宋史

志第六十八 禮十八

掌冠者は太子に揖して再び坐らせ、礼直官らが掌冠者を導き階を降りて罍洗に詣で、前の儀式の如くにする。讚冠者は進み席前に至り、北向きに跪き、折上巾を脱いで匴に置き、興る。内侍が跪いて受け、興り、席に置く。遠遊冠を執る者が昇り、掌冠者は二段降りてこれを受け、右手で項を執り、左手で前を執り、進み太子の席前に至り、北向きに立ち、祝して曰く、「爰に令辰に即き、申して元服を加う。学を崇めて譲り、三善皆得たり。予一人を副え、天の百福を受く」。乃ち跪いて冠し、《懿安》の楽が作る。掌冠者は興る。讚冠者が進み、跪いて簪を挿し紘を結び、興る。太子が興り、内侍が跪いて服を進め、服し終わり、楽止む。

掌冠者は太子に揖して再び坐らせ、掌冠者は降りて罍洗に詣で、及び讚冠者が跪き、遠遊冠を脱ぐこと、並びに前の儀式の如くにする。袞冕を執る者が昇り、掌冠者は三段降りてこれを受け、右手で項を執り、左手で前を執り、進み太子の席前に至り、北向きに立ち、祝して曰く、「三加していよいよ尊く、国本以て正し。かぎり無きは惟れよろこび、室有るは大いに競う。の徳をつとめてあきらかにし、の永命を保て」。乃ち跪いて冠し、《成安之楽》が作る。掌冠者は興る。讚冠者は前の儀式の如く、跪いて簪を挿し紘を結ぶ。内侍が進み服し、服し終わり、楽止む。礼直官らが太子を導き東階より降り、楽作る。西階より昇り、即ち醴席に南向きに坐し、楽止む。又、掌冠者を導き罍洗に詣で、楽作る。手を洗いぬので拭い終わり、西階を昇り、楽止む。讚冠者が跪いて爵を取り、内侍が酒を注ぎ、掌冠者が爵を受け、跪いて太子の席前に進み、北向きに立ち、祝して曰く、「旨酒嘉薦、かぐわしき其の香有り。拝して受け之を祭り、以て爾の祥を定む。令徳寿豈よろこび、日に進みて疆無し」。太子は圭をし、跪いて爵を受け、《正安之楽》が作る。飲み終わり、爵をささげ圭を執る。太官令が饌を席前に設け、太子は圭を搢し、食し終わり、楽止み、圭を執りて興る。太官令が饌と爵をる。

礼直官らが西階より導き東房に詣で、朝服に易え、降りて横街に立ち、南北に向かい、東宮官は復位し、西に向かう。(太子初めて行く時、楽作る。位に至り、楽止む。)礼直官らが掌冠者・讚冠者を導き前に詣で、西に向かう。掌冠者が少し進み、あざなして曰く、「始めて生まれて名づく、実の賓たる為なり。既に冠して字す、以て厥の文を益す。永く之を受けて保ち、天のさいわいを承けよ。勅を奉じて某と字す」。太常博士が再拝を請う。太子は再拝し終わり、笏を搢し、舞蹈し、再拝し、聖躬万福を奏し、又再拝する。左輔が旨を承け、東階より降り、太子の前に詣で、西に向かい、宣して「勅有り」と曰う。太子は再拝し、勅を宣して曰く、「親に事うるには孝を以てし、下に接するには仁を以てす。佞を遠ざけ義に近づき、賢を禄し能を使う。古訓是れのり、大猷是れつね」。宣し終わり、太子は再拝し終わる。礼直官らが太子を導き前に進め、俯伏し、跪き、奏して称す、「臣不敏と雖も、敢えて祗奉せざらんや!」。奏し終わり、興り、復位し、再拝し終わり、導き出されて殿門を出る。楽作る。門を出て、楽止む。侍立官は並びに降りて復位し、典儀が「拝せよ」と曰う。讚者が承けて伝え、在位の者皆再拝する。礼儀使が礼畢を奏し、鞭を鳴らす。大楽正が蕤賓の鐘を撞くよう命じ、左の五鐘皆応じ、《乾安之楽》が作る。皇帝は座を降り、左輔が解厳を奏し、仗を放つ。在位の官は皆再拝し、退く。

太子は内に入り、皇后に朝見す。宮中の儀式の如し。乃ち日を択びて太廟・別廟に謁し、本宮に宿斎す。質明(夜明け)に、遠遊冠・朱明衣を服し、金輅に乗る。廟に至り、袞冕に改服し、圭を執りて礼を行い、群臣賀しを称え、皇帝は酒三行を賜う。

皇子の冠礼。前期に日を択びて景霊宮に奏告す。太常が皇子の冠席を文徳殿東階上に設け、やや北して東に向かい、褥席を設け、服を席の南に陳べ、東領北上とする。九旒冕服・七梁進賢冠服・折上巾公服・七梁冠簪導・九旒冕簪導を同じ箱にし、服の南に置く。罍洗・酒饌・旒冕・冠・巾及び執事者を設け、並びに皇太子の儀式の如く。

その日質明、皇帝は通天冠・絳紗袍を着し、文徳殿に御す。皇子は東房より出で、内侍二人が夾侍し、王府官が従う。《恭安之楽》が作る。即ち席に南向きに坐し、楽止む。掌冠者が進み折上巾を、北向きに跪いて冠す。《修安之楽》が作る。讚冠者が進み、北面に跪きて冠を正す。皇子は興り、内侍が跪いて服を進め終わり、楽止む。掌冠者は皇子に揖して再び坐らせ、爵を以て跪いて進め、祝して曰く、「酒醴和旨、籩豆静嘉。爾に元服を授け、兄弟具ともに来たる。永く言いて之を保ち、降福孔はなはあまねし」。皇子は笏を搢し、跪いて爵を受け、《翼安之楽》が作る。飲み終わり、太官令が饌を進め終わる。再び七梁冠を加う。《進安之楽》が作る。掌冠者が爵を進め、祝して曰く、「賓讚既に戒め、殽核惟れならぶ。かさねて厥の服を加え、礼儀序有り。まことに爾の成るを観、天のさいわいを承けよ」。皇子は跪いて爵を受け、《輔安之楽》が作る。太官が饌を奉ず。三たび九旒冕を加う。《広安之楽》が作る。掌冠者が爵を進め、祝して曰く、「旨酒嘉栗、甘薦令芳。三たび爾に服を加え、眉寿疆かぎり無し。永く天休を承け、さかえてさかんぜよ」。皇子は跪いて爵を受け、《賢安》の楽が作る。太官が饌を奉ず。饌を徹す。

皇子は降り、朝服に易え、横階の南に立ち、北向きの位に立つ。掌冠者が之に字して曰く、「歳日雲いわく吉、威儀孔はなはだ時に適う。昭かに厥の字を告ぐ、君子のくする所。爾の成徳にしたがい、永く之を受けて保て。勅を奉じて某と字す」。皇子は再拝し舞蹈し、又再拝し、聖躬万福を奏し、又再拝する。左輔が勅を宣し、戒めて曰く、「礼を好み善をねがい、儒に服し芸を講ず。我が王室をふせぎ、兄弟にしたしまん。ださず驕らず、惟れ之を守らんことを」。皇子は再拝し、進み前へ俯伏し、跪きて称す、「臣不敏と雖も、敢えて祗奉せざらんや!」。俯伏し、興り、復位し、再拝し、出づ。殿上の侍立官は並びに降り、復位し、再拝し、仗を放つ。明日、百僚は東上閣門に詣でて賀す。

公主の笄礼。年十五、未だ下嫁を議せざるも、亦たけいす。笄の日、香案を殿庭に設く。冠席を東房の外に設け、東に向かい西に坐す。醴席を西階上に設け、西に向かい東に坐す。席位を冠席の南に設け、西に向かう。其の裙背・大袖長裙・褕翟の衣は、各椸かけに設け、庭の下に陳ぶ。冠笄・冠朵・九翬四鳳冠は、各盤に置き、帕を以ておおう。首飾は之に随い、服椸の南に陳べ、執事者三人之を掌る。櫛総は東房に置く。内執事の宮嬪は盛服してかたわらに立ち、楽の作るを俟つ。奏して皇帝の御坐に昇るを請う。楽止む。

提挙官が奏上して言うには、「公主が笄礼を行います」と。楽が奏され、賛者が公主を導いて東房に入る。次に尊者が行って髻を総べて終わり、出て、即座に席に西向きに坐す。次に掌冠者を導いて東房に入り、西向きに立たせ、執事が冠笄を奉じて進み、掌冠者が一歩進んでこれを受け、公主の席の前に進み、北向きに立ち、楽が止む。祝いの言葉を述べる、「良き月の吉き日に、初めて元服を加う。汝が幼き志を棄て、汝が成れる徳に順え。寿考は綿々として鴻く、以て景福を介せん」。祝いが終わり、楽が奏され、東向きにこれを冠し、冠が終わり、席の南北に立つ。賛冠者がこれがために冠を正し、首飾りを施し終わり、公主に揖して房に適かしめ、楽が止む。執事者が裙背を奉じて入り、服し終わり、楽が奏され、公主は醴席に就き、掌冠者が公主に揖して坐らしむ。賛冠者が酒器を執り、執事者が酒を酌み、掌冠者に授けて酒を執らしめ、北向きに立ち、楽が止む。祝いの言葉を述べる、「酒醴は和旨にして、籩豆は静嘉なり。汝が元服を受け、兄弟具に来たる。国と同休し、降る福ははなはだ皆なれ」。祝いが終わり、楽が奏され、酒を進め、公主が飲み終わり、賛冠者が酒器を受け、執事者が饌を奉じ、食い終わり、饌を撤く。

再び公主を導いて冠席に坐らしめ、楽が止む。賛冠者が席の前に至り、賛冠者が冠を脱いで槃に置き、執事者が撤き去り、楽が奏される。執事者が冠を奉じて進み、掌冠者が二歩進んでこれを受け、公主の席の前に進み、北向きに立ち、楽が止む。祝いの言葉を述べる、「吉き月の良き辰に、乃ち汝が服を申ぬ。威儀を以て飾り、淑く謹みて汝が徳とせよ。眉寿永年、遐福を受けて享けよ」。祝いが終わり、楽が奏され、東向きにこれを冠し、冠が終わり、席の南北に立つ。賛冠者がこれがために冠を正し、首飾りを施し終わり、公主に揖して房に適かしめ、楽が止む。執事が大袖長裙を奉じて入り、服し終わり、楽が奏される。公主は醴席に至り、掌冠者が公主に揖して坐らしむ。賛冠者が酒器を執り、執事者が酒を酌み、掌冠者に授けて酒を執らしめ、北向きに立ち、楽が止む。祝いの言葉を述べる、「賓賛既に戒め、肴核惟れ旅す。申ねて爾が服を加え、礼儀序有り。允に爾が成るを観、永く天の祜を保て」。祝いが終わり、楽が奏され、酒を進め、公主が飲み終わり、賛冠者が酒器を受け、執事者が饌を奉じて食い終わり、饌を撤く。

再び公主を導いて冠席に坐らしめ、楽が奏される。賛冠者が席の前に至り、賛冠者が冠を脱いで盤に置き、執事者が撤き去り、楽が奏される。執事が九翬四鳳冠を奉じて進み、掌冠者が三歩進んでこれを受け、公主の席の前に進み、北に向かって立ち、楽が止む。祝いの言葉を述べる、「歳の吉きを以て、月のきを以て、三たび爾が服を加え、この永命を保て。以て厥の徳を終え、天の慶けを受けたまえ」。祝いが終わり、楽が奏され、東向きにこれを冠し、冠が終わり、席の南北に立つ。賛冠者がこれがために冠を正し、首飾りを施し終わり、公主に揖して房に適かしめ、楽が止む。執事者が褕翟の衣を奉じて入り、服し終わり、楽が奏され、公主は醴席に至り、掌冠者が公主に揖して坐らしむ。賛冠者が酒器を執り、執事者が酒を酌み、掌冠者に授けて酒を執らしめ、北向きに立ち、楽が止む。祝いの言葉を述べる、「旨酒嘉薦、飶しきこと其の香有り。みな爾が服を加え、眉寿疆り無し。永く天の休を承け、俾て熾えて昌えん」。祝いが終わり、楽が奏され、酒を進め、公主が飲み終わり、賛冠者が酒器を受ける。執事者が饌を奉じ、食い終わり、饌を撤く。

再び公主を導いて席位に立たせ、楽が止む。掌冠者が前に詣でて相対し、辞を致して言う、「歳日具つぶさに吉く、威儀孔だ時に適う。厥の字を昭かに告げ、令徳の宜しきに依る。爾が淑美を表し、永く保ちてこれを受けたまえ。字すべし曰く某と」。辞が終わり、楽が奏され、掌冠者が退く。公主を導いて君父の前に至らしめ、楽が止み、再拝して起居し、謝恩して再拝する。少しく待つと、提挙が御坐の前に進み、旨を承り終わり、公主は再拝する。提挙乃ち訓辞を宣して言う、「親に事うるには孝を以てし、下に接するには慈を以てせよ。和柔正順、恭儉謙儀。溢れず驕らず、へんせず欺かず。古訓是れ式とす、爾其れこれを守れ」。宣し終わり、公主は再拝し、前に奏して言う、「児不敏と雖も、敢えてつつしんで承らざらんや」。位に帰って再拝し、後母に会う礼もこれに同じ。

礼が終わり、公主は復た坐し、皇后が賀し、次いで妃嬪が賀し、次いで掌冠・賛冠者が謝恩し、次いで提挙衆内臣が賀し、その余の班次が賀し、並びに常式に依る。礼が終わり、楽が奏され、駕が興り、楽が止む。

公主の降嫁。初めに選ばれてめあわされる者即ち駙馬都尉に拝し、玉帯・襲衣・銀鞍勒馬・采羅百匹を賜い、これを係親と謂う。又た財を弁ずる銀一万両を賜い、進財の数は親王の聘礼の倍とする。出降するに、甲第を賜う。余は諸王夫人の制の如し。掌扇を四つ加え、引障花・燭籠を各十ずつ加え、皆な舅姑の礼を行う。諸親は順次に賜賚を加える。その県主の係親には金帯を以てし、財を弁ずる銀五千両を賜い、納財の賜賚は、大率三分の二を減ずる。宗室の女で特に郡君に封ぜられる者は、又た差等を降す。

嘉祐の初め、礼官が言うには、「礼閣新儀に、公主の出降の前一日、五礼を行う。古くは、結婚に始めて行人を用い、夫家の采択の意を告ぐるを納采と謂う。女の名を問い、帰って夫の廟に卜し、吉なれば、女家に告ぐるを問名・納吉と謂う。今、選尚は一たび朝廷より出で、納采を待たず。公主の封爵は既に誕告を行い、問名を待たず。若し納成と為せば既に進財有り、請期と為せば有司日に択ぶ。宜しく稍々五礼の名に依り、その物数を存し、婚姻の事の重きを知らしめ、而して夫婦の際の厳なること此の如きを俾め、亦た古礼の義を忘れざらしむべし」と。時に兗国公主が李瑋に下嫁するに、詔して出降の日を賜い、夫家の主婚者に合用の雁・幣・玉・馬等の物を具えさせ、内東門外に陳べ、以て内謁者に授け、進入せしめ内侍掌事者に受けさせ、唯だ馬は入らしめず。

神宗即位し、詔して「昔、先帝に侍し、恭しく徳音を聞くに、旧制として士大夫の子に帝女を尚する者有れば、すなわち皆な行をのぼらせ、以て舅姑の尊を避く。豈に富貴の故を以て、人倫長幼の序を屈すべけんや。宜しく有司に詔してこれを革めしめ、以て風俗をはげますべし」と。ここにおいて令として著す。なお命じて陳国長公主に舅姑の礼を行わせ、駙馬都尉王師約は更に行を升らせず。公主が舅姑に会い礼を行うは此より始まる。旧例、長公主は凡そ表章有るに妾と称せず、礼院議して謂う、「男子・婦人、凡そ尊ぶ所に於いて臣若しくは妾と称するは、義実に対す。今、宗室の伯叔近臣悉く皆な臣と称すれば、即ち公主理宜しく妾と称すべし。況んや家人の礼は、朝廷に施し難し。請う、大長公主より以下、凡そ箋表を上するに、各々国封に据り妾と称せしめん」と。王師約の請いに従う。

康国公主の降嫁に、太常寺が言うには、「令に按ずるに、公主出降するに、中書省に申し、皇后に請いて宮闈掌事人をひきいて第外に送らしめ、命婦従う。今、請う令の如くせん」と。詔して「出降の日、婉儀に宮闈掌事者を帥いて第外に送らしめ、命婦は従うことを免ず」と。

徽宗は公主を姬と改め、詔を下して曰く、「熙寧の初めに、公主・郡主・縣主の名称を厘改する詔ありしが、当時群臣奉承する能わず。近く有司に命じて前世を稽考せしむるに、周は『王姬』と称し、『詩』の雅に見ゆ。『姬』は周の姓なれども、古を考へ制を立てるに、周に如くは莫し。公主を帝姬と、郡主を宗姬と、縣主を族姬と改むべし。大長と称する者は、大長帝姬と為し、仍て美名の二字を以て其の国号に易へ、内に両国ある者は四字を以てす」と。

其の出降の日、婿家は五礼を具へ、表を修めて上儀の如くす。太史局は日を択びて廟に告ぐ。

親迎。前一日、所司は内東門外に地の宜しきを量り、西向に婿の次を設く。其の日、婿の父は子に醮して上儀の如くす。乃ち之に命じて曰く、「往きて肅雍を迎へ、以て宗祏の恵を昭かにせよ」と。子は再拝し、曰く、「祗ち厳命に率ひ奉らん」と。又再拝し、降り出でて馬に乗り、東華門内に至りて馬を下り、礼直官は引いて次に就かしむ。有司は帝姬の鹵簿・儀仗を内東門外に陳べ、厭翟車に将に升らんとするを候ひ、婿を引いて内東門外に出で次に於て、躬を西に向けしむ。掌事者は雁を執り、内謁者は雁を奉じて進み、帝姬の車に升るを俟ち、婿は再拝し、先づ第に還る。

同牢。其の日初昏、掌事者は巾・洗各二を東階の東南に、一を室の北に設く。水は洗の東に在り、尊は室の中に在り、四爵・両巹を篚に実む。婿は本第に至り、馬を下りて俟つ。帝姬至り、車より降り、讚者は婿を引いて揖して入らしめ、寝門に及び又揖し、之を導きて階を升らしめ、室に入りて盥洗せしむ。掌事者は対位を布き、又帝姬を揖し、皆即座して盞を受け三飲し、倶に興り、再拝す。讚者は酒を徹す。

舅姑に見ゆ。夙く興り、帝姬は花釵を著け、褕翟を服して以て見を俟つ。讚者は舅姑の位を堂上に設け、舅の位は東に、姑の位は西に在り、各其の服を服して位に就く。女相者は帝姬を引いて西階より升らしめ、舅の位の前に詣らしめて再拝せしめ、讚者は棗栗を以て帝姬に授け奉らしめて舅の位の前に置かしむ。舅即座す。讚者は進みて徹して以て東す。帝姬退き、位に復し、又再拝す。女相者は引いて姑の位の前に詣らしめて再拝せしめ、讚者は腶修を以て帝姬に授け奉らしめて姑の位の前に置かしむ。姑即座す。讚者も亦徹して以て東す。帝姬退き、位に復し、又再拝す。次に婦に醴し、盥饋し、婦を饗すること儀の如し。

諸王、妃を納る。宋朝の制、諸王の聘礼は、女家に白金万両を賜ふ。敲門(即ち古の納采なり)には、羊二十口、酒二十壺、彩四十匹を用ふ。定礼には、羊・酒・彩各十を加へ、茗百斤、頭{須巾}巾段・綾・絹三十匹、黄金の釵釧四双、条脱一副、真珠虎珀の瓔珞・真珠翠毛玉釵朵各二副、銷金生色衣各一襲、金塗銀合二、錦繡綾羅三百匹、果槃・花粉・花冪・眠羊臥鹿花餅・銀勝・小色金銀錢等の物を用ふ。納財には、金器百両・彩千匹・銭五十万・錦綺・綾・羅・絹各三百匹、銷金繡画衣十襲、真珠翠毛玉釵朵各三副、函書一架纏束帛、押馬函馬二十匹、羊五十口、酒五十壺、羊酒を係ぐ紅絹百匹、花粉・花冪・果盤・銀勝・羅勝等の物を用ふ。親迎には、塗金銀装の肩輿一、行障・坐障各一、方団掌扇四、引障花十樹、生色燭籠十、高髻釵插並びに童子八人騎を分ち左右に導き扇輿す。其の宗室の子の聘礼は、女家に白金五千両を賜ふ。其の敲門・定礼・納財・親迎の礼は皆半減し、遠属族卑しき者は又之を減ず。

政和三年四月、議礼局、皇子の夫人を納るの儀を上る。

采択。使者曰く、「制を奉ず、某王の儷、子の懿淑に属す。謹み之を重んじ、某を使はして采択の礼を行はしむ」と。儐者入り告ぐ。主人曰く、「臣某が子顓愚、采択に備ふるに足らず。恭しく制命を承く。臣某敢へて辞せず」と。

問名。使者曰く、「某王の儷、采択既に諧ふ。将に官占を加へんとす。制を奉じて名を問ふ」と。儐者入り告ぐ。主人曰く、「制を以て臣某が子、以て某王に奉侍すべし。臣某敢へて辞せず」と。

吉を告ぐ。使者曰く、「官占既に吉し。制を奉じて以て告ぐ」と。儐者入り告ぐ。主人曰く、「臣某が子、愚にして克く堪へず。占貺の吉、臣と与に幸あり。臣某謹んで典制を奉ず」と。

成を告ぐ。使者曰く、「官占雲ふ吉し。嘉偶既に定まる。制して某を使はし儀物を以て成を告げしむ」と。儐者入り告ぐ。主人曰く、「制を奉じて臣に重礼を賜ふ。臣某謹んで典制を奉ず」と。

期を告ぐ。使者曰く、「涓辰の良、某月某日吉し。制して某を使はし期を告げしむ」と。儐者入り告ぐ。主人曰く、「臣某謹んで典制を奉ず」と。前期、太史局は日を択び、景霊宮に奏告す。

告を賜ふ。前一日、主人は使者の次を設け、常儀の如くす(使者は内侍を以て之と為す)。又告箱の次を中門外に設け、北向、闕の向ふ所に随ひ、香案を寝庭に設く。其の日大昕、使者公服して至り、主人出でて大門外に迎へ、北向して再拝す。使者答拝せず。謁者は使者を引いて門に入りて左し、主人は門に入りて右し、告箱を挙ぐる者同じく入る。主人は香案の左に立ち、使者は右に在り、告箱を挙ぐる者は告を以て香案に置く。女相者は夫人を引いて出で、闕に面して立たしむ。使者は制有りと称し、女相者は再拝を讚す。使者曰く、「某国夫人の告を賜ふ」と。又再拝を讚し、退く。使者出づ。

皇帝は御する殿に於て醮戒し、皇子は象輅に乗りて親迎す。同牢・夫人の朝見・盥饋・皇帝皇后の夫人を饗すること儀の如し。其の諸王以下は、

納采。賓曰く、「某官、伉儷の重きを以て、某王に施す(某官は主人を謂ひ、某王は婿を謂ふ)。某王は彝典に率ひ循り、某を以て事を行はんとす。敢へて納采を請ふ」(某王は婿の父を謂ひ、某は賓を謂ふ)と。儐者入り告ぐ。主人曰く、「某が子、姆訓に閑ならず。維れ是れ腶修・棗栗の饋、未だ以て虔を告ぐる所以を知らず。某は廟に於て命を聴く。敢へて嘉を拝せざらんや」と。

問名。賓客曰く、「二姓の好を合わすには、必ず諸れを龜筮に稽えん。敢えて名を問うことを請う」と。儐者は入りて告ぐ。主人曰く、「某王恭謹にして、正しき昏禮を重んじ、以て諸れを卜に加えんとす。某敢えて告げずんばあらんや」と。

納吉。賓客曰く、「某王嘉命を承け、諸れを卜筮に稽うるに、龜筮協從す。某をして以て告げしむ」と。儐者は入りて告ぐ。主人曰く、「某王寒素を忘れず、德を某が未だ教えざるの女に施さんと欲し、而して卜は吉を以て告ぐ。其れ曷ぞ敢えて辭せんや」と。

納成。賓客曰く、「某官伉儷の重きを以て、某王に施す。某王(上は婿を謂い、下は婿の父を謂う)、彝典に率循し、腆からざるの幣有り、某を以て事を將せんとす。敢えて納成を請う」と。儐者は入りて告ぐ。主人曰く、「某王彝典に順い、之を申すに備物を以てす。某敢えて重ねて嘉を拝せざらんや」と。

請期。賓客曰く、「某王嘉禮を謹み重んじ、將に諸れを近日に卜せんとす。某をして期を請わしむ」と。儐者は入りて告ぐ。主人再び辭す。儐者は出でて告ぐ。賓客曰く、「某既に某官に命を受くることを獲ず。某王吉卜を得て曰く某日と。敢えて以て告げずんばあらんや」と。儐者は入りて告ぐ。主人曰く、「謹んで命に奉じて從わん」と。

親迎。前一日、主人賓の次を設く(賓は婿を謂う)。常儀の如し。其の日大昕、婿の父其の服を服し、禰廟に告ぐ(廟無き者は神位を廳の東に設け、位を設くべからざる者は設けず)。子將に行かんとす。父之を廳事にて醮す。讚者父の位を中間に設け、南向。子の位を父の位の西、南に近く、東向に設く。父即ち坐す。子公服して西階より升り、進みて位の前に立つ。讚者酒を盞に注ぎ、西向して子に授く。子再拝し、跪いて受け、讚者又饌を父の位の前に設く。子酒を挙げて興ち、即ち坐して飲食畢り、降り、再拝し、進みて父の位の前に立つ。之に命じて曰く、「嘉偶に躬り迎え、爾が内治を厘せよ」と。子再拝し、曰く、「敢へて命に奉ぜざらんや」と。又再拝し、降り出で、女の家に詣る。主人其の服を服し、禰廟に告ぐ。請期の儀の如し。賓將に至らんとす。主人神位を寢戶外の西に設け、醴女の位を戶内に設け、南向。酒饌を具す。賓至る。讚者引きて次に就かしむ。女盛服して房中に在り、位に就き南向して立つ。姆の位は其の右に在り、從者其の後に陪す。父公服して東階より升り、寢戶外の東に立ち、西向。内讚者酒饌を設く。女位に就き坐し、飲食畢り、降り、再拝す。内讚者酒饌を徹す。主人降りて東階の東南に立ち、西面。讚者賓を引きて次より出でしめ、門の西に立ち、東面。儐者進みて命を受け、出でて事を請う。賓曰く、「某父に命を受け、茲の嘉禮を以て、躬り成命を聽かん」と。儐者入りて告ぐ。主人曰く、「某固より願わくは命に從わん」と。儐者出でて告げ畢り、入りて主人を引き賓を大門外の東に迎えしむ。西面して賓に揖す。賓揖に報ず。主人門に入りて右す。賓門に入りて左す。雁を執る者從い入り、雁を庭に陳ぶ。庭を三分し、一を南に在らしめ、北向。主人升りて東階上に立ち、西面。賓西階より升り進み、寢戶の前に當たり、北面して再拝し、降り出づ。主人降り送らず。賓初めに門に入る時、母出で、寢戶外の西に立ち、南面。賓拝し畢り、姆女を引きて母の左より出づ。父之に命じて曰く、「之け汝が家に、順を以て正と為し、肅恭を忘るる無かれ」と。母之に戒めて曰く、「必ず恭しく必ず戒め、舅姑の命に違う無かれ」と。庶母之に申して曰く、「爾誠に訓言に聽き、父母の羞を為す無かれ」と。女門を出づ。婿先ず第に還る。

其の同牢、廟見、舅姑を見る諸禮は、皆儀の如し。

凡そ宗室の婚姻、治平中、宗正司言う、「宗室の女の舅姑、夫の族は未だ儀製を立てず。皆當に法を創むべし」と。詔す、「婿の家に二世祿を食む有らば、即ち宗室の女を娶ることを許す。未だ仕えざる者は判、司、簿、尉とし、已に任ずる者は資序に隨い恩を推す。即ち婿別祖、女別房にして、舊より婚姻たりしも今に於いて卑尊順わざる者は、皆許す。婿の三代、鄉貫、生月、人材書劄は、止め婚主に問驗せしめ、以て宗正寺、大宗正司に告げしむ。寺、司詳らかに視て、條の如く保明す。進むる所の財は皆婿の家に賜い、本宮に於いて財を納むるに止めしむ。媒妁、使令の人の人、理に非ざる求匄は、告げることを許す。宗室の女の舅姑に事え及び夫の族親を見ることは、皆臣庶の家の如し」と。其の後又た宗室の女再嫁する者は、祖、父に二代殿直若しくは州縣官已上に任ずる有らば、即ち婚姻と為すことを許すと令す。

熙寧十年、又た詔す、「應に袒免以上の親は雜類の家と婚嫁すべからず。謂う所は舅嘗て仆たり、姑嘗て娼たりする者なり。若し父母化外に係り及び見居沿邊兩屬の人なるは、其の子孫も亦た婚を為すことを許さず。緦麻以上の親は諸司の胥吏出職、納粟得官及び進納伎術、工商、雜類、惡逆の家の子孫と通婚すべからず(後又た刑徒人の子孫の婚を為すことを禁ず)。應に婚嫁せんとする者は主婚宗室に委ね、三代に州縣官或は殿直以上に任ずる者を擇び、姓名、家世、州裏、歲數を列ねて奏上せしめ、宗正司實を驗し保を召し、内侍省に付して宣係せしめ、期を聽いて行わしむ。女を嫁するは則ち其の婿に保を召さしむ。其の妄りに冒して婚を成す者は、以て製に違うを論ず。主婚宗室は媒保と同坐し、赦降を以てせず。自首する者は罪を減じ、告ぐる者は賞有り。袒免親に非ざる者は庶姓の法に依る。宗室の離婚は、宗正司に委ねて審察せしむ。若し律に於いて出づべきの實有り或は相い安からざれば、方に聽す。若し故無く捃拾する者は、劾奏す。如し聽離を許さば、賜予の物を追完し、嫁資を給還す。再び娶る者は賜えず。袒免以上の親に非ざる者と夫聽離し、再嫁する者は宗正司に委ねて審核せしむ。其の恩澤已に追奪せられて後夫に與くることを乞う者は、一等を降す」と。尋いで詔す、「宗女嘗て人を娶りし者と結婚することを得ざれ。再適する者は此法を用いず」と。

品官の婚禮。納采、問名、納吉、納成、請期、親迎、同牢、廟見、舅姑を見る、姑婦を醴す、盥饋、婦を饗す、送者、並びに諸王以下の婚の如し。四品以下は盥饋、婦を饗すの禮を用いず。

士庶人の婚禮。並びに問名を納采に於いて行い、並びに請期を納成に於いて行う。其の雁奠無き者は、三舍生は羊を用うるを聽し、庶人は雉及び雞鶩を以て代うるを聽す。其の辭は「吾子」と稱す。

親迎。質明、掌事者禰の位を廳事の東間に設け、南向。婿の父其の服を服し、北面して再拝し、祝して曰く、「某の子某、年若干、禮宜しく室有るべし。某氏第幾女を聘し、某日を以て親迎せん。敢えて告ぐ」と。子將に行かんとす。父廳事に坐し、南向。子其の服を服し(三舍生及び品官の子孫は九品の服を假し、餘は並びに皂衫衣、折上巾)、父の位の西、少しく南に立ち、東向。讚者酒を盞に注ぎて子に授く。子再拝し、跪いて受く。讚者又饌を以て位の前に設く。子酒を挙げて興ち、即ち坐して飲食畢り、降り、再拝し、進みて父の位の前に立ち、之に命じて曰く、「爾が内治を厘し、往きて爾が匹を求めよ」と。子再拝し、曰く、「敢へて命に奉ぜざらんや」と。又再拝し、降り出づ。

婚礼の初め、掌事者が室中に酒饌を設け、槃の上に二つの盞を置く。婿は前と同じ服を着て、女の家に至ると、賛者が次に導く。掌事者が禰位を設け、主人が礼を受けるのは、請期の儀式と同じである。(主人とは女の父を指す。)女は盛装して房中に立ち、父は階を昇り房外の東に立ち、西を向く。(南向きでない場合は、それぞれの向きに従う。父は門外の左に立ち、その他はこれに倣う。)賛者が盞に酒を注いで女に授けると、女は再拝して盞を受ける。賛者はまた饌を位の前に設け、女は即座に坐って飲食を終え、降りて再拝する。父は降りて東階の下に立ち、賓が次から出る。(賓とは婿を指す。)主人は門で迎え、賓を揖して入れると、賓も揖を返し、従って入る。主人は東階を昇り西面し、賓は西階を昇り進んで房戸の前に当たり北面する。掌事者が階に雁を陳べると、賓は言う、「某、父より命を受け、この嘉礼をもって、みずから成命を承る」と。主人は言う、「某、固より命に従わんことを願う」と。賓は再拝し、降りて出る。主人は降りて送らない。初め、女が出る時、父はこれを戒めて言う、「汝が家に往くに、謹み恭しむことを忘れるなかれ」と。母はこれを戒めて言う、「夙夜に思いを凝らし、命に背くことなかれ」と。諸母はこれを重ねて言う、「爾が父母の訓えに背くことなかれ」と。女が出ると、婿は先に還り、門外で待つ。婦が至ると、賛者が導いて北面に立たせ、婿は南面し、揖して入り、室に至る。掌事者が室中に対位を設けると、婿と婦はともに即座に坐る。賛者が盞に酒を注いで婿と婦に授けると、婿と婦は盞を受け飲み終わる。そこで饌を設け、再飲、三飲し、すべて上の儀式と同じである。婿と婦はともに興り、再拝する。賛者が酒饌を徹する。

祖禰に謁し、舅姑に謁し、婦に醴し、送る者を饗するは、儀式の通りである。