宋史

志第九十二 樂十四

志第九十二 樂十四

◎楽十四(楽章八)○恭上皇帝皇太后尊号下 冊立皇后 冊皇太子 皇子冠 郷飲酒 聞喜宴 鹿鳴宴

原文◎樂十四(樂章八)○恭上皇帝皇太后尊號下冊立皇后冊皇太子皇子冠鄉飲酒聞喜宴鹿鳴宴

紹熙元年、寿聖皇太后・至尊寿皇聖帝・寿成皇后の尊号冊宝を恭上す、十四首 大慶殿にて冊宝を発し殿を降る、『正安』 帝内禅を受け、紀元紹熙とす。慈親を欽崇し、孝心粛祗たり。乃ち顕号を建て、乃ち丕儀を蕆む。冊を広庭に発し、声歌を以て之を侑ふ。

原文紹熙元年恭上壽聖皇太后、至尊壽皇聖帝、壽成皇后尊號冊寶十四首大慶殿發冊寶降殿,《正安》帝受內禪,紀元紹熙。欽崇慈親,孝心肅祗。乃建顯號,乃蕆丕儀。發冊廣庭,聲歌侑之。

中書令・侍中、三宮の冊宝を奉じて東階下に詣づ、『礼安』を用ふ 鐘鼓交はり作し、文物咸く備はる。彤庭玉階、天子是に蒞す。爾が輔臣に諮り、采を展べ事を錯く。輔臣稽首し、敢へて礼を率ひざらんや!冊宝門を出づ、『正安』

原文中書令、侍中奉三宮冊寶詣東階下,用《禮安》鍾鼓交作,文物鹹備。彤庭玉階,天子是蒞。谘爾輔臣,展采錯事。輔臣稽首,敢不率禮!冊寶出門,《正安》

巍巍たる天宮、閶闔を洞開す。旗常葳蕤たり、剣佩雑遝たり。宝冊啓行し、法駕継発す。鑠なる哉盛典、快く睹て胥に悦ぶ!冊宝重華宮に入る、『正安』 皇居を仰ぎ止み、九門載く辟き、麗日重光、非煙五色。

原文巍巍天宮,洞開閶闔。旗常葳蕤,劍佩雜遝。寶冊啟行,法駕繼發。鑠哉盛典,快睹胥悅!冊寶入重華宮,《正安》仰止皇居,九門載辟,麗日重光,非煙五色。

雷動く萬乗、雲従ふ百辟。咫尺の重霄、鞠躬屏息す。至尊寿皇聖帝坐に升る、『乾安』(降るも同じ。) 玉璽瑤編、礼容畢く具はる。穆穆たる至尊、華殿是に禦す。徳は有虞に配し、唐を紹ぎ禹を授く。万斯年に於て、天の祐を受く。

原文雷動萬乘,雲從百辟。咫尺重霄,鞠躬屏息。至尊壽皇聖帝升坐,《乾安》(降同。)玉璽瑤編,禮容畢具。穆穆至尊,華殿是禦。德配有虞,紹唐授禹。於萬斯年,受天之祐。

太傅・中書令、至尊寿皇聖帝の冊を奉じて殿に升る、『聖安』を用ふ 慈皇天に臨み、表は怡怡たり。欽なる哉聖子、親しく玉卮を奉ず!鼇抃嵩呼、歓華夷に浹る。邇臣冊を捧げ、是れ恪く是れ祗つ。太傅・侍中、至尊寿皇聖帝の宝を奉じて殿に升る、『聖安』を用ふ

原文太傅、中書令奉至尊壽皇聖帝冊升殿,用《聖安》慈皇天臨,表怡怡。欽哉聖子,親奉玉卮!鼇抃嵩呼,歡浹華夷。邇臣捧冊,是恪是祗。太傅、侍中奉至尊壽皇聖帝寶升殿,用《聖安》

瑟たる彼の華玉、魚鈕龍を篆す。冊と並び登り、爾が上公に諮る。歌詩を以て詠じ、之を鼓鍾に協す。是れ陟り是れ降り、恭しきこと有らざるは莫し。太傅・中書令・侍中、寿聖皇太后の冊宝を奉じて殿に升る、『聖安』を用ふ

原文瑟彼華玉,篆魚鈕龍。與冊並登,谘爾上公。詠以歌詩,協之鼓鍾。是陟是降,靡有弗恭。太傅、中書令、侍中奉壽聖皇太后冊寶升殿,用《聖安》

天皇家を祐し、慶重闈に集る。宝は兮ち名を揚げ、冊は兮ち徽を流す。金支秀華、盛容祲威。我が近弼に詔し、礼を相ふて違はず。太傅・中書令・侍中、寿成皇后の冊宝を奉じて殿に升る、『聖安』を用ふ 大なる哉乾元、既に形容を極む!坤元の徳至り、実に之と比隆せん。

原文天祐皇家,慶集重闈。寶兮揚名,冊兮流徽。金支秀華,盛容祲威。詔我近弼,相禮不違。太傅、中書令、侍中奉壽成皇后冊寶升殿,用《聖安》大哉乾元,既極形容!坤元德至,實與比隆。

宝冊並び登り、崇を勒し鴻を垂る。我が縟儀を相ひ、肅肅雍雍たり。皇帝寿聖皇太后の冊宝に従ひ慈福宮に詣づ、『正安』を用ふ 涓辰吉に協ひ、時は春元を維す。上冊三殿、曠古に前無し。重闈に斉しむるを思ひ、慶を積むに源有り。是れ尊び是れ崇め、帝心載く虔し。

原文寶冊並登,勒崇垂鴻。相我縟儀,肅肅雍雍。皇帝從壽聖皇太后冊寶詣慈福宮,用《正安》涓辰協吉,時維春元。上冊三殿,曠古無前。思齊重闈,積慶有源。是尊是崇,帝心載虔。

寿聖皇太后閣を出で坐に升る、『坤安』(降るも同じ。) 丕赫たる宋有り、三聖授受す。誰か其れ之を助けし?我が太母是れ繄る。東朝冊を受け、此の春酒を飲む。聖子神孫、密かに左右に侍す。内侍官寿聖皇太后の冊宝を挙げて読冊宝の位に詣づ、『聖安』を用ふ

原文壽聖皇太后出閣升坐,《坤安》(降同。)丕赫有宋,三聖授受。誰其助之?繄我太母。東朝受冊,飲此春酒。聖子神孫,密侍左右。內侍官舉壽聖皇太后冊寶詣讀冊寶位,用《聖安》

坤徳益々崇く、天寿平格たり。慶万世に流れ、子孫千億。玉を刻み金を範し、鋪張赫奕たり。惟れ昔の姜・任も、則ち我に匹する莫し。皇帝寿成殿に詣づ、寿成皇后閣を出で坐に升る、『坤安』(降るも同じ。)

原文坤德益崇,天壽平格。慶流萬世,子孫千億。刻玉範金,鋪張赫奕。惟昔薑、任,則莫我匹。皇帝詣壽成殿,壽成皇后出閣升坐,《坤安》(降同。)

鞠育保護し、母道備はれり。密かに親伝を賛し、徳其れ至れり。彩服朝に来たり、慈容喜び有り。既に鴻名を受け、又多く祉を受く。内侍官寿成皇后の冊宝を挙げて読冊宝の位に詣づ、『聖安』を用ふ 慈闈を仰瞻し、宝冊を登進す。惟時の罙禦、祗しく厥の職を率ふ。

原文鞠育保護,母道備矣。密讚親傳,德其至矣。彩服來朝,慈容有喜。既受鴻名,又多受祉。內侍官舉壽成皇后冊寶詣讀冊寶位,用《聖安》仰瞻慈闈,登進寶冊。惟時罙禦,祗率厥職。

曰く寿曰く名、母兮ち兼ね得たり。我が尊父に儷ひ、億載極まり無し。紹熙四年、寿聖皇太后の尊号を加ふること八首 大慶殿にて冊宝を発し殿を降る、『正安』 徳重闈に厚く、衝澹粹穆たり。何を以て之を名づく?惟れ慈惟れ福。

原文曰壽曰名,母兮兼得。儷我尊父,億載無極。紹熙四年加上壽聖皇太后尊號八首大慶殿發冊寶降殿,《正安》德厚重闈,衝澹粹穆。何以名之?惟慈惟福。

宝鏤は精鏐を以てし、冊は華玉を鐫ず。物盛んで礼崇く、丕かに群目を昭らす。中書令・侍中、寿聖皇太后の冊宝を奉じて東階の下に詣る。『礼安』皇帝の室に於いて、休運孫に貽す。重熙疊慶、祗みて号栄に進む。爰に茲の冊を授く、必ず躬み必ず親む。天子聖孝、万邦の儀刑たり。

原文寶鏤精鏐,冊鐫華玉。物盛禮崇,丕昭群目。中書令、侍中奉壽聖皇太后冊寶詣東階下,《禮安》於皇帝室,休運貽孫。重熙疊慶,祗進號榮。爰授茲冊,必躬必親。天子聖孝,萬邦儀刑。

冊宝門を出づ。『正安』煌煌たる冊宝、天子之を受く。言徐かに其の行ひ、肅として乃ち儀を展ぶ。其の儀維何、劍佩黄麾。鸞駕清蹕、聳瞻九逵。冊宝慈福宮殿門に入る。『正安』

原文冊寶出門,《正安》煌煌冊寶,天子受之。言徐其行,肅展乃儀。其儀維何?劍佩黃麾。鸞駕清蹕,聳瞻九逵。冊寶入慈福宮殿門,《正安》

熙辰礼備はり、濟濟として雍雍たり。言ふ斯の冊を奉じ、重親の宮に詣る。宮帷既に敞け、協気感通す。皇儀親しく展ぶ、寿祉窮まり無し。太傅・中書令・侍中、寿聖皇太后の冊宝を奉じて殿に升る。『聖安』既に琨庭を肅め、載せて金に升る。乃ち導き乃ち陪し、威儀濟濟たり。

原文熙辰禮備,濟濟雍雍。言奉斯冊,重親之宮。宮帷既敞,協氣感通。皇儀親展,壽祉無窮。太傅、中書令、侍中奉壽聖皇太后冊寶升殿,《聖安》既肅琨庭,載升金。乃導乃陪,威儀濟濟。

天歩継ぎて臨み、孝誠備はれり。声容孔昭、中外悅喜す。冊宝宮中に詣る。『正安』周輿彩仗、祗みて慈宮に詣る。宝冊前に奉じ、龍雲に挟まれて従ふ。言ふ茲の礼を備ふるは、宮の中に於いて、惟だ天子孝、於昭祲容。

原文天步繼臨,孝誠備矣。聲容孔昭,中外悅喜。冊寶詣宮中,《正安》周輿彩仗,祗詣慈宮。寶冊前奉,龍挾雲從。言備茲禮,於宮之中,惟天子孝,於昭祲容。

寿聖皇太后閣を出で御坐に升る。『坤安』(降るも同じ。)懿典大冊、儀を陳ぶ邃深なり。怡怡愉愉、宝坐是に臨む。重彩儼として侍し、罙に肅心を展ぶ。三宮協慶、永く徽音を播く。内侍官、寿聖皇太后の冊宝を挙げて読冊宝位に詣る。『聖安』を用ふ。

原文壽聖皇太后出閣升御坐,《坤安》(降同。)懿典大冊,陳儀邃深。怡怡愉愉,寶坐是臨。重彩儼侍,罙展肅心。三宮協慶,永播徽音。內侍官舉壽聖皇太后冊寶詣讀冊寶位,用《聖安》

宝冊既に奉じ、祗みて乃ち言を誦す。仁深く慶衍び、益々顯れ益々尊し。和声協気、充溢乾坤。並びに伊嘏を受け、聖子神孫。

原文寶冊既奉,祗誦乃言。仁深慶衍,益顯益尊。和聲協氣,充溢乾坤。並受伊嘏,聖子神孫。

慶元二年、恭しく太皇太后・皇太后・太上皇帝・太上皇后の尊号を上る二十四首。冊宝殿を降る。天帝家を擁し、沢子孫に流る。三宮燕胥し、四海崇尊す。声『韶』『』に諧ひ、輝瑤琨を燭す。維皇緝熙、耀徳乾坤。

原文慶元二年恭上太皇太后、皇太后、太上皇帝、太上皇后尊號二十四首冊寶降殿天擁帝家,澤流子孫。三宮燕胥,四海崇尊。聲諧《韶》、《》,輝燭瑤琨。維皇緝熙,耀德乾坤。

冊宝太傅に授け奉じて東階の下に詣らしむ。祖後重ねて寿ぎ、親闈並びに崇し。駢慶聯休、景を申し鴻を鋪く。疊璧交輝し、多儀煥として叢す。億万斯年、福禄攸に同じ。冊宝門を出づ。

原文冊寶授太傅奉詣東階下祖後重壽,親闈並崇。駢慶聯休,申景鋪鴻。疊璧交輝,多儀煥叢。億萬斯年,福祿攸同。冊寶出門

太任は姜に媚び、塗山は禹を翼す。慈祥曼衍し、鴻儀迭挙す。宝章奕奕、祲宮俁俁。帝用て之を将ち、彼の宮所に於いて。慈福宮宝冊門に入る。東朝層邃、端闈靖深。列仗節鑾、玉を鏤き金を繩す。

原文太任媚薑,塗山翼禹。慈祥曼衍,鴻儀迭舉。寶章奕奕,祲宮俁俁。帝用將之,於彼宮所。慈福宮寶冊入門東朝層邃,端闈靖深。列仗節鑾,鏤玉繩金。

来たり奉じ来たり崇め、載せて祗み載せて欽む。曾孫の慶、世世徽音。冊宝殿に升る。純に我が宋を佑し、母儀四朝。孫謀を擁翼し、虞の堯を承くるが如し。仁函夏に覃き、喜慶霄に浮ぶ。福禄万年、金玉孔昭。

原文來奉來崇,載祗載欽。曾孫之慶,世世徽音。冊寶升殿純佑我宋,母儀四朝。擁翼孫謀,如虞承堯。仁覃函夏,喜浮慶霄。福祿萬年,金玉孔昭。

冊宝宮中に詣る。神人和懌し、天日淑清。王母来たり燕し、必ず寿にして名あり。琨庭敖音、五雲佩声。勉勉たる我が皇、遹に厥の成を昭らす。太皇太后閣を出で坐に升る。

原文冊寶詣宮中神人和懌,天日淑清。王母來燕,必壽而名。琨庭敖音,五雲佩聲。勉勉我皇,遹昭厥成。太皇太后出閣升坐

曾孫養ひを致し、五福駢臻す。太極の運ぶ所、両儀三辰。輝光日新、後人を啓佑す。永く瑤図を翼け、億万堯春。冊宝読冊宝位に詣る。徽光華を宣べ、仁声文に流る。曠儀合遝し、泰和絪縕す。

原文曾孫致養,五福駢臻。太極所運,兩儀三辰。輝光日新,啟佑後人。永翼瑤圖,億萬堯春。冊寶詣讀冊寶位徽光宣華,仁聲流文。曠儀合遝,泰和絪縕。

慈顔喜び有り、我が聖君に祚す。珠宮飴を含み、坐して来雲を閲す。太皇太后坐を降り閣に帰る。縟儀既に登り、宝冊既に膺く。喜洽び祥流れ、雲烝み川増す。天子万年、玉を鳴らす慈庭。我に恵み無疆、詵詵として繩繩たり。

原文慈顏有喜,祚我聖君。珠宮含飴,坐閱來雲。太皇太后降坐歸閣縟儀既登,寶冊既膺。喜洽祥流,雲烝川增。天子萬年,鳴玉慈庭。惠我無疆,詵詵繩繩。

寿慈宮冊宝門に入る。新庭靖安、祖後燕怡。聖謀開く有り、累ねて天基を崇む。典章文明、声容葳蕤。邦家に禦するに、曰く寿曰く慈。冊宝殿に升る。

原文壽慈宮冊寶入門新庭靖安,祖後燕怡。有開聖謀,累崇天基。典章文明,聲容葳蕤。禦於邦家,曰壽曰慈。冊寶升殿

三礼容を崇め、八鑾警衛す。来る辰儀有り、徽を媯汭に闡く。璿宮肅雍、藻景澄霽。文子文孫、本支百世。冊宝宮門に詣る。堯門疊瑞、姒幄斉輝。重坤靖夷、麗冊華徽。

原文三禮崇容,八鑾警衛。有來辰儀,闡徽媯汭。璿宮肅雍,藻景澄霽。文子文孫,本支百世。冊寶詣宮門堯門疊瑞,姒幄齊輝。重坤靖夷,麗冊華徽。

天子は仁聖にして、礼文に違ふことなし。福寿康寧、層闈に同じく燕す。皇太后、閣を出で坐に升る。文母曼寿、光を錫ふに載す。瑞命を総集し、君に宜しく王に宜し。仁を以て恵は顯れ、徳を以て慈は彰る。子孫を保佑し、福を受くること無疆なり。

原文天子仁聖,禮文弗違。福壽康寧,同燕層闈。皇太后出閣升坐文母曼壽,載錫之光。總集瑞命,宜君宜王。惠以仁顯,慈以德彰。保佑子孫,受福無疆。

冊宝、冊宝を読む位に詣る。華鸞玉を編み、文螭金を液す。徳を頌し英を摛き、徽を揚げ音を嗣ぐ。紫幄天に開け、翠華日に臨む。歳歳年年、周の大任の如し。皇太后、坐を降り閣に帰る。

原文冊寶詣讀冊寶位華鸞編玉,文螭液金。頌德摛英,揚徽嗣音。紫幄天開,翠華日臨。歲歲年年,如周大任。皇太后降坐歸閣

宋に明徳有り、天これを保佑す。寿を以て寿に継ぎ、慈を以て慈を広む。声文宣昭し、福祉茂に綏す。神孫の休、華夷に燕及す。寿康宮冊宝、門に入る。『正安』大安耽耽たり、興慶崇崇たり。皇の尊、天と比隆す。

原文宋有明德,天保佑之。以壽繼壽,以慈廣慈。聲文宣昭,福祉茂綏。神孫之休,燕及華夷。壽康宮冊寶入門,《正安》大安耽耽,興慶崇崇。維皇之尊,與天比隆。

心を閑燕に非ず、文命延鴻たり。報ゆべきの恩、礼縟儀豊なり。太上皇帝、御坐に升る。『乾安』上帝赫々たり、百霊祥を效す。祉を儲け恩を垂れ、年を錫ひ康を降す。皇儀晬温にして、帝躬肅莊たり。三宮斉しく歓び、地久天長なり。

原文非心閑燕,文命延鴻。欲報之恩,禮縟儀豐。太上皇帝升御坐,《乾安》上帝有赫,百靈效祥。儲祉垂恩,錫年降康。皇儀晬溫,帝躬肅莊。三宮齊歡,地久天長。

太上皇帝冊宝、殿に升る。『聖安』夏典瑞を稽へ、禹玉淳を含む。追琢章有り、温潤孔純なり。聖は安に底し、寿は仁に綿る。太上徳を立て、天より其れ申す。太上皇后冊宝、殿に升る。『聖安』

原文太上皇帝冊寶升殿,《聖安》夏典稽瑞,禹玉含淳。追琢有章,溫潤孔純。聖底於安,壽綿於仁。太上立德,自天其申。太上皇后冊寶升殿,《聖安》

父尊しく母親し、天涵み地育む。我が翼子を燕し、景命僕有り。名を得寿を得、金の如く玉の如し。子孫千億、其の厚福を成す。太上皇帝、御坐を降る。『乾安』天地清寧、日月華光たり。尊を慈極に帰し、嵩呼未央たり。

原文父尊母親,天涵地育。燕我翼子,景命有仆。得名得壽,如金如玉。子孫千億,成其厚福。太上皇帝降御坐,《乾安》天地清寧,日月華光。歸尊慈極,嵩呼未央。

慶は百嘉を函み、寿は八荒に躋る。上皇万歳、熾ならしめ昌ならしむ。冊宝、宮中に詣る。『正安』晨に慈幄に趨れば、佳気鬱蔥たり。帝の祉を受け、天に配する其れ崇し。璧華金精、礼敷き楽充つ。天子是に若く、歓声融融たり。

原文慶函百嘉,壽躋八荒。上皇萬歲,俾熾俾昌。冊寶詣宮中,《正安》晨趨慈幄,佳氣鬱蔥。受帝之祉,配天其崇。璧華金精,禮敷樂充。天子是若,歡聲融融。

太上皇后、閣を出で坐に升る。『坤安』文物彩を流し、鑾輅靖かに陳ぶ。瑞を薦め祉を薦め、坤儀珍を效す。皇の寿に比し、帝を仁を以て翼す。和気祥を致し、物と春を為す。冊宝を読む。『聖安』

原文太上皇后出閣升坐,《坤安》文物流彩,鑾輅靖陳。龜瑞薦祉,坤儀效珍。比皇之壽,翼帝以仁。和氣致祥,與物為春。讀冊寶,《聖安》

其の文は黼黻、其の相は金玉なり。万に於て永寿し、徳を合して無疆なり。福緒祥源、其の後克く昌なり。天維斯に格し、我が聖皇に祚す。太上皇后、坐を降り閣に帰る。『坤安』栄懐の慶、斯より盛んなるは莫し。三宮四冊、五葉一時なり。

原文黼黻其文,金玉其相。永壽於萬,合德無疆。福緒祥源,厥後克昌。天維格斯,祚我聖皇。太上皇后降坐歸閣,《坤安》榮懷之慶,莫盛於斯。三宮四冊,五葉一時。

徳阜くして豊かに、福大にして滋し。子子孫孫、時に於て之を保つ。嘉泰二年、恭しく太皇太后の尊号を上る八首。冊宝、殿を降る。思斉太任、周の京に嬪す。至哉坤元、万物生を資す!

原文德阜而豐,福大而滋。子子孫孫,於時保之。嘉泰二年恭上太皇太后尊號八首冊寶降殿思齊太任,嬪於周京。至哉坤元,萬物資生!

儀測すべからず、況んや強ひて名づくべけんや。玉を鏤み金を繩す、昭哉号栄!冊宝、東階に詣る。鼓鐘喤々たり、儀物載せて陳ぶ。儀物陳ぶ矣、其の瑤琨爛たり。爾の上公に諮り、我が文孫を相す。亟くせず徐にせず、我が重親を奉ず。

原文不可儀測,矧可強名。鏤玉繩金,昭哉號榮!冊寶詣東階鼓鍾喤々,儀物載陳。儀物陳矣,爛其瑤琨。谘爾上公,相予文孫。勿亟勿徐,奉我重親。

冊宝、門を出づ。蕩蕩たる天門、金鋪玉戸たり。采旄翠旌、流蘇葆羽。千官影の如く従ふ。乃ち導き乃ち輔く。都人観を縱し、道を填へ舞を呼ぶ。寿慈宮冊宝、門に入る。

原文冊寶出門蕩蕩天門,金鋪玉戶。采旄翠旌,流蘇葆羽。千官影從。乃導乃輔。都人縱觀,填道呼舞。壽慈宮冊寶入門

煌煌たる宝書、玉篆金縷たり。曷為れぞ来る哉?天子の所よりす。天子の所より、文母を燕するを以てす。婉嬗たる祥雲、日正に午に当たる。冊宝、殿に升る。文物備はり矣、三事其れ承く。崇牙高く張り、楽宮庭に充つ。

原文煌煌寶書,玉篆金縷。曷為來哉?自天子所。自天子所,以燕文母。婉嬗祥雲,日正當午。冊寶升殿文物備矣,三事其承。崇牙高張,樂充宮庭。

耽耽たる広殿、左は墄に右は平なり。爾の威儀を敬ひ、斉を摂して以て登る。冊宝、宮中に詣る。寿を維ふるは伊何ぞ?聖徳日に新たなり。慈を維ふるは伊何ぞ?後人に祐さる。乃ち斯の金を範とし、乃ち斯の瑉を縷す。皇玉趾を挙げ、堯門に従ふ。

原文耽耽廣殿,左墄右平。敬爾威儀,攝齊以登。冊寶詣宮中維壽伊何?聖德日新。維慈伊何?祐於後人。乃範斯金,乃縷斯瑉。皇舉玉趾,從於堯門。

太皇太后、御坐に升る(降る同じ。)。侍中版を奏し、外を辨め中を嚴す。玉房より出づ、禕礻俞躬に被る。我れ龍之を受け、祲威盛容たり。皇帝聖孝、其の楽融融たり。冊宝、冊宝を読む位に詣る。

原文太皇太后升御坐(降同。)侍中版奏,辦外嚴中。出自玉房,禕礻俞被躬。我龍受之,祲威盛容。皇帝聖孝,其樂融融。冊寶詣讀冊寶位

麟の趾と蹄、我が宝は斯く刻す。碝磩の采を致し、載せて斯の冊を備う。眉寿万年、謀を詒して燕翼す。於赫しき湯孫、克く永福を綿ぐ。紹定三年寿明仁福慈睿皇太后冊宝九首 文徳殿冊宝降殿

原文麟趾蹄,我寶斯刻。碝磩采致,載備斯冊。眉壽萬年,詒謀燕翼。於赫湯孫,克綿永福。紹定三年壽明仁福慈睿皇太后冊寶九首文德殿冊寶降殿

聖母に斉しきを思い、周の任氏に比す。乾を体し坤を履み、博厚にして洪深なり。七袠既に啓き、万寿今より自らす。昕庭に号を発し、式に徳音を昭らす。冊宝東階に詣る 煌煌たる儀物、繹繹たる鼓鍾。此の宝冊を奉じ、階の東に至る。

原文思齊聖母,媲於周任。體乾履坤,博厚洪深。七袠既啟,萬壽自今。昕庭發號,式昭德音。冊寶詣東階煌煌儀物,繹繹鼓鍾。奉茲寶冊,至於階東。

上公相の儀、列辟恭を尽くす。慈宸に手を拝し、福は華・嵩の如し。冊宝門を出づ 帝闕肅として開き、天階坦かに履む。霓旌羽蓋、儀を導き衛を護す。彫琢を誇るに匪ず、繁麗を矜るに匪ず。茲れ盛儀と謂い、億載千歳。

原文上公相儀,列辟盡恭。拜手慈宸,福如華、嵩。冊寶出門帝闕肅開,天階坦履。霓旌羽蓋,導儀護衛。匪誇雕琢,匪矜繁麗。茲謂盛儀,億載千歲。

慈明殿冊宝門に入る 金堅玉純、文鬱礼縟。帝の所より来たり、王国の瑞を作す。天開き地辟け、日は熙らかに春燠し。茲れ盛事と謂い、永く茀祿に燕す。冊宝殿に升る

原文慈明殿冊寶入門金堅玉純,文鬱禮縟。來從帝所,作瑞王國。天開地辟,日熙春燠。茲謂盛事,永燕茀祿。冊寶升殿

皇儀煒有り、彩舁次第に升る。沉沉たる邃殿、穆穆たる天廷。坤徳罙く隆く。皇図永く寧し。爾に廷臣を諮り、斉を摂して以て登る。冊宝宮中に詣る 寿は福の先と為り、明は物表を燭す。仁は動植に沾い、福は穹昊に斉し。

原文皇儀有煒,彩舁次升。沉沉邃殿,穆穆天廷。坤德罙隆。皇圖永寧。谘爾廷臣,攝齊以登。冊寶詣宮中壽為福先,明燭物表。仁沾動植,福齊穹昊。

慈と睿と曰い、並びに丕号を崇む。演して之を申べ、万世永く保つ。皇太后御坐に升る 邇臣跪奏し、厳辦必ず恭し。乃ち禕礻俞に禦し、殿中に升る。慈顔雍穆、和気衝融す。芳は清史に流れ、之を伝えて窮まり無し。

原文曰慈與睿,並崇丕號。演而申之,萬世永保。皇太后升御坐邇臣跪奏,嚴辦必恭。乃禦禕礻俞,升於殿中。慈顏雍穆,和氣衝融。芳流清史,傳之無窮。

冊宝読冊宝位に詣る 徽音孔昭、宝伝斯く刻す。金は昭らかに玉は粋なり、燁有る斯の冊。祈り祝い、以て燕ぎ以て翼す。之を宝として万年、宋と極まり無し。皇太后御坐を降る

原文冊寶詣讀冊寶位徽音孔昭,寶傳斯刻。金昭玉粹,有燁斯冊。載祈載祝,以燕以翼。寶之萬年,與宋無極。皇太后降御坐

皇文既に挙り、慶礼虔に告ぐ。宮闈より肇り、幅員に格る。子は母の寿を称え、母は子の賢を謂う。陟降茲に在り、隆名天に際す。哲宗発皇后冊宝三首 皇帝坐に升る、『乾安』

原文皇文既舉,慶禮告虔。肇自宮闈,格於幅員。子稱母壽,母謂子賢。陟降在茲,隆名際天。哲宗發皇后冊寶三首皇帝升坐,《乾安》

既に登りて乃ち依り、日の升るが如し。厳有り翼有り、丕に顯れ丕に承く。天の作す之が合、家邦其れ興る。朱芾斯に皇なり、子孫繩繩たり。坐を降りる、『乾安』 我が礼嘉成し、我が駕言旋す。坐を降りて蹕し、鼓の淵淵たるを奏す。

原文既登乃依,如日之升。有嚴有翼,丕顯丕承。天作之合,家邦其興。朱芾斯皇,子孫繩繩。降坐,《乾安》我禮嘉成,我駕言旋。降坐而蹕,奏鼓淵淵。

景命僕有り、天より保佑す。永く祚嗣を錫い、何ぞ千万年。太尉等冊宝を奉じて出入す、『正安』 宣哲公に維り、位に就きて肅莊す。冊宝具に挙げ、丕に其の光を顯す。宸闈より出で、鼓鍾喤々たり。母儀天下にあり、万寿無疆。

原文景命有仆,保佑自天。永錫祚嗣,何千萬年。太尉等奉冊寶出入,《正安》宣哲維公,就位肅莊。冊寶具舉,丕顯其光。出於宸闈,鼓鍾喤々。母儀天下,萬壽無疆。

紹興十三年発皇后冊宝十三首 皇帝坐に升る、『乾安』 天地位を奠め、乾坤以て分かる。夫婦別有り、父子親しみ相いす。聖王の治、礼婚姻を重んず。端冕して事に従い、是れ大倫を正す。

原文紹興十三年發皇后冊寶十三首皇帝升坐,《乾安》天地奠位,乾坤以分。夫婦有別,父子相親。聖王之治,禮重婚姻。端冕從事,是正大倫。

使副門に入る、『正安』 天子陽に当たり、群工列に就く。冊宝既に陳び、鍾鼓備え設く。上公事を奉じ、容莊しく心協う。克く盛礼を相い、光玉牒に昭らかなり。冊宝門を出づ、『正安』

原文使副入門,《正安》天子當陽,群工就列。冊寶既陳,鍾鼓備設。上公奉事,容莊心協。克相盛禮,光昭玉牒。冊寶出門,《正安》

穆穆たる容、天の臨むが如し。赫赫たる明命、玉の音の如し。虔恭門を出で、礼容兢兢たり。塗山啓を生み、夏道以て興る。皇帝坐を降りる、『乾安』 朝陽已に升り、薫風習至る。楽奏既に成り、礼容亦備わる。

原文穆穆容,如天之臨。赫赫明命,如玉之音。虔恭出門,禮容兢兢。塗山生啟,夏道以興。皇帝降坐,《乾安》朝陽已升,薰風習至。樂奏既成,禮容亦備。

玉佩鏘鳴し、帝徐に趾を挙ぐ。壼政穆として宣らかにし、以て内治を聴く。皇后閣を出づ、『乾安』 猗歟賢後、徳本姓に成る!天を承けて順を致し、日に溯いて明と為す。儷極に配し、王化以て行わる。万有千歳、祀を奉じて宗祊す。

原文玉佩鏘鳴,帝徐舉趾。壼政穆宣,以聽內治。皇后出閣,《乾安》猗歟賢後,德本性成!承天致順,溯日為明。作配儷極,王化以行。萬有千歲,奉祀宗祊。

冊宝門に入る、『宜安』 款に祗事を承け、時惟れ肅雍なり。跪いて冊宝を奉じ、法宮に陳ぶ。以て俯し以て仰ぎ、儀有り容有り。明神之に介し、福禄来たり崇む。皇后殿を降りる、『承安』

原文冊寶入門,《宜安》款承祗事,時惟肅雍。跪奉冊寶,陳於法宮。以俯以仰,有儀有容。明神介之,福祿來崇。皇后降殿,《承安》

温かく慈しむ徳、禕衣と翟衣を着け、行中に『采薺』を奏し、礼に少しも違わず。丹陛に降り立ち、容姿も儀礼も整い、ゆったりと優雅に、誰がこれに似ようか。皇后が冊宝を受ける、『成安』蒼玉を刻みて、盛徳を揚げ、南金を鋳て、椒房を鎮めとなす。

原文溫惠之德,禕翟之衣。行中《采薺》,禮無或違。降於丹陛,有容有儀。委委蛇蛇,誰其似之!皇后受冊寶,《成安》鏤蒼玉兮,盛德載揚。鑄南金兮,作鎮椒房。

虔かに賜物を受け、輝き光りあり。室家に相応しく、朱芾はここに煌びやか。皇后が座に昇る、『和安』礼既に行われ、その位は甚だ安らか。母儀正しく、容止観るに値し、東朝に奉じて、常にその歓びを得る。淑女を求むるは、豈に多くの楽しみを好まんや。

原文虔受賜兮,有燁有光。宜室家兮,朱芾斯皇。皇后升坐,《和安》禮既行兮,厥位孔安。母儀正兮,容止可觀。奉東朝兮,常得其歡。求淑女兮,豈樂多般。

内命婦が入門する、『惠安』素月澄みわたり輝き、衆星顕れ列す。炳として天文となり、各々別あり。椒房既に正しければ、陰教ここに設く。『関雎』『麟趾』、応えて向かうが如く捷し。外命婦が入門する、『成安』

原文內命婦入門,《惠安》素月澄輝,眾星顯列。炳為天文,各有攸別。椒房既正,陰教斯設。《關雎》、《麟趾》,應如向捷。外命婦入門,《成安》

その容姿は窈窕、その姿は淑やかで穏やか。雲の如く爛漫として、我が母儀を仰ぎ見る。天の妹と曰い、作合するは惟れ宜し。粲然と舞い手を打ち、誰か恭しく敬わざらん。皇后が座を降りる、『徽安』宝字煌煌、冊書は粲粲たり。副笄に飾りを加え、禕褕は爛として輝く。

原文窈窕其容,淑嫕其姿。爛其如雲,瞻我母儀。曰天之妹,作合惟宜。粲然舞抃,疇不肅祗。皇后降坐,《徽安》寶字煌煌,冊書粲粲。副笄加飾,禕褕有爛。

帝の美を敬い受け、委蛇として楽しみ和らぐ。億万年の時、永く宸翰を膺く。皇帝が閣に帰る、『泰安』太任の徽音、太姒これを受け継ぐ。則ち百の斯くの如き男子、周室以て熾んず。天子万年、この女士を受く。姒が任に事えるが如く、孫子に従いて。

原文祗若帝休,委蛇樂衎。億萬斯年,永膺宸翰。皇帝歸閣,《泰安》太任徽音,太姒是嗣。則百斯男,周室以熾。天子萬年,受茲女士。如姒事任,從以孫子。

淳熙三年、皇后冊宝を発する十三首、皇帝が座に昇る、『乾安』赫々たる惟れ皇、日の光の如し。肅々たる惟れ后、月の常の如し。礼一時に行われ、明らかに照らして疆なし。天子ここに莅止す、誰か敢えて荘厳ならざらん。

原文淳熙三年發皇后冊寶十三首皇帝升坐,《乾安》赫赫惟皇,如日之光。肅肅惟後,如月之常。禮行一時,明照無疆。天子蒞止,疇敢不莊!

冊宝が入門する、『正安』月を卜うに惟れ良く、辰を練るに斯く臧し。臣工庭に在り、剣佩瑲瑲たり。汝凝丞来たり、明命是れ将とす。淑やかなるその儀あり、或いは怠り遑うること無かれ。冊宝が出門する、『正安』

原文冊寶入門,《正安》卜月惟良,練辰斯臧。臣工在庭,劍佩瑲瑲。來汝凝丞,明命是將。有淑其儀,無或怠遑。冊寶出門,《正安》

簡を瑉に刻み、宝を金に鋳る。節を持つ者は誰ぞ、時に惟れ四隣。我が文徳より、之を穆清に達す。委蛇委蛇、往きて成るに迄る。皇帝が座を降りる、『乾安』冊行は何れの向かう、門の東偏に於いて。礼備わり楽成り、扇を合せ鞭を鳴らす。

原文刻簡以瑉,鑄寶以金。持節伊誰?時惟四鄰。自我文德,達之穆清。委蛇委蛇,往迄於成。皇帝降坐,《乾安》冊行何曏?於門東偏。禮備樂成,合扇鳴鞭。

皇玉趾を挙げ、天の旋るが如し。家邦に燕び及び、億万年の時。皇后が閣を出る、『坤安』椒塗に蘭馭し、河は潤い山は容あり。副笄首に在り、禕衣躬に被る。静女その姝、実に翼し実に従う。彼の西閣より、聿く殿中に来たる。

原文皇舉玉趾,如天之旋。燕及家邦,億萬斯年。皇后出閣,《坤安》椒塗蘭馭,河潤山容。副笄在首,禕衣被躬。靜女其姝,實翼實從。自彼西閣,聿來殿中。

冊宝が入門する、『宜安』徳隆く位尊く、礼厚く文縟し。乃ち斯の金を篆し、乃ち斯の玉を鏤る。群公門に盈ち、執事肅然たり。願わくは之を保ち、永く坤軸を鎮めん。皇后が殿を降りる、『承安』

原文冊寶入門,《宜安》德隆位尊,禮厚文縟。乃篆斯金,乃鏤斯玉。群公盈門,執事有肅。願言保之,永鎮坤軸。皇后降殿,《承安》

規殿は沈沈、葉気は文々たり。婦順を明らかに章し、人倫を表正す。左墄を躡み、中庭に及びて。尚宮顕れ相い、欽まざる無からん。皇后が冊宝を受ける、『成安』物を備えた典冊、楽の鼓鐘。拝して之を受け、其の肅雍を極む。

原文規殿沉沉,葉氣文々。明章婦順,表正人倫。躡是左墄,暨於中庭。尚宮顯相,罔有弗欽。皇后受冊寶,《成安》備物典冊,樂之鼓鍾。拜而受之,極其肅雍。

言を司り宝を司る、各々職を以て従う。地を行くに慶あり、天と窮き無し。皇后が座に昇る、『和安』容典既に膺け、壺儀既に正し。羽衛外に列し、揚顔中に映ず。帝の如く天の如く、以て荘に以て靚し。六宮式を受け、『二南』詠を流す。

原文司言司寶,各以職從。行地有慶,與天無窮。皇后升坐,《和安》容典既膺,壺儀既正。羽衛外列,揚顏中映。如帝如天,以莊以靚。六宮承式,《二南》流詠。

内命婦が入門する、『惠安』『葛覃』は用を節し、『樛木』は下に逮ぶ。形は嬪則となり、夙に已に心化す。茲に長秋に臨み、遂に諸夏を正す。以て慶し以て祈り、百祥来たり迓う。外命婦が入門する、『鹹安』

原文內命婦入門,《惠安》《葛覃》節用,《樛木》逮下。形為嬪則,夙已心化。茲臨長秋,遂正諸夏。以慶以祈,百祥來迓。外命婦入門,《鹹安》

碩人その頎たり、公侯の妻。翟茀を以て朝し、象服是れ宜し。星の共うが如く、月の輝きを溯る。母儀既に瞻り、群心則ち夷し。皇后が座を降りる、『徽安』窈窕たる淑女、六服を備えたり。陟降多儀、群目を聳えしむ。

原文碩人其頎,公侯之妻。翟茀以朝,象服是宜。如星之共,溯月之輝。母儀既瞻,群心則夷。皇后降坐,《徽安》窈窕淑女,備六服兮。陟降多儀,聳群目兮。

内治允に備わり、陰教肅し。君に宜しく王に宜しく、福を綏んず。皇后が閣に帰る、『泰安』天周を監み、是れ太任を生む。亦た太姒有り、其の徽音を嗣ぐ。孰か両宮の如く、慈愛相い承くる!思斉の盛、復た今に見る。

原文內治允備,陰教肅兮。宜君宜王,綏有福兮。皇后歸閣,《泰安》天監有周,是生太任。亦有太姒,嗣其徽音。孰如兩宮,慈愛相承!思齊之盛,復見於今。

淳熙十六年、皇后冊宝の楽章十三首、皇帝升坐の曲、『乾安』、乾の位既に正しく、坤はこれに順承す。日は天に麗き、月はこれに溯明す。惟れ帝命を受け、惟れ帝と並び登る。黼扆尊く臨み、典冊是を行ふ。

原文淳熙十六年皇后冊寶十三首皇帝升坐,《乾安》乾位既正,坤斯順承。日麗於天,月斯溯明。惟帝受命,惟帝並登。黼扆尊臨,典冊是行。

冊宝入門の曲、『正安』、乃ち良辰を協へ、維れ春の宜しきにす。乃ち近弼に詔し、汝に来りて相儀せしむ。九門洞開し、文物華輝す。声詩載せて歌ひ、於もてこれを侑ふ。冊宝出門の曲、『正安』

原文冊寶入門,《正安》乃協良辰,維春之宜。乃詔近弼,來汝相儀。九門洞開,文物華輝。聲詩載歌,於以侑之。冊寶出門,《正安》

璽有りて金を範とし、冊有りて瓊を鏤る。汝使汝介、節を持ちて以て行く。礼は文徳に始まり、穆清に達す。是に恪み是に虔にして、我が和声に依る。皇帝降坐の曲、『乾安』、鼓鐘喤喤たり、磬筦鏘鏘たり。剣佩庭に充ち、済済洋洋たり。

原文有璽範金,有冊鏤瓊。汝使汝介,持節以行。禮始文德,達於穆清,是恪是虔,依我和聲。皇帝降坐,《乾安》鼓鍾喤々,磬筦鏘鏘。劍佩充庭,濟濟洋洋。

礼典備はれりと告げ、皇心楽康なり。万斯年に於て、福を受くるに疆なし。穆清殿にて冊宝を受け、皇后閣を出づる曲、『坤安』、懿範柔容、月の輝くが如し。其の翟輅に駕し、禕衣を以て被る。九禦これに従ひ、雲の祁祁たるが如し。典冊是を受け、心焉に肅祗す。

原文禮典告備,皇心樂康。於萬斯年,受福無疆。穆清殿受冊寶,皇后出閣,《坤安》懿範柔容,如月斯輝。駕厥翟輅,被以禕衣。九禦從之,如雲祁祁。典冊是承,心焉肅祗。

冊宝入門の曲、『宜安』、華榱璧璫、椒殿に馨し有り。物を備へ来り陳べ、儀多く式煥たり。冊と曰ひ宝と曰ひ、是に刻み是に彖す。並び挙げて以て行く、皇なるかな懿典。皇后殿を降る曲、『承安』

原文冊寶入門,《宜安》華榱璧璫,有馨椒殿。備物來陳,多儀式煥。曰冊曰寶,是刻是彖。並舉以行,皇矣懿典。皇后降殿,《承安》

禕褕の盛服、其の容恪恪たり。是に陟り是に降り、尚宮を以て相す。金殿玉階、聿ち中に来る。詩を展べ律に応じ、載せて詠ふ肅雍。皇后冊宝を受くる曲、『成安』、帝に顕命有り、親慈に稟る。後徳克く承け、拝して之を受く。

原文禕褕盛服,有恪其容。是陟是降,相以尚宮。金殿玉階,聿來於中。展詩應律,載詠肅雍。皇后受冊寶,《成安》帝有顯命,稟於親慈。後德克承,拜而受之。

人倫既に正しく、王化是れ基なり。億載万年、永く坤儀を祚す。皇后坐に升る曲、『和安』、帝三宮を慶し、宝冊を受くに膺る。中闈に禦し、載せて欣ひ載せて惕む。乃ち陰教を孚かし、乃ち『内則』を明らかにす。翼翼として魚貫し、承式せざるは罔し。

原文人倫既正,王化是基。億載萬年,永祚坤儀。皇后升坐,《和安》帝慶三宮,膺受寶冊。禦於中闈,載欣載惕。乃孚陰教,乃明《內則》。翼翼魚貫,罔不承式。

内命婦入門の曲、『惠安』、掖庭官を頒ち、位に於て四有り。嘒ける彼の小星、徳恵を以て撫す。熙けること春の如く、育むこと地の如し。慶礼聿ち成り、鹹く喜ばざるは靡し。外命婦入門の曲、『鹹安』

原文內命婦入門,《惠安》掖庭頒官,於位有四。嘒彼小星,撫以德惠。熙焉如春,育焉如地。慶禮聿成,靡弗鹹喜。外命婦入門,《鹹安》

魚軒鼎来し、象服是れ宜し。内庭に班し、礼に率ひ惟れ祗す。婦道を以て化し、時に惟れ母儀なり。是に慶び是に類ひ、於もて胥く楽しむ。皇后坐を降る曲、『徽安』、正位長秋に在り、容典備はれり。王家に有り、人倫至れり。

原文魚軒鼎來,象服是宜。班於內庭,率禮惟祗。化以婦道,時惟母儀。是慶是類,於胥樂兮。皇后降坐,《徽安》正位長秋,容典備矣。王假有家,人倫至矣。

儷極天に伣ひ、多く祉を受く。蟄蟄たる螽斯、宜しく孫子たるべし。皇后閣に帰る曲、『泰安』、維れ天宋を佑け、盛事相仍る。号を三宮に崇む、甫ち茲に浹辰。中闈を肇正し、縟礼載せて陳ぶ。邦家の慶、曠古に倫無し。

原文儷極伣天,多受祉矣。蟄蟄螽斯,宜孫子矣。皇后歸閣,《泰安》維天佑宋,盛事相仍。崇號三宮,甫茲浹辰。肇正中闈,縟禮載陳。邦家之慶,曠古無倫。

皇帝升坐の曲、『乾安』、乾健坤順、群生首に資る。日は常に月は升り、四時葉ひ熙く。帝天暦を嗣ぎ、後母儀を崇む。黼黻暉を承け、王化是れ基なり。使副入門の曲、『正安』

原文皇帝升坐,《乾安》乾健坤順,群生首資。日常月升,四時葉熙。帝嗣天曆,後崇母儀,黼黻承暉,王化是基。使副入門,《正安》

熛闕蟺{艸〓}たり、璧門雲龍たり。烈文維れ輔と為り、翊奉に容有り。典章煇明に、彝度肅雍たり。時に縟儀を蕆し、璿宮に登る。冊宝出門の曲、『正安』、金晶麗輝き、璧葉春を含む。夏を讚くるの翼、虞を繹するの嬪。

原文熛闕蟺{艸〓},璧門雲龍。烈文維輔,翊奉有容。典章煇明,彝度肅雍。蕆時縟儀,登於璿宮。冊寶出門,《正安》金晶麗輝,璧葉含春。讚夏之翼,繹虞之嬪。

楽は『韶』に序し亮く、礼文藻新たなり。辟公相ひ成り、物采彬彬たり。皇帝降坐の曲、『乾安』、帟旒雲の舒ぶが如く、金秀庭に充つ。璿衛鑾華、蒨佩糸呈に垂る。皇容熙かに備はり、柔儀順承す。三宮斉しく歓び、万福昭かに膺く。

原文樂序《韶》亮,禮文藻新。辟公相成,物采彬彬。皇帝降坐,《乾安》帟旒雲舒,金秀充庭。璿衛鑾華,蒨佩垂糸呈。皇容熙備,柔儀順承。三宮齊歡,萬福昭膺。

皇后閣を出づる曲、『坤安』、驂翟容を崇め、禕鞠衣を陳ぶ。蘭殿に戾止し、夙に椒闈に興く。淑正華を宣べ、粹明輝を騰す。欽て承く有るが若く、音を嗣ぐの徽。冊宝入門の曲、『宜安』

原文皇后出閣,《坤安》驂翟崇容,禕鞠陳衣。戾止蘭殿,夙興椒闈。淑正宣華,粹明騰輝。欽若有承,嗣音之徽。冊寶入門,《宜安》

禕帟流光し、慶祥増衍す。玉を編み徳を鏤り、螭金篆に溢る。粹猷黼に藻し、徽文華顕なり。『二南』の声詩、時に於て昭闡す。皇后殿を降る曲、『承安』、翬珩采を煥し、節に趨ふこと風韶の如し。墄陛に陟降し、将に英瑤を奉ず。

原文禕帟流光,慶祥增衍。編玉鏤德,螭金溢篆。粹猷藻黼,徽文華顯。《二南》聲詩,於時昭闡。皇后降殿,《承安》翬珩煥采,趨節風韶。陟降墄陛,奉將英瑤。

道を開き香りを承け、后妃の儀容は高く揚がる。これを敬いこれを畏れ、徳の音は甚だ明らかなり。皇后冊宝を受く、『成安』帝は太室に奉り、后の儀はこれを成す。帝は三宮を養い、后は志してこれを承く。徳は『関雎』の如く、盛んなり『螽斯』の如し。君に宜しく王に宜しく、百世の本枝たるべし。

原文辟道承薰,嬪儀揚翹。是敬是祗,德音孔昭。皇后受冊寶,《成安》帝奉太室,後儀成之。帝養三宮,後誌承之。德如《關雎》,盛如《螽斯》。宜君宜王,百世本支。

皇后升坐、『和安』粛粛たる壼彝、雍雍たる陰教。険詖自ら防ぎ、警戒これ効う。中閨端委、列御胥に告ぐ。その輔順を思う、永く帝の孝を翼けん。内命婦入門、『恵安』

原文皇后升坐,《和安》肅肅壼彝,雍雍陰教。險詖自防,警戒是效。中闈端委,列禦胥告。其思輔順,永翼帝孝。內命婦入門,《惠安》

天子九嬪、王宮六寝。燁然たる令儀有り、華品を載せて秩す。福履綏かに将し、節用躬儉す。その徳音を矢し、もって来り諗う。外命婦入門、『咸安』象服の文、『鵲巣』の風。婦道を以て化し、内宮に覲す。

原文天子九嬪,王宮六寢。有燁令儀,載秩華品。福履綏將,節用躬儉。矢其德音,於以來諗。外命婦入門,《鹹安》象服之文,《鵲巢》之風。化以婦道,覲於內宮。

蘋を澗の濱に采り、藻を澗の中に采る。夙夜公に在り、彼の累功を賛す。皇后降坐、『和安』光佑晏寧、恵慈燕喜。寿仁並びに崇く、家邦均しく祉る。懿文交挙し、壼冊嗣美す。億万年を維れ、愛敬惟れ似たり。

原文采蘋澗濱,采藻澗中。夙夜在公,讚彼累功。皇后降坐,《和安》光佑晏寧,惠慈燕喜。壽仁並崇,家邦均祉。懿文交舉,壼冊嗣美。維億萬年,愛敬惟似。

皇后閣に帰る、『泰安』天心仁佑、坤徳世に昭らかなり。灼然たる慈範有り、累朝に著わる。儉を以て虞を賛し、勤を以て堯を承く。是を用いて則效し、共に夙宵を励ます。嘉泰三年皇后冊宝十三首

原文皇后歸閣,《泰安》天心仁佑,坤德世昭。灼有慈範,著於累朝。儉以讚虞,勤以承堯。是用則效,共勵夙宵。嘉泰三年皇后冊寶十三首

皇帝升坐、『乾安』坤極を茂建し、容典聿に新たなり。天命の賛する所、慈訓是れ遵う。粛涓穀旦、躬紫宸に御す。鴻禧累福、駢賚翕臻す。使副入門、『正安』

原文皇帝升坐,《乾安》茂建坤極,容典聿新。天命所讚,慈訓是遵。肅涓穀旦,躬禦紫宸。鴻禧累福,駢賚翕臻。使副入門,《正安》

端門暁に辟き、瑞気雲の凝るが如し。儼然たる良輔有り、武に踵ぎ廷に造る。粛粛たる王命、是れ将ち是れ承く。冊を登す穆清、万歳永く膺く。冊宝出門、『正安』瑶冊玉宝、爛然たる瑞輝。旁に絳節を翼け、上に紫微を承く。

原文端門曉辟,瑞氣雲凝。有儼良輔,踵武造廷。肅肅王命,是將是承。登冊穆清,萬歲永膺。冊寶出門,《正安》瑤冊玉寶,爛然瑞輝。旁翼絳節,上承紫微。

璆鳴く朝佩、徐ろに獣扉を出づ。坤極に登進し、益々典徽を彰す。皇帝降坐、『乾安』天黼扆に臨み、雲弁纓に集う。金石遞奏し、典礼備成す。玉趾緩歩し、龍駕翼行す。言わく北極に旋り、永く西清に燕す。

原文璆鳴朝佩,徐出獸扉。登進坤極,益彰典徽。皇帝降坐,《乾安》天臨黼扆,雲集弁纓。金石遞奏,典禮備成。玉趾緩步,龍駕翼行。言旋北極,永燕西清。

皇后閣を出づ、『乾安』日椒屋に薫じ、雲璧門に靄る。華有る瑞節、帝閽より来る。天を統ぐるは惟れ乾、徳に合する者は坤。我が龍これを受け、福禄永く繁んぜん。冊宝入門、『宜安』

原文皇后出閣,《乾安》日薰椒屋,雲靄璧門。有華瑞節,來自帝閽。統天惟乾,合德者坤。我龍受之,福祿永繁。冊寶入門,《宜安》

虹輝燦爛、雲篆綢繆。絳節前導し、瑞光上浮す。瑶階玉扉、即ち長秋に集う。天寵を欽承し、永く帝休を荷う。皇后殿を降る、『承安』瑶殿清く、玉墄坦夷なり。禕衣副珈、陟降遅からず。

原文虹輝燦爛,雲篆綢繆。絳節前導,瑞光上浮。瑤階玉扉,即集長秋。欽承天寵,永荷帝休。皇后降殿,《承安》瑤殿清,玉墄坦夷。禕衣副珈,陟降不遲。

宝冊聿至り、載せて粛に載せて祗る。礼儀昭かに備わり、福履永く綏んず。皇后冊宝を受く、『成安』日月燭に臨み、乾坤覆持す。明は二曜に並び、徳は両儀に合す。光宸極に媲ぎ、共に化基を恢む。茂典を膺受し、億載永く宜し。

原文寶冊聿至,載肅載祗。禮儀昭備,福履永綏。皇后受冊寶,《成安》日月臨燭,乾坤覆持。明並二曜,德合兩儀。光媲宸極,共恢化基。膺受茂典,億載永宜。

皇后升坐、『和安』宝璽瑶冊、既に祗り既に承く。繍裀藻席、載せて躋ぎ載せて升る。柔儀粛穆、瑞命端凝す。多福を永く膺け、川の方に増すが如し。内命婦入門、『恵安』

原文皇后升坐,《和安》寶璽瑤冊,既祗既承。繡裀藻席,載躋載升。柔儀肅穆,瑞命端凝。永膺多福,如川方增。內命婦入門,《惠安》

服は盛儀を煥え、班は華致を分つ。九嬪婦職、六寝内治。参差たる荇菜、求めて寤寐に勤む。烝然として来り思う、礼を相し祭を賛す。外命婦入門、『咸安』婦は室に栄え、禁中に通籍す。班列次有り、車服容有り。

原文服煥盛儀,班分華致。九嬪婦職,六寢內治。參差荇菜,求勤寤寐。烝然來思,相禮讚祭。外命婦入門,《鹹安》婦榮於室,通籍禁中。班列有次,車服有容。

我が『関雎』を佐け、『鵲巣』の風。これに僮僮たるを被り、曷ぞ粛雍ならざらんや!皇后降坐、『徽安』金石具挙し、典礼茂明なり。淑慎その止む、遹に厥の成るを観る。瓊琚微動し、鳳輦翼行す。儀光極に媲ぎ、徳嬪京に邁る。

原文佐我《關雎》,《鵲巢》之風。被之僮僮,曷不肅雍!皇后降坐,《徽安》金石具舉,典禮茂明。淑慎其止,遹觀厥成。瓊琚微動,鳳輦翼行。儀光媲極,德邁嬪京。

皇后閣に帰る、『泰安』宝坐既に興り、鳳輦行を戒む。解厳の辦を奏し、帰燕邃清す。寿慈に問安し、宗祊に齍を奉ず。千万年を弥め、内助聖明たる。嘉定十五年皇帝「恭膺天命之宝」を受く三首

原文皇后歸閣,《泰安》寶坐既興,鳳輿戒行。奏解嚴辦,歸燕邃清。問安壽慈,奉齍宗祊。彌千萬年,內助聖明。嘉定十五年皇帝受“恭膺天命之寶”三首

『恭膺天命之曲』(太簇宮)我が祖は天命を受け、恭しく天に膺かる。乃ち玉宝を作り、載せて祗つつしみ載せて虔つつしましむ。申かさねて錫たまうこと疆かぎりなく、神聖伝うること有り。昭あきらかに此の興運をし、万斯年よろずこのとしに於いて!『舊疆來歸之曲』(太簇宮)

原文《恭膺天命之曲》,太簇宮我祖受命,恭膺於天。爰作玉寶,載祗載虔。申錫無疆,神聖有傳。昭茲興運,於萬斯年!《舊疆來歸之曲》,太簇宮

於ああ穆おごしき我が皇、その徳の純なること。群生を涵濡うるおし、況いわんや我が遺民をや。運は斉を跨ぎ晋に及び、貢を輸おくり珍を效ささぐ。土宇日ひに辟ひらけ、一視同仁す。『永清四海之曲』(太簇宮)我が祖我が宗、徳厚く沢深し。皇すめらぎに於いて序を継ぎ、益ますます厥その心を単つくす。

原文於穆我皇,之德之純。涵濡群生,矧我遺民。運齊跨晉,輸貢效珍。土宇日辟,一視同仁。《永清四海之曲》,太簇宮我祖我宗,德厚澤深。於皇繼序,益單厥心。

天人協かない扶たすけ、一統臨むこと有り。乾坤清夷せいいにして、古を振ふるうこと今に斯ここに至る。至道元年、皇太子を冊さくす二首 太子出入、『正安』 主鬯しゅちょうの重き、允まことに賢明に属す。承華しょうか肇はじめて啓き、上嗣騰のぼり英はなぶ。

原文天人協扶,一統有臨。乾坤清夷,振古斯今。至道元年冊皇太子二首太子出入,《正安》主鬯之重,允屬賢明。承華肇啟,上嗣騰英。

礼修おさまり楽挙あがり、徳を育み栄を開く。一人元良げんりょうにして、万邦以て寧やすし。群臣賀を称す、『正安』 皇儲既に建てられ、聖祚疆かぎりなし。鸞旌らんせい列つらなり叙し、雞戟けいげき分かれて行く。前星爛らんとして有り、瑞日重ねて光る。天に際あい聖に接し、温文允まことに臧よし。

原文禮修樂舉,育德開榮。一人元良,萬邦以寧。群臣稱賀,《正安》皇儲既建,聖祚無疆。鸞旌列敘,雞戟分行。前星有爛,瑞日重光。際天接聖,溫文允臧。

天禧三年、皇太子を冊す一首 太子出入、『明安』 明めいなる『離』の象、少陽の位。邦を固むるを本と為し、天に体ならいて貳じと作なす。儀範克よく温おんにして、礼章斯ここに備わる。丕おおいに令猷れいゆうを宣のべ、恭うやうやしく宗器を守る。

原文天禧三年冊皇太子一首太子出入,《明安》明《離》之象,少陽之位。固邦為本,體天作貳。儀範克溫,禮章斯備。丕宣令猷,恭守宗器。

乾道元年、皇太子を冊す四首 皇帝升坐しょうざ、『乾安』 宋は天命を受け、聖緒疆かぎりなし。惟おもい永図を懐いだき、乃ち元良を登す。涓えらびて休辰を選び、冊書是ここを将とる。黼坐ふざ天に臨み、穆穆ぼくぼくとして皇皇こうこうたり。

原文乾道元年冊皇太子四首皇帝升坐,《乾安》宋受天命,聖緒無疆。惟懷永圖,乃登元良。涓選休辰,冊書是將。黼坐天臨,穆穆皇皇。

太子入門、『明安』 皇儲に維おいて、玉潤ぎょくじゅん金聲きんせい。『震』の洊せんなるに体し、『離』の明なるを重んず。冊宝具そなわって挙がり、環佩かんぱい鏘鏘そうそうと鳴る。器を守り祧ちょうを承け、惟れ邦の栄たる。太子出門、『明安』

原文太子入門,《明安》於維皇儲,玉潤金聲。體《震》之洊,重《離》之明。冊寶具舉,環佩鏘鳴。守器承祧,惟邦之榮。太子出門,《明安》

楽備そなわり既に奏し、和声衝融しょうゆうたり。玉簡金書、翔鸞しょうらん戲鴻ぎこうす。下拝し登受し、旋めぐりて青宮に於く。辰ときを儀のりとして貳と作し、休よきを垂れて窮きわまり無し。皇帝降坐、『乾安』 我が礼備わり成り、我が駕言げん旋る。坐を降りて蹕ひつし、鼓を奏して淵淵えんえんたり。

原文樂備既奏,和聲衝融。玉簡金書,翔鸞戲鴻。下拜登受,旋於青宮。儀辰作貳,垂休無窮。皇帝降坐,《乾安》我禮備成,我駕言旋。降坐而蹕,奏鼓淵淵。

国本既に定まり、保佑天より自よる。克よく厥の後を昌さかんにし、何ぞ千万年ぞ。乾道七年、皇太子を冊す四首 皇帝升坐、『乾安』 儲ちょを賢を以て建て、宮を東に辟く。典冊既に備わり、筮占既に従う。

原文國本既定,保佑自天。克昌厥後,何千萬年。乾道七年冊皇太子四首皇帝升坐,《乾安》建儲以賢,辟宮於東。典冊既備,筮占既從。

済済せいせいたる卿士、鏘鏘たる鼓鍾。天子止とどまり戾いたり、盛哉せいさい礼容。太子入門、『明安』 瑉びんを周めぐらし差々(しし)たり、金を篆てんして煌煌こうこうたり。庭に対揚し、是ここに承け是に将る。星は其の暉きを重ね、日は其の光を重ぬ。観瞻かんせんして以て懌よろこび、国に元良有り。

原文濟濟卿士,鏘鏘鼓鍾。天子戾止,盛哉禮容。太子入門,《明安》周瑉差々,篆金煌煌。對揚於庭,是承是將。星重其暉,日重其光。觀瞻以懌,國有元良。

太子出門、『明安』 淵ふかく中うちに徳を象かたどり、玉裕ぎょくゆう姿を凝こらす。進退周旋、其の儀肅しゅくなり。国本既に定まり、益慶基を隆さかんにす。両宮に燕やすんじ及び、福祿茨しの如し。皇帝降坐、『乾安』

原文太子出門,《明安》淵中象德,玉裕凝姿。進退周旋,有肅其儀。既定國本,益隆慶基。燕及兩宮,福祿如茨。皇帝降坐,《乾安》

儲副ちょふく豫あらかじめ定まり、器の公なる兮これ。冊授さくじゅ時に孔はなはだし、礼の隆んなる兮れ。天歩てんぽ遲遲ちちとして、九重を旋る兮れ。寿祉じゅし万年、徳窮きわまり無き兮れ。嘉定二年、皇太子を冊す四首 皇帝升坐

原文儲副豫定,器之公兮。冊授孔時,禮之隆兮。天步遲遲,旋九重兮。壽祉萬年,德無窮兮。嘉定二年冊皇太子四首皇帝升坐

皇に於ける我が宋、天に命を受く。儲を升のぼせて主鬯とし、慶を衍のべて年を卜ぼくす。典冊備わり告げ、庭工ていこう載のせて虔む。万乘蒞のぞみ止とどまり、端冕たんべん邃延すいえんす。太子入門、冊宝を受く 太極端たんに禦ぎょし、少陽肅しゅくに祗む。瑉簡びんかん斯れ鏤るし、袞服こんぷく孔だ宜よろし。

原文於皇我宋,受命於天。升儲主鬯,衍慶卜年。典冊告備,庭工載虔。萬乘蒞止,端冕邃延。太子入門受冊寶太極端禦,少陽肅祗。瑉簡斯鏤,袞服孔宜。

式のりに備楽を奏し、乃ち盛儀を陳つらぬ。下拝し登受し、永く言いて之を保つ。太子、冊宝を受けて出門す 明両めいりょう曜を承け、貳として猷はかりごとを宣ぶ。茂徳金こんに昭か、令誉川の流るるが如し。厥の本を豫め定め、永く乃なんじの謀はかりごとを貽のこす。三朝致養し、龍楼に問寢す。

原文式奏備樂,乃陳盛儀。下拜登受,永言保之。太子受冊寶出門明兩承曜,作貳宣猷。茂德金昭,令譽川流。豫定厥本,永貽乃謀。三朝致養,問寢龍樓。

皇帝降坐 『震』洊の體象、我が儲明なる兮れ。渙あきらかに顯冊を揚げ、我が礼成る兮れ。大駕言げん旋り、警蹕けいひつ鳴る兮れ。燕祉えんし疆無く、邦の栄たる兮れ。寶祐二年、皇子冠かんす二十首

原文皇帝降坐《震》洊體象,我儲明兮。渙揚顯冊,我禮成兮。大駕言旋,警蹕鳴兮。燕祉無疆,邦之榮兮。寶祐二年皇子冠二十首

皇帝文德殿より出づるに將せんとす、『隆安』 皇帝の德に於いて、乃ち聖にして乃ち神なり。本支百世、愛を立つるは惟れ親なり。敬つつしみて共ともに冠事かんじをなし、以て人倫を明らかにす。天を承うけて右序ゆうじょし、休命きゅうめいを用て申ぶ。賓讚ひんさん門に入る、『祗安しあん』

原文皇帝將出文德殿,《隆安》於皇帝德,乃聖乃神。本支百世,立愛惟親。敬共冠事,以明人倫。承天右序,休命用申。賓讚入門,《祗安》

豐芑ほうき謀を詒のこし、爾なんじが元子げんしを建つ。禮儀の年を揆はかり、賓を筮うらなひて事を敬す。八音克よく諧かなひ、嘉賓至り止まる。於以て之に冠し、其の福履ふくりを成す。賓讚門を出づ、『祗安』 禮は國の本、冠禮の始め。賓西より升る、維れ賓の位。

原文豐芑詒謀,建爾元子。揆禮儀年,筮賓敬事。八音克諧,嘉賓至止。於以冠之,成其福履。賓讚出門,《祗安》禮國之本,冠禮之始。賓升自西,維賓之位。

著ちょに於いて阼そに於いて、維れ子の義、厥れ惟れ欽つつしむ哉かな、敬を以て事に従ふ。皇帝坐を降くだる、『隆安』 路寢ろしん門を辟き、黼坐恭己きょうきす。群公庭に在り、重おもんずる所は維れ禮なり。心を正し家を齊ととのへ、以て子を燕翼えんよくす。萬斯ばんここの年に於いて、王心喜びを載す。

原文於著於阼,維子之義,厥惟欽哉,敬以從事。皇帝降坐,《隆安》路寢辟門,黼坐恭己。群公在庭,所重維禮。正心齊家,以燕翼子。於萬斯年,王心載喜。

皇子初めて行く 振振しんしんたる者來きたる、月重輪じゅうりんの如し。瑜玉ゆぎょく佩はに在り、綦組きそ明らかなり。左は徵ちに右は羽うに、德旌せいを結ぶ。步ほは『采薺さいせい』に中たり、矩彠くおく循したがふ。賓讚門に入る

原文皇子初行有來振振,月重輪兮。瑜玉在佩,綦組明兮。左徵右羽,德結旌兮。步中《采薺》,矩彠循兮。賓讚入門

我に嘉賓有り、直大にして以て方ただし。亦既に至り止まり、厥の德用て光ひかる。冠して之に字あざなし、厥の義孔はなはだ彰あきらかなり。表裏純備じゅんびし、黃耇こうこう疆り無し。皇子製を受くる位に詣いたる 吉圭きっけい休成きゅうせいし、其の日南至なんしす。天子詔みことのり有り、爾が皇嗣こうしに冠す。

原文我有嘉賓,直大以方。亦既至止,厥德用光。冠而字之,厥義孔彰。表裏純備,黃耇無疆。皇子詣受製位吉圭休成,其日南至。天子有詔,冠爾皇嗣。

國の本と為なし、邦の禮を隆んにす。拜して之を受け、式しく共に敬して止まる。皇子東階に升る 茲これ惟れ阼階そかい、厥の義在り有り。曆階れきかいして升り、敬謹けいきんして將に冠せんとす。經訓けいくん昭昭しょうしょうたり、邦儀ほうぎ粲粲さんさんたり。正纚せいし賓筵ひんえん、壽考じゅこう未だ艾おいず。

原文為國之本,隆邦之禮。拜而受之,式共敬止。皇子升東階茲惟阼階,厥義有在。曆階而升,敬謹將冠。經訓昭昭,邦儀粲粲。正纚賓筵,壽考未艾。

皇子筵えんに升る 秩秩ちつちつたる賓筵、籩豆へんとう孔だ嘉よし。帝子至り止まり、衿纓きんえい華を振ふ。周旋陟降しゅうせんちこう、禮行れいこう三加さんかす。成人德有り、驕おごるに匪あらず奢おごるに匪ず。初加しょか

原文皇子升筵秩秩賓筵,籩豆孔嘉。帝子至止,衿纓振華。周旋陟降,禮行三加。成人有德,匪驕匪奢。初加

帝子惟これ賢なり、厥の德を懋つとめて昭かにす。房に於いて跪きして冠し、玄冠げんかん特こと有り。鼓鍾喤喤こうしょうこうこう、威儀抑抑よくよくたり。百禮既に洽あまねく、我が王國を祚さいわいす。初醮しょしょう 賓筵に在り有り、尊戶に在り有り。磬管けいかん將將しょうしょうたり、醮禮しょうれい時ときに舉あぐ。

原文帝子惟賢,懋昭厥德。跪冠於房,玄冠有特。鼓鍾喤々,威儀抑抑。百禮既洽,祚我王國。初醮有賓在筵,有尊在戶。磬管將將,醮禮時舉。

跪觴きしょう祝辭しゅくじし、以て永く燕譽えんよせん。寶祚ほうそ萬年、磐石ばんじゃく鞏固きょうこなり。再冠さいかん 『復ふく』の爻こう祥しょうを肇め、『震しん』維れ德を標しるす。乃ち皮弁ひべんを共にし、其の儀忒あやまらず。體正しく色齊ととのひ、維れ民の則のりなり。璿霄せんしょう眷佑けんゆうし、國壽箕翼きよくの如し。

原文跪觴祝辭,以永燕譽。寶祚萬年,磐石鞏固。再冠《復》爻肇祥,《震》維標德。乃共皮弁,其儀不忒。體正色齊,維民之則。璿霄眷佑,國壽箕翼。

再醮さいしょう 冠醮かんしょうの義、酬しゅうするに匪ず酌しゃくするに匪ず。戶の西に於いて、敬共けいきょうして以て恪つつしむ。金石相あい宣べ、冠醮相錯あいまじふ。帝祉ていし之を受く、施ほどこして家國に及ぶ。三加

原文再醮冠醮之義,匪酬匪酌。於戶之西,敬共以恪。金石相宣,冠醮相錯。帝祉之受,施及家國。三加

善く頌しょうし善く禱とうす、三加彌いよいよ尊し。爵弁しゃくべん峨峨ががたり、介珪かいけい溫溫おんおんたり。陽德方まさに長く、成德允まことに存す。燕ぎ君親に及び、厥の祉し孔だ蕃しげし。三醮さんしょう 賓階ひんかいに席せきし、禮義以て興おこる。爵を受け爵を執り、多福を以て膺うく。

原文善頌善禱,三加彌尊。爵弁峨峨,介珪溫溫。陽德方長,成德允存。燕及君親,厥祉孔蕃。三醮席於賓階,禮義以興。受爵執爵,多福以膺。

惟れ服の加ふるに匪ず、德の加ふる愈いよいよ升る。惟れ德の加ふるに匪ず、壽の加ふる愈よ增す。皇子降くだる 命服煌煌めいふくこうこう、跬步きほ度に中たる。慶皇闈こういに輯おさまり、化海宇かいうに行ゆく。禮具ととのひ樂成り、惕若てきじゃく戒懼かいくす。寶璐ほうろ厥の躬み、秩ちつ有る斯の祜こなり。

原文匪惟服加,德加愈升。匪惟德加,壽加愈增。皇子降命服煌煌,跬步中度。慶輯皇闈,化行海宇。禮具樂成,惕若戒懼。寶璐厥躬,有秩斯祜。

朝謁ちょうえつ 皇帝將まさに出づんとす 皇王烝こうおうじょうなる哉、令聞れいぶん已やまず!燕翼謀有り、冠醮禮有り。百僚庭に在り、遹つとめて厥の事を相たすく。頌聲しょうせい同おなじくする所、嘉びて帝祉を受く。皇子再拝さいはい

原文朝謁皇帝將出皇王烝哉,令聞不已!燕翼有謀,冠醮有禮。百僚在庭,遹相厥事。頌聲所同,嘉受帝祉。皇子再拜

青社せいしゃ分封ぶんぽうし、前星ぜんせい焰ほのおを啓ひらく。繁弱はんじゃく綏章すいしょうし、厥の光揜おおふ莫なし。容其の德に稱しょうし、學を蓄たくわふるの驗けんなり。芳譽ほうよ華を敷しき、大圭たいけい玷てん無し。皇子退しりぞく 玄袞黼裳げんこんふしょう、徽きを垂たれて永世えいせいす。勉勉べんべん德を成し、是れ元子に在り。

原文青社分封,前星啟焰。繁弱綏章,厥光莫揜。容稱其德,蓄學之驗。芳譽敷華,大圭無玷。皇子退玄袞黼裳,垂徽永世。勉勉成德,是在元子。

胙土そど南賓なんぴんに、厥の旨むね孔だ懿よいなり。一の忠の字を充みたし、百ももの愧はづる無きを作す。皇帝坐を降る 親に始まるを愛し、聖倫せいりんを盡くす兮。元子冠字かんじし、邦禮ほうれい成る兮。天步てんぽ舒徐じょじょたり、皇心寧やすし兮。家人かじんの吉、億萬春おくまんしゅん兮。

原文胙土南賓,厥旨孔懿。充一忠字,作百無愧。皇帝降坐愛始於親,聖盡倫兮。元子冠字,邦禮成兮。天步舒徐,皇心寧兮。家人之吉,億萬春兮。

淳化郷飲酒三十三章 鹿鳴の詩 呦呦ようようと鹿鳴き、伴侶と儔ともがらを呼ぶ。嘉賓を宴楽し、既に献じ且つ寿ぐ。献寿に序有り、休祉きゅうしは疆無し。展のびたり君子、邦家の光なり。鹿鳴呦呦、彼の中林に在り。嘉賓を宴楽し、式って徳音を昭かにす。

原文淳化鄉飲酒三十三章鹿鳴呦呦,命侶與儔。宴樂嘉賓,既獻且壽。獻壽有序,休祉無疆。展矣君子,邦家之光。鹿鳴呦呦,在彼中林。宴樂嘉賓,式昭德音。

徳音愔愔いんいんたり、既に楽しく且つ湛たんたり。允に君子、実に我が心を慰む。鹿鳴呦呦、彼の高岡に在り。嘉賓を宴楽し、笙を吹き簧おおごえを鼓す。幣帛へいはく戔戔せんせんたり、礼儀蹡々(しょうしょう)たり。楽隻たのしき君子、賓王に利用す。鹿鳴相呼び、沢の蒲がまに聚あつまる。我れ嘉賓を楽たのしみ、瑟を鼓し竽うを吹く。

原文德音愔愔,既樂且湛。允矣君子,實慰我心。鹿鳴呦呦,在彼高岡。宴樂嘉賓,吹笙鼓簧。幣帛戔戔,禮儀蹡々。樂隻君子,利用賓王。鹿鳴相呼,聚澤之蒲。我樂嘉賓,鼓瑟吹竽。

我れ旨酒を命じ、以て燕し以て娛たのしむ。何を以てか之に贈らん?玄纁げんくん粲如さんじょたり。鹿鳴相邀しょうようし、場の苗なえに聚まる。我れ嘉賓を美よしとし、令名孔はなはだ昭かなり。我れ旨酒を命じ、以て歌い以て謡う。何を以てか之を置かん?大君の朝に。鹿鳴相応じ、山の荊いばらに聚まる。我れ嘉賓を燕し、簧を鼓し笙を吹く。

原文我命旨酒,以燕以娛。何以贈之?玄纁粲如。鹿鳴相邀,聚場之苗。我美嘉賓,令名孔昭。我命旨酒,以歌以謠。何以置之?大君之朝。鹿鳴相應,聚山之荊。我燕嘉賓,鼓簧吹笙。

我れ旨酒を命じ、以て逢あい以て迎う。何を以てか之を薦すすめん?王庭に揚あぐ。右《鹿鳴》六章、章八句。彼の南陔なんがいを瞻みれば、時物嘉良なり。泉有りて清泚せいしたり、蘭有りて馨香けいこうたり。晨あしたの飲は是を汲み、夕の膳は是を嚐なむ。慈顔未だ悦よろこばず、我が心靡なく遑いとま無し。

原文我命旨酒,以逢以迎。何以薦之?揚於王庭。右《鹿鳴》六章,章八句。瞻彼南陔,時物嘉良。有泉清泚,有蘭馨香。晨飲是汲,夕膳是嚐。慈顏未悅,我心靡遑。

嬉嬉ききたる南陔、眷眷けんけんたる慈顔。和気怡色わきいしょく、甘きと鮮あたらしきを奉ず。親に事つかうるは是宜よろしく、君に事うるは是思う。虔んで忠孝を勖つとめよ、邦家の基なり。右《南陔》二章、章八句。洋洋ようようたる嘉魚、美罛びこを以て佇たつ。君子道有り、嘉賓式に燕し以て娛しむ。

原文嬉嬉南陔,眷眷慈顏。和氣怡色,奉甘與鮮。事親是宜,事君是思。虔勖忠孝,邦家之基。右《南陔》二章,章八句。洋洋嘉魚,佇以美罛。君子有道,嘉寶式燕以娛。

洋洋たる嘉魚、芳罟ほうこを以て佇つ。君子徳有り、嘉賓式に歌い且つ舞う。我に宮沼有り、龜龍之を擾したがう。君子礼有り、嘉賓式に貴び之を表す。我に宮藪きゅうそう有り、麟鳳来きたり思う。君子楽有り、嘉賓式に慰め勤つとめて思う。

原文洋洋嘉魚,佇以芳罟。君子有德,嘉賓式歌且舞。我有宮沼,龜龍擾之。君子有禮,嘉賓式貴表之。我有宮藪,麟鳳來思。君子有樂,嘉賓式慰勤思。

彼の嘉魚を相れば、爰ここに壑かくに之を縱はなつ。我に旨酒有り、嘉賓式に燕し以て楽しむ。彼の嘉魚を相れば、漢の粱りょうに在り。我に旨酒有り、嘉賓式に燕し以て康やすんず。森森しんしんたる喬木、美蔓びまん之に縈めぐる。我に旨酒有り、嘉賓式に燕し之に宜し。

原文相彼嘉魚,爰縱之壑。我有旨酒,嘉賓式燕以樂。相彼嘉魚,在漢之粱。我有旨酒,嘉賓式燕以康。森森喬木,美蔓縈之。我有旨酒,嘉賓式燕宜之。

喈喈かいかいたる黄鳥、載ち飛び載ち止まる。我に旨酒有り、嘉賓式に燕し且つ喜ぶ。右《嘉魚》八章、章四句。崇丘峨峨ががたり、動植斯ここに属す。高きは既に自ら遂げ、大なるも亦自ら足る。和風斯これ扇ぎ、膏雨こうう斯れ沐うるおす。我が仁天の如く、以て亭ていし以て育そだつ。

原文喈喈黃鳥,載飛載止。我有旨酒,嘉賓式燕且喜。右《嘉魚》八章,章四句。崇丘峨峨,動植斯屬。高既自遂,大亦自足。和風斯扇,膏雨斯沐。我仁如天,以亭以育。

崇丘巍巍ぎぎたり、動植其れ之に依る。高大の性、各爾おのおのの宜しきを極む。王道坦坦たんたんたり、皇猷こうゆう熙熙ききたり。仁寿の域、烝民しょうみん允に躋のぼる。右《崇丘》二章、章八句。關雎かんしょ飛ぶ、洲渚しゅうしょの湄みぎわに。家より国を刑のっとり、楽しくして且つ儀有り。

原文崇丘巍巍,動植其依。高大之性,各極爾宜。王道坦坦,皇猷熙熙。仁壽之域,烝民允躋。右《崇丘》二章,章八句。關雎於飛,洲渚之湄。自家刑國,樂且有儀。

鬱鬱いくいくたる芳蘭、幽人之を擷とる。温温おんおんたる恭人、哲後てつこう之を求む。之を求めて斁いとわず、寤寐ごびの属する所。爾が一心を罄つくせよ、天の百祿を受くべし。鬱鬱たる芳蘭、雨露之を滋しげす。温温たる恭人、圭組けいそ之を縻しばる。鬱鬱たる芒蘭ぼうらん、佩服はいふく之を珍めず。温温たる恭人、福履之を綏やすんず。

原文鬱鬱芳蘭,幽人擷之。溫溫恭人,哲後求之。求之無斁,寤寐所屬。罄爾一心,受天百祿。鬱鬱芳蘭,雨露滋之。溫溫恭人,圭組縻之。鬱鬱芒蘭,佩服珍之。溫溫恭人,福履綏之。

關雎蹌蹌そうそうたり、水の央なかに集う。賢輔を好んで求め、同じく徳光を揚ぐ。蘋蘩ひんはん芳滋ほうじし、誰と同じくか之を掇とらん。願わくは賢徳を言わん、日に思わざる無し。其の賢徳に偶ぐうし、已が職を輔たすけ成す。永く玉音に配し、之を服していとわず。其の粢盛しせいを潔きよくす、中心寧やすからず。宗廟に薦め、君の徳馨とくけいを助く。

原文關雎蹌蹌,集水之央。好求賢輔,同揚德光。蘋蘩芳滋,同誰掇之。願言賢德,靡日不思。偶其賢德,輔成已職。永配玉音,服之無斁。潔其粢盛,中心匪寧。薦於宗廟,助君德馨。

賢淑来きたり思う、人の表儀なり。風化天下に及ぼし、何の楽か之の如からん!右《關雎》十章、章四句。彼の鵲かささぎ巣を成す、爾が類の攸ところに処おる。之の子帰有り、瓊瑤けいよう是を祖はじむ。彼の鵲巣を成す、爾が類の攸に匹つれあう。之の子行有り、錦繡きんしゅう是を飾る。

原文賢淑來思,人之表儀。風化天下,何樂如之!右《關雎》十章,章四句。彼鵲成巢,爾類攸處。之子有歸,瓊瑤是祖。彼鵲成巢,爾類攸匹。之子有行,錦繡是飾。

彼の鵲巣を成す、爾が類の攸に共にす。之の子従有り、蘭蓀らんそん是を奉ず。伊かの鵲巣を成す、珍禽戾止れいしす。婉うつくしき彼の佳人、君子に配す。伊の鵲巣を営む、珍禽の攸に処る。内助賢侯、明主に弼ひつす。伊の鵲巣を営む、珍禽輯睦しゅうぼくす。均しく嘉雛かすうを養い、蕃育はんいくに致す。

原文彼鵲成巢,爾類攸共。之子有從,蘭蓀是奉。伊鵲成巢,珍禽戾止。婉彼佳人,配於君子。伊鵲營巢,珍禽攸處。內助賢侯,弼於明主。伊鵲營巢,珍禽輯睦。均養嘉雛,致於蕃育。

右《鵲巣》六章、章四句。大観聞喜宴六首 状元以下入門、《正安》 多士済済せいせいたり、彼の西雍せいように於いて。欽肅きんしゅくたる威儀、亦た斯の容有り。

原文右《鵲巢》六章,章四句。大觀聞喜宴六首狀元以下入門,《正安》多士濟濟,於彼西雍。欽肅威儀,亦有斯容。

烝然じょうぜんとして来り思う、西より東より。天爾なんじに祿を畀あたう、惟王其れ之を崇たっとぶ。初め酒を挙ぐ、《賓興賢能》 明明たる天子、旧章に率由そつゆうす。泮水はんすいを思楽しらくし、四方に光る。薄すこし其の芹きんを采り、用いて王に賓す。我れ好爵こうしゃく有り、彼の周行しゅうこうに寘おく。

原文烝然來思,自西自東。天畀爾祿,惟王其崇。初舉酒,《賓興賢能》明明天子,率由舊章。思樂泮水,光於四方。薄采其芹,用賓於王。我有好爵,寘彼周行。

再び酌み交わす、『於楽辟雍』(がくへきよう)の楽、君子はただ一人、式く燕らんとしてまた思う。その命服を服し、威儀を以て摂おさむ。鍾鼓既に設けられ、一朝に之を寿ことほぐ。徳音是れ茂しげく、邦家の基なり。三酌、『楽育英才』(がくいくえいさい)。

原文再酌,《於樂辟雍》樂隻君子,式燕又思。服其命服,攝以威儀。鍾鼓既設,一朝壽之。德音是茂,邦家之基。三酌,《樂育英才》

聖謨せいぼ洋洋たり、四方を綱紀す。我が髦士ぼうしを烝すすめ、国の光を観る。遐なんぞ人を作さずして、その邦昌さかえんや。以て天子に燕んじ、万寿無疆むきょうならんことを。四酌、『楽且有儀』(がくしょううぎ)我は懿徳いとくを求め、烝然として来たり思う。籩豆静嘉せいかにして、式く燕らんとして之を綏んず。

原文聖謨洋洋,綱紀四方。烝我髦士,觀國之光。遐不作人,而邦其昌。以燕天子,萬壽無疆。四酌,《樂且有儀》我求懿德,烝然來思。籩豆靜嘉,式燕綏之。

温温としてその恭なる、令儀れいぎならざるは莫し。その章あやを追琢ついたくす、髦士の宜しき所なり。五酌、『正安』(せいあん)皇いなる多士を思う、王庭に揚がる。鍾鼓之を楽しみ、肅邕しゅくようとして和鳴す。威儀抑抑として、既に安く且つ寧し。天子万寿、永くその成るを観ん。

原文溫溫其恭,莫不令儀。追琢其章,髦士攸宜。五酌,《正安》思皇多士,揚於王庭。鍾鼓樂之,肅邕和鳴。威儀抑抑,既安且寧。天子萬壽,永觀厥成。

政和せいわ鹿鳴宴ろくめいえん五首、初めて酒を酌む、『正安』(せいあん)泮水を楽しむを思い、流れを承けて辟雍へきようす。皇いなる多士を思い、賁然ひぜんとして来たり従う。邕邕ようようとして済済たり、四方の同じき所。天府に登り、維れ王是これを崇ぶ。

原文政和鹿鳴宴五首初酌酒,《正安》思樂泮水,承流辟雍。思皇多士,賁然來從。邕邕濟濟,四方攸同。登於天府,維王是崇。

再び酌む、『楽育人才』(がくいくじんざい)鍾鼓皇皇こうこうたり、磬筦けいかん鏘鏘たり。登降とうこう時に維れ、賓王ひんおうに利用す。髦士の宜しき所、邦家の光なり。天子に媚こび、事挙ことあげて言揚げんようす。三酌、『賢賢好徳』(けんけんこうとく)。

原文再酌,《樂育人才》鍾鼓皇皇,磬筦鏘鏘。登降維時,利用賓王。髦士攸宜,邦家之光。媚於天子,事舉言揚。三酌,《賢賢好德》

鳴鹿呦呦ゆうゆうたり、載弁さいべん俅俅きゅうきゅうたり。烝然として来たり思う、旨酒ししゅは柔やわらぎを思う。之子このこ言こと邁すすみ、泮渙はんかんとして爾遊ぶ。彼の西雍に於いて、王休おうきゅうに対揚たいようす。四酌、『烝我髦士』(じょうがぼうし)首善しゅぜんは京師、四方に灼しゃくたり。我が髦士を烝め、金玉其の相たり。

原文鳴鹿呦呦,載弁俅俅。烝然來思,旨酒思柔。之子言邁,泮渙爾遊。於彼西雍,對揚王休。四酌,《烝我髦士》首善京師,灼於四方。烝我髦士,金玉其相。

飲酒楽曲、笙を吹き簧を鼓こす。徒禦とぎょに勉戒べんかいし、国の光を観る。五酌、『利用賓王』(りようひんおう)遐ぞ人を作さず、天下喜楽す。何を以て之に況えん、鳶飛えんひ魚躍ぎょやくのごとし。

原文飲酒樂曲,吹笙鼓簧。勉戒徒禦,觀國之光。五酌,《利用賓王》遐不作人,天下喜樂。何以況之?鳶飛魚躍。

既に之が駕がを勧すすめ、献酬けんしゅう交錯す。賓王に利用し、好爵を以て縻ぐ。

原文既勸之駕,獻酬交錯。利用賓王,縻以好爵。