明史

志第十一 暦五

志第十一 暦五

大統暦法三上 推歩

大統暦の推歩は、すべて『授時暦』に基づき、ただ消長の法を除いただけである。しかし『通軌』の諸捷法は、実際に布算に必要なものであり、その間の次序もまた『暦経』とわずかに異なる点がある。例えば気朔発斂は、『授時暦』では元来二章に分かれていたが、今は古今を合わせて一章とした。『授時暦』では盈縮差は日躔にあり、遅疾差は月離にあり、定朔と経朔は別々の二箇所にあった。今では経朔を求めた後、直ちに定朔を求めるので、用いるのに大変便利である。その項目は七つ:気朔、日躔、月離、中星、交食、五星、四餘という。

▲歩気朔発斂(附)

洪武十七年甲子の歳を元とする。上は至元辛巳より一百零四算を距てる。

歳周三百六十五万二千四百二十五分、実測に消長なし。これを半分にしたものを歳周、四分の一にしたものを気象限、二十四分の一にしたものを気策とする。

日周一万。即ち一百刻、刻には百分あり、分には百秒あり、以下微細なものは、皆百を以て次第に分割する。

気応五十五万零三百七十五分。

距算一百零四を置き、中積三億七千六百十九万九千七百七十五分を求め、これに辛巳の気応五十五万零六百分を加え、通積三億七千六百七十五万零三百七十五分を得、紀法六十で割り満たして去り、余りを『大統』の気応とする。

閏応一十八万二千零百七十零分一十八秒。

中積を置き、辛巳の閏応二十万二千零五十分を加え、閏積三億七千六百四十万一千八百二十五分を得、朔実で割り満たして去り、余りを『大統』の閏応とする。

転応二十万九千六百九十零分。

中積を置き、辛巳の転応十三万零二百零五分を加え、合わせて三億七千六百三十二万九千九百八十分を得、転終で割り満たして去り、余りを『大統』の転応とする。

交応は十一万五千百五分八秒。

中積に辛巳の交応二十六万三百八十八分を加え、合わせて三億七千六百四十六万百六十三分を得、これを交終で除き満数去り、余りを『大統』の交応とする。

『授時暦』が既に成った後に、閏・転・交の三応の数は、直ちに改定があった。故に『元史』志の『暦経』では閏応は二十万一千八百五十分であるが、『通軌』に載せる閏応は二十万二千五十分であり、実際に二百分を加えており、これは当時、経朔を二刻早く改めたのである。『暦経』では転応は十三万一千九百四分であるが、『通軌』に載せる転応は十三万二百五分であり、実際に千六百九十九分を減じており、これは入転を十七刻弱遅く改めたのである。『暦経』では交応は二十六万百八十七分八十六秒であるが、『通軌』の交応は二十六万三百八十八分であり、実際に二百分十四秒を加えており、これは正交を二刻強早く改めたのである。或いは『通軌』の辛巳の三応が、『元史』志と互いに異なるのを、元統の定めたものと見做すが、それは誤りである。暦法を改めるには必ず測験に拠るべきであり、即ち始末を詳しく具えるべきであるのに、何故か逆に『授時暦』を追って改め、自らの勤めを没却するのであろうか。故に『通軌』に述べる所は、『授時暦』の続いて定めた数であり、『暦経』に存する所は、その未定の初稿なのである。

通余は五万二千四百二十五分。

朔策は二十九万五千三百五分九十三秒、一名を朔宝という。その半分を望策とし、一名を交望という。またその半分を弦策とする。

通閏は十万八千七百五十三分八十四秒。

月閏は九千六十二分八十二秒。

閏限は十八万六千五百五十二分九秒、一名を閏準という。

盈初縮末限は八十八万九千百九十二分二十五秒。

縮初盈末限は九十三万七千百二十分二十五秒。

転終は二十七万五千五百四十六分、その半分を転中とする。

朔転差は一万九千七百五十九分九十三秒。

日転限は十二限二十。

転中限は百六十八限零八三零六零、日転限に転中を乗ずる。一名を限総という。

朔転限は二十四限一零七一一四六、日転限に朔転差を乗ずる。

弦轉限は九十零限零六八三零八六五なり。日轉限に弦策を乗ずる。一名限策。

交終は二十七萬二千一百二十二分二十四秒。

朔交差は二萬三千一百八十三分六十九秒。

氣盈は二千一百八十四分三十七秒五十微。

朔虛は四千六百九十四分零七秒。

沒限は七千八百一十五分六十二秒五十微。

盈策は九萬六千六百九十五分二十八秒。

虛策は二萬九千一百零四分二十二秒。

土王策は三萬零四百三十六分八十七秒五十微。

宿策は一萬五千三百零五分九十三秒。

紀法は六十萬。即ち旬週六十日。

天正冬至を推すには、洪武甲子よりの積年を置き一を減じ、歳周を以て之に乗じて中積と為し、気応を加えて通積と為し、満紀法して之を去ち、至らざる満たざるの数を天正冬至と為す。萬を以て日と為し、甲子より算外に命じ、冬至の日辰と為す。通余を累加すれば、即ち次年天正冬至を得。

天正閏余を推すには、中積を置き、閏応を加え、朔策に満てて之を去ち、満たざるの数を天正閏余と為す。通閏を累加すれば、即ち次年天正閏余を得。

天正経朔を推すには、冬至を置き、閏余を減ず。減に及ばざるに遇えば、紀法を加えて之を減じ、天正経朔と為す。閏無き年は五十四萬三六七一一六を加う。十二朔策紀法。閏有る年は、二十三萬八九七七零九を加う。十三朔実紀法を去る。満紀法して仍之を去ち、即ち次年天正経朔を得。天正閏余を視るに閏限已上に在れば、其の年閏月有り。

天正盈縮を推すには、半歳周を置き、其の年閏余全分を内減し、余りを以て求めし天正縮歴と為す。径かに次年を求めんとせば、天正縮歴内に通閏を減ずれば、即ち得。減じたる後、一百五十三日零九已下に在るを視て、復た朔実を加え、次年天正縮歴と為す。

天正の遅疾を推すには、中積を置き、転応を加え、その年の閏餘全分を減じ、余りが転終に満てばこれを去り、即ち天正入転を得る。転中にあるを見て已下ならば疾歴と為し、已上ならばこれを去りて遅歴と為す。もし径かに次年を求めんとせば、二十三萬七一一九一六を加え、十二転差の積なり。閏を経て更に転差を加え、皆転終に満てばこれを去り、遅疾各おの其の旧に仍る。もし転中に満てばこれを去り、遅疾相代わるを為す。

天正入交を推すには、中積を置き、閏餘を減じ、交応を加え、交終に満てばこれを去り、即ち天正入交凡日を得る。もし径かに次年を求めんとせば、六千零八十二分零四秒を加え、十二交差内交終を去る。閏を経て二萬九千二百六十五分七十三秒を加え、十三交差内交終を去る。皆交終に満てば仍これを去り、即ち得る。

各月の経朔及び弦望を推すには、天正経朔策を置き、紀法に満てばこれを去り、即ち正月経朔を得る。弦策を以て累次之に加え、紀法を去り、即ち弦望及び次朔を得る。

各恒気を推すには、天正冬至を置き、三気策を加え、紀法に満てばこれを去り、即ち立春恒日を得る。気策を以て累次之に加え、紀法を去り、即ち二十四気恒日を得る。

閏が何月にあるかを推すには、朔策を置き、閏有る年の閏餘を以てこれを減じ、余りを実と為し、月閏を法と為して一し、得数に天正の次月より起算し外に命じ、即ち閏する所の月を得る。閏に進退有り、仍定朔に中気無きを以て定と為す。もし減余月閏に及ばず、或いは僅かに一月閏に及ぶは、閏が年前にあると為す。

各月の盈縮歴を推すには、天正縮歴を置き、二朔策を加え、半歳周を去り、即ち正月経朔下の盈歴を得る。弦策を累次加え、各弦望及び次朔を得、もし半歳周に満てばこれを去りて縮に交わり、半周に満てば又これを去り即ち復盈に交わる。

初末限を推すには、盈歴が盈初縮末限已下に在るを見、縮歴が縮初盈末限已下に在るを見、各初と為す。已上は用て半歳周を減じ以て末と為す。

盈縮差を推すには、初末歴の小余を置き、立成内の所有する盈縮を以て之に加え乗じて実と為し、日周一萬を法と為して除し、婁数を得、以て其の下の盈縮積に加え、即ち盈縮差を得る。

各月の遅疾歴を推すには、天正経朔遅疾歴を置き、二転差を加え、正月経朔下の遅疾歴を得る。弦策を累次加え、弦望及び次朔を得、皆転中に満てばこれを去り、遅疾相代わるを為す。

遅疾限を推すには、各遅次歴を置き、日転限を以てこれを乗じ、即ち限数を得る。弦転限を以て累次之に加え、転中限に満てばこれを去り、即ち各弦望及び次朔限を得る。もし径かに次月を求めんとせば、朔転限を以て之に加え、亦転中に満てばこれを去り、即ち得る。又法:立成中の日率を見て、遅疾歴と較べて小布相近き者有れば以てこれを減じ、余り八百二十已下に在れば、即ち用ゆる所の限と為す。

遅疾差を求むるには、遅疾歴を置き、立成の日率を以てこれを減じ、もし減に及ばざれば、則ち一位を退く。余り其の下の損益分を以て之に乗じて実と為し、八百二十分を法と為して除し、得数を以て其の下の遅疾積に加え、即ち遅疾差を得る。

加減差を推すには、経朔弦望下に得たる所の盈縮差・遅疾差を見て、盈遅に遇い、縮疾に遇うを以て同と為して相併せ、盈疾に遇い、縮遅に遇うを以て異と為して相較べ、各八百二十分を以て之に乗じて実と為し、再び遅疾限行度内より八百二十分を減じ、定限度を法と為し、法を以て実を除して加減差と為す。盈遅は加と為し、縮疾は減と為す。異名相較ぶる者は、盈多く疾なれば加と為し、疾多く盈に於ければ減と為し、縮多く遅なれば減と為し、遅多く縮に於ければ加と為す。

定朔望を推定するには、各経朔弦望を置き、加減差を以て之を加減し、即ち定日と為す。定朔の幹名を見て、後朔と同き者は月大と為し、同からざる者は月小と為し、内に中気無き者は閏月と為す。其の弦望が立成の相同日日出分已下に在る者は、則ち一日を退けて之を命ず。

各月の入交を推すには、天正経朔入交凡日を置き、二交差を加え、正月経朔下の入交凡日を得る。交望を累次加え、交終に満てばこれを去り、即ち各月下の入交凡日を得る。径かに次月を求めんとせば、交差を加え即ち得る。

土王用事を推すには、穀雨・大暑・霜降・大寒の恒気日を置き、土王策を減じ、もし減に及ばざれば、紀法を加えて之を減じ、即ち各土王用事日を得る。

推発斂加時 各々置きて推定する朔弦望及び恒気の小余を、十二を以て之を乗じ、一万に満てば時と為し、子正より起算す。五千に満てば、又一時を進め、子初より起算す。算外に時を得、満たざる者は、一千二百を以て之を除して刻と為し、初刻より起算す。初正時の刻は、皆初一二三四を以て好と為し、算外に之を命ず。其の第四刻は畸零と為し、刻法の三の一を得、凡そ三時にして一刻を成し、以て十二時百刻の数を足す。

按ずるに古因及び『授時』は、皆発斂を以て一章と為す。発斂去とは、日道の南に発し北に斂むるの細数なり、而して加時之に附す、則ち又発斂の辰刻を紀する所以なり、故に発斂加時と曰う。『大統』は其の算に便なるを取る、故に発斂と気朔とを合せて共に一章と為し、或は乗除を以て発斂を疏にす、其の質に非ざるなり。

推盈日 恒気小余を視るに、没限已上に在れば、盈有るの気と為す。策余一万零一四五六二五を置き、十五日を以て気策を除す。盈有るの気小余を以て之を減じ、余を六十八分六六を以て気盈を以て十五日を除す。之を乗じ、得数を以て恒気大余に加え、紀法に満てば之を去き、甲子より起算し算外に、盈日を得。盈日及び分秒を求むるには、盈策を以て之を加え、又紀法を去き、即ち得。

推虚日 経朔小余を視るに、朔虚已下に在れば、虚有るの朔と為す。虚有るの朔小余を置き、六十三分九一を以て朔虚を以て三十日を除す。之を乗じ、得数を以て経朔大余に加え、紀法に満てば之を去き、甲子より起算し算外に虚日と為す。次虚を求む。日及び分秒を置き、虚策を以て之を加え、又紀法を去き、即ち得。

推直宿 通積を置き、気応を以て中積に加う。閏応を減じ、宿会二十八万を以て累次之を去き、余翼宿より起算し算外に命じ、天正経朔直宿を得。天正経宿直宿を置き、両宿策を加え、正月経朔直宿と為す。宿策を以て累次加え、各月経朔直宿を得。再び各月朔下の加減差を以て之を加減し、定朔直宿と為す。

▲歩日躔

周天三百六十五度二十五分七十五秒、半之を半周天と為し、又半之を象限と為す。

歳差一分五十秒。

周応三百一十五度一十分七十五秒。

按ずるに此れは至元辛巳の周応に係る、乃ち虚七度より箕十度に至るの度数なり。洪武甲子相距ること一百四年、歳差已に天を退くこと五十四分五十秒、而るに周応仍って旧数を用う、殆ど伝習の誤りなる耳。

推天正冬至日躔赤道宿次 中積を置き、周応を加え、応に距暦元甲子以来の歳差を減ず。周天に満てば之を去き、尽きざれば、虚七度より起し、各宿次に依りて之を去き、即ち冬至加時赤道日度。如し次年を求むれば、歳差を累減し、即ち得。

表格略

推天正冬至日躔黄道宿次 冬至加時赤道日度を置き、至後赤道積度を以て之を減じ、余を黄道率を以て之を乗ず。赤道率の如くして一と為し、得数を以て黄道積度に加え、即ち冬至加時黄道日度。黄赤道積度及び度率は、倶に『法原』に見ゆ。

表格略

推定象限度 冬至加時赤道日度を以て、冬至加時黄道日度と相減じ、黄赤道差と為す。本年の黄赤道差を以て、次年の黄赤道と相減じ、余を四を以て一と為し、気象限内に加入し、定象限度と為す。

四正の定気日を推す。推し得た冬至分を置き、即ち冬正の定気と為し、盈初縮末限を加え、紀法に満てばこれを去き、余りを以て人正の定気と為す。縮初盈末限を加え、紀法を去き、余りを以て秋正の定気と為す。縮初盈末限を加え、紀法を去き、余りを以て次年冬正の定気と為す。

四正の相距日を推す。前正の定気大余を以て、次正の定気大余より減じ、六十日を加え、相距日を得る。もし次正気減ずるに及ばざれば、六十日を加えてこれを減じ、更に六十日を加え、相距日と為す。

四正の加時黄道積度を推す。冬至の加時黄道日度を置き、定象限を累加し、各四正の加時黄道積度を得る。

四正の加時減分を推す。四正の定気小余を置き、その初日の行度を以てこれを乗じ、日周にて一と為し、各正の加時減分と為す。

冬正は一度零五一零八五を行く。春正、夏正より九十三日を距つる者は、零度九九九七零三を行き、九十四日を距つる者は一度を行く。夏正は零度九五一五一六を行く。秋正、冬正より八十八日を距つる者は、一度零零零五零五を行き、八十九日を距つる者は一度を行く。

四正の夜半積度を推す。四正の加時黄道積度を置き、その加時減分を減じ去れば、即ち得る。

四正の夜半黄道宿次を推す。四正の夜半黄道積度を置き、黄道宿度に満てばこれを去き、即ち得る。

四正の夜半相距度を推す。次正の夜半黄道積度を置き、前正の夜半黄道積度を以てこれを減じ、余りを以て両正の相距度と為す。減ずるに及ばざるに遇えば、周天を加えてこれを減ず。

四正の行度加減日差を推す。相距度と相距日の下行積度とを相減じ、余り相距日にて一と為し、日差と為す。相距度より行積度を減じ去る者は加と為し、積度内より相距度を減じ去る者は減と為す。

秋正、冬至を距つ。冬至、春正を距つ。八十八日は行積度九十度四零零九、八十九日は行積度九十一度四零一四。春正、夏至を距つ。夏至、秋正を距つ。九十三日は行積度九十度五九九零、九十四日は行積度九十一度五九八七。

毎日の夜度を推す。四正後の毎日の行度を置く(立成に在り)。日差を以てこれを加減し、毎日の行定度と為す。四正の夜半日度を置き、行定度を以て毎日これを加え、黄道宿度に満てばこれを去き、即ち毎日の夜半日度。

黄道十二次の宿度

危十二度六四九一、娵訾に入る。辰は亥に在り。

奎一度七三六二、降婁に入る。辰は戌に在り。

奎度四五六、大梁に入る。辰は酉に在り。

胃宿三七度七四五六分、大梁に入る、辰は酉に在り。

畢宿六度八八零五分、実沈に入る、辰は申に在り。

井宿八度三四九四分、鶉首に入る、辰は未に在り。

柳宿三度八六八零分、鶉火に入る、辰は午に在り。

張宿十五度二六零六分、鶉尾に入る、辰は巳に在り。

軫宿十度零七九七分、寿星に入る、辰は辰に在り。

氐宿一度一四五二分、大火に入る、辰は卯に在り。

尾宿三度一一五分、析木に入る、辰は寅に在り。

斗宿三度七六八五分、星紀に入る、辰は丑に在り。

女宿二度零六三八分、玄枵に入る、辰は子に在り。

日躔黄道入十二次時刻を推す。入次宿度を置き、入次日の夜半日度を以てこれを減じ、余りを日周に乗じ、一分を百分と作す。実と為す。入次日の夜半日度と明日の夜半日度とを相減じ、余りを法と為す。実、法の如くして一を得、各数、発斂加時を以てこれを求めれば、即ち入次時刻なり。

▲月離を歩む

月の平行度は一十三度三十六分八十七秒半。

周限は三百三十六、これを半ばして中限と為し、又これを半ばして初限と為す。

限の平行度は零度九分六十二秒。

太陽の限行は八分二十秒。

上弦は九十一度三十一分四十三秒太。

望は一百八十二度六十二分八十七秒半。

下弦は二百七十三度九十四分三十一秒少。

交終度は三百六十三度七十九分三十四秒一九六。

朔平行度は三百九十四度七八七一一五一六八七五。

朔後の平交日を推す。交終分を置き、気朔暦を減じる。天正経朔交凡分を減じ、朔後の平交日と為す。次月を推すが如くは、累次交差二日三一八六九を減じ、次月朔平交日を得。交差より減ずるに及ばざれば、交終を加えて之を減じ、其の交また本月に在りて、重交月朔後の平交日と為す。毎歳必ず重交の月有り。

平交入転遅疾暦を推す。経朔遅疾暦を置き、朔後の平交日を加えて平交入転と為す。転中已下に在れば、其の遅疾は経朔と同く、已上は転中を減じて疾は交遅し、遅は交疾す。次月を推すが如くは、累次交転差三千四百二十三分七六を減ず、交差内転差数を減ず。即ち得。減ずるに及ばざるが如くは、転中を加えて之を減じ、亦た遅疾相代わる。

平交入限遅疾差を推す。平交入転遅疾暦を置き、歩気朔内に依り、遅疾差を推し、那得す。

平交加減定差を推す。平交入限遅疾差を置き、朔日率八百二十分を以て之を乗じ、以て入る所の遅疾限下行度を以て一と為し、即ち得。遅に在れば加と為し、疾に在れば減と為す。

経朔加時積を推す。経朔盈縮暦を置き、歩気朔内に見る。盈暦に在れば即ち加時中積と為し、縮暦に在れば半歳周を加う。次月を推すが如くは、累次朔策を加え、歳周に満てば之を去り、即ち各朔加時中積、日を命じて度と為す。若し月内に二交有れば、後交は即ち前交経朔加時中積を注す。

冬至加時黄道積度及び宿次を距るる正交を推す。朔後の平交日を置き、月平行を以て之を乗じて距後度と為し、以て経朔加時中積を加え、各月の冬至加時黄道積度を距るる正交と為す。冬至加時黄道日度を加え、日躔に見る。黄道積度鈐を以て之を減じ、宿次に満たざるに至り、即ち正交月離。次月を推すが如くは、累次月平交朔差一度四六三一零二を減ず。交終度を以て天周を減ずれば、其の数は宜しく一度四六四零八零と為すべし。重交月に遇えば、次朔に同じ。後此に倣う。

▲黄道積度鈐

(表格略)

正交日辰時刻を推す。朔後の平交日を置き、経朔を加え、紀法を去り、平交定差を以て之を加減し、其の日甲子を命じて算外とし、小余は発斂加時に依りて之を求め、即ち正交日辰時刻を得。次月を推すが如くは、累次交終を加え、紀に満てば之を去る。重交に遇えば、再び交終を加う。

四正の赤道宿次を推す。冬至の赤道日度を置き、気象限を累次加え、満ちて赤道積度を去れば、四正加時の赤道日度となる。

▲赤道積度鈐

(表格略)

正交黄道が二至後の初限・末限にあることを推す。正交距冬至加時黄道積度を置き、半歳周より下ならば冬至後とし、上ならば半歳周を減じ、余りを夏至後とする。また二至後の度分を視、気象限より下ならば初限とし、上ならば半歳周を以て減じ、余りを末限とする。次月を推すには、もし本月が初限ならば、月平交朔差を累減し、余りを次月初限とする。減に及ばざれば、反って月平交朔差を減じ、余りを次月末限とする。もし本月が末限ならば、月平交朔差を累加し、次月の天限とし、気象限に満てば、半歳周を以て減じ、余りを次月初限とする。

定差度を推す。初末限を置き、象極総差一分六零五五零八を以て乗ずれば、即ち定差度となる。象極総差は、象限を以て極差を除したるもの、その数は一十六分零五四四二とすべし。もし次月初限を推すには累減し、末限を推すには累加し、ともに極平差二十三分四九零二を以て加減す。極平差は、月平交朔差を以て象極総差を乗じたるもの、その数は二十三分五零四九とすべし。

距差度を推す。極差十四度六六を置き、定差度を減ずれば、即ち得。次月を求むるには、極平差を以て加減す。初限は加え、末限は減ず。

定限度を推す。定差度を置き、定極総差一分六三七一零七を以て乗ず。定極総差は、極差を以て二十四度を除したるもの、その数は一度六三七一零七とすべし。得たる所を視、正交が冬至後ならば減じ、夏至後ならば加え、皆九十八度を置き加減すれば、即ち得。

月道と赤道の正交宿度を推す。正交が冬至後ならば、春正赤道積度を置き、距差度(初限は加え、末限は減ず)を以て加減す。夏至後ならば、秋正赤道積度を置き、距差(初限は減じ、末限は加う)を以て加減す。得たる数、赤道積度鈐に満てば去り、即ち得。

月道と赤道の正交後積度を推し、併せて初末限に入る。月道と赤道の正交が入る某宿次を視、即ち本宿の赤道全度を置き、月道と赤道の正交宿度を減じ、差を正後積度とす。赤道各宿の全度を以て累次加え、気象限に満てば去り、半交後とす。また満てば去り、中交後とす。再び満てば去り、半交後とす。各交の積度を視、半象限より下ならば初限とし、上ならば象限を覆減し、余りを末限とする。

定差を推す。毎交の定限度を置き、初末限と相乘じ、得たる数、千を以て約して度とすれば、即ち得。正交・中交後は加え、半交後は減ず。

月道定積度及び宿次を推す。月道と赤道の各交後毎宿の積度を置き、定差を以て加減すれば、各交の月道積度となる。月道と赤道の正交定宿度を加え、共に正交後宿度とす。前宿の定積度を以て減ずれば、即ち各交の月道宿次を得。

▲活象限例

正交後宿次を置き、前交後半交末宿の定積度を加う。活象限となる。もし正交後宿次度少なく、前交を加えて数に及ばざれば、却って正交後宿次を置き気象限を加うれば即是なり。もし換交の月に遇えば、正交後宿次を置き、前交前半交末宿の定積度を加うれば、換交活象限となる。仮に前交正交は軫、後交正交は角とし、その前交は一軫を欠く。活象限を求むるには、正交後宿次を置き、翼の下より定積度を取って加えず、仍って軫の下より定積度を取るなり。また前交・正交は軫、後交・正交は翼とし、その前交は一翼を多し。活象限を求むるには、正交後宿次を置き、翼の下より定積度を取って加えず、仍って張の下より定積度を取るなり。

相距日を推す。定上弦大餘を置き、定朔大餘を減ずれば、即ち得。上弦より望、望より下弦、下弦より朔も此に倣う。減に及ばざれば、紀法を加えて減ず。

定朔弦望の盈歴に入ること及び盈縮定差を推す。各月の朔弦望の盈縮歴に入るを置き、朔弦望加減差を以て加減す(並びに歩気朔内に在り)。定盈縮歴とす。盈歴を視、盈初限より下ならば盈初とし、上ならば半歳周を以て減じ、余りを盈末限とする。縮歴を視、縮初限より下ならば縮初限とし、上ならば半歳周を以て減じ、余りを縮末限とする。歩気朔内に依りて盈縮差を求め、盈縮定差とす。

推定朔弦望加時中積 定盈縮歴を置き、もし盈歴に在りて朔ならば、即ち加時中積と為し、上弦に在れば気象限を加え、望に在れば半歳周を加え、下弦に在れば三象限を加う。もし縮歴に在りて朔ならば、半歳周を加う。上弦に在れば三象限を加え、望に在れば即ち加時中積と為し、下弦に在れば気象限を加う。加うる後、満ちて周天すれば之を去る。

推黄朔弦望加時中定積度 定朔弦望加時中積を置き、其の下の盈縮定差を以て、盈は之を加え、縮は之を減じ、即ち得。

推赤道加時積度及宿次 黄道加時定積度を置き、周天象限已下に在れば至後と為し、已上は之を去りて分後と為し、両象限に満てば之を去りて至後と為し、三象限に満てば之を去りて分後と為す。分至後の黄道積度を置き、立成内の分至後積度を以て之を減じ、余り其の下の赤道度率を以て之に乗じ、黄道度率の如くして一と為し、得たる数を分至後積度に加入し、次に去りし象限を以て之に合せ、赤道加時定積度と為す。赤度加時定積度を置き、天正冬至加時赤道日度を加入し、赤道積度鈐に満てば之を去り、定朔弦望赤道加時宿次を得。

推正半合交後積度 定朔弦望加時赤道宿次を置き、朔弦望の何れの交後に在るかを視、正半、中半。即ち交生積度を以て、朔望加時赤道宿前一宿に在る者を之に加え、即ち正半中交後積度と為し、気象限に満てば之を去り、正半中換交と為す。

推初末限 正半中交後積度を視、半象已下に在れば初限と為し、已上は覆へて気象限を減じ、余りを末限と為す。

推月道與赤道定差 其の交定限度を置き、初末限と相減じ相乘じ、所得、千を約して度と為し、即ち定差。正交、中交に在れば加と為す。半交に在れば減と為す。

推定朔弦望加時月道宿次 定朔弦望加時月道定積度を置き、交後の月道定積度を取り、交後の月道定積度を取り、置きし所の前一宿に在る者を之より減じ、即ち得。転交に遇へば則ち前積度多く、置きし積度少なくして減に及ばず。半より正に転ずれば、其の交活象限を加えて之を減ず。正より半に転じ、半より中に転じ、中より半に転ずるは、皆気象限を加えて之を減ず。

推夜半入転日 経朔弦望遅疾歴を置き、定朔弦望加減差を以て之を加減す。大疾歴は、即ち定朔弦望加時入転日と為す。遅歴に在れば、転中を加えて置き、定朔弦望加時入転日を以て、定朔弦望小余を以て之を減じ、夜半入転日と為す。入転日少なくして減に及ばざる者に遇へば、転終を加えて之を減ず。

推加時入転度 定朔弦望小余を置き、秒を去り、夜半入転日の下の転定度を取りて之に乗じ、万を約して分と為し、即ち得。

▲遅疾転定度鈐

表格略

推定朔弦望夜半入転積度及宿次 定朔弦望加時月道定積度を置き、加時入転度を減じ去り、夜半積度と為す。もし朔弦望加時定積度初めて交を換ふれば、則ち減に及ばず、半正相接し、活象限を用ひ、正半、中半相接し、気象限を以て之に加へ、然る後加時入転度を減ずれば、則ち正は後年と為り、後年は中と為り、中は前半と為り、前半は正と為る。朔弦望夜半月道定積度を置き、推定朔弦望加時月道宿次法に依りて之を減じ、夜半宿次と為す。

推晨昏入転日及転度 夜半入転日を置き、定盈縮歴を以て立成の日下の晨分を検し之に加へ、晨入転日と為し転終に満てば之を去る。其の日の晨分を置き、夜半入転日の下の転定度を取りて之に乗じ、万を約して分と為し、晨転度と為す。もし昏転日転度を求むれば、法に依りて日の下の昏分を検し、即ち得。

推晨昏転積度及宿次 朔弦望夜半月道定積度を置き、晨転度を加へ、晨転積度と為す。もし昏転積度を求むれば、則ち昏転度を加へ、気象限に満てば之を去り、則ち交を換ふ。もし夜半積度を推すの時、朔弦望加時定積転度を減するに及ばず、半正相接して活象限を加ふる者に因るは、今復た正交を換ふれば、則ち活象限を以て之を減ず。晨転積度を置き、前法に依りて之を減じ、晨分宿次と為す。昏転積度を置き、法に依りて之を減じ、昏分宿次と為す。

推相距度 朔と上弦の相距、上弦と望の相距には、昏転積度を用ふ。望と下弦の相距、下弦と朔の相距には、晨転積度を用ふ。後段の晨昏転積度を置き、前段と同交なる者を視、竟に前段の晨昏転積度を以て之を減じ、余りを相距度と為す。もし後段と前段両交に接する者は、正より半に入り、半より中に入り、中より半に入るは、気象限を加ふ。半より正に入るは、活象限を加ふ。然る後前段の晨昏転積度を以て之を減ず。もし後段と前段三交に接する者は、其の内に半より正に入る無ければ、則ち二気象限を加へ、其の内に半より正に入る有れば、則ち一活象限、一気象限を加へ、前段の晨昏転積度を以て之を減ず。

転定積度を推す。晨昏入転日を置き、朔より弦に至り、弦より望に至るは、昏を用いる。望より弦に至り、弦より朔に至るは、晨を用いる。前段を以て後段より減じ、減に及ばざる者は、二十八日を加えて之を減じ、晨昏相距日と為す。前段の下より、鈐内に於いて晨昏相距日の同じき者を験し、其の転定積度を取る。若し朔弦望相距日、晨昏相距日に一日少き者は、則ち晨昏相距日の同じき者に於いて、其の転積度を取り、転定極差一十四度七一五四を減じ去り、余りを前段より後段に至る転定積度と為す。

▲転定積度鈐

(以下、表は略す)

加減差を推す。相距度を以て転定積度と相減じて実と為し、其の朔弦望相距日を以て法と為して之を除し、得る所、相距度多きを視て加差と為し、少きを減差と為す。

毎日の太陰行定度を推す。朔弦望晨昏入転日を置き、遅疾転定度鈐の日下転定度を視、日を累ねて加減差を以て之を加減し、距る所の日に至りて止め、即ち得。

毎日の月離晨昏宿次を推す。朔弦望晨昏宿次を置き、毎日の太陰行度を以て之を加え、月道宿次に満てば之を減じ、即ち得。

▲赤道十二宮界宿次

(表は略す)

月と赤道正交後の宮界積度を推す。月道と赤道正交後の各宿積度宮界を視、某宿次後にあるを、即ち以て之を加え、便ち某宮正交後の宮界積度と為す。次宮を求むる者は、宮率二十度四三八一を累加し、気象限に満てば之を去り、各某宮下半交後の宮界積度を得。

宮界定積度を推す。宮界度を視、半象限已下にあれば初限と為し、已上にあれば覆って気象限を減じ、余りを末限と為す。某交定限度を置き、初末限と相減じ、相乘じ、得る所、千を以て約して度と為し、正交・中交にあれば加差と為し、半交にあれば減差と為す。宮界正半中交後の積度を置き、定差を以て之を加減し、宮界定積度と為す。

宮界宿次を推す。宮界定積度を置き、月道内に於いて其の置く所の前一宿にある者を取って之を減じ、之を減するに及ばざる者は、気象限を加えて之を減ず。

毎月毎日の下交宮時刻を推す。毎月の宮界宿次を置き、入交宮日の下の月離晨昏宿次を減ず。若し減するに及ばざれば、宮界宿次の前宿を加えて之を減じ、余りを日周に乗じ、其の日の太陰行定度を以て一と為し、得数、又定盈縮歴を視て立成の日下晨昏分を取り之を加う。晨は晨分を加え、昏は昏分を加う。

若し日周に満てば交宮は次日に在り、満たざれば本日に在り、発斂に依り之を推し、即ち交宮時刻を得。

▲歩中星

毎日の夜半赤道を推す。推し到る毎日の夜半黄道を置き、日躔を見る。法に依り黄道積度を以て之を減じ、余り黄道率の如くして一と為し、以て赤道積度に加う。又天正冬至赤道を以て之を加え、若し春正後に在れば、再び一象限を加え、夏至後は半周天を加え、秋正後は三象限を加え、毎日の夜半赤道積度と為す。

夜半の赤道宿度を推す。夜半の赤道度を置き、赤道宿度を以て順次に之を減じ、本日の夜半赤道宿度と為す。

晨距度及び更差度を推す。立成内の毎日の晨分を置き、三百六十六度二十五分七十五秒を以て之に乗じて実と為し、日周に如くして一と為し、晨距度と為す。晨距度を倍し、五を以て之を除き、更差度と為す。

毎日の夜半中星を推す。推して到る毎日の夜半赤道宿度を置き、半周天を加へ、即ち夜半中星積度なり。赤道度を以て順次に之を減じ、夜半中星宿度と為す。

昏旦中星を推す。夜半中星積度を置き、晨距度を減じ、昏中星積度と為す。更差度を以て累次に之を加へ、遂更及び旦中星積度と為す。俱に赤道宿度に満てば之を去り、即ち得。晨分の五の一を以て、加へて更率と為す。更率を五にて一と為し、點率と為す。凡そ昏分は、即ち一更一點なり、累次に更率を加へて各更と為す。凡そ交更は即ち一點なり、累次に點率を加へて各點と為す。