殿,行謁廟禮。祭畢,還宮。合巹,帝更皮弁,升內殿。后更衣,從升。各升座,東西相向。執事者舉饌案於前,女官取四金爵,酌酒以進。既飲,進饌。復進酒、進飯訖,女官以兩巹酌酒,合和以進。既飲,又進饌畢,興,易常服。帝從者餕后之饌,后從者餕帝之饌。

翌日早朝、帝后共に礼服を着し、太后の座に昇るのを待つ。帝后が座前に進む。宮人が腶修の盤を持って后の左に立ち、帝后共に四拝する。執事が案を挙げて至り、宮人が腶修の盤を后に授け、后は捧げて案に置く。女官が案を挙げ、后は随いて太后の前に至り、進め終わり、位に復す。帝后共に四拝する。三日の早朝、帝は冕服を着し、后は礼服を着し、共に太后の宮に詣で、八拝の礼を行う。宮に還り、帝は皮弁を着し、座に昇る。女官が后を導き、礼服を着して帝の前に詣で、八拝の礼を行う。后は宮に還り、座に昇る。引礼が内親属及び六尚等の女官を導き、八拝の礼を行う。次に各監局の内官内使が、八拝の礼を行う。この日、皇帝は奉天殿に御す。詔を頒つは常の儀式の如し。四日早朝、皇帝は袞冕を着し華蓋殿に御し、親王が八拝し、次に執事官が五拝し、遂に奉天殿に昇り、百官が表を進め、慶賀の礼を行う。この日、太后及び皇后は各々礼服を着して座に昇る。親王が入り、八拝して出、次に内外の命婦が慶賀し及び外命婦が表箋を進むは、皆常の儀式の如し。五日に盥饋の礼を行い、尚膳監が膳修を具える。皇后は礼服を着して太后の前に詣で、四拝する。尚食が膳を皇后に授け、皇后は膳を捧げて案に進め、位に復し、四拝し、退いて西南に立つ。膳の終わるを俟ち、導き出される。

原文次日早,帝后皆禮服,候太后升座。帝后進座前。宮人以腶修盤立於后左,帝后皆四拜。執事舉案至,宮人以腶修盤授后,后捧置於案。女官舉案,后隨至太后前,進訖,復位。帝后皆四拜。三日早,帝冕服,后禮服,同詣太后宮,行八拜禮。還宮,帝服皮弁,升座。女宮導后,禮服詣帝前,行八拜禮。后還宮,升座。引禮導在內親屬及六尚等女官,行八拜禮;次各監局內官內使,行八拜禮。是日,皇帝御奉天殿。頒詔如常儀。四日早,皇帝服袞冕御華蓋殿,親王八拜,次執事官五拜,遂升奉天殿,百官進表,行慶賀禮。是日,太后及皇后各禮服升座。親王入,八拜出,次內外命婦慶賀及外命婦進表箋,皆如常儀。五日行盥饋禮,尚膳監具膳修。皇后禮服詣太后前,四拜。尚食以膳授皇后,皇后捧膳進於案,復位,四拜,退立於西南。俟膳畢,引出。

皇太子妃を納むる儀式

原文皇太子納妃儀

歴代の制度は后を納むるに同じ。隋・唐以後、初めて親迎し、天子は軒に臨みて醮戒す。宋に初めて盥饋の礼を行い、明はこれに因る。洪武元年に制を定め、凡そ礼を行うには、皆使いを遣わして節を持たせ、皇帝の大婚の儀式の如し。

原文歷代之制與納后同。隋、唐以後,始親迎,天子臨軒醮戒。宋始行盥饋禮,明因之,洪武元年定制,凡行禮,皆遣使持節,如皇帝大婚儀。

納采・問名。制に曰く「制を奉じ某氏の女を納れ皇太子妃と為し、卿等に命じて納采問名の礼を行わしむ」と。妃の第に至り、儐者が出で、使者の前に詣でて曰く「敢えて事を請う」と。使者曰く「儲宮配を納れ、令徳に属す。邦に常典有り、使い某に納采の礼を行わしむ」と。儐者入り告ぐ、主婚者曰く「臣某が子、壼儀に暗く、採択に備うるに足らず。恭しく制命を承く、臣某敢えて辞せず」と。儐者出で告ぐ、使者入り、礼物を庭に陳べ、制を宣して曰く「某詔を奉じ採択す」と。奠雁の礼終わり、使者出づ。儐者復た使者の前に詣でて曰く「敢えて事を請う」と。使者曰く「儲宮の配、採択既に諧う。将に卜筮を加えんとし、制を奉じて名を問う」と。儐者入り告ぐ、主婚者曰く「制を以て臣某が女、以て儲宮に奉侍すべしと為し、臣某敢えて辞せず」と。儐者出で告ぐ。使者復た入り、礼を陳べ奠雁は儀式の如く、制を宣して曰く「臣某詔を奉じて名を問い、将に諸れを卜筮に謀らんとす」と。主婚者曰く「臣某が第幾女、某氏出」と。

原文納采、問名。制曰:「奉制納某氏女爲皇太子妃,命卿等行納采問名禮。」至妃第,儐者出,詣使者前曰:「敢請事。」使者曰:「儲宮納配,屬於令德。邦有常典,使某行納采之禮。」儐者入告,主婚者曰:「臣某之子,昧於壼儀,不足以備採擇。恭承製命,臣某不敢辭。」儐者出告,使者入,陳禮物於庭,宣制曰:「某奉詔採擇。」奠雁禮畢,使者出。儐者復詣使者前曰:「敢請事。」使者曰:「儲宮之配,採擇既諧。將加卜筮,奉制問名。」儐者入告,主婚者曰:「制以臣某之女,可以奉侍儲宮,臣某不敢辭。儐者出告。使者復入,陳禮奠雁如儀,宣制曰:「臣某奉詔問名,將謀諸卜筮。」主婚者曰:「臣某第幾女,某氏出。」

次に納吉。儐者が事を請うは前の如く、使者曰く「諸れを卜筮に謀るに、其の占協従す、制して使い某に吉を告げしむ」と。儐者入り告ぐ、主婚者曰く「臣某が子蠢愚、克く堪えざるを懼る。卜筮吉と云う、惟だ臣が幸い、臣謹んで典制を奉ず」と。儐者出で告ぐ。使者入り、礼を陳べ奠雁は儀式の如く、制を宣して曰く「制を奉じて吉を告ぐ」と。

原文次納吉。儐者請事如前,使者曰:「謀諸卜筮,其佔協從,制使某告吉。」儐者入告,主婚者曰:「臣某之子蠢愚,懼弗克堪。卜筮云吉,惟臣之幸,臣謹奉典制。」儐者出告。使者入,陳禮奠雁如儀,宣制曰:「奉制告吉。」

又次に納徵。儐者出で告ぐ、使者入り玉帛の礼物を陳べ、雁を奠めず、制を宣して曰く「某制を奉じて成を告ぐ」と。

原文又次納徵。儐者出告,使者入陳玉帛禮物,不奠雁,宣制曰:「某奉制告成。」

又次に請期。辞に曰く「龜筮に詢う。某月某日吉、制して使い某に期を告げしむ」と。主婚者曰く「敢えて命を承けざらんや」と。礼を陳べ奠雁は儀式の如く。

原文又次請期。辭曰:「詢於龜筮。某月某日吉,制使某告期。」主婚者曰:「敢不承命。」陳禮奠雁如儀。

又次に告廟。使いを遣わし節を持たせ冊宝を授ける儀注は、悉く前に見ゆ。

原文又次告廟。遣使持節授冊寶儀注,悉見前。

又次に醮戒。皇帝は通天冠・絳紗袍を着し、奉天殿に御し、百官侍立す。引進が皇太子を導き丹陛に至らしめ、四拝す。殿の東門に入り席に就き、東に向かって立つ。司爵が醆を進め、皇太子は跪き、圭を搢ぎ、醆を受け酒を祭る。司饌が饌を進め、跪いて受くるも亦た之の如し。興ち、席に就き坐し、飲食終わり、導かれて御座の前に詣で跪く。皇帝之に命じて曰く「往きて爾が相を迎え、我が宗事を承け、勖めて帥うに敬を以てせよ」と。皇太子曰く「臣某謹んで制旨を奉ず」と。俯伏し、興つ。出でて丹陛に至り、四拝終わり、皇帝は宮に還り、皇太子は出づ。

原文又次醮戒。皇帝服通天冠、絳紗袍,御奉天殿,百官侍立。引進導皇太子至丹陛,四拜。入殿東門就席位,東向立。司爵以醆進,皇太子跪,搢圭,受醆祭酒。司饌以饌進,跪受亦如之。興,就席坐,飲食訖,導詣御座前跪。皇帝命之曰:「往迎爾相,承我宗事,勖帥以敬。」皇太子曰:「臣某謹奉制旨。」俯伏,興。出至丹陛,四拜畢,皇帝還宮,皇太子出。

次に親迎の儀。前日、有司は皇太子の次(仮舎)を妃の家の大門外に設け、南向きとし、東宮官の次をその南に設け、東西相対する。当日、夜明けに、東宮官は朝服を具え、鹵簿鼓吹を東宮門外に陳列する。皇太子は冕服を着て輿に乗り出で、侍衛が儀式に従い導従する。宮門に至りて輿を降り輅に昇り、東宮官は皆従って妃の第に至り、轅を回して南向きとし、輅を降りて輿に昇る。次に至りて輿を降り、次に入り就く。東宮官は皆次に就く。先に、皇太子の将に至らんとするに当たり、主婚者は会宴を設けて女を宴する。期に至り、妃は褕翟花釵を着し、出でて閣に就き南面して立ち、傅姆は左右に立つ。主婚者は朝服を具えて西階の下に立つ。引進が皇太子を導き次より出で、大門の東に立ち、西向きとする。儐者は朝服を着て出で、門の東に立ちて曰く「敢えて事を請う」と。引進は跪いて啓し終わり、皇太子曰く「某、制を奉じて親迎す」と。引進は命を受け興り、儐者に承伝する。儐者は入り告げ、主婚者を導き出でて大門外の西に迎え、東向きに再拝する。皇太子は拝を答える。引進は皇太子を導き入門して左に進み、雁を執る者これに従う。儐者は主婚者を導き入門して右に進む。皇太子は東階を昇り進み、閣門の戸前に立ち、北向きに立つ。主婚者は西階を昇り、西に立ち、東向きとする。引進は奠雁を啓し、執雁者が雁を進める。皇太子は雁を受け、これを主婚者に授ける。主婚者は跪いて受け、興り、左右に授けて、退き西に立つ。皇太子は再拝し、東階より降り、出でて次に至りて待つ。主婚者は降りて送らぬ。初め、皇太子の入門するに当たり、妃の母は出で、閣門外、奠雁の位の西に立ち、南向きとする。皇太子の拝し終わり、宮人傅姆が妃を導き出で、母の左に立つ。主婚者はこれに命じて曰く「戒めよ戒めよ、夙夜恪勤にして、命に違うことなかれ」と。母は命じて曰く「勉めよ勉めよ、爾父に訓あり、往きて承くるに欽のみ」と。庶母はこれを申して曰く「父母の言を恭しく聴け」と。宮人傅姆が擎執し導従し、妃は輿に乗り門を出で、輿を降りて鳳轎に乗る。皇太子は簾を掲げ終わり、すなわち輅に昇り、侍従は来たる儀の如し。東宮門外に至り、輅を降りて輿に乗る。閣に至り、輿を降り入り、内殿門外の東に俟ち、西面する。司閨が妃を導き内殿門外の西に詣らしめ、東面する。皇太子は妃を揖して入り、合巹の礼を行い、中宮の儀の如し。

原文又次親迎。前一日,有司設皇太子次於妃氏大門外,南向,東宮官次於南,東西相向。至日質明,東宮官具朝服陳鹵簿鼓吹於東宮門外。皇太子冕服乘輿出,侍衛導從如儀。至宮門降輿升輅,東宮官皆從至妃第,回轅南向,降輅升輿。至次,降輿入就次,東宮官皆就次。先是,皇太子將至,主婚者設會宴女。至期,妃服褕翟花釵,出就閣南面立,傅姆立於左右。主婚者具朝服立於西階之下。引進導皇太子出次,立於大門之東,西向。儐者朝服出,立於門東曰:「敢請事。」引進跪啓訖,皇太子曰:「某奉制親迎。」引進受命興,承傳於儐者。儐者入告,導主婚者出迎於大門外之西,東向再拜。皇太子答拜。引進導皇太子入門而左,執雁者從。儐者導主婚者入門而右。皇太子升東階進,立於閣門戶前,北向立。主婚者升西階,立於西,東向。引進啓奠雁,執雁者以雁進。皇太子受雁,以授主婚者。主婚者跪受,興,以授左右,退立於西。皇太子再拜,降自東階,出至次以伺。主婚者不降送。初,皇太子入門,妃母出,立於閣門外,奠雁位之西,南向。皇太子拜訖,宮人傅姆導妃出,立於母左。主婚者命之曰:「戒之戒之,夙夜恪勤,毋或違命。」母命之曰:「勉之勉之,爾父有訓,往承惟欽。」庶母申之曰:「恭聽父母之言。」宮人傅姆擎執導從,妃乘輿出門,降輿,乘鳳轎。皇太子揭簾訖,遂升輅,侍從如來儀。至東宮門外,降輅乘輿。至閣,降輿入,俟於內殿門外之東,西面。司閨導妃詣內殿門外之西,東面。皇太子揖妃入,行合巹禮,如中宮儀。

次に朝見の儀。その日、妃は内殿の陛の下に詣で、皇帝の座に昇るを候う。司閨が妃を導き入り、北面して立ち、再拝し、西階より昇る。宮人が棗慄の盤を奉じ、進みて御座の前に至り妃に授ける。妃は御前に奠め、退きて位に復し、再拝する。礼畢り、皇后の前に詣で、腶修の盤を奉じ、上の儀の如し。

原文又次朝見。其日,妃詣內殿陛下,候皇帝升座。司閨導妃入,北面立,再拜,自西階升。宮人奉棗慄盤,進至御座前授妃。妃奠於御前,退復位,再拜。禮畢,詣皇后前,奉腶修盤,如上儀。

次に妃に醴を賜う儀、次に盥饋の儀、次に廟に謁する儀、次に群臣命婦の朝賀の儀、皆儀式の如し。

原文又次醴妃,次盥饋,次謁廟,次羣臣命婦朝賀,皆如儀。

洪武四年、開平王常遇春の女を冊いて皇太子妃とす。礼部が儀注を上す。太祖これを見て曰く「贄礼には笄を用いず、ただ金盤を用いよ。翟車には鳳轎を用いよ。雁は玉を以てこれを作れ。古礼に親迎に綏を執り輪を御す有り。今は轎を用うれば、則ち簾を掲ぐるは是れなり。その合巹は、古制に依り匏を用いよ。妃の朝見は、宮中に入るに、小車に乗り、帷幕を以てこれを蔽え。廟に謁するには、則ち皇太子俱に往く。礼成ること後三日にして、乃ち群臣命婦を宴す」と。令として著す。

原文四年,冊開平王常遇春女爲皇太子妃。禮部上儀注,太祖覽之曰:「贄禮不用笄,但用金盤,翟車用鳳轎,雁以玉爲之。古禮有親迎執綏御輪,今用轎,則揭簾是矣。其合巹,依古制用匏。妃朝見,入宮中,乘小車,以帷幕蔽之。謁廟,則皇太子俱往。禮成後三日,乃宴羣臣命婦。」著爲令。

成化二十二年、婚礼を更めて定む。凡そ節冊等の案は、俱に奉天左門より出づ。皇太子の親迎は、東長安門より出づ。親迎の日、妃は燕居服を着し、父母に随い家廟に行礼す。執事者は酒饌を具え、妃は飲食し終わる。父母は堂上に坐し、妃は前に詣で各四拝す。父はこれに命じて曰く「爾大内に往き、夙夜勤慎にし、孝敬に違うことなかれ」と。母は命じて曰く「爾父に訓有り、爾まさに敬って承くべし」と。合巹の前に、皇太子の内殿に各拝位を設く。皇太子は妃を揖して入り位に就かしめ、再拝し、妃は四拝し、然る後各座に昇る。廟見の後、百官朝賀し、致詞して曰く「某官臣某等、恭しく惟うに皇太子嘉礼既に成り、益々宗社隆長の福を綿ぐ。臣某等欣忭の至りに勝えず、謹んでまさに慶賀すべし」と。帝は宴を賜うこと正旦の儀の如し。命婦は太后皇后の前に詣で賀し、亦た宴を賜わり、致詞して曰く「皇太子嘉聘礼成り、益々景福を綿ぐ」と。その余は大率洪武の儀の如し。

原文成化二十二年,更定婚禮。凡節冊等案,俱由奉天左門出。皇太子親迎,由東長安門出。親迎日,妃服燕居服,隨父母家廟行禮。執事者具酒饌,妃飲食訖。父母坐堂上,妃詣前各四拜。父命之曰:「爾往大內,夙夜勤慎,孝敬無違。」母命之曰:「爾父有訓,爾當敬承。」合巹前,於皇太子內殿各設拜位。皇太子揖妃入就位,再拜,妃四拜,然後各升座。廟見後,百官朝賀,致詞曰:「某官臣某等,恭惟皇太子嘉禮既成,益綿宗社隆長之福。臣某等不勝欣忭之至,謹當慶賀。」帝賜宴如正旦儀。命婦詣太后皇后前賀,亦賜宴,致詞曰:「皇太子嘉聘禮成,益綿景福。」餘大率如洪武儀。

親王の婚礼。

原文親王婚禮

唐の制、皇子妃を納るるに、親王を命じて婚を主とす。宋は皆皇帝臨軒して醮戒し、略々皇太子と同し。明これに因る。

原文唐制,皇子納妃,命親王主婚。宋皆皇帝臨軒醮戒,略與皇太子同。明因之。

その宣制に曰く「某氏を冊して某王妃とす」と。納采、致詞に曰く「某王の儷、懿淑に属す。某を使わして納采の礼を行わしむ」と。問名の詞に曰く「某既に命を受け、将に諸れを卜筮に加えて協従せんとす。某を使わして吉を告げしむ」と。主婚者曰く「制を以て臣某の子、以て某王に奉侍すべし。臣某敢えて辞せず」と。納吉の詞に曰く「卜筮協従す。某を使わして吉を告げしむ」と。主婚者曰く「臣某の子、愚にして克く堪えず。卜貺の吉、臣と有幸い有り。謹んで典制を奉ず」と。納徵の詞に曰く「某王の儷、卜既に協吉す。制して某を使わし儀物を以て成を告げしむ」と。主婚者曰く「制を奉じて臣に重礼を賜う。臣某謹んで典制を奉ず」と。請期の詞に曰く「某月日涓吉す。制して某を使わし期を告げしむ」と。主婚者曰く「謹んで命を奉ず」と。醮戒の命に曰く「往きて爾が相を迎え、以てその家を承け、勖めて帥い敬を以てせよ」と。その親迎、合巹、朝見、盥饋は、並びに皇太子の如し。盥饋畢り、王は皮弁服を着し、妃は翟衣を着し、東宮の前に詣で、四拝の礼を行ふ。東宮は坐して受け、東宮妃は立って二拝を受け、二拝を答える。王と妃は妃の家に至り、妃の父出で迎える。王先に入り、妃の父これに従う。堂に至り、王は東に立ち、妃の父母は西に立つ。王四拝し、妃の父母は立って二拝を受け、二拝を答える。王は中に坐し、その余の親属王に見え、四拝す。王は皆坐して受く。妃は中堂に入り、妃の父母坐し、妃四拝す。その余は家人の礼を序す。

原文其宣制曰:「冊某氏爲某王妃。」納采,致詞曰:「某王之儷,屬於懿淑,使某行納采禮。」問名詞曰:「某既受命,將加諸卜筮協從,使某告吉。」主婚者曰: 「制以臣某之子,可以奉侍某王,臣某不敢辭。」納吉詞曰:「卜筮協從,使某告吉。」主婚者曰:「臣某之子,愚弗克堪。卜貺之吉,臣與有幸,謹奉典制。」納徵詞曰:「某王之儷,卜既協吉,制使某以儀物告成。」主婚者曰:「奉制賜臣以重禮,臣某謹奉典制。」請期詞曰:「某月日涓吉,制使某告期。」主婚者曰: 「謹奉命。」醮戒命曰:「往迎爾相,用承厥家,勖帥以敬。」其親迎、合巹、朝見、盥饋,並如皇太子。盥饋畢,王皮弁服,妃翟衣,詣東宮前,行四拜禮。東宮坐受,東宮妃立受二拜,答二拜。王與妃至妃家,妃父出迎。王先入,妃父從之。至堂,王立於東,妃父母立於西。王四拜,妃父母立受二拜,答二拜。王中坐,其餘親屬見王,四拜,王皆坐受。妃入中堂,妃父母坐,妃四拜。其餘序家人禮。

太祖の世、皇太子・皇子に二妃有り。洪武八年十一月、衛国公鄧愈の女を徴して秦王の次妃とす。制を伝えず、冊を発せず、親迎せず。正副使は納徵の礼を行い、冠服は唐・宋の二品の制に擬し、儀仗は正妃より稍減ず。婚の日、王は皮弁服を着し、妃を導き奉先殿に謁す。王は東稍前、妃は西稍後。礼畢り宮に入り、王と正妃正坐し、次妃は王の前に詣で四拝し、復た正妃の前に詣で四拝す。次妃は東に坐し、宴飲して礼を成す。次日朝見し、拝位は殿に謁するが如し。中宮に謁するには、棗慄腶修を用いず、その余は並びに同じ。

原文太祖之世,皇太子、皇子有二妃。洪武八年十一月,徵衛國公鄧愈女爲秦王次妃,不傳制,不發冊,不親迎。正副使行納徵禮,冠服擬唐、宋二品之制,儀仗視正妃稍減。婚之日,王皮弁服,導妃謁奉先殿。王在東稍前,妃西稍後。禮畢入宮,王與正妃正坐,次妃詣王前四拜,復詣正妃前四拜。次妃東坐,宴飲成禮。次日朝見,拜位如謁殿。謁中宮,不用棗慄腶修,餘並同。

公主の婚礼。

原文公主婚禮

古、天子の女を嫁すに、自ら婚を主とせず、同姓の諸侯を以てこれを主とす。故に公主と曰う。唐は猶お親王を以て婚を主とす。宋に至り初めて用いず、惟だ掌婚者をして内東門に於いて表を納めしむ。則ち天子自ら主と為る。明これに因る。

原文古者天子嫁女,不自主婚,以同姓諸侯主之,故曰公主。唐猶以親王主婚。宋始不用,惟令掌婚者於內東門納表,則天子自爲主矣。明因之。

凡そ公主の降嫁には、納采問名の礼を行い、婿家は礼物と表文を家庭に備え、闕を望んで再拝する。掌婚者がこれを奉じて内東門に至り、内使の前に詣でて曰く、「朝恩、室を某官某の子に貺う。某、先人の礼を習い、臣某を使わして納采を請わしむ」と。表を以て跪いて内使に授く。内使は跪いて受け、奉じて内殿に進め、雁及び礼物を執る者は従いて入る。内使出で、掌婚者は曰く、「将に卜筮を加えんとす。臣某を使わして名を問わしむ」と。表を進めること初めの如し。内使出でて曰く、「制有り」と。掌婚者は跪き、内使は宣して曰く、「皇帝第幾女、某公主を封ず」と。掌婚者は俯伏し、興る。次に入り就き、宴を賜わりて出づ。

原文凡公主出降,行納采問名禮,婿家備禮物表文於家庭,望闕再拜。掌婚者奉至內東門,詣內使前曰:「朝恩貺室於某官某之子,某習先人之禮,使臣某請納采。」 以表跪授內使。內使跪受,奉進內殿,執雁及禮物者從入。內使出,掌婚者曰:「將加卜筮,使臣某問名。」進表如初,內使出曰:「有制。」掌婚者跪,內使宣曰;「皇帝第幾女,封某公主。」掌婚者俯伏,興。入就次,賜宴出。

納吉の儀は納采と同じ。掌婚者が致詞して曰く、「諸を卜筮に加うるに、占いて曰く吉に従うと。謹みて臣某を使わして敢えて納徴を告げしむ」と。婿家は玄纁・玉帛・乗馬・表文を儀に如く備える。掌婚者が致詞して曰く、「朝恩、室を某官某の子某に貺う。先人の礼有り。臣某を使わして束帛・乗馬を以て納徴せしむ」と。請期の詞は曰く、「某、臣某を使わして謹みて吉日を請わしむ」と。

原文納吉儀與納采同。掌婚者致詞曰:「加諸卜筮,佔曰從吉,謹使臣某敢告納徵。」婿傢俱玄纁、玉帛、乘馬、表文如儀。掌婚者致詞曰:「朝恩貺室於某官某之子某,有先人之禮,使臣某以束帛、乘馬納徵。」請期詞曰:「某命臣某謹請吉日。」

親迎の日、婿は公服して廟に告げて曰く、「国恩、室を某に貺う。某日を以て親迎す。敢えて告ぐ」と。将に行かんとし、父は廳で醮し、随意に戒めを致す。婿は再拝して出で、内東門内に至る。内使は次に延いて入れ、雁を執る者及び礼物を奉ずる者は各庭に陳ず。その日、公主は礼服して奉先殿に辞し、帝后の前に詣でて四拝し、爵を受く。帝后は随意に訓戒す。命を受くること畢り、又四拝す。階を降り、内命婦は内殿門外まで送り、公主は輦に升る。内東門に至り、輦を降りる。婿は簾を掲げ、公主は轎に升る。婿は次を出て立つ。雁を執る者は雁を跪いて婿に授け、婿は雁を受け、跪いて内使に進む。内使は跪いて受け、左右に授く。婿は再拝し、先に出で、馬に乗って還る。公主の鹵簿車輅は後に発ち、公侯百官命婦は府まで送る。婿は先に門に候す。公主至り、婿は簾を掲ぐ。公主降り、共に祠堂に詣づ。婿は東、公主は西、皆再拝す。爵を進め、祝を読み、又再拝す。出で、寝室に詣づ。婿と公主は相向いて再拝し、各坐に就く。婿は東、公主は西。饌を進め合巹すること儀の如く、復た相向いて再拝す。明日、舅姑に見ゆ。舅姑は東に坐し、西に向く。公主は西に立ち、東に向き、四拝の礼を行う。舅姑は二拝を答う。第十日、駙馬は朝見して謝恩し、五拝礼を行う。

原文親迎日,婿公服告廟曰:「國恩貺室於某,以某日親迎,敢告。」將行,父醮於廳,隨意致戒。婿再拜出,至內東門內。內使延入次,執雁及奉禮物者各陳於庭。其日,公主禮服辭奉先殿,詣帝后前四拜,受爵。帝后隨意訓戒。受命訖,又四拜。降階,內命婦送至內殿門外,公主升輦。至內東門,降輦。婿揭簾,公主升轎。婿出次立。執雁者以雁跪授婿,婿受雁,跪進於內使。內使跪受以授左右。婿再拜,先出,乘馬還。公主鹵簿車輅後發,公侯百官命婦送至府。婿先候於門。公主至,婿揭簾。公主降,同詣祠堂。婿東,公主西,皆再拜。進爵,讀祝,又再拜。出,詣寢室。婿公主相向再拜,各就坐,婿東,公主西。進饌合巹如儀,復相向再拜。明日,見舅姑。舅姑坐於東,西向。公主立於西,東向,行四拜禮。舅姑答二拜。第十日,駙馬朝見謝恩,行五拜禮。

初め、洪武九年、太祖は太師李善長の子祺を以て駙馬都尉とし、臨安公主に尚せしむ。先だって期を奉先殿に告ぐ。降嫁の前二日、使を命じて公主を冊す。冊後の次日、奉先殿を謁す。又た駙馬の誥を受ける儀を定む。吏部官は誥命を捧げて龍亭に置き、太師府に至り、駙馬は朝服して拝受す。次日、善長及び駙馬は謝恩す。後十日にして始めて婚期を請う。二十六年、稍々儀注を更む。然れども儀注は存すと雖も、その姑舅を拝し及び公主駙馬の相向いて拝する礼は、終に明の世実に未だ嘗て行わざるなり。明年、又た公主・郡主の封号・婚礼、及び駙馬・儀賓の品秩を更定す。

原文初,洪武九年,太祖以太師李善長子祺爲駙馬都尉,尚臨安公主。先期告奉先殿。下嫁前二日,命使冊公主。冊後次日,謁奉先殿。又定駙馬受誥儀,吏部官捧誥命置龍亭,至太師府,駙馬朝服拜受。次日,善長及駙馬謝恩。後十日,始請婚期。二十六年,稍更儀注。然儀注雖存,其拜姑舅及公主駙馬相向拜之禮,終明之世實未嘗行也。明年,又更定公主、郡主封號、婚禮,及駙馬、儀賓品秩。

弘治二年、仁和長公主を冊封し、婚儀を重ねて定む。府に入り、公主駙馬は同じく天地を拝し、八拝礼を行う。堂内に公主の座を東に設け、西に向かしめ、駙馬は東に向かう座とし、余は前儀の如し。嘉靖二年、工科給事中安磐等言う、「駙馬、公主に見ゆるに、四拝礼を行い、公主は坐して二拝を受く。貴賤本より殊なるとは雖も、夫婦の分定まりて、礼に於いて安からず」と。聴かず。崇禎元年、駙馬を教習する主事陳鍾盛言う、「臣が都で習わす駙馬鞏永固、駙馬は黎明に府門外の月台で四拝し、云うに三月後に至れば、則ち堂に上り、門に上り、影壁に上り、礼を行うこと前の如し。始めて公主の前に膳を視、公主は上に飲食し、駙馬は旁に侍立す。此れを過ぎて、方に成婚を議す。駙馬は果餚を饋りて臣と書き、公主は礼に答えて賜と書く。皆大いに礼を失う。夫れ既に合巹すれば、則ち儼然として夫婦なり。安んぞ跪拝すること数月、臣と称し膳に侍し、然る後に成婚する者有らんや。『会典』は合巹の前に四拝を行うとし、明らかに合巹後に拝礼無きなり。天子の館甥を以て、下って隷役に同じくす。豈に朝廷を尊ぶ所以ならんや」と。帝は其の言を是とし、永固に即ち日を択びて成婚せしむ。

原文弘治二年,冊封仁和長公主,重定婚儀。入府,公主駙馬同拜天地,行八拜禮。堂內設公主座於東,西向,駙馬東向座,餘如前儀。嘉靖二年,工科給事中安磐等言:「駙馬見公主,行四拜禮,公主坐受二拜。雖貴賤本殊,而夫婦分定,於禮不安。」不聽。崇禎元年,教習駙馬主事陳鍾盛言:「臣都習駙馬鞏永固,駙馬黎明於府門外月臺四拜,云至三月後,則上堂、上門、上影壁,行禮如前。始視膳於公主前,公主飲食於上,駙馬侍立於旁,過此,方議成婚。駙馬饋果餚書臣,公主答禮書賜,皆大失禮。夫既合巹,則儼然夫婦,安有跪拜數月,稱臣侍膳,然後成婚者?《會典》行四拜於合巹之前,明合巹後無拜禮也。以天子館甥,下同隸役,豈所以尊朝廷?」帝是其言,令永固即擇日成婚。

凡そ駙馬を選ぶには、礼部は榜諭して在京の官員軍民の子弟、年十四より十六、容貌斉整・行止端荘・家教有る者の報名を求め、司礼内臣は諸王館で会選す。中らざれば、則ち畿内・山東・河南に博く訪う。三人を選中し、欽定して一人とし、余の二人は本処の儒学に送り、廩生に充てしむ。宣徳の時より、駙馬に始めて教習有り、学官を以て之が為す。正統以後、駙馬をして監に赴きて書を読み礼を習わしむ。嘉靖六年、始めて礼部主事一人を定め、専ら駙馬府に在りて教習せしむ。

原文凡選駙馬,禮部榜諭在京官員軍民子弟年十四至十六,容貌齊整、行止端莊、有家教者報名,司禮內臣於諸王館會選。不中,則博訪於畿內、山東、河南。選中三人,欽定一人,餘二人送本處儒學,充廩生。自宣德時,駙馬始有教習,用學官爲之。正統以後,令駙馬赴監讀書習禮。嘉請六年,始定禮部主事一人,專在駙馬府教習。

品官の婚礼

原文品官婚禮

周の制、凡そ公侯大夫士の婚娶する者は、六礼を用う。唐以後、儀物は多く官品を以て降殺す。明の洪武五年、詔して曰く、「古の婚礼は、両姓の歓を結び、以て人倫を重んず。近世以来、専ら聘財を論じ、奢侈に習染す。其の儀制を頒行す。務めに倹約に従い、以て風俗を厚くすべし」と。故に其の時は品節詳明にして、皆制限有り。後克く遵う者は鮮し。

原文周制,凡公侯大夫士之婚娶者,用六禮。唐以後,儀物多以官品爲降殺。明洪武五年詔曰:「古之婚禮,結兩姓之歡,以重人倫。近世以來,專論聘財,習染奢侈。其儀制頒行。務從節儉,以厚風俗。」故其時品節詳明,皆有限制,後克遵者鮮矣。

其の制、凡そ品官の婚娶、或いは子の為に婦を聘するには、皆媒氏を使わして書を通ず。女氏之を許し、吉を択びて納采す。主婚者は賓席を設く。至日、祝版を具えて廟に告げ畢り、賓は女氏の第に至る。主婚者は公服して出迎え、賓及び媒氏を揖して入る。雁及び礼物は廳に陳ず。賓は左、主は右、媒氏は賓の南に立ち、皆再拝す。賓は主人に詣でて曰く、「某官、伉儷の重きを以て某に施す。某、典礼に率い循い、謹みて某を使わして納采せしむ」と。主婚者は曰く、「某が子、姆訓に嫺ならず。既に採択を辱うす。敢えて嘉を拝せざらんや」と。賓主は西東相向いて坐し、雁を徹して礼を受くること畢り、復た雁及び問名の礼物を陳ず。賓は興り、主婚者に詣でて曰く、「某官、婚礼を慎重にし、将に卜筮を加えんとす。名を請い問わん」と。主婚者は進みて曰く、「某第幾女、妻某氏の出」と。或いは紅羅を以て、或いは銷金紙を以て、女の第行年歳を書す。賓は辞し、主婚者は従者に礼を請う。礼畢り、賓を門外に送る。

原文其制,凡品官婚娶,或爲子聘婦,皆使媒氏通書。女氏許之,擇吉納采。主婚者設賓席。至日,具祝版告廟訖,賓至女氏第。主婚者公服出迎,揖賓及媒氏人。雁及禮物陳於廳。賓左主右,媒氏立於賓南,皆再拜。賓詣主人曰:「某官以伉儷之重施於某,某率循典禮,謹使某納采。」主婚者曰:「某之子弗嫺姆訓,既辱採擇,敢不拜嘉。」賓主西東相向坐,徹雁受禮訖,復陳雁及問名禮物。賓興,詣主婚者曰:「某官慎重婚禮,將加卜筮,請問名。」主婚者進曰:「某第幾女,妻某氏出。」或以紅羅,或以銷金紙,書女之第行年歲。賓辭,主婚者請禮從者。禮畢,送賓至門外。

納吉は納采の儀の如し。賓は致詞して曰く、「某官、嘉命を承け、諸を卜筮に稽うるに、亀筮協従す。某を使わして吉を告げしむ」と。主婚者は曰く、「某が未だ教えざるの女、既に吉を以て告ぐ。其れ何ぞ敢えて辞せん」と。納徴は納吉の儀の如く、玄纁束帛・函書を加え、雁を用いず。賓は致詞して曰く、「某官、伉儷の重きを以て、某官に恵を加う。典礼に率い循う。腆ならざるの幣有り。敢えて納徴を請わん」と。主婚者は曰く、「某官、某に重礼を貺う。某敢えて拝受せざらんや」と。賓は函書を以て主婚者に授け、主婚者も亦た函書を以て答う。請期も亦た納吉の儀の如し。

原文納吉如納采儀。賓致詞曰:「某官承嘉命,稽諸卜筮,龜筮協從,使某告吉。」主婚者曰:「某未教之女,既以吉告,其何敢辭。」納徵如納吉儀,加玄纁束帛、函書,不用雁。賓致詞曰:「某官以伉儷之重,加惠某官,率循典禮。有不腆之幣,敢請納徵。」主婚者曰:「某官貺某以重禮,某敢不拜受。」賓以函書授主婚者,主婚者亦答以函書。請期,亦如納吉儀。

親迎の日、婿の父は禰廟に告げる。婿は北面して再拝し立ち、父はこれに命じて曰く、「嘉偶を躬迎し、爾の内治を釐めよ」と。婿進みて曰く、「敢へて命を承けざらんや」と。再拝し、媒氏は婿を導きて女家に至る。その日、女氏の主婚者は廟に告げ終わり、女に醴を賜うこと家人の礼の如し。婿門に至り、下馬し、大門外の次に就く。女の従者、女に請うて盛服し、寝門内に就き、南向して坐す。婿次より出で、主婚者は門外に出で迎え、揖して入る。主婚者は門に入りて右に就く。婿は門に入りて左に就き、雁を執る者従い、寝戸の前に至り、北面して立つ。主婚者は戸の東に立ち、西に向く。婿再拝し、雁を奠し、出でて次に就く。主婚者は降りて送らず。婿既に出づるや、女の父母は南向して坐し、保母は女を導きて四拝す。父これに命じて曰く、「女家に往きて、順を以て正と為し、肅恭を忘るるなかれ」と。母これに命じて曰く、「必ず恭しく必ず戒め、舅姑の命に違うことなかれ」と。庶母これに申して曰く、「爾忱しく訓言を聴き、父母の羞をなすなかれ」と。保姆及び侍女、女を翼して門を出で、車に升る。儀衛前に導き、送る者は車に乗りて後る。婿先に還りて以て俟つ。婦の車門に至り、門内に出で迎え、揖して婦を入る。寝門に及び、婿先に階を升り、婦従いて升る。室に入り、婿は室の東南にて盥ぎ、婦の従者は巾を執り水を進めて以てこれに沃く。婦は室の西北にて盥ぎ、婿の従者は巾を執り水を進めて以てこれに沃く。盥ぎ畢り、各坐に就く。婿は東、婦は西。食案を挙げ、酒を進め、饌を進む。酒食畢り、復た初めの如く進む。侍女、巹を以て酒を注ぎ、婿婦の前に進む。各飲み畢り、皆興り、座の南に立ち、東西相向かい、皆再拝す。婿婦室に入り、服を易う。婿の従者は婦の余りを餕い、婦の従者は婿の余りを餕う。

原文親迎日,婿父告於禰廟。婿北面再拜立,父命之曰:「躬迎嘉偶,釐爾內治。」婿進曰:「敢不承命。」再拜,媒氏導婿之女家。其日,女氏主婚者告廟訖,醴女如家人禮。婿至門,下馬,就大門外之次。女從者請女盛服,就寢門內,南向坐。婿出次,主婚者出迎於門外,揖而入。主婚者入門而右。婿入門而左,執雁者從,至寢戶前,北面立。主婚者立於戶東,西向。婿再拜,奠雁,出就次。主婚者不降送。婿既出,女父母南向坐,保母導女四拜。父命之曰:「往之女家,以順爲正,無忘肅恭。」母命之曰:「必恭必戒,毋違舅姑之命。」庶母申之曰:「爾忱聽於訓言,毋作父母羞。」保姆及侍女翼女出門,升車。儀衛導前,送者乘車後。婿先還以俟。婦車至門,出迎於門內,揖婦入。及寢門,婿先升階,婦從升。入室,婿盥於室之東南,婦從者執巾進水以沃之;婦盥於室之西北,婿從者執巾進水以沃之。盥畢,各就坐,婿東,婦西。舉食案,進酒,進饌。酒食訖,復進如初。侍女以巹注酒,進於婿婦前。各飲畢,皆興,立於座南,東西相向,皆再拜。婿婦入室,易服。婿從者餕婦之餘,婦從者餕婿之餘。

明日、宗廟に見え、婿の父の拝位を東階下に設け、婿はその後にす。主婦の拝位を西階下に設け、婦はその後にす。諸親各序を以て分立す。その日夙に興り、婿の父以下各位に就き、再拝す。贊礼、婦を引いて庭中に至らしめ、北面して立たしむ。婿の父は東階より升り、神位の前に詣り、跪す。三たび香を上け、三たび酒を祭り、祝を読み、興り、西に立つ。婦四拝し、退き、位に復す。婿の父は西階より降りて拝位に就き、婿の父以下皆再拝し、礼畢る。次に舅姑に見ゆ。その日、婦は堂下に立ち、舅姑の即座するを伺い、位に就き四拝す。保姆、婦を引いて西階より升り、舅の前に至らしめ、侍女、棗慄を奉りて婦に授く。婦進み畢り、階を降りて四拝す。姑の前に詣り、腶修を進むること、前の儀の如し。次に舅姑、婦に醴を賜うこと、家人の礼の如し。次に盥饋す。その日、婦の家、饌を備えて婿の家に至る。舅姑即座し、婦四拝す。西階より升り、舅の前に至る。従者、食案を挙げて饌を婦に授け、婦饌を進む。執事者、匕箸を加う。姑に饌を進むるも、またこの如し。食畢り、饌を徹し、婦階を降りて位に就き、四拝し、礼畢る。舅姑、再び婦に醴を賜うこと、初めの儀の如し。

原文明日見宗廟,設婿父拜位於東階下,婿於其後;主婦拜位於西階下,婦於其後。諸親各以序分立。其日夙興,婿父以下各就位,再拜。贊禮引婦至庭中,北面立。婿父升自東階,詣神位前,跪。三上香,三祭酒,讀祝,興,立於西。婦四拜,退,復位。婿父降自西階就拜位,婿父以下皆再拜,禮畢。次見舅姑。其日,婦立堂下,伺舅姑即座,就位四拜。保姆引婦升自西階,至舅前,侍女奉棗慄授婦。婦進訖,降階四拜。詣姑前,進腶修,如前儀。次舅姑醴婦,如家人禮。次盥饋。其日,婦家備饌至婿家。舅姑即座,婦四拜。升自西階,至舅前。從者舉食案以饌授婦,婦進饌,執事者加匕箸。進饌於姑,亦如之。食訖,徹饌,婦降階就位,四拜,禮畢。舅姑再醴婦,如初儀。

庶人の婚礼

原文庶人婚禮

『礼』に云う、「婚礼は下達す」と。すなわち六礼の行われるは、貴賤を問わず一なり。朱子の『家礼』には問名・納吉なく、ただ納采・納幣・請期のみ。洪武元年に制を定めてこれを用い、指腹・割衫襟を以て親と為すことを禁ずる令を下す。凡そ庶人、婦を娶るには、男は年十六、女は年十四以上にて、並びに婚娶を聴す。婿は常服、あるいは仮に九品の服を用い、婦は花釵大袖の服を着す。その納采・納幣・請期は、略ぼ品官の儀に倣う。媒有りて賓無く、詞もまた稍異なる。親迎の前一日、女氏、人をして婿の寝室に陳設せしめ、俗にこれを鋪房と謂う。至りて告詞・醮戒・奠雁・合巹に至っては、並びに品官の儀の如し。祖禰・舅姑に見え、舅姑が婦に醴を賜うことも、また略ぼ相準ず。

原文《禮》云:「婚禮下達。」則六禮之行,無貴賤一也。硃子《家禮》無問名、納吉,止納采、納幣、請期。洪武元年定制用之,下令禁指腹、割衫襟爲親者。凡庶人娶婦,男年十六,女年十四以上,並聽婚娶。婿常服,或假九品服,婦服花釵大袖。其納采、納幣、請期,略仿品官之儀。有媒無賓,詞亦稍異。親迎前一日,女氏使人陳設於婿之寢室,俗謂之鋪房。至若告詞、醮戒、奠雁、合巹,並如品官儀。見祖禰舅姑,舅姑醴婦,亦略相準。

皇帝の視学の儀

原文皇帝視學儀

『礼』に曰く、「凡そ始めて学を立つる者は、必ず先聖先師に釈奠す」と。周の末に淪喪し、礼廃れて行われず。漢の明帝、始めて辟雍に幸す。唐以後、天子の視学に、始めて講榻を設く。洪武十五年、太祖、将に国子監に幸せんとす。議する者言う、孔子は聖人と雖も、乃ち人臣なり、礼は一奠して再拝すべしと。太祖従わず、礼部尚書劉仲質に命じてその制を定めしむ。

原文《禮》曰:「凡始立學者,必釋奠於先聖先師。」週末淪喪,禮廢不行。漢明帝始幸辟雍。唐以後,天子視學,始設講榻。洪武十五年,太祖將幸國子監。議者言,孔子雖聖,乃人臣,禮宜一奠而再拜。太祖不從,命禮部尚書劉仲質定其制。

前期に御幄を大成門の東に設け、南向きとし、御座を彝倫堂に設く。至日に、学官は諸生を率いて成賢街の左にて駕を迎う。皇帝は御幄に入り、皮弁服を具し、先師の神位に詣り、再拝す。爵を献じ、復た再拝す。四配・十哲・両廡は分献し、常の儀の如し。皇帝は御幄に入り、常服に易う。輿に升り、彝倫堂に至りて座に升る。学官・諸生は五拝叩頭し、東西堂下に序立す。三品以上及び侍従官は、次を以て堂に入り、東西に序立す。贊して進講せしむ。祭酒・司業・博士・助教の四人は西門より入り、堂中に至る。贊して経案を御前に挙げしむ。礼部官奏し、経を講官に授くることを請う。祭酒は跪いて受く。講官に坐を賜う。及び経を講案に置き、叩頭し、西南隅の几榻に就き坐して講ず。大臣・翰林・儒臣に坐を賜い、皆叩頭し、東西に序坐す。諸生は圜立して以て聴く。講畢り、叩頭し、退きて本位に就く。司業・博士・助教は、各次を以て進講す。堂門を出で、位に復す。贊して制を宣す。学官・諸生は列班して俱に北面して跪き、宣諭を聴き、五拝叩頭す。礼畢り、学官・諸生は成賢街に出でて駕を送る。明日、祭酒は学官を率いて表を上りて恩を謝す。

原文前期設御幄於大成門東,南向,設御座於彝倫堂。至日,學官率諸生迎駕於成賢街左。皇帝入御幄,具皮弁服,詣先師神位,再拜。獻爵,復再拜。四配、十哲、兩廡分獻,如常儀。皇帝入御幄,易常服。升輿,至彝倫堂升座。學官諸生五拜叩頭,東西序立於堂下。三品以上及侍從官,以次入堂,東西序立。贊進講,祭酒、司業、博士、助教四人由西門入,至堂中。贊舉經案於御前,禮部官奏,請授經於講官。祭酒跪受。賜講官坐。及以經置講案,叩頭,就西南隅几榻坐講。賜大臣翰林儒臣坐,皆叩頭,序坐於東西,諸生圜立以聽。講畢,叩頭,退就本位。司業、博士、助教,各以次進講。出堂門,復位。贊宣制,學官諸生列班俱北面跪,聽宣諭,五拜叩頭。禮畢,學官諸生出成賢街送駕。明日,祭酒率學官上表謝恩。

永楽四年、礼部尚書鄭賜、宋の制を引き、靴袍を服し、再拝することを請う。帝従わず、仍て四拝の礼を行わる。進講畢り、百官に茶を賜う。礼部、視学の碑を立てんことを請い、帝親しく文を制して石に勒す。祭酒等、表を上りて謝す。帝は奉天門に御し、百官に宴を賜い、仍て祭酒・司業に糹寧絲羅衣各二襲、学官三十五人に各糹寧絲衣一襲、監生三千余人に各鈔五錠を賜う。正統九年、帝は国子監に幸し、儀の如し。礼畢り、公・侯・伯・駙馬・武官都督以上・文官三品以上及び翰林学士より検討・国子監祭酒より学録に至るまで宴を賜う。

原文永樂四年,禮部尚書鄭賜引宋制,請服靴袍,再拜。帝不從,仍行四拜禮。進講畢,賜百官茶。禮部請立視學之碑,帝親制文勒石。祭酒等表謝。帝御奉天門,賜百官宴,仍賜祭酒、司業糹寧絲羅衣各二襲,學官三十五人各糹寧絲衣一襲,監生三千餘人各鈔五錠。正統九年,帝幸國子監,如儀。禮畢,賜公、侯、伯、駙馬、武官都督以上、文官三品以上及翰林學士至檢討、國子監祭酒至學錄宴。

先に、視学して先師を祭るに、牲を設けず、楽を奏せず。成化元年に至り、始めて牲楽を用う。視学の日、楽は設くるも作さず。礼畢り、百官慶賀し、衣服を賜い、宴を賜うこと、皆孔・顔・孟の三氏の子孫に及ぶ。弘治元年、先期に一日致斎し、奠に幣を加え、牲は太牢を用い、分献官を分奠官と改むることを定む。嘉靖元年、衍聖公が三氏の子孫を率い、祭酒が学官諸生を率いて、上表して恩を謝し、皆礼部に於いて宴を賜わることを定む。十三年、先師の祀典既に正しきを以て、再び視学し、大臣に命じて啓聖公祠に奠を致さしむ。万暦四年、次日に慶賀の礼を行い、賞を頒つこと旧の如くし、宴を賜うことを免ず。

原文先是,視學祭先師,不設牲,不奏樂。至成化元年,始用牲樂。視學之日,樂設而不作。禮畢,百官慶賀,賜衣服,賜宴,皆及孔、顏、孟三氏子孫。弘治元年,定先期致齋一日,奠加幣,牲用太牢,改分獻官爲分奠官。嘉靖元年,定衍聖公率三氏子孫,祭酒率學官諸生,上表謝恩,皆賜宴於禮部。十三年,以先師祀典既正,再視學,命大臣致奠啓聖公祠。萬曆四年,定次日行慶賀禮,頒賞如舊,免賜宴。

初め、憲宗は三氏の子孫を取って京に赴かせ礼を観せしめ、又衍聖公に分献せしむ。世宗に至り、衍聖公及び顔・孟の二博士、孔氏の老成なる者五人、顔・孟各二人を命じて京に赴かせ陪祀せしむ。

原文初,憲宗取三氏子孫赴京觀禮,又命衍聖公分獻。至世宗,命衍聖公及顏、孟二博士,孔氏老成者五人,顏、孟各二人,赴京陪祀。

経筵

原文經筵

明朝初期には定まった日も定まった場所もなかった。正統初年に至り、始めて常儀として定められ、月の二日に文華殿に御して進講し、月に三回、寒暑の際には暫く免じた。その制は、勲臣一人が経筵事を知り、内閣学士は或いは知り或いは同知す。尚書・都御史・通政使・大理卿及び学士等は侍班し、翰林院・春坊官及び国子監祭酒二員が進講し、春坊官二員が書を展じ、給事中・御史各二員が侍儀し、鴻臚寺・錦衣衛堂上官各一員が供事し、鳴賛一が礼を賛し、序班四が案を挙げ、勲臣或いは駙馬一人が将軍侍衛を領す。

原文明初無定日,亦無定所。正統初,始著爲常儀,以月之二日御文華殿進講,月三次,寒暑暫免。其制,勳臣一人知經筵事,內閣學士或知或同知。尚書、都御史、通政使、大理卿及學士等侍班,翰林院、春坊官及國子監祭酒二員進講,春坊官二員展書,給事中御史各二員侍儀,鴻臚寺、錦衣衛堂上官各一員供事,鳴讚一讚禮,序班四舉案,勳臣或駙馬一人領將軍侍衛。

礼部が吉日を選び請う。先期に御座を文華殿に設け、御案を座の東稍南に設け、講案を案の南稍東に設く。是日、司礼監が先ず講ずる所の『四書』・経・史各一冊を陳べて御案に置き、一冊を講案に置く。皆『四書』は東、経・史は西なり。講官各々講章を撰択して冊内に置く。帝座に升る。経筵を知る及び侍班等の官は丹陛の上にて、五拝三叩頭す。後は毎講に叩頭礼のみを行ふ。次第に殿に上り、東西に序立す。序班二員、御案を挙げて座前に置き、二員、講案を挙げて御案の南正中に置く。鴻臚官進講を賛す。講官二員、東西の班より出で、講案前に詣り、北に向ひて並び立つ。東西の展書官各々御案の南銅鶴の下に至り、相向ひて立つ。鴻臚官講官拝を賛し、興く。東班の展書官、御案前に詣り、跪いて『四書』を展じ、退きて東鶴の下に立つ。講官、講案前に至り立ち、某書を講ずと奏し、講畢して退く。展書官跪いて書を掩ひ、仍って退きて鶴の下に立つ。西班の展書官、経或いは史を展じ、講官進講し、退く。初めの如し。鴻臚官講官拝を賛し、興く。各々退きて東西の班に就き、展書官之に随ひ、序班御案講案を徹す。礼畢し、酒飯を賜ふを命ず。各官出でて丹陛に至り、叩頭礼を行ふ。左順門に至り、酒飯畢し、入りて叩頭礼を行ふ。

原文禮部擇吉請,先期設御座於文華殿,設御案於座東稍南,設講案於案南稍東。是日,司禮監先陳所講《四書》、經、史各一冊置御案,一冊置講案,皆《四書》東,經、史西。講官各擇撰講章置冊內。帝升座,知經筵及侍班等官于丹陛上,五拜三叩頭。後每講止行叩頭禮。以次上殿,東西序立。序班二員,舉御案於座前,二員舉講案置御案南正中。鴻臚官贊進講。講官二員從東西班出,詣講案前,北向並立。東西展書官各至御案南銅鶴下,相向立。鴻臚官贊講拜,興。東班展書官詣御案前,跪展《四書》,退立於東鶴下。講官至講案前立,奏講某書,講畢退。展書官跪掩書,仍退立鶴下。西班展書官展經或史,講官進講,退,如初。鴻臚官贊講官拜,興。各退就東西班,展書官隨之,序班徹御案講案。禮畢,命賜酒飯。各官出至丹陛,行叩頭禮。至左順門,酒飯畢,入行叩頭禮。

隆慶元年、先一日に奉先殿に告げ、几筵に告ぐるを定む。是日、帝文華殿左室に詣り、先聖先師に礼を展ず。講章は前両日に先んじて進呈し覧る。万暦二年、春講は二月十二日より起り、五月初二日に至りて止む。秋講は八月十二日より起り、十月初二日に至りて止む。必ずしも題請せず。

原文隆慶元年,定先一日告奉先殿,告几筵。是日,帝詣文華殿左室,展禮先聖先師。講章於前兩日先進呈覽。萬曆二年,定春講以二月十二日起,至五月初二日止,秋講以八月十二日起,至十月初二日止,不必題請。

日講

原文日講

日講は、文華穿殿に御し、講読官内閣学士のみを用ひて侍班し、侍儀等の官を用ひず。講官は或いは四或いは六。開読の初めは吉服にて、五拝三叩首す。後は常服にて、一拝三叩首す。閣臣殿内に同じく侍し、帝の口宣「先生来たれ」を候ひ、同じく進み、叩首し、東西に立つ。読む者は先づ御前一揖し、案に至り書を展じ、金尺を圧し、牙籤を執る。五遍読み、書を掩ひ一揖して退く。先づ書、次に経、次に史、進講は読む儀の如し。侍書官書を習ふに侍し畢り、各々叩頭して退く。文華殿に於て茶を賜ひ、文華門に於て酒飯を賜ふ。

原文日講,御文華穿殿,止用講讀官內閣學士侍班,不用侍儀等官。講官或四或六。開讀初,吉服,五拜三叩首,後常服,一拜三叩首。閣臣同侍於殿內,候帝口宣 「先生來」,同進,叩首,東西立。讀者先至御前一揖,至案展書,壓金尺,執牙籤。讀五過,掩書一揖退。先書,次經,次史,進講如讀儀。侍書官侍習書畢,各叩頭退。於文華殿賜茶,文華門賜酒飯。

午講は、隆慶六年に定む。毎日早講畢り、帝暖閣に進み少しく憩ひ、章奏を閲す。閣臣等西廂房に退き、久しくして、率ひて講官再び進み午講し、『通鑑節要』及び『貞観政要』を講ず。講畢り、帝宮に還る。凡そ三・六・九の視朝の日は、暫く講読を免ず。

原文午講,隆慶六年定。每日早講畢,帝進暖閣少憩,閱章奏。閣臣等退西廂房,久之,率講官再進午講,講《通鑑節要》及《貞觀政要》。講畢,帝還宮。凡三、六、九視朝日,暫免講讀。

又嘉靖六年に定制す。月の三・八日、経筵日講官二員、『大学衍義』を講ず。十年、無逸殿講儀を定む。質明、帝常服にて輦に乗り殿門に至る。衆官門外に於て迎候す。帝輦を降り、板輿に乗り、殿に至り座に升る。各官殿門外に於て一拝三叩首し、内に入り、東西に序立す。進講を賛し、講官大学士一員班を出で叩首す。坐を賜ふを命じ、一叩首し、乃ち坐す。講畢り、展書官跪いて講章を掩ひ、講官叩頭して復た班す。又学士一員旨を承けて坐して講じ、初めの礼の如し。礼畢し、各官豳風亭に至り駕の至るを候ひ、亭内に宴を賜ふ。

原文又嘉靖六年定制,月三、八日,經筵日講官二員,講《大學衍義》。十年,定無逸殿講儀。質明,帝常服乘輦至殿門,衆官於門外迎候。帝降輦,乘板輿,至殿升座。各官於殿門外一拜三叩首,入內,東西序立。贊進講,講官大學士一員出班叩首。命賜坐,一叩首,乃坐。講畢,展書官跪掩講章,講官叩頭復班。又學士一員承旨坐講,如初禮畢。各官至豳風亭候駕至,亭內賜宴。

東宮出閣講学儀

原文東宮出閣講學儀

太祖、学士宋濂に命じ皇太子・諸王に経を大本堂に授けしむ。後に文華後殿に於てす。世宗便殿に改め、遂に殿の東廂に移す。天順二年、出閣儀を定む。是日早く、侍衛侍儀常の如し。執事官文華後殿に於て四拝し、鴻臚官皇太子の殿に升るを請ふ。師保等丹陛の上に於て四拝す。各官退出し、内侍皇太子を導き後殿に至らしめ座に升らしめ、書案を進む。侍班侍読講官入り、分かれて班を東西に立つ。内侍書を展じ、侍読講官次第に進み読み講じ、叩頭して退く。

原文太祖命學士宋濂授皇太子、諸王經於大本堂,後於文華後殿。世宗改爲便殿,遂移殿東廂。天順二年,定出閣儀。是日早,侍衛侍儀如常。執事官於文華後殿四拜,鴻臚官請皇太子升殿,師保等於丹陛上四拜。各官退出,內侍導皇太子至後殿升座,以書案進。侍班侍讀講官入,分班東西立。內侍展書,侍讀講官以次進讀講,叩頭而退。

其の毎日の講読儀は、早朝退きて後、皇太子出閣し座に升る。侍衛等の官を用ひず、惟だ侍班侍読講官入り、叩頭礼を行ふ。内侍書を展じ、先づ『四書』を読む。則ち東班の侍読官前に進み、伴読十数遍し、退きて復た班す。次に経或いは史を読む。則ち西班伴読す。亦た之の如し。読み畢り、各官退く。巳時に至り、各官入り、内侍書を展じ、侍講官早くに読みし所の『四書』を講じ畢り、退班す。次に経史を講ずるも亦然り。講畢り、侍書官写字あざなを習ふに侍す。書き畢り、各官叩頭して退く。凡そ書を読むは、三日後に一たび温め、背誦熟成す。温書の日は、新書を授けず。凡そ字を写すは、春夏秋は日に百字、冬は五十字。凡そ朔望節假及び大風雨雪・隆寒盛暑は、則ち暫く停む。

原文其每日講讀儀,早朝退後,皇太子出閣升座,不用侍衛等官,惟侍班侍讀講官入,行叩頭禮。內侍展書,先讀《四書》,則東班侍讀官向前,伴讀十數遍,退復班。次讀經或史,則西班伴讀,亦如之。讀畢,各官退。至巳時,各官入,內侍展書,侍講官講早所讀《四書》畢,退班。次講經史亦然。講畢,侍書官侍習寫字。寫畢,各官叩頭退。凡讀書,三日後一溫,背誦成熟。溫書之日,不授新書。凡寫字,春夏秋日百字,冬日五十字。凡朔望節假及大風雨雪、隆寒盛暑,則暫停。

弘治十一年に更めて定む。三師三少並びに宮僚丹陛に於て四拝畢り、殿左右の門より入り、東西に立つ。講読畢るを候ひ、叩頭して退く。隆慶六年、皇太子の座を文華殿の東廂に改めて設け、正中西向とす。毎日講読の各官、先づ文華門外に詣り東西に向ひ、序立す。帝の日講経筵に御する畢るを候ひ、皇太子出閣し座に升る。凡そ東宮初めて講ずる時は、閣臣連ねて五日間侍し、後は毎月三・八日に一たび至り、先づ拝して出で、然る後に各官入る。崇禎十一年、礼部事を署す学士顧錫疇言ふ、「東宮嘉礼告成し、累朝錫賚据り有り。『実録』に成化十五年を載す。皇太子出閣講学し、六卿皆保・傅を加ふ。弘治十年、皇太子出閣講学し、内閣徐溥等四人・尚書馬文升等七人、倶に宮保を加ふ。」帝酌議して之を行はしむ。

原文弘治十一年更定,三師三少並宮僚于丹陛四拜畢,從殿左右門入,東西立。候講讀畢,叩頭退。隆慶六年,改設皇太子座於文華殿之東廂,正中西向。每日講讀各官,先詣文華門外東西向,序立。候帝御日講經筵畢,皇太子出閣升座。凡東宮初講時,閣臣連侍五日,後每月三、八日一至,先拜出,然後各官入。崇禎十一年,署禮部事學士顧錫疇言:「東宮嘉禮告成,累朝錫賚有據。《實錄》載成化十五年,皇太子出閣講學,六卿皆加保、傅。弘治十年,皇太子出閣講學,內閣徐溥等四人、尚書馬文升等七人,俱加宮保。」帝命酌議行之。

諸王読書儀

原文諸王讀書儀

書堂は皇極門の右廂に在り。講官は部曹を選び、或いは進士を改めて翰林官を授け、之を充てる。天順二年に定む、初めて書堂に入る、其の日早く、王は右順門の北の書堂に至り、東に向かい、中に坐す。提督講讀並びに講讀官は四拝の礼を行ふ。内官は書を捧げて案上に展べ、案の左に就きて坐す。講讀官は進みて案の右に立つ。伴読十遍し、叩頭して退く。毎日講読す、清晨、王は書堂に至り、講讀官は叩頭の礼を行ひ、伴読十遍し、出づ。飯後、復た堂に詣でて伴ひて写字を見る。講書畢り、仍て叩頭して退く。萬曆六年に定む、書堂に中座を設け、書案は左に在り、写字案は右に在る。輔臣は講讀侍書官を率ひて門外に候す。王は書堂に入り、令旨を伝へて「先生進め」とす。輔臣は各官を率ひて入り、四拝し、分班して侍立す。講讀官は次を以て書を授け各十遍を訖へ、令旨「先生酒飯を喫せよ」とす、各官出づ、王は暫く堂の南間に入りて少しく憩ふ。輔臣は各官を率ひて入る。令旨「先生進め」とす、遂に入りて分班して侍立す。侍書官は写字を見、講讀は次を以て進みて講じ畢り、各官一拝して出づ。

原文書堂在皇極門右廂。講官選部曹或進士改授翰林官充之。天順二年定,初入書堂,其日早,王至右順門之北書堂,面東,中坐。提督講讀並講讀官行四拜禮。內官捧書展於案上,就案左坐。講讀官進立於案右。伴讀十遍,叩頭退。每日講讀,清晨,王至書堂,講讀官行叩頭禮,伴讀十遍,出。飯後,復詣堂伴看寫字。講書畢,仍叩頭退。萬曆六年定,書堂設中座,書案在左,寫字案在右。輔臣率講讀侍書官候於門外。王入書堂,傳令旨「先生進」。輔臣率各官入,四拜,分班侍立。講讀官以次授書各十遍訖,令旨「先生吃酒飯」,各官出,王暫入堂南間少憩。輔臣各率官入。令旨「先生進」,遂入分班侍立。侍書官看寫字,講讀以次進講畢,各官一拜出。