▲大統暦法一下 法原
日月五星平定三差
太陽盈縮平立定三差之原。
冬至前後盈初縮末限は、八十八日九十一刻、整数に就く。これを六段に分ち、毎段各に一十四日八十二刻を得る。整数に就く。各段の実測日躔度数と平行とを較べ、以て積差と為す。
積日
積差
一十四日八二
七千五十八分零二五
二十九日六四
一万二千九百七十六三九二
四十四日四六
一万七千六百九十三七四六二
五十九日二八
二万一千一百四十八七三二八
七十四日一零
二万三千二百七十九九九七
八十八日九二
二万四千二十六一八四
各段の積差を置き、その段の積日をもってこれを除し、各段の日平差とする。各段の日平差を置き、後段の日平差と相減じ、一差とする。一差を置き、後段の一差と相減じ、二差とする。
日平差
一差
二差
四百七十六分二五
三十八分四五
一分三八
四百三十七分八零
三十九分八三
一分三八
三百九十七分九七
四十一分二一
一分三八
三百五十六分七六
四十一分五九
一分三八
三百一十四分一七
四十三分九七
二百七十零分二零
凡立積差六十九秒を以て、凡平積差三十七分零七秒を減じ去り、余り三十六分三十八秒を実と為し、段日一十四日八十二刻を以て法と為し之を除し、二分四十六秒を得、平差と為す。凡立積差六十九秒を実として置き、段日を以て法と為し二次除し、三十一微を得、立差と為す。
夏至前後の縮初盈末限、九十三日七十一刻、整数に就く。離れて六段と為し、毎段各に一十五日六十二刻を得。整数に就く。各段実測の日躔度数を、平行と相較べ、以て積差と為す。
積日
積差
一十五日六二
七千零五十八分九九零四
三十一日二四
一万二千九百七十八六五八
四十六日八六
一万七千六百九十六六七九
六十二日四八
二万万一十一百五十零七二九六
七十八日一零
二万三千二百七十八四八六
九十三日七二
二万四千零百一十七六二四四
日平差、一差、二差の算法は、盈初縮末と同じである。
日平差
一差
二差
四百五十一分九二
三十六分四七
一分三三
四百一十五分四五
三十七分八零
一分三三
三百七十七分六五
三十九分一二
一分三十三秒
三百三十八分五十二秒
四十零分四十六秒
一分三十三秒
二百九十八分零六秒
四十一分七十九秒
二百五十六分二十七秒
凡そ盈縮を求むるには、入歴の初日・末日を以て立差に乗じ、得たる数を以て平差に加え、再び初日・末日を以て之に乗じ、得たる数を以て定差より減じ、余りの数を初日・末日を以て之に乗ずるを、盈縮積と為す。
凡そ盈歴は八十日九零九二二五を以て限と為し、縮歴は九十三日七一二零二五を以て限と為す。其の限已下に在れば初と為し、以上に在れば半歳周を転減し余りを末と為す。盈初は是れ冬至後より順推し、縮末は是れ冬至前より逆溯す。其の冬至に距ること同じければ、故に其の盈積同じ。縮初は是れ夏至後より順推し、盈末は是れ夏至前より逆溯す。其の夏至に距ること同じければ、故に其の縮積同じ。
(表格略)
▲盈縮招差圖說
盈縮の招差は、本来は一象限の法である。例えば盈歴では八十八日九十一刻を以て象限と為し、縮歴では九十三日七十一刻を以て象限と為す。今ただ九限を作るは、これを挙げて例と為すなり。その空格九行の定差本数は、実なり。その斜綿以上の平差・立差の数は、法なり。斜綿以下の空格の定差は、乃ち余実なり。仮に定差を一万と為し、平差を一百と為し、立差を単一と為す。今九限法を求めんと欲すれば、九限を以て定差に乗じ九万を得て実と為す。別に平差を置き、九限を以て二次に乗じ、八千一百を得。立差を置き、九限を以て三次に乗じ、七百二十九を得。両数を併せて八百二十九を得て法と為す。法を以て実を減じ、余り八万一千一百七十一、これ九限積なり。また法あり、九限を以て平差に乗じて九百を得、また九限を以て立差に二次乗じて八十一を得、両数を併せて九百八十一を得て法と為し、定差一万を実と為し、法を以て実を減じ、余り九千零一十九、即ち九限末位に書する所の定差なり。ここに於いて更に九限を以て余実に乗じ、八万一千一百七十一を得て九限積と為す、前に得たる所と異なる。蓋し前の法は先に乗じて後に減じ、又の法は先に減じて後に乗ず、その理は一なり。
按ずるに『授時暦』は七政の盈縮に於いて、並びに垛積招差を以て算を立て、その精妙なること天行に巧合し、西人の小輪を用いて推歩するの法と、殊途同帰す。然れども世に伝わる『九章』諸書は、その術を載せず、『暦草』はその術を載すれども、その故を言わず。宣城の梅文鼎、これが為に図解を為し、平差・立差の理、垛積の法に於いて、皆以てその所以然を発明する所有り。専書世に行わる、備録すべからず、謹んで『招差図説』を録し、以て立法の大意を明らかにす。
盈初縮末:立差三十一微を置き、六を以てこれを因み、一秒八十六微を得、加分立差と為す。平差二分四十六秒を置き、これを倍じ、四分九十二秒を得、加分立差に加入し、四分九十二秒八十六微を得、平立合差と為す。
定差五百一十三分三十二秒を置き、内より平差二分四十六秒を減じ、再び立差三十一微を減じ、余り五百一十零分八十五秒六十九微、加分と為す。
縮初盈末:立差二十七微を置き、六を以てこれを因み、一秒六十二微を得、加分立差と為す。平差二分二十一秒を置き、これを倍じ、四分四十二秒を得、加分立差に加入し、四分四十三秒六十二微を得、平立合差と為す。
定差四百八十七分零六秒を置き、内より平差二分二十一秒を減じ、再び立差二十七微を減じ、余り四百八十四分八十四秒七十三微、加分と為す。
已上推する所は、皆初日の数なり。その次日を推するは、皆加分立差を以て、平立合差に累加し、次日の平立合差と為す。平立合差を以てその日の加分を減じ、次日の加分と為す、盈縮並びに同じ。その加分を累積すれば、即ち盈縮積、その数並びに立成に見ゆ。
▲太陰遅疾平立三差之原
太陰転週二十七日五十五刻四六。測りて四象に分ち、象各七段、四象二十八段、毎段十二限、毎象八十四限、凡そ三百三十六限にして四象一週す。四象を以て法と為し、転週日を除き、毎象六日八八八六五を得、七段に分ち、毎段下に実測月行遅疾の数、平行と相較べて、以て積差を求む。
積限
積差
一度二十八分七一二
二度四十五分九六一六
三度四十八分三七九二
四度三十二分五九五二
四度九十五分二四
五度三十二分九四四
五度四十二分三三七六
各段の積差を置き、その段の積限を以て法とし、これを除して、各段の限平差とする。各段の限平差を置き、後段と相減じて一差とする。一差を置き、後段の一差と相減じて二差とする。
限平差
一差
二差
一十零分七二六零
四十七秒七六
九秒三六
一十零分二四八四
五十七秒一二
九秒本六
九分六七七二
六十六秒四八
九秒三六
九分零一二四
七十五秒八四
九秒三六
八分二五四零
八十五秒二零
九秒三六
七分四零二零
九十四秒五六
六分四五六四
凡そ遅疾を求むるは、皆入暦日を以て十二限二十分を乗じ、八十四限已下に在るを初と為し、已上は転じて一百六十八限を減じ余りを末と為す。各初末限を以て立差を乗じ、得たる数を平差に加え、再び初末限を以て之を乗じ、得たる数を定差より減じ、余りを初末限を以て之を乗じ、遅疾積と為す。其の初限は最も遅く最も疾き処より順に推して後に至るに従い、末限は最も遅く最も疾き処より逆に溯って前に至るに従う。其の最も遅疾する処に距るは同じきが故に、其の積度同じし。太陰と太陽の立法同じくすれども、但し太陽は定気を以て限を立てるが故に盈縮数異なり。太陰は平行を以て限を立てるが故に遅疾原同じし。
布立成法 立差三微二十五繊を置き、六を以て之を因み、一十九微五十繊を得て、損益立差と為す。平差二秒八十一微を置き、之を倍じ、五秒六十二微を得、再加うに損益立差一十九微五十繊を以てし、共に五秒八十一微を得て、初限平立合差と為す。此より損益立差を以て、累次之に加え、即ち毎限の平立合差と為す。八十限下に至り、積みて二十一秒四一五に至り、平立合差の極と為す。八十一限下の差一秒七八零九、八十二限下の差一秒七八零八、八十三限下に至り、平立合差は益分の中分と与にし、益分の終と為す。八十四限下の差も亦た損分の中分と与にし、損分の始と為す。八十六限下の差も亦た二十一秒四一五に至り、此より損益立差を以て累次之を減じ、即ち毎限の平立合差と為し、末限に至りて初限と同じし。定差一十一分一十一秒を置き、内より平差二秒八十一微を減じ、再び立差三微二十五繊を減じ、余り一十一分零八秒一十五微七十五繊を加分定差と為し、即ち初限の損益分と為す。損益分を置き、其の限の平立合差を以て益は減じ損は加う。即ち次限の損益分と為す。益分を以て之を積み、損分を以て之を減じ、便ち其の下の遅疾度と為す。八百二十分を以て一限の日率と為し、累次八百二十分を加えて毎限の日率と為す。以上俱に立成に詳し。
五星平立定三差之原 凡そ五星各実測を以て、其の行度を八段に分ち、以て積差を求め、略ぼ日月の法の如し。
木星は立差を加え、平差を減ず。
積日
積差
一十一日五十刻
一度二一五二九七一一二
二十三日
二度三四零五二一四
三十四日と五十刻
三度三五四一三七二六五
四十六日
四度二三四六零九一二
五十七日と五十刻
四度九六零四零一三七五
六十九日
五度五零九九七八四四
八十日と五十刻
五度八六一八零四七二五
九十二日
五度九九四三四四六四
凡平差
凡平較
凡立較
四十五秒四零四三 六秒二四二二
五十一秒六四六五 六秒二四二二
五十七秒八八八七 六秒二四二二
六十四秒一三零九 六秒二四二二
七十秒三七二一、六秒二四二二
七十六秒六一五三
以上が木星の平立定三差の原である。
火星の盈初縮末。立差は減じ、平差は減ず。
積日
七日六十二刻五十分
一十五日二十五刻
二十二日八十七刻五十分
三十日五十刻
三十八日十二刻五十分
四十五日七十五刻
五十三日三十七刻五十分
六十一日
積差
六度二六八二五一二二八一八五五九三七五
一十一度六零零一七五七四三五九三七五
一十六度零二五九六三七九二五一九五三一二五
一十九度六六九零一三六二一二五
二十二度二七九八九一四七六零七四二一八七五
二十四度一六八二二八六零三二八一二五
二十五度三三一五五六二四九二六零一五六二五
二十五度六一九五一五六六
凡そ平差
八十二分零六五七三四八四三七五
七十六分零六六七二六一六七五
七十零分零五八八五八一零九三七五
六十四分一八二九六九二五
五十八分四三九零五九六零九三七五
五十二分八二七一二九一八七五
四十七分三四七一七七九八四三七五
四十一分九九九二零六
凡そ平較
六分一三九八四七二九六八七五
六分零零七八六八零七八一二五
五分八七五八八八八五九三七五
五分七四三九零九六四零六二五
五分六一一九三零四二一八七五
五分四七九九五一二零三一二五
五分三四七九七一九八四三七五
凡立較
十三秒一九七九二一八七五
十三秒一九七九二一八七五
十三秒一九七九二一八七五
十三秒一九七九二一八七五
十三秒一九七九二一八七五
十三秒一九七九二一八七五
凡そ平較は前多く後少なきは、応に凡立較を加うべし。初段下の凡平較六分一三九八四七二九六八七五を置き、凡立較十三秒一九七九二一八七五を加へ、六分二七一八二六五一五六二五を得、初日下の平立較と為す。初段の凡平差八十二分二十秒六五七三四八四三七五を置き、初日下の平立較六分二七一八二六五一五六二五を加へ、八十八分四十七秒八十四微を得、定差と為す。初日下の平立較六分二七一八二六五一五六二五を置き、凡立較の半、六秒五九八九六零九三七五を加へ、分三三七八一六一二五を得て実と為し、段日を以て一と為し、八十三秒十一微八十九繊を得、平差と為す。凡立較の半、六秒五九八九六零九三七五を置き、段日七日六十二刻五十分を法として二次除し、十一微三十五繊を得、立差と為す。
火星縮初盈末の平差は負減し、立差は減ず。
積日
十五日二十五刻
三十日五十刻
四十五日七十五刻
六十一日
七十六日二十五刻
九十一日五十刻
百六日七十五刻
百二十二日
積差
四度五三一二五一八五七九六八七五
九度一零二九六一四五一二五
一十三度五三一六七零九零一七七三七五
一十七度四七八九七九零四
二十零度八四三六六三零六六四零六二五
二十三度四三一三三六二四一二五
二十五度零九二四三五二八三四六八七五
二十五度六一八三七四七二
凡そ平差
二十九分七一三一二六九三七五
二十九分八四五七七五二五
二十九分五七八三五五零六二五
二十八分六五四零六四
二十七分三三三九五一五六二五
二十五分六一八零一七七五
二十三度五分六十二秒六二五六二五
二十度零分九十九秒八六八六
凡平較
凡立較
一十三秒五七六九七七五
六十五秒五八七二九七五
三十九秒五八二一三七五
三十九秒五八二一三七五
三十九秒五八二一三七五
三十九秒五八二一三七五
凡そ立較を停める者を取り、三十九秒五八二一三七五とし、以て一段下の凡平較一十三秒二六四八三一二五に較べ、余り二十六秒三一七三零六二五を較較と為し、以て一段下の凡平差二十九分七一三一二六九三七五に加え、二十九分九十七秒六十三微を得、定差と為す。較較二十六秒三一七三零六二五を置き、段日一十五日二十五刻を以て一とし、一秒七二五七二五を得。再び凡立較の半一十九秒七九一零六八七五を置き、段日を以て一とし、一秒二九七七七五を得。両数を併せて三秒零二微三十五纖を得、平差と為す。凡立較の半一十九秒七九一零六八七五を置き、段日一十五日二五を法とし二次除し、八微五十一纖を得、立差と為す。
已上は火星の平立定三差の原と為す。
▲土星盈歴は立差を加え、平差を減ず。
積日
積差
一十一日五十刻
一度六八三二四五八二八七五
二十三日
三度二三二一六四零一
三十四日五十刻
四度六二〇九三〇〇八六二五
四十六日
五度八二三七一九六
五十七日五十刻
六度八一四七〇八六六八七五
六十九日
七度五六八〇七一一一
八十日五十刻
八度〇五七九八四一九一二五
九十二日
八度二五八六二二八八
凡平差
凡平較
▲土星縮歴 立差は加え、平差は減ず。
積日
積差
一十一日五十刻
一度 二十四万一千九百七十四万二千六百八十七分の五
二十三日
二度 四十一万三千七百三十五万六千九分
三十四日五十刻
三度 四十八万五千七十九万六千八百六十二分の五
四十六日
四度 四十二万五千八百一万六十八分
五十七日五十刻
五度 二十万五千六百九十七万九百三十七分の五
六十九日
五度七九四五六一三五
八十零日五十刻
六度一六二四一一零零四七五
九十二日
六度二七八三七八零八
凡平差
凡平較
一段の凡平較を置き、その下の凡立較を減じ、余り二十一秒七七二三七五、これを平立較と為す。平立較を本段の凡平差に加え、一十一分零一秒七十五微を得、これを定差と為す。平立較を置き、凡立較の半分、四秒三七七四七五を減じ、余り一十七秒三九四九、段日一十一日五十刻を以て法とし、これを除し、一秒五十一微二十六繊を得、これを平差と為す。凡立較の半分を置き、段日を以て法とし二度除し、三微三十一繊を得、これを立差と為す。
以上が土星の平定三差の原である。
金星の立差は加え、平差は減ずる。
積日
積差
十一日五十刻
空度四零二一三四零九八七五
二十三日
空度七九一三九三六六
三十四日五十刻
一度一五四九一二零八一二五
四十六日
一度七四九八二二七六
五十七日五十刻
一度七五三二五九零九三七五
六十九日
一度九六二三五四四八
八十零日五十刻
二度零九四二四二三一六二五
九十二日
二度一三六零五六
凡平差
凡平較
三分四九六八一八二五 五秒五九七六二五、
三分四四零八四二零零 九秒三二七零七五、
三分二一七零零六、
二分八四三九九二、
二分三二一八、
一段の下に凡平較を置き、其の凡立較と相減じ、餘り一秒八六一七五を平立較と爲し、以て凡平差に加へ、三分五十一秒五十五微を得、定差と爲す。平立較を置き、凡立較の半、一秒八六四七二五と相減じ、餘り三十四纖、段日一十一日五十刻を以て法と爲し之を除き、三纖を得、平差と爲す。凡立較の半を置き、段日を以て法と爲し二次除き、一微四十一纖を得、立差と爲す。
已上は金星の平立定三差の原なり。
▲水星は立差を加へ、平差を減ず。
積日
積差
一十一日五十刻
空度四四零八四七三五三七五
二十三日
空度八六三一零一六八
三十四日五十刻
一度二五三八九六三七六二五
四十六日
一度六零零三六四八四
五十七日五十刻
一度八八九六三一零四三七五
六十九日
二度一零八八六六六
八十零日五十刻
二度二四五二九二一一三七五
九十二日
二度二八五六四四三二
凡平差
凡平較
凡立較
三秒七二九四五
一十一秒八一三三七五 三秒七二九四五
一十九秒二七二二七五 三秒七二九四五
二十六秒七三二一七五 三秒七二九四五
術は金星と同じく、定差三分八十七秒九十微、平差二十一微六十五纖、立差一微四十一纖を求む。
已上は水星の平立定三差の原なり。
五星に在りては、皆立差を以て秒と為し、平差を以て本と為し、定差を以て総と為す。五星各段次に因りて秒を乗じ、木土金水の四星は本を併せ、惟だ火星は本を較し、各積日に因りて積み、五星皆総を較し、又各積日を以て之を乗じ、各実測の度分を得。
五星の積日は、皆本度率に本づき、週日を除きて三百六十五度二十五分太を得。各四分之一を以て象限と為し、惟だ火星は象限の三之一を用い、象限を減じて盈初縮末限と為し、象限を加えて縮初盈末限と為す。其の度を命じて日と為すは、各盈縮歴の乗除の便を取るに因る。其の実は積日の数、即ち積度なり。
▲裏差刻漏
二至の差股及び出入差を求む。術に曰く、測る所の北極出地四十度九十五分を置きて半弧背と為し、前に割円弧矢の法を以て、推して出地半弧弦三十九度二十六分を得、是れ大三斜の中股と為す。測り到れる二至の黄赤道内外度二十三度九十分を置きて半弧背と為し、前法を以て推して内外半弧弦二十三度七十一分を得。又た黄赤道の大句と為し、又た小三斜の弦と為す。内外半弧弦を置きて自乗し之を句冪と為し、半徑自乗し之を弦冪と為し、二冪相減じ、開方して股を得、股を以て半徑より転減し、餘四度八十一分を二至出入の矢と為す、即ち黄赤道内外の矢なり。夏至の日、南より地平に至る七十四度二十六分半を半弧背と為し、求めて日下より地に至る半弧弦五十八度四十五分を得。半徑六十零度八十七分半、是れ大三斜の中弦なり。大三斜の中股三十九度二十六分を置き、二至内外半弧弦二十三度七十一分を以て之を乗じ実と為し、半徑六十零度八十七分半を以て法と為し之を除き、一十五度二十九分を得、是れ小三斜の中股又た小股と為す。小三斜の中股一十五度二十九分を置き、去って日下より地に至る半弧弦五十八度中十一分を減じ、餘四十三度一十六分、大股と為す。出入の矢四度八十一分を以て、半徑六十零度八十七分半を去り減じ、餘五十六度零六分半、大股弦と為す。大股弦を置き、小股一十五度二九を以て之を乗じ実と為し、大股四十三度一六を以て法と為し之を除き、一十九度八十七分を得て小弦と為す、即ち二至出入差の半弧弦と為す。二至出入差の半弧弦を置き、法に依り求めて二至出入差の半弧背一十九度九十六分一十四秒に到る。二至出入差の半弧背一十九度九十六一四秒を置き、二至出入半弧背一十九度九六一四を置き、二至黄赤道内外半弧弦二十三度七十一分を以て之を除き、八十四分一十九秒を得、度差分と為す。
黄道毎度の昼夜刻を求む。術に曰く、求むる所の毎度黄赤道内外半弧弦を置き、二至出入差半弧背を以て之を乗じ実と為し、二至黄赤道内外半弧弦を以て法と為し之を除き、毎度出入差の半弧背と為す。又一術、黄赤道内外半弧弦を置き、度差八十四分一十九秒を以て之を乗じ、亦た出入差半弧背を得。半徑より黄赤道内外の矢を減じ、即ち赤道二絃差、前条の立成に見ゆ。餘数を倍し、又た之を三因し、得たる数に一度を加へ、日行百刻度と為す。又一術、黄赤道内外の矢を倍し、以て全徑より減じ餘数、三因し一度を加へ、日行百刻度と為す、亦た同じ。毎度出入半弧背を置き、百刻を以て之を乗じ実と為し、日行百刻を以て法と為し之を除き、得たる数を出入差刻と為す。二十五刻を置き、出入差刻を以て黄道を視、赤道内に在れば之を加へ、赤道外に在れば之を減じ、得たる数を半晝刻と為し、之を倍して晝刻と為し、以て百刻を減じ、夜刻と為す。
例へば冬至後四度の晝刻を求む。術に曰く、冬至後四十四度黄赤道内外半弧一十七度二十五分六十九秒を置く、又た黄赤道小弧弦と為す、前の立成の中より之を取る。二至出入差半弧背一十九度九十六分一十四秒を以て之を乗じ実と為し、二至黄赤道内外半弧弦二十三度七十一分を以て法と為し之を除き、一十四度五十二分八十五秒を得、出入半弧背と為す。又一法、黄赤道内外半弧弦一十七度二五六九を置き、度差零度八四一九を以て之を乗じ、亦た一十四度五二八五を得、出入半弧背と為す。半徑六十零度八七五を置き、四十四度黄赤道内外矢二度五十一分八十一秒を以て又た赤道二絃差と為す、前の立成の中より之を取る。之を減じ、餘五十八度三十五分六十九秒、即ち赤道小弦なり。之を倍し、一百一十六度七十一分三十八秒を得、之を三因し、一度を加へ、三百五十一度一十四分一十四秒を得、日行百刻度と為す。又一術、黄赤道内外の矢を倍し五度零三分六十二秒を得、以て全徑一百二十一度七十五分を減じ、亦た一百一十六度七十一分三十八秒を得、三因し一度を加へ、日行百刻度と為す、亦た同じ。出入半弧背一十四度五十二分八十五秒を置き、百刻を以て之を乗じ実と為し、日行百刻度三百五十一度一十四分一十四秒を以て法と為し之を除き、四刻一十三分七十五秒を得、出入差刻と為す。二十五刻を置き、出入差刻四刻一十三分七十五秒を以て之を減じ、冬至後四十四度なるを因り、黄道赤道外に在る故に減ず。餘二十零刻八十六分二十五秒、半晝刻と為す。之を倍し四十一刻七十二分半を得、晝刻と為す。晝刻を以て百刻を減じ、餘五十八刻二十七分半、夜刻と為す。又一術、出入差刻四刻一十三分七十五秒を置き、之を倍し、八刻二十七分半を得、以て春秋分の昼夜五十刻を減じ、四十一刻七十二分半を得、晝刻と為す。倍刻を以て五十刻に加へ、五十八刻二十七分半を得、夜刻と為す。晝は減ずる故に加へを廃し、餘は此に倣へ。
表格略
右《歷草》に載する昼夜刻分は、乃ち大都即ち燕京の晷漏なり。夏の晝、冬の夜極めて長く、六十一刻八十四分、冬の晝、夏の夜極めて短く、三十八刻一十六分。明既に都を燕に遷すも、遵用するを知らず。惟だ正統己巳に奏準して曆を頒ち六十一刻を用ふるも、而して羣然として之を非とす。景泰初に仍ほ南京の晷刻を用ひ復し、明の世終はるまで能く改正するを得ざりき。