◎楽十六(鼓吹下)○高宗郊祀大礼五首《導引》
聖皇巡狩し、清蹕三呉に駐まる。十世瑤図を嗣ぐ。辺塵動かず幹戈戢ぎ、文德天に溥く敷く。灰飛緹室気潜かに噓し、郊に紫壇初めて見る。帰り来たり赦令楼前に下り、喜気寰区に溢る。《六州》
《十二時》
《奉禋歌》
蒼蒼たる天色是なるか還た非なるか、下を視て応に疑う亦斯の若きかと。元気を統べ、無私を覆う。四時寒暑推移し、物蕃滋す、造化誰か有って知らん!厳なる大報、本始に反り、礼重く神祇を祀る。律管灰吹き、黄宮動き、陽来り復し、景長き時。車法駕を陳べ、仗黄麾を列ね、帝心祗し。紫霄霽れ、霜華薄く、星爛れて明らかに垂る。祥煙起り、紛敷として袞冕に浮かび、六変笙鏞迭奏し、一誠幣玉交持す。宮漏声遅く、千官顕相多儀なり。百神嬉び、風馬雲車、来たり止まり来たり綏ぎ、純禧を誕降す。神策を受け、万年極まり無く、歌頌す《昊天成命》の周詩。
《降仙台》
煙を升ぐること既に罷み、良夜未だ暁けず、天歩神丘を下る。鏘鏘として鳴る玉佩、煒煒として照る金蓮、杳靄たる雲裘。彩仗初めて転じ、回龍の馭、旌旆悠悠たり。星影疏らかに動き天と流れ、漏尽く五更の籌。大明昇る、東海の頭。杲杲たる霊曜、倒影旗旒を射る。輦路具に修まり、鬱蔥たる瑞光浮かぶ。帰り来たり双闕、禦楼を看るに、仙鶴有りて書を銜み囚を赦す。万方の喜気、均しく祉福し、歌謳を播く。
孝宗郊祀大礼五首《導引》
重華の天子、長至に神虞を奉ず。九奏軒・朱に会す。星暉雲潤東方暁け、貺竹宮初めて拝す。帰り来たり千乗皇輿を護り、瑞景金鋪に集まる。鶏竿高く唱え恩書下り、恵露中区に匝る。《六州》
《十二時》
庭には燎火あり、重ねた鼓は鼉を鳴らし、更に夜の如何を問う。信星は彪列し、天象は森羅たり。虞旦の宮、畢觴の清廟、漿柘樽犧は猗那に継ぎ、嘉頌は科を同じくすべし。扈聖の肩摩すること万、飭躬すること三宿、泰畤の縟儀多し。丘沢合し、嶽瀆は羲和に従う。神光燭き、雲車風馬、芝は蓋と作り、玉は珂と為す。瑄を奉じて礼を成し、燔柴して事を竣う。休嘉は砰隠し、丹闕に湛恩の波あり。共に乾坤の祉を隤し、辺鄙の戈を投ずるを願う。覆盂は瀚海に連なり、甲を洗いて天河を挽く。欣欣喜色、長く六龍の過ぐるに遇う。雲和を奏し、三脊の嘉禾を薦む。
『奉禋歌』
葭を吹き緹籥の気潜かに分かれ、雲采は書に宜しく壤は珍を效す。長日至り、一陽新たなり。四時の玉燭和均し、物欣欣として、化洪鈞に転ず。郊の祭、孤竹の管、六変の舞『雲門』。古より厳禋、犠牲具わり、粢盛潔く、豆籩陳ぶ。袞龍陟降し、幣玉紛綸たり、高閽を徹す。霊の斿、神なるかな沛たり、歴昆侖を排す。『九歌』畢り、盈郊に槱燎を瞻み、斗転じ参横して将に旦せんとし、天開き地辟くこと春の如し。清蹕輪を移し、闐然として鼓吹相聞ゆ。祥雲を籋い、八階に臚し、三神に厘逆す。聖なるかな吾が君!華封の祝、慈宮万寿、椒掖に男多く、六合文を同じくす。
『降仙台』
漏残り柝静かに、鶏声遠く到り、高燎層霄に入る。雲裘瑞靄に蟠り、天歩嘉壇に下り、旗旆飄揺す。黄麾列仗貔貅整い、気江潮を圧す。導前従後盛んなる官僚、玉佩金貂に間う。扶桑を望めば、日漸く高く、陰霾霜雪、底処か潜消せざらんや!輦路祥飆、絳紗袍を披拂す。雲間の端闕岧嶢を仰ぎ、春沢を挟み、喜び黎苗に浹る。礼成りて大慶鼇三たび抃し、昕朝を受く。
寧宗郊祀大礼四首『六州』
皇極を撫で、明徳乾坤に貫く。信星列し、卿雲爛たり、輝き亙る紫微垣。貺に報いんと思い、祠官に明詔し、時に練り曠典を蒐む。紫畤觚壇、孝徳を昭かにし、親しく和鑾に禦す。振鷺玉珊珊たり。精純謁款し、膋蕭爌煬し、黄流湛澹、百末蘭を布き生ず。天閽を扣き、飛駕を延べ、相い彷彿し、雲端より降る。神光集い、嘉響応じ、靄靄たる万の衣冠。竣熙の事、清暁軽寒。栄観に恣にし、華衣霧縠般般たり。乾坤並びに貺し君の歓を慶す。翹首して聖恩の寛きをす。皇極に遵い、天沢に沛い、霊心懌び、亀鼎永く尊安なり。
『十二時』
宵景霽れ、河漢清夷し、曠典明時に講ず。合祛して升侑し、孝徳爰に熙る。稞宮を陳べ、太室に澹觴し、来たりて天儀を奏す。蒼螭に駟り、玉輅蕤綏を馭す。觚陛躬祠を展ぶ。長梢玉を飾り、翠羽金支に秀づ。華始めて倡し、雅韻宮より出でて垂る。神来り下り、雲車風馬、繽晻藹として、宴棲遅す。觴を畢え胙を流し、柴煙事を竣え、棠梨回謁し、宣室に蕃厘を受く。盛徳は心を専らに饗する無く、端より民の為に祈る。雲恩截ち有り、雨沢涯無く霈る。君王愉楽し、和気瑤卮に溢る。寿天に斉しく、長く神基を擁す。
『奉禋歌』
葭飛び璿籥初陽、雲は清台を絶ちて景祥を薦む。風は律に応じ、日は光を重ぬ。歳功順し、底りて金穰す。寿にして康く、庭壼の楽疆無し。皇報いを展べ、新たなる礼楽、觚陛賓郷を詠ず。珠幄熉黄、瑞糸巣に登り、俎豆を陳べ、嘉觴を澹す。袞衣煇煥し、宝珮琳琅、椒漿を奠む。慶陰陰、神来り下り、鳳翥り龍驤す。霊燕喜び、符を錫し仍て嘏を降し、鏞管琳琅歓亮たり。神の出ずる、蘭堂を祓う。輦路天香、軽煙半ば旂常を襲い、祉滂洋たり。厘を宣室に受け、馭を斎房に返し、恩は風と翔る。華封の祝、皇来たりて慶有り、八荒寿を同じくし、宝曆疆無し。
『降仙台』
星芒采を収め、雲容暁を放ち、羲馭漸く明らかに揚がる。觚壇事を竣えて霽れ、風袞衣を襲いて軽し、鑾路塵清し。甘泉の鹵簿祲威肅しく、軫を回し衡を旋す。千官導従簪纓に粲たり、鈞奏『韶』『英』に間う。龍闈を瞻み、鳳城に近し。都人の雲会し、芬茀道に夾まって歓迎す。宸極尊栄、卮玉熙成を慶す。瓊楼天上に起りて和声す。春沢を布き、洪暢に寰瀛す。嵩呼万歳鼇三たび抃し、昇平を頌す。
明堂大礼四首『合宮歌』
聖明朝、曠典秋に乗じて挙げ、大饗は本より仁祖なり。九室八牖四戸、躬を敕み斎戒して堪輿に格る。盛牲実に俎し、侑を並べて総べて古を稽う。玉露乍に天宇を肅し、氷輪下照して金鋪す。燎煙嘘き、鬱尊香り、『雲門』の舞。彷彿として翔坐し、霊心咸く嘉娛す。衆星俞し、美光属し、熉珠を照らす。清暁丹儀に禦し、湛恩遍く浹して率溥し、歓声雷動し嶽鎮呼ぶ。徐かに法駕を命じ、万騎花路に盈つ。万姓斉しく祝し、寿は天地に同じく、事は唐虞を超ゆ。平らかに燕雲を見、此れより文を興し武を偃ぐ。重ねて諸侯の旧東都に会するを待つ。
《六州》
商秋は肅として、嘉會は中辛に協ふ。涓路寢を修め、禋祀を修め、聖德は清く昭らかなり。端志慮を罄竭し齋精す。錦繡天仗を排し、羽衛繽紛たり。太室に朝し、中宸に返り、袞を被りて神明に接す。時に平らかにして天地俱に清晏たり、兼ねて金行萬寶、物盛んにして藹たる清馨。熉座を瞻れば、舂容として三靈に燕す。瑤爵を奠め、量幣を薦め、清思は窈冥冥たり。昆侖を望み、嘉祥を輸し、塞絪縕たり。誠殫れ禮洽して慶休成り、潤澤は生民に被る。端門に肆眚し、昕庭に稱賀し、俱に將に戩穀萬壽を以て明君を祝す。
《十二時》
炎圖は鞏く、天祚は昌期たり、聖德は重離に茂し。英明は遠くを經、濬哲は微を昭らかにす。寶儉は更に深く慈し。萬國の累洽重熙を觀る。時に報ひ禮を秩し神祗に、玉帛は華夷に湊る。肅雍として顯相たり、百辟盡く欽祗す。奄として嘉虞たり、英璧は華滋に奠まる。神は安坐し、景氣は澄みて虛極、光焰は長麗を燭す。詩を展べて律に應じ、萬舞は逶遲たり、三獻は皇儀に洽ふ。靈祲を垂れ、慶祐來りて宜しく、禮違ふこと無し。鑾を鳴らして帝闕に臨み、鳳の飛ぶこと天倪より下る。清和は寰宇に、霈澤は一朝に馳す。醇化は無為にして、萬祀は丕基を鞏くす。
《導引》
合宮に親饗し、青女は長空を肅め、精意は天と通ず。後皇の臨顧に誰をか侑と爲さん、文祖及び神功。函蒙祉福して歲常に豐なり、聲教は華戎に被る。兩宮の眉壽は同しく榮樂し、戩穀は永く來りて崇し。乾道に發する太上皇帝・太上皇后冊寶《導引》一首
重華の真主、晨夕に庭闈を奉じ、禋祀の慶成する時。乾元坤載同歸の美、寶冊兩光輝たり。斑衣何ぞ赭黃衣に似ん、此事古今に稀なり。都人の歡樂嵩呼震ひ、聖壽は總べて天に齊し。淳熙に發する太上皇帝・太上皇后冊寶《導引》一首
新陽初めて應じ、樂事は彤庭に起り、和氣は吳京に滿つ。家來りて東皇の壽を慶し、西母と共に長生す。金書玉篆は龍文に粲たり、前導は歡聲に沸く。修齡は極まり無く名は盡きず、一歲一回增す。太上皇帝・太上皇后に加上する冊寶《導引》一首
皇家は慶多し、親壽は天と長く、德業は輝光を播く。焜煌たる寶冊は清禁に來り、玉篆は金相に映ず。庭闈の尊奉は明昌に會し、佳氣は康莊に溢る。洪禧は申輯して名は增衍し、億載頌して無疆なり。
壽聖皇太后・至尊壽皇聖帝・壽成皇后の尊號冊寶に恭上する《導引》一首
皇家の盛事、三殿慶重重たり、聖主は極めて推崇す。瑤編寶列相輝映し、歸美の意何ぞ窮まらん。鈞《韶》九奏春風に度り、彩仗は儀容を煥す。歡聲和氣は寰宇に彌滿し、皇壽は天と同し。壽聖皇太后の尊號冊寶に加上する《導引》一首
思齊の文母、盛德は薑・任に比し、擁佑の恩極めて深し。湯孫は歸美して鴻號を熙し、玉を鏤き更に金を繩す。虞廷の萬辟は華簪を萃め、法仗は儼として天に臨むが如し。層闈の慶典は年年に舉げられ、千古に徽音を播く。親耕籍田四首
《導引》
春融け日暖かに、四野瑞煙浮かび、柳は菀として更に桑は柔らかなり。土膏脈起ち條風扇ぎ、宿雪は田疇を潤す。金根の轂轉は雷動の如く、羽衙は貔貅を擁す。老稚を扶攜して康衢に滿ち、延跂して凝旒を望む。鬥移星轉し、一氣又環周し、六府は時に修むるを要す。務農重穀人は胥に勸められ、耕籍の禮は殊に尤もなり。壇壝は嶽峙して文明の地、黛耜は青牛に駕す。雍容として南畝三推了り、玉趾は更に遲留す。
『六州』
昭聖武,不戰屈人兵。幹戈戢,烽燧息,海宇清寧。民豐業,歌詠升平。願鹹歸畎畝,力穡為。經界正,東作西成。農務軫皇情,躬親耒耜,相勸深耕。人心感悅,擊壤沸歡聲。乘鸞輅,羽旗彩仗鮮明。傳清蹕,行黃道,緹騎出重城。仰瞻日表映朱紘,環佩更鏘鳴。百執公卿,不辭染屨意專精,準擬奉粢盛。田多稼,風行遐邇,家家給足,胥慶三登。
『十二時』
天下を治め、恭しくして廟堂に在り、志を耕桑に属す。民を愛し物を利し、徳は陶唐を邁り、俗を躋せて尽く淳厗なり。千畝を開き、帝籍神倉と為す。彝章を挙げ、祗祓して壇場を設け、農事の為に祥を祈る。辰を涓て礼を行い、節物春陽に値う。斉荘を罄し、明徳を以て馨香を薦む。宮禁は邃かに、嬪妃並びに御侍し、穜稑を献じて君王に奉る。中闈は表率たり、陰教愈よ光る。帳殿は靄として熉黄、梐枑を設け、翠幕高く張り、慶雲翔ぶ。尊罍に酒醴を陳べ、金石に宮商を奏す。神霊感格し、歳々倉箱に富む。明昌を慶び、行旅糧を齎さず。
『奉禋歌』
我が皇帝は太平の基を端立し、祭祀を肅雍にして神祇に格る。撫禦耦し、嘉種を降し、何ぞ手に洪縻を攬るを辞せん。太史に命じて日を視せしめ、祗かに前期を告げしむ。穹象を驗すれば、天田入望して更に光輝たり。禮を掌り儀を陳し、钜典を蒐め、春令を迎え、溫詔を頒宣して、遍く九圍に及び、人盡く熙熙たり。明時に仰ぎ、儼として衣を垂れ、佳氣氤氳として厖禧を表す。豐年屢なり、大田に異粟生じ、滋を含み秀を吐き、九種圖を傳え、盡く丹闕に來たり、瑞應昌時に應ず。亨運正に攝提に當たり、佇みて京坻を詠むを見ん。躬ら稼穡し、重ねて耘耔す。盛禮興行して先ず百姓に及び、本業を崇め、憂勤禹・稷の如く、聲詩に播く。
顯仁皇后の上仙発引三首『導引』
長樂宮の夕べ、彩衣を着て戯れしが、忽ち夢の如く仙期の報せあり。帝郷は渺茫として鸞に乗りて去り、啼き紅く嬪御は悲しみに堪えず、蒼梧の煙水は杳として追い難し。腸断つ処は、江を過ぐる時なり。銀濤千万重、知らず何れの処か是れ瑤池なるを。
中興の運、孝治格りて昇平に回る。騩馭を回らし、鳳駕を弭めて、冊宝初めて鴻名に上す。龍楼に問寝して鶏鳴を候い、更に翻りて来りて戯彩衣軽し。坤躔夜に老人星を照らし、金觴上寿し、長えに燕慈寧を願う。雲に乗りて何れの処にか去る!愁い紫簫の声を断つ。金殿を追思し、椒壁丹楹。又誰か知らん、勤倹仁明なるを、風行して化宮庭に被わるるを。聖主を佑け、明時を底にし、陰功暗かに生霊に及ぶ。離宮晩に、花卉娉婷たり。甲観高く、潮海崢嶸たり。往事回頭すれば、忽ち飄零す。空しく嬪禦を留め、泣きを掩いて霓旌を望む。会稽山翠、永祐陵高く、而るを今便ち是れ蓬・瀛(ほう・えい)なり。
『十二時』
炎圖の景運正に延鴻し、文思深宮に坐す。慈寧大いに養い、楽事時に宸聰に奏す。皇齢永く、恩霈遍く寰中に下る。君王彩服を垂れ、嬪禦瑤鍾を上る。年年の誕節、盈ちたる吉月に就き、交慶流虹す。歓洽意方に濃く、仙遊の渺邈たるを覚えず、但だ蒼穹に号泣す。追慕音容を念い、詩書慈儉、古に配して蹤を追う。躬行四徳、誰か知らん《二南》の風を継ぐを。移眄俄に空しく、宝鑑脂沢塵封さる。清都遠く、帝鄉遥かにして、杳として通じ難し。雲軿還た瀛・蓬に上らんことを想う。稽山何れにか在る?当年の禹宅、万古蔥蔥たり。最も堪え難きは、潮頭定まり、海波融く。
顯仁皇后の神主を太廟に祔する『導引』一首
虞舜の長楽に返り、猶ほ是れ億賓天、何事ぞ仙軿に駕す。簫笳の儀衛宮闕を辞し、仗を移して雲煙に入る。於皇たる清廟華筵に敞け、昭穆謹んで先に承く。千秋長く烝嚐の孝を奉じ、永く中興の年を享けん。欽宗皇帝『導引』一首
鼎湖の龍遠く、九祭嘉觴を畢へ、遙かに白雲の郷を望む。簫笳淒咽として天闕を離れ、千仗儼として行を成す。聖神昭穆盛んに重光し、寶室萬年藏す。皇心追慕して極まり無く、孝饗を奉りて烝嚐す。安穆皇后『導引』一首
鳳簫の声断え、縹緲として丹丘を溯るも、猶ほ是れ河洲を憶ふに似たり。熒煌たる宝冊天上来り、何れの処にか仙遊を訪はん。葱葱鬱鬱として瑞光浮かび、嘉酌芳羞を侑す。周の輿繡幰新廟に帰し、百世と千秋とを共にす。景霊宮に神禦を奉安する三首。
徽宗皇帝『導引』
中興復古、孝治日に昭鴻、原廟に瑰宮を飾る。金璧千門磻萬磶、楹桷競ひて穹崇。亭童芝蓋旌龍を擁し、列聖儼として相従ふ。共に神孫に千萬壽を錫ひ、龜鼎衡・嵩に亙る。顯仁皇后『導引』
坤儀は厚く載せ、遺徳は寰中に満ち、広寒宮に帰り御す。玉容は在るが如く飆輿遠く、長楽に悲風起こる。霓旌絳節は層空より下り、雲闕は曉に曈たり。真遊は千載、原廟に安んじ、聖孝は天に通ず。
深き仁と厚き徳は、流れる恩沢自ら窮まり無く、仙駕は忽ちに賓空す。衣冠未だ蒼梧に返らず遠く、遙かに鼎湖の龍を望む。人間彷彿として天容を認め、縹緲たる五雲の中。帝城猶お遺民在りて、涙を垂れて西風に向かう。安恭皇后上仙発引一首
金殿の夕べ、愁い坤寧に結ぶ。天下の母、忽ち仙升す。雲山浩浩として何れの処にか帰る?但だ空際の彩鸞の声を聞く。紫簫断えて後蹤跡無く、煙靄夜澄澄たり。暁夢瑶城に到る、當時花木正に冥冥たり。高宗梓宮発引三首
『導引』
寒き日は短く、草の露は朝に乾く。仙鶴下り、夢の雲は帰る。大椿亭の畔の蒼蒼たる柳、天衣を挽き留むる由なきを悵む。昭陽深く、暮鴉飛ぶ。愁ひは箭を帯び、恩に棲むを恋ふ。笳簫三たび奏で、都人の悲しみの涙、袂帷を成す。
堯が舜に伝えたるは、盛事千古並び難し。龍馭を回し、鳳掖を辞し、北内別に蓬・瀛有り。天子の父たり、鴻名を冊し、万年千歳福康寧、春秋は楚の冥霊を説かず。萊衣彩戯し、漢殿玉卮軽し、宸遊今見えず、煙外落霞明らかなり。前回丁未、霧神京を塞ぐ。正に符を同じくす光武の中興、天を擎き独り力を扶け傾く。宗廟を定め、河山を保ち、乾坤整頓庚庚たり。功成りて、屣を脱ぎ栄を遺す。崆峒を訪れ、容与丹庭す。笑って塵寰を挹し、行を留めず。吾皇哀恋し、泪血神旌に洒ぐ。腸断つ濤江の渡り、明日稽山、暮雲東に望む元陵。
『十二時』
璧門の雙闕は蒼龍に轉じ、德壽宮は儼として祗宮たり。軒屏に正坐し、天子親しく天公を拝し、儀紳笏、鵷鷺を羅し、庭中に粲たり。仙家の歡盡きず、人世の壽窮まりなし。誰か知らん雲路、玉京成就し、璿穹に返るを催すことを、轉手萬縁空なり。聞く煙霄の好處は、下方と同じからずと。塵合ひ霧迷濛たり、笙簫寥亮、樓閣玲瓏たり。中興の大業、巍巍として稽古の成功を成す。事去りて孤鴻、忍びて聽かん宵柝晨鍾を!靈轝駕し、素幃低く、杳として厖茸たり。浙江の潮、萬神護り、川後滋に恭し。山に因りて祗事し、崔嵬たる禹穴、此の日重逢す。柏城封じ、愁ふ長夜、悲風を起こす。『清廟』を歌ひ、千古高宗を誦す。
虞主を徳壽宮に赴かしむる『導引』一首
上皇は天のごとく大いにして、華やかな朝日は堯の文を輝かせ、鴻福は果てしなく広大なり。羽龍は俄かに霊盾に駕して去り、空しく鼎湖の雲を鎖す。稽山は翠を擁し浙江の濱に臨み、帰旆は繽紛と巻く。仙遊の指日厳かに升祔せんとし、万載に高勳を頌す。廟に祔す『導引』一首。
虞觴を奉じて主を祀り、仙馭は皇宮に返り、礼典は極めて欽崇なり。雲旗前導して清廟を開き、龍管は薫風に咽ぶ。巍巍たる堯父、神功を告げ、追慕の孝誠通ず。千秋万歳の中興の統、宗祀は天と同じし。淳熙十六年、高宗神禦奉安『導引』一首。
中興の揖譲、功徳は仰ぎて兼ねて隆く、仁沢は華戎に被わる。鼎湖に俄かに痛む遺弓の墮つるを、日に想ふ威容。柔儀懿範は堯と同じく、飆馭は儼として相従ふ。霊宮真館偕に来りて燕し、裕を垂れて永く窮まり無し。紹熙五年、孝宗皇帝の虞主還宮の『導引』一首。
孝宗の純孝は、先聖に更に何を加えん。高蹈して重華に処す。丹成りて仙去し龍盾遠く、越岸の暮山遥かなり。波臣先づ寒沙を巻きて、来たり往きて霊槎を護る。九虞の礼挙げて神祇楽み、万世皇家を佑けん。廟に祔す『導引』一首。
我が皇帝は孝を尽くし、宗廟は尊崇を務め、大典は文を備えて彌盛んなり。巍巍として東向に開基の主、七世の神孫を祔る。九閏を追思して乾坤を整え、寰宇は洪恩を慕う。今より密邇として高宗の室に、千載の事の如く存す。慶元六年光宗皇帝発引一首
『導引』
『導引』
明天子、昔日丕いに鴻図を纂ぐ。躬道德を、学問を崇び、古訓を稽え、群儒を訪う。日に広廈に親しみ唐虞を論じ、政治を講求して都兪を想い、君臣一徳の志交わり孚ず。外夷効順し、猶お自ら車徒を選ぶ。仁恩四国に沾い、固結寰区に満つ。千年の宗社、万歳の規摹。新たに天命乾符より出づ。老癃策杖相扶け、願わくは徳化の方隅に遍きを観ん。幸いに死無き須臾、謂わく宜しく聖寿嵩呼に等しからんと。遽に雲輿に登り龍湖に上る。宸居幽寂として紫雲孤なり。宸章宝画、但だ日星と俱にす。龍帷鳳翣已に途に載せ、忍びて笳鼓の嗟籲を聴かんや!
『十二時』
中興五葉、天子肇めて明禋を肇め、一徳は高旻に格る。寧皇至聖の功は古を超え、万国は深仁を慕う。徽称顕号又た新たに還り、功徳は雕瑉に粲たり。乾坤の絵画終に難く尽くし、遺沢は斯の民に在り。莊文太子薨ず『導引』一首