儀衛
殿上執事
挈壺郎二人、漏刻を直ちに掌る。学士帽を冠り、紫羅の窄袖衫を服し、塗金の束帯、烏鞾を着す。漏刻は御榻の南に直す。
司香二人、香を侍することを掌り、主服御者(国語にて速古児赤と曰う)を以てこれを摂す。冠服は挈壺と同じ。香案二つ、漏刻の東西、稍南に在り。司香は案側に侍し、東西相向いて立つ。
酒人、凡そ六十人、酒を主る者(国語にて答剌赤と曰う)二十人、湩(乳)を主る者(国語にて郃剌赤と曰う)二十人、膳を主る者(国語にて博児赤と曰う)二十人。唐帽を冠り、服は司香と同じ。酒海は漏刻の南に直し、酒人は北面して酒海の南に立つ。
護尉四十人、質子(国語にて覩魯花と曰う)にして宿衛に在る者を以てこれを摂す。交角幞頭を冠り、紫梅花羅の窄袖衫、塗金束帯、白錦の汗胯を着し、弓矢を帯び、刀を佩き、骨朵を執り、東西の宇下に分かれて立つ。
警蹕三人、控鶴衛士を以てこれを作す。交角幞頭を冠り、紫羅の窄袖衫、塗金束帯、烏靴を着し、露階に捧げて立つ。乗輿の出入する毎に、則ち其の鞭を鳴らして以て衆を警す。
殿下執事
司香二人、亦た主服御者を以てこれを摂す。冠服は殿上の司香と同じ。香案は露階の南に直し、司香は東西相向いて立つ。
護尉、凡そ四十人、戸郎(国語にて玉典赤と曰う)二十人、質子二十人を以てこれを摂す。服は宇下の護尉と同じ、階戺を挟みて立つ。
右階の下、伍長凡そ六人、都点検一人、右点検一人、左点検一人。凡そ宿衛の人及び諸門を守る者、戸を守る者は、皆これに属す。怯薛歹、八剌哈赤、玉典赤の類の如き是なり。殿内将軍一人、凡そ殿内にて弓矢を佩く者、刀を佩く者、諸司の禦者は皆これに属す。火児赤、温都赤の類の如き是なり。殿外将軍一人、宇下の護尉これに属す。宿直将軍一人、黄麾立仗及び殿下の護尉これに属す。右は常官無く、凡そ朝会には、則ち近侍の重臣を以てこれを摂す。白帽、白衲襖、行縢、履襪を服し、或いは其の品の公服を服し、恭事には則ち侍立す。舍人、骨朵を授けて以て笏に易え、都点検は玉を以てし、右点検は瑪瑙を以てし、左点検は水精を以てし、殿内将軍は瑪瑙を以てし、殿外将軍は水精を以てし、宿直将軍は金を以てす。
左階の下、伍長凡そ三人、殿内将軍一人、殿外将軍一人、宿直将軍一人、冠服は右と同じ、恭事には則ち侍立す。舍人、骨朵を授けて以て笏に易え、殿内将軍は瑪瑙を以てし、殿外将軍は水精を以てし、宿直将軍は金を以てす。
司辰郎二人、一人は左の楼上に立ち、服は六品に視、時を候ち、北面して鶏唱す。一人は楼下に立ち、服は八品に視、時を候ち、牙牌を捧げて丹墀に趨り跪いて報ず。露階の下、左の黄麾仗の内に、表案一つ、礼物案一つを設け、輿士凡そ八人、毎案四人。前の二人は縷金額交角幞頭を冠り、緋錦の宝相花窄袖襖、塗金束帯、行縢、鞋襪を着す。後の二人は冠服前と同じ、惟だ襖の色は青し。
馬丁十人、国語(モンゴル語)で阿塔赤という。唐巾を冠り、紫羅の窄袖衫を着し、青錦縁の白錦汗胯を付け、銅の束帯を締め、烏靴を履き、立仗馬十頭を御し、青錦縁の緋錦鞍覆で覆い、左右に分かれて立ち、黄麾仗の南に立つ。
侍儀使二人、引進使一人、通班舍人一人、尚引舍人一人、閲仗舍人一人、奉引舍人一人、先輿舍人一人。糾儀官は合わせて四人、尚書一人、侍郎一人、監察御史二人。知班三人、班内の失儀者を見て、糾儀官に申告して罰を執行させる。皆東に向かい、右仗の東に立ち、北を上座とする。
侍儀使二人、引進使一人、承奉班都知一人、宣表目舍人一人、宣表修撰一人、宣禮物舍人一人、奉表舍人一人、奉幣舍人一人、尚引舍人一人、閲仗舍人一人、奉引舍人一人、先輿舍人一人。押禮物官は合わせて二人、工部侍郎一人、禮部侍郎一人。糾儀官は合わせて四人、尚書一人、侍郎一人、監察御史二人。知班三人、班内を視察すること左右輦路の如し。宣贊舍人一人、通贊舍人一人、戸郎二人、承伝して席前に贊し、皆西に向かい、左仗の西に立ち、北を上座とする。凡そ侍儀使、引進使、尚書、侍郎、御史は、各々本品の服を着る。承奉班都知、舍人は、四品の服を借りる。知班は、展角幞頭を冠り、紫羅窄袖衫を着し、塗金束帯を締め、烏靴を履く。
護尉三十人、質子で宿衛に在る者を以てこれを摂め、大明門の闑の外に立ち、冠服は宇下の護尉と同じ。
承伝二人、控鶴衛士を以てこれと為し、大明門の楹の間に立ち、以て外仗に承伝する。冠服は警蹕と同じ、金柄の小骨朵を執る。
殿下の黄麾仗。黄麾仗は凡そ四百四十八人、丹墀の左右に分布し、各々五行。
右前列、大蓋を執る者二人、華蓋を執る者二人、紫方蓋を執る者二人、紅方蓋を執る者二人、曲蓋を執る者二人、展角幞頭を冠り、緋絁生色宝相花袍を着し、勒帛を付け、烏靴を履く。
殿下の旗仗。旗仗は護引屏を執り、凡そ五百二十八人、左右に分かれて列をなす。
宮内の導従
警蹕三人、控鶴衛士を以てこれに充て、並列して前行し、その鞭を鳴らして衆を警めることを掌る。服は前と同じ。
天武二人、金鉞を執り、左右に分かれて行く。金兜鍪、金甲、蹙金素汗胯、金束帯、緑雲靴。
舍人二人、服は四品に準ずる。
主として服御を司る者凡そ三十人、速古児赤なり。骨朵を執る者二人、幢を執る者二人、節を執る者二人、皆左右に分かれて行く。金盆を携える者一人、左より;金椅を負う者一人、右より。金水瓶・鹿盧を携える者一人、左より;巾を執る者一人、右より。金香毬を捧げる者二人、金香合を捧げる者二人、皆左右に分かれて行く。金唾壺を捧げる者一人、左より;金唾盂を捧げる者一人、右より。金拂を捧げる者四人、昇龍扇を執る者十人、皆左右に分かれて行く。冠は交角幞頭、服は紫羅窄袖衫、塗金束帯、烏靴。
劈正斧官一人、中道より、近侍の重臣がこれを摂る。侍儀使四人、左右に分かれて行く。
弓矢を佩く者十人、国語(モンゴル語)で火児赤という。左右に分かれ、外道より行く。服は主として服御を司る者と同じ。
宝刀を佩く者十人、国語(モンゴル語)で温都赤という。左右に分かれて行く。冠は鳳翅唐巾、服は紫羅辮線襖、金束帯、烏鞾。
中宮の導従
舍人二人、引進使二人、中政院判二人、同僉中政院事二人、僉中政院事二人、中政院副使二人、同知中政院事二人、中政院使二人、皆左右に分かれて行き、各々その本品の公服を着る。内侍二人、左右に分かれて行き、服は四品に準ずる。
押直二人、冠は交角幞頭、紫羅窄袖衫、塗金束帯、烏鞾。小内侍凡そ九人、骨朵を執る者二人、葆蓋を執る者四人、皆左右に分かれて行く;繖を執る者一人、中道より行く;金盆を携える者一人は左より、金椅を負う者一人は右より。服は紫羅団花窄袖衫、冠・帯・鞾は押直と同じ。
中政使一人、中道より、外辦の象牌を捧げ、本品の朝服を着る。
宮人は、合わせて二十二人。水瓶と金鹿盧を携える者一人、右より進む。銷金の浄巾を執る者一人、左より進む。金香毬を捧げる者二人、金香合を捧げる者二人、左右に分かれる。金唾壺を捧げる者一人、左より進む。金唾盂を捧げる者一人、右より進む。金拂を執る者四人、雉扇を執る者十人、各々左右に分かれて行進す。鳳翅縷金帽を冠り、銷金の緋羅襖、銷金の緋羅結子、銷金の緋羅繫腰、紫羅衫、五色嵌金の黄雲扇、瓘玉束帯を着用す。
冊宝を進発す。
清道官二人、警蹕二人、並びに左右に分かれ、皆、摂官にして本品の朝服を着用す。
雲和楽一部、署令二人、左右に分かれる。次に前行の戲竹二、次に排簫四、次に簫管四、次に板二、次に歌四、並びに左右に分かれる。前行に琵琶二十、次に箏十六、次に箜篌十六、次に𥱧十六、次に方響八、次に頭管二十八、次に龍笛二十八、これ三十三重をなす。一重に四人。次に杖鼓三十、これ八重をなす。次に板八、これ四重をなす。板の内に大鼓二、工二人、舁う者八人。楽工の服装は並びに鹵簿と同じ。法物庫使二人、本品の服を着用す。次に朱団扇八、これ二重をなす。次に小雉扇八、次に中雉扇八、次に大雉扇八、左右に分かれ、十二重をなす。次に朱団扇八、これ二重をなす。次に大繖二、次に華蓋二、次に紫方繖二、次に紅方繖二、次に曲蓋二、並びに左右に分かれる。繖扇を執る者の服装は、並びに立仗と同じ。
圍子頭一人、中道を行く。次に圍子八人、左右に分かれる。服装は鹵簿の内と同じ。
安和楽一部、署令二人、本品の服を着用す。札鼓六、これ二重をなす、前四、後二。次に和鼓一、中道を行く。次に板二、左右に分かれる。次に龍笛四、次に頭管四、並びに二重をなす。次に羌管二、次に笙二、並びに左右に分かれる。次に雲璈一、中道を行く。次に𥱧二、左右に分かれる。楽工の服装は鹵簿の内と同じ。
繖一、中道を行き、椅子は左、踏み台は右、執る者は皂巾、大団花の緋錦襖、金塗銅の束帯、行縢、鞋襪を着用す。
拱衞使一人、本品の服を着用す。
舍人二人、次に引宝官二人、並びに左右に分かれ、四品の服を着用す。
香案、中道を行く。輿士たる控鶴八人、服装は立仗内の表案輿士と同じ。侍香二人、左右に分かれ、四品の服を着用す。
宝案、中道を行く。輿士たる控鶴十六人、服装は香案の輿士と同じ。方輿官三十人、香案と宝案を挟み、左右に分かれて走り、殿門に至れば、控鶴は退き、方輿官が案を舁いで昇る。唐巾、紫羅の窄袖衫、金塗銅の束帯、烏靴を着用す。
冊を引く者二人、四品の服を着用す。
香案、中道を行く。輿士たる控鶴八人、服装は宝案の輿士と同じ。侍香二人、左右に分かれ、四品の服を着用す。
冊案、中道を行く。輿士たる控鶴十六人、服装は宝案の輿士と同じ。方輿官三十人、香案と冊案を挟み、左右に分かれて走り、殿門に至れば、控鶴は退き、方輿官が案を舁いで昇る。巾服は宝案の方輿官と同じ。
葆蓋四十人、次に閲仗舍人二人、四品の服を着用す。次に小戟四十人、次に儀鍠四十人、雲和楽の繖扇を挟み、左右に分かれて行進し、服装は立仗と同じ。
拱衞使二人、本品の朝服を着用す。次に班剣十、次に吾杖十二、次に斧十二、次に鐙仗二十、次に列絲十、皆左右に分かれる。次に水瓶左、金盆右。次に列絲十、次に立瓜十。次に金杌左、鞭桶右。蒙鞍左、繖手右。次に立瓜十、次に臥瓜三十。並びに葆蓋・小戟・儀鍠を夾み、左右に分かれて行く。着用は皆鹵簿内と同じ。
拱衞外舍人二人、四品の服を着用し、冊を導く諸官を引く。次に従九品以上、次に従七品以上、次に従五品以上、並びに本品の朝服を着用す。
金吾折衝二人、牙門旗二、各旗に引執五人。次に青矟四十人、赤矟四十人、黄矟四十人、白矟四十人、紫矟四十人、並びに兜鍪・甲・靴を着け、各々矟の色に従い、導冊官の外を行く。
冊案の後、舍人二人、四品の服を着用す。次に太尉右、司徒左。次に礼儀使二人、左右に分かれる。次に挙冊官四人右、挙宝官四人左。次に読冊官二人右、読宝官二人左。次に閤門使四人、左右に分かれる。並びに本品の服を着用す。
知班六人、左右に分かれ、立仗と同じ服を着用し、往来して諸官の失儀者を視て罰を行ふ。
冊宝摂官
上尊号冊宝、凡そ摂官二百五十六人、奉冊官四人、奉宝官四人、捧冊官二人、捧宝官二人、読冊官二人、読宝官二人、引冊官五人、引宝官五人、典瑞官三人、糾儀官四人、殿中侍御史二人、監察御史四人、閤門使三人、清道官四人、点試儀衞五人、司香四人、備顧問七人、代礼三十人、拱衞使二人、押仗二人、方輿百六十人。
上皇太后冊宝、凡そ摂官二百五十人、摂太尉一人、摂司徒一人、礼儀使四人、奉冊官二人、奉宝官二人、引冊官二人、引宝官二人、挙冊官二人、挙宝官二人、読冊官二人、読宝官二人、捧冊官二人、捧宝官二人、奏中厳一人、主当内侍十人、閤門使六人、充内臣十三人、糾儀官四人、代礼官四十二人、掌謁四人、司香十二人、折衝都尉二人、拱衞使二人、清道官四人、警蹕官四人、方輿官百二十人。
太皇太后冊宝、摂官は前と同じ。
授皇后冊宝、凡そ摂官百八十人、摂太尉一人、摂司徒一人、主節官二人、礼儀使四人、奉冊官二人、奉宝官二人、引冊官二人、引宝官二人、挙冊官二人、挙宝官二人、読冊官二人、読宝官二人、内臣職掌十人、宣徽使二人、閤門使四人、代礼官三十七人、侍香二人、清道官四人、折衝都尉二人、警蹕官四人、中宮内臣九人、糾儀官四人、接冊内臣二人、接宝内臣二人、方輿官七十四人。
授皇太子冊、凡そ摂官四十九人、摂太尉一人、奉冊官二人、持節官一人、捧冊官二人、読冊官二人、引冊官二人、摂礼儀使二人、主当内侍六人、副持節官五人、侍従官十一人、代礼官十六人。
班序
先づ期して、侍儀使は陳設を糾い備ふ。
殿内の両楹の北、香案二。
殿の東門の両側の斜めに区切られた境界から導従の二道を出し、三層、各層に十五の円を設け、先ず扇錡各五、宝蓋錡各二を置く。
殿の東階の下に各十の円を設け、東門の階下まで真っ直ぐに延ばし、回倒導従の位置とする。
大明門の中、両楹の外側に、斜めに二道を区切り、護尉の版位二を設け、外側に管旗の版位二を設ける。門の下、左右の闕の辺に各々六丈、南北に各々一道を画き、広さ一引七丈一仞六寸、空き各々二丈一仞、内側に横に二引二丈五寸、空き各々三丈五尺。各錡の後ろ一丈五尺に屏風渠一道、長さ五尺、座は各々四壁から一丈五尺離れ、牙旗錡七十四を設ける。闕の下、両観の内側に各々六丈、縦に各々一十八道を区切り、道は仞離れ、左右に外序班の版位三十六を設ける。序班の北から闕の左右の門の辺、両外の仗が北に折れ、西は月華門に至り、東は日精門に至り、道の中央から入り起居旁折の境界一道に導引する。