金史

志第十八: 礼十 冊皇后儀 奉冊皇太后儀 冊皇太子儀 正旦生日皇太子受賀儀 皇太子與百官相見儀

冊皇后儀

天徳二年十月九日、妃徒単氏を冊立して皇后と為す。前一日、儀鸞司は勤政殿に座を設け、南向きとす。群臣の次舎を朝堂に設く。大楽令は宮懸を殿庭に展べ、協律郎の挙麾位を楽懸の西北に設け、東向きとす。閣門は百官の班位を庭に設け、並びに常朝の儀の如し。また典儀の位を班位の東北に設け、賛者二人をその南稍々退きて設け、倶に西向きとす。冊使副の位を殿門外の東に設け、また冊使副の受命位を百官班前に設く。また冊宝の幄次二つを殿後東廂に設け、倶に南向きとす。

その日、諸衛は所部を勒し、黄麾細仗を庭に略列す。符宝郎は八宝を奉じて左右に置く。吏部侍郎は冊を奉じ、礼部侍郎は宝匣を奉じ、皆床に置き、訖りて、出でて門外の班に就く。大楽令、協律郎、楽工、典儀、賛者は各々位に就く。群官等は時刻に依りて朝堂に集まり、倶に次に就き、各々朝服を服す。侍中は刻板を約して奏し、「中厳を請う」と。通事舎人は群官を引き入れ、庭に就き東西相向いて立ち、北を以て上と為す。また冊使副を引きて東偏門に立ち、西向きとす。門下侍郎は主節を引き、節を奉じて殿下東廊横街の北に立つ。中書令、中書侍郎は挙捧冊官を帥い、冊床を奉じて節の南に立つ。侍中、門下侍郎は挙捧宝官を帥い、宝床を奉じて冊床の南に立ち、倶に西面す。侍中版奏して、「外辦す」と。殿上扇を索す。協律郎麾を挙ぐれば、宮懸作る。皇帝は通天冠、絳紗袍を服し、東房より出づ。曲直華蓋、警蹕侍衛は常儀の如し。即座し、南向きに坐し、簾巻き、楽止む。通事舎人は冊使副を引き入る。宮懸作る。使副は受命位に就く。侍中、中書令、門下侍郎、中書侍郎、挙捧官は旧に依りて西面して立ち、群臣は班を合し、横行して北面し、常朝の儀の如く、立ち定まる。典儀曰く、「再拝せよ」と。賛者は承伝し、班首以下群官在位者は皆再拝す。班首は起居を問い、また再拝す。閣門官は摂侍中を引き出し班より制を承け、降りて使副の東北に詣り、西向きに称して、「制有り」と。使副稍々前進し、鞠躬して再拝す。摂侍中は制を宣して曰く、「公等に命じて節を持ち、後冊宝を授けしむ」と。制を宣し訖り、また倶に再拝し、侍中は班に還る。門下侍郎は主節を引きて冊使の所に詣る。主節は節を以て門下侍郎に授け、門下侍郎は節を執り西向きに太尉に授く。太尉は受け、主節に付す。主節は使副の左右に立つ。門下侍郎は退きて班位に還る。中書侍郎は冊床を引き、門下侍郎は宝床を引き、冊使の東北に立ち、西向き、以て次第に太尉に授け与う。太尉は皆捧げて受く。冊床は北に置き、宝床は南に置く。侍中、中書令、礼儀使、挙捧冊宝官及び床を舁ぐ者は、東西磚道の左右に退き、相向いて立つ。門下侍郎、中書侍郎は退きて班位に還る。典儀曰く、「再拝せよ」と。賛者は承伝し、群官在位者は皆再拝し、訖りて、班を分ち東西相向いて立つ。捧挙し冊宝床を舁ぐ者進み、冊床先に行き、読冊官これに次ぎ、宝床次に行き、読宝官これに次ぐ。挙舁官は各々左右に分かれる。通事舎人は冊使を引きて之に随いて行かしむ。節を持つ者は前導す。太尉初めて行く時、宮懸楽作る。殿門を出づれば、楽止む。摂侍中は出で班より殿に升り奏して、「侍中臣言す、礼畢れり」と。殿上扇を索し、簾降り、宮懸作る。座を降り、東房より入る。楽止む。通事舎人は群官在位者を引きて以て次第に出さしむ。太尉、司徒しとの復命を俟ち、礼畢れりて、内に還る。

先に、有司が予め太尉・司徒本品の革車・鹵簿を門外から殿門左右に排列し、設けた。使副が出るのを待ち、鼓吹が振作する。礼儀使・挙捧官・節を執る者並びに舁人は、冊宝を泰和門にて少しく駐め、太尉・司徒及び冊宝を読む官は暫く幕次に帰る。内侍・閣門が泰和殿に引入し、殿下の位に至るのを待ち、鼓吹が止む。有司が予め供張し、泰和殿に皇后の座を扆前に設け、殿上に簾を垂らす。また座の左右稍北に東西の房を設ける。また殿庭西階の南に冊を受ける位を設け、東向とする。また殿の左右に内命婦の次を設ける。大楽令が庭に宮懸を設け、協律郎が殿上に麾を挙げる位を設ける。また門外に冊宝の次を設ける。また門の左右に行事官の次を設ける。また門の内に外命婦を設ける。その日、諸衛が殿門外に略して黄麾細仗を設ける。有司が殿の西階に二つの歩障を設ける。簾前に扇を設け、左右各十。紅傘一、西階欄子の外にあり。また使副の前に冊宝案を挙げる位を設け、北向とする。また北廂に宣徽使の位を設け、南向とする。司賛が内外命婦以下の陪列位を殿庭磚道の左右に設け、毎等重行異位北向とし、内命婦は後ろに在り。また東階東南に司賛の位を設け、賛者二人は南に在りて稍退き、倶に西向とする。質明、執事官・大楽令等各々位に就く。皇后は常服、龍飾肩輿に乗り、泰和殿後閣に至り、近仗導衛は常儀の如し。宣徽使が奏す:「中厳。」冊使副が門に入り、宮懸作る。冊使が庭中に立つのを待ち、楽止む。冊は北に、宝は南に在り、使副は床の後に立つ。礼儀使が節を持つ者を率いて前に立ち、冊宝を挙げ捧げる官は冊宝床の左右に立ち、冊宝を読む官は各々其の後に立つ。宣徽使が奏す:「外辦。」内侍・閣門官が後を引いて後閣より出で、宮懸作る。簾を巻き、皇后は西階より降り、左右歩障・傘扇従い、階下に至り、勤政殿御閣の在る所に向かって立ち、楽止む。冊使が進み、右に立ち、宣す:「制有り。」閣門使・内侍が賛す:「再拝。」冊使が宣す:「制して太尉臣某・司徒臣某を遣わし、恭しく後冊宝を授く。」閣門使・内侍が賛す:「再拝。」冊使が稍退く。中書令・侍中及び挙捧官が舁人を率いて冊宝を奉じ、以て次第に前に進み、宮懸作る。冊宝床は東階より昇り、倶に殿の前楹間に置く。冊床は北に、宝床は南に在り、中に冊宝を読む官の立位を留め、倶に帕及び蓋を去り、舁人は之を執り、退きて西朵殿に立つ。挙抬官は左右に分かれて相向いて立ち、冊宝を読む官は各々床の東に立ち、西向とし、立ち定まりて、楽止む。閣門使・内侍が賛す:「再拝。」謝表を捧げる官が表を左に立つ内侍に授け、内侍が後に授け、受け終わりて、右に立つ内侍に付し、内侍が表を持ちて右に立つ。閣門使が賛す:「再拝。」終わりて、冊使が退き、宮懸作る。表を持つ内侍が表を閣門官に付し、冊使に随い行く。冊使副が門に至り、鼓吹振作、来儀の如し。西偏門に入り、鼓吹止む。冊使副が御閣の在る所に至り、俯伏し、跪いて奏す:「太尉臣某・司徒臣某、制を奉じて冊宝を授け、礼畢。」俯伏し、興き、退く。表を持つ閣門官が表を進め、近侍が接入し、進みて読み、終わりて、退く。

初め、冊使が退き、門に及びて楽止む。閣門内侍が後を引いて西階より殿に昇り、宮懸作る。傘扇は簾外に止まり、左右朵殿前に退く。歩障は階下に止まり、之を巻く。後は座前南向に立ち、楽止む。中書令が冊床の南に詣り立ち、北向し、称す:「中書令臣某、謹んで冊を読む。」読み畢りて、東階より降り、欄外第一墀上に立ち、西向とする。次に侍中が宝床の南に詣り立ち、北向し、揖して称す:「侍中臣某、宝を読む。」読み畢りて階を降り、中書令の北に立ち、西向とする。内侍・閣門が引いて座に昇らせ、宮懸作る。座に定まりて、楽止む。挙捧官が次第に舁人を招き、帕蓋を持たせて匣床を覆い、奉じて殿の左右に置く。冊床は東に、宝床は西に在り。置き終わりて、挙捧官が次第に舁人を招き降階し、中書令・侍中の後に立ち、立ち定まりて、班を合して北向し、閣門が賛す:「再拝。」拝し終わりて、東階を降り、殿門を退出す。其の舁人は冊宝床を東西に置き終わり、各々朵殿より階を下り、侍中等の班の後より直ちに殿門を出で、以て復入を俟ち、舁人を率いて宮に入る。冊を受けて表謝し終わりて、内侍が跪いて奏す:「礼畢。」閣門が内外命婦の陪列者を引いて次第に進み、北向位に就かしむ。班首初めて行く時、宮懸作る。位に至りて楽止む。閣門曰く:「再拝。」命婦皆再拝す。閣門が班首を引いて西階より昇らせ、楽作る。階に至りて楽止み、進みて座前に当たり、北向躬して称賀を致し、終わりて、西階より降り、楽作る。位に至りて楽止む。閣門曰く:「再拝。」舍人が承伝し、命婦等皆再拝す。閣門使が前に進みて令を承け、西階より降り、命婦の前西北に詣り、東向し、称す:「教旨有り。」命婦等皆拝し、閣門使が宣す:「聖恩を祗奉し、冊宝を授けられ、栄幸の至り、競厲増深す。賀する所を知る。」舍人曰く:「再拝。」命婦皆再拝し、終わりて、内侍が内命婦を引いて還宮す。班首初めて行く時、楽作る。門を出でて、楽止む。内侍が外命婦を引いて次を出だす。宣徽使が奏称す:「礼畢。」座を降り、宮懸作る。東房に入り、楽止む。閣に帰り、宮懸作る。閣に至りて、楽止む。常服に更える。内侍が教旨を承け、外命婦に入会を宣し、倶に常儀の如し。会畢りて、閣門が命外婦を引いて階を降り、横班北向とし、舍人曰く:「再拝。」終わりて、次第に出づ。還宮、来儀の如し。中書門下侍郎が復た引進司を率いて舁人を進め、冊宝を内に入れ、都点検司に付与し、退く。別の日、群官を会し、妃主宗室等を会し、酒を賜い、食を設け、花を簪し、教坊に楽を作らせ、内宴の儀の如し。十一日、永寿・永寧両宮に朝す。皇后冊を受くること既に二日を過ぎ、内侍が座を所御殿に設け、南向とする。其の日夙興し、宣徽使が版奏す:「中厳。」質明、諸侍衛宮人倶に寝殿に詣り奉迎し、宣徽使が版奏す:「外辦。」後は首飾・禕衣を着し車に御し、内侍が前導し、西階より降りて出で、侍衛は常儀の如し。太后の裏門外に至り、車を降り、障扇侍衛は常儀の如し。入りて西廂に立ち、東向とする。将に至らんとする時、宣徽使が版奏す:「請う中厳。」既に車を降りて、宣徽使が版奏す:「外辦。」太后は常服、宣徽使が引いて座に昇らせ、南向とする。宣徽使が後を引いて進み、西階より昇らせ、北面再拝し、進み跪いて謝詞を致す。存撫し酒食を賜い、倶に家人の儀の如し。礼畢りて、宣徽使が賛す:「再拝。」終わりて。宣徽使が引いて西階より降りて出だす。門を出でて、宣徽使が奏す:「礼畢。」座を降りて宮に入る。

皇太后に冊を奉ずる儀

天徳二年正月、詔して有司に命ず、「日を選びて唐殷國妃・岐國太妃に冊を奉り、別に宮名を建てよ。行うべき典禮は、禮官に詳しく條具させて奏聞せしめよ」と。その日質明、有司各々傘扇を具え、侍衛は儀式の如く、及び兵部は量を約して軍兵を差し、並びに文武百官をして兩宮に詣で迎請せしめ、皇太后を導きて内に入り、並びに冊を受ける殿に赴き、御幄に入り、侍衛は式の如くす。次に冊を奉る太尉等は皆冊を案に置き、寶を奉る司徒等は皆寶を案に置き、皆匣を以て盛り、帕を以て覆い、別殿の門外の幄次に詣づ。教坊提點は教坊を率いて入る。侍衛官各々列に就く。皇帝は常服にて輿に乗り、別殿の後ろの幄次に至る。通事舍人は宣徽使を導き、版奏す、「中厳」と。位に復し、少頃、また奏す、「外辦」と。幄の簾を巻き、教坊の楽作し、扇合い、兩宮の皇太后は後ろの幄より出で、並びに御座に即き、南向し、扇開き、楽止む。左右に分かれて少しく退く。通事舍人は文武百僚の班を導き左より入り、品に依り、重行して西に向かい、立ち定まる。通事舍人喝す、「起居」と。班は常朝の例に依り起居し、七拝し、訖り、文武百僚の班を導き東西に分かれて相向いて立つ。通事舍人・太常博士は贊引し、太常卿は前導し、押冊官は冊を押して行き、冊を奉る太尉・冊を読む中書令・冊を挙げる官等は次を以てこれに従う。次に押寶官は寶を押して行き、寶を奉る司徒・寶を読む侍中・寶を挙げる官等は次を以てこれに従う。皆正門より入り、教坊の楽作し、殿庭の西階の下少しく東に至り、北向し、褥位に少しく置き、楽止む。冊は北に、寶は南に。通事舍人・太常博士は贊引し、太常卿は前導し、押冊官は冊を押して昇り、楽作し、冊を奉る太尉等はこれに従い、進みて兩宮皇太后の座前の褥位に至り、楽止む。兩宮の冊寶は齊しく上り、齊しく読む。冊を挙げる官は夾侍す。冊を奉る太尉は各々笏を搢し、北向して跪き、俯伏し、興り、退きて立つ。冊を読む中書令は俱に進み、冊の前に向かい跪き奏して称す、「攝中書令具官臣某、謹んで冊を読む」と。冊を挙げる官は単跪して対挙し、中書令は各々笏を搢し、読み訖り、笏を執り、俯伏し、興り、笏を搢し、冊を捧げて興り、位の東にて冊函を回し北向し、並びに進み、跪きて御座前の褥位に置く。中書令・冊を挙げる官は俱に降り、位に還る。冊を奉る太尉は並びに階を降り、東向して以て俟つ。押寶官は寶を押して昇り、楽作し、寶を奉る司徒等はこれに従い、進みて兩宮皇太后の座前の褥位に至り、楽止む。寶を挙げる官は夾侍す。寶を奉る司徒は各々笏を搢し、北向して跪き、俯伏し、興り、退きて立つ。寶を読む侍中は俱に進み、寶の前に当たり跪き奏して称す、「攝侍中具官臣某、謹んで寶を読む」と。寶を挙げる官は単跪して対挙し、侍中は各々笏を搢し、読み訖り、笏を執り、俯伏し、興り、笏を搢し、寶を捧げて興り、位の東にて寶函を回し北向し、並びに進み、跪きて御座前の褥位の冊の南に置く。通事舍人・太常博士は太尉・司徒を贊引し、次を以て応ずる行事官は俱に西階より降り、本班の序に復して立つ。宣徽使一員は皇帝の御幄前に詣で、俯伏し、跪きて奏す、「臣某謹んで皇帝を請い兩宮皇太后の前に詣で、称賀の礼を行わしむ」と。俯伏し、興る。皇帝を贊引して再拝し、また奏す、「北向して跪くことを請う」と。皇帝賀して曰く、「嗣皇帝臣某言す云々」と。俯伏し、興り、また再拝し、訖り、また奏す、「皇帝に少しく立たしむることを請う」と。内侍は旨を承り退き、西向して称す、「兩宮皇太后の旨す云々」と。皇帝再拝す。宣徽使は前引し、皇帝は幄に帰り、常服にて輿に乗り内に還り、侍衛は来たる儀の如し。

応ずる階下の文武百僚は重行して立ち定まり、通事舍人喝す、「拝」と。在位の者皆再拝す。通事舍人は太師を導き西階に詣で昇り、俯伏し、跪きて奏して称す、「文武百僚具官臣某等稽首して言す、皇太后殿下は冊儀に顯対し、帝養に永安す。福壽を仰ぎ祈り、天と同休せん」と。俯伏し、興り、西階より降り、位に復して立ち定まる。通事舍人は贊す、「在位の官皆再拝す」と。舞蹈し、三たび「萬歳」と称し、また再拝す。宣徽使は東階より昇り、旨を取り退き、階に臨み西向して称す、「兩宮皇太后の旨」と。通事舍人は贊す、「在位の官皆再拝す」と。畢り、宣して曰く、「公等忠敬を尽くし、推崇に協力す。この令典を膺け、感愧良く深し」と。宣し訖り、位に還る。通事舍人は贊す、「宣諭を謝し、拝す」と。在位の官皆再拝し、舞蹈し、三たび「萬歳」と称し、また再拝す。通事舍人は分かれて応ずる北向の官を導き各々班を分かち東西に立つ。宣徽使は東階より昇り、奏して称す、「具官臣等言す、礼畢」と。降りて位に還る。扇合い、皇太后は並びに興り、教坊の楽作し、座を降り、殿の後ろの幄次に還り、扇開き、楽止む。通事舍人は宣徽使を導き奏す、「解厳」と。中書侍郎等は各々冊床を捧げる官を帥いて殿に昇り、跪きて冊を捧げ並びに床に置き、次に門下侍郎等は各々寶床を捧げる官を帥いて殿に昇り、跪きて寶を捧げ並びに床に置き、訖り、通事舍人は導きて東上閣門に詣で、進めて所司に投ず。文武百僚は次を以て出づ。皇太后は常服にて輿に乗り、各々本宮に還り、導引は来たる儀の如し。文武百僚は東上閣門に詣で表を拝して皇帝を賀し、退く。礼畢り、各々本宮に赴き、内外の命婦の称賀を受く。所司は予め殿内に皇太后の御座を設け、司賓は内外の命婦を導きて殿庭に北向し序に依り立たしむ。尚儀は請い奏し、皇太后は常服にて即座す。司贊曰く、「再拝」と。命婦皆再拝す。司賓は班首を導き西階に詣で昇り、跪きて賀して称す、「妾某氏等言す、伏して惟うに皇太后殿下は、天資聖善にして、鴻名を昭かに受け、凡そ照臨する所、欣抃に勝えず」と。興り、階を降りて位に復す。司贊曰く、「再拝」と。内外の命婦皆再拝す。尚宮は旨を承り、西階より降り、命婦の北に東向して立ち、司贊曰く、「再拝」と。在位の者皆再拝す。尚宮乃ち答を宣して曰く、「この典禮を膺け、感愧良く深し」と。司贊曰く、「再拝」と。在位の者皆再拝し、退く。別殿に赴きて皇帝を賀するも、亦た皇太后を賀するの儀の如く、惟うに詞を致さず、答を宣せず。

皇太子冊立の儀

大定八年正月、皇太子を冊立す。禮官は擬奏し、皇太子は輿に乗り翔龍門に至り、東宮官は導従し、馬に乗らず。皇太子冊立の前三日、使を遣わし同日に天地宗廟に奏告す。冊立の前一日、宣徽院は儀鸞司を帥い、大安殿の當中に御座を設け、南向す。皇太子の次を門外の東に設け、西向す。又た文武百僚・応ずる行事官・東宮官等の次を門外の東・西廊に設く。又た冊寶の幄次を殿後の東廂に設け、俱に南向す。又た冊を受ける位を殿庭の横階の南に設く。工部官は監造冊寶官と公服し、製造所より自ら冊寶床を導引し、宣華門より入り、宣徽院と約して同しく進呈し畢り、幄次に赴き安置す。大楽令は其の属を帥い、庭に楽縣を展ぶ。

その日、兵部はその属官を率い、大安殿門の内外に黄麾仗を設ける。その日、夜明けに、文武百官および行事官は皆朝服を着て次に入る。東宮官は各々朝服を着、東宮より馬に乗り導従し、左翔龍門外に至り下馬し、次に入り就く。通事舍人が百官を分引して入り班に立ち、東西相向う。次に侍中・中書令・門下侍郎・中書侍郎および冊宝を捧げ舁ぐ官を引き、殿後の幄次前に至り立つ。しばらくして、冊宝を奉じて幄次を出、大安殿の東より降り、庭中の褥位に至り、暫く置き終わり、冊宝を奉引する官はその後ろに立つ。皇太子は遠遊冠・硃明衣を着て次を出、圭を執り、三師三少以下導従し、門外に立つ。侍中が奏す:「中厳。」符宝郎が八宝を奉じ、東西の偏門より分かれて入り、昇って御座の左右に置く。侍中が奏す:「外辦。」内侍が旨を承けて扇を求め、扇が合わさり、皇帝は通天冠・絳紗袍を着て出御し、曲直華蓋侍衛は常の儀の如く、鳴鞭し、宮県の楽作る。皇帝は東序より出で、御座に即き、炉煙昇り、扇開き簾巻かれ、楽止む。典賛儀が皇太子を引き入門し、宮県の楽作る、位に至り楽止む。師・少以下従い入り、皇太子位の東南に立ち、西に向う。典儀が賛す:「皇太子再拝。」圭を搢え、舞踏し、また再拝し、奏す:「聖躬万福。」また再拝し、東に近く引き、西に向って立つ。師・少以下並びに冊宝を奉引する官等は、各々百官の東班に赴き、楽作る、位に至り楽止む。通事舍人が百官を引き皆横班北向する。典儀が賛す:「拝。」在位の官は皆再拝し、笏を搢え、舞踏し、また再拝し、起居し、また再拝し、畢わり、百官は各々東西班に還る。師・少以下並びに行事官は各々立位に還る。典賛儀が皇太子を引き再び冊を受ける位に至らしめ、楽作る、位に至り楽止む。侍中が旨を承け、称す:「制有り。」皇太子以下応に在位の官は皆再拝し、身を躬め、侍中が制を宣す:「某王を冊して皇太子と為す。」また再拝す。通事舍人・太常博士が中書令を引き読冊位に詣らしめ、中書侍郎が冊匣を引き前に置き、冊を捧ぐ官は西に向い跪いて捧げ、皇太子は跪き、読み畢わり、俯伏し、興る。皇太子は再拝す。中書令が捧冊位に詣り、冊を奉じて皇太子に授け、圭を搢え、跪いて冊を受け、以て右庶子に授く、右庶子は跪いて受け、皇太子は俯伏し、興り、右庶子は冊を以て興り、床に置く、中書令以下退き本班に復す。次に通事舍人・太常博士が侍中を引き奉宝位に詣らしめ、門下侍郎が宝盝を引きその右に立ち、侍中が宝を奉じて皇太子に授け、圭を搢え、跪いて受け、以て左庶子に授く、左庶子は跪いて受け、皇太子は俯伏し、興り、左庶子は宝を以て興り、床に置く、侍中以下退き本班に復す。典儀が賛す:「再拝。」畢わり、皇太子を引き退かしむ。初めに行く時、楽作る、左右庶子はその属を率い、冊宝の床匣を舁いで出で、門を出づれば楽止む。侍中が奏す:「礼畢わり。」内侍が旨を承けて扇を求め、扇合わさり、簾降り、鳴鞭し、楽作る、皇帝は座を降り、西序より入り後閣に還り、侍衛は来たる儀の如く、扇開き、楽止む。侍中が奏す:「厳を解く。」所司が旨を承け、仗衛を放ち以て次第に出づ。皇太子は次に入り、公服に改め、東宮に還り、導従は来たる儀の如し。

冊立の後二日、兵部は仁政殿門の内外に黄麾仗を設け、陳設は並びに大安殿の儀の如し。百官は朝服を着る。皇太子は公服にて次に至り、遠遊冠・硃明衣に改める。通事舍人が百官を引き入り階下の立班に至らしめ、東西相向う。典賛儀が皇太子を引き圭を執り次を出で、門外に立つ。侍中が奏す:「中厳。」しばらくして、また奏す:「外辦。」皇帝は東序より出で、座に即き、簾巻かる。通事舍人が百官を引き皆横班北向せしめ、典儀が賛す:「拝。」在位の官は皆再拝し、笏を搢え、舞踏し、また再拝し、起居し、また再拝し、訖り、班を分つ。皇太子は表を捧げ入り、拝表位に至り立ち、閣門使の将に至るを俟ち、単に跪いて表を捧げ、閣門使が表を受け、皇太子は俯伏し、興り、典儀が賛す:「再拝。」圭を搢え、舞踏し、また再拝す。表を読み畢わるを俟ち、侍中が旨を承け退き称す:「制有り。」典儀が賛す:「再拝。」興り、身を躬め、侍中が宣し訖り、典儀が賛す:「再拝。」圭を搢え、舞踏し、また再拝す。皇太子を引き退かしむ。侍中が奏す:「礼畢わり。」扇合わさり、鳴鞭し、西序に入り、後閣に還り、侍衛は来たる儀の如し。侍中が奏す:「厳を解く。」仗を放ち、百官は以て次第に出づ。後二日、百官は表を奉じて賀を称し、常の儀の如し。

正月元旦・誕生日の皇太子賀を受ける儀

大定二年、世宗は有司に命じ、親王百官および妃主命婦の皇太子に謁見する礼を議せしむ。有司は唐・宋の旧儀を按じ、親王宗室の皇太子を賀するは、冊立畢わりの賀を受ける礼に依らんと擬す。然れども唐礼には元正にまた階を降りて伯叔に謁見し、群官の再拝に答うるの文有り、また妃主命婦の太子に謁見する礼無し。古を稽え今の文を令すに、応に恭を致すべきの官相見ゆるは、或いは貴賤殊に隔たり、或いは長幼親戚、私礼に従うに任す。今より若し東宮に在りて皇太子を候ふは、便服ならば、則ち当に私礼に従い接見すべし。若し三師以下、皇太子の誕日に遇ひ、御前に在らば、則ち皇太子の先づ酒を進むるを候ひ畢わり、百官は皇太子を望み再拝し、班首は跪いて酒を進め、また再拝す。若し酒を賜はば、即ち当殿に跪いて飲み畢わり、また再拝す。以て定制と為し、班行に之を命ず。

十二月晦、皇太子は奏状して曰く:「礼文を按ずるに、親王並びに一品の宗室は皆北面して拝伏す、臣は但だ揖を答うるのみ。宗子を尊ぶと曰ふ雖も、而して長幼惇敘の間に在りて、誠に未だ安からず。当時遽かに頒降を蒙り、謙讓を獲ざりき。明日元正、有司将に此の礼を挙げんとす、伏して聖慈に望む、臣に答拝を許し、庶幾くば親親友愛の義を敦くせん。」上其の請に従ひ、尚書省に命じて所司に頒下せしむ。

皇太子の誕生日には、公服を着用し、左上の露台の欄子の外に立つ。まず再拝し、二閣使が一斉に揖して欄子内に入り、跪拝し、祝詞を述べ終わると、そのまま拝礼し、起き上がり、元の位置に戻り、再拝し、また再拝する。棲台が酒を進めると、退いて跪く。飲み終わるのを待ち、盞を受け取り、元の位置に戻り、台を執事者に回し、再拝する。宣徽使が酒を進めると、皇帝が自ら酒を賜い、盞を受け取って少し退き跪いて飲み、終わると、宣徽使が盞を受け取り、元の位置に戻って再拝する。また揖して欄子内に入り、跪いて笏を帯に挿し、賜物を受け終わると、笏を出し、起き上がり、元の位置に戻り、再拝し、退いて衣を改め、殿内に入りやや東寄りに、西向きに立つ。皇妃らが誕生日の酒を進めて勧めると、皇太子は跪き、皇妃らもまた跪き、飲み終わると、それぞれ再拝する。群官が祝賀する場合は、その日の夜明けに、皆公服を着て門外に集まり、少詹事が奏上して「内厳を請う」とし、また奏上して「外備す」とする。典儀が導いて座に昇らせ、文武の宮臣が入り、庭下に重行して北向きに立つ。典儀が「再拝」と言うと、在任の官は皆再拝し、班首が少し前に進み跪いて奏上する。「元正首祚(元旦の初めの福)」と。誕生日の場合は「慶誕令辰、伏惟皇太子殿下福壽千秋(慶び祝う誕生の佳辰、伏して惟うに皇太子殿下の福壽千秋を)」と言う。祝賀が終わると元の位置に戻り、典儀が「再拝」と言うと、宮臣は皆再拝し、座して受け、東西の序に分かれて立つ。次に東宮の三師を殿上に導き、三少を殿柱の外に、北向きで東を上として立たせる。皇太子が南向きの褥位に詣でると、典儀が「再拝」と言い、師・少は皆再拝し、班首は前と同じく称賀し、元の位置に戻る。執事者が酒一卮を酌み、班首が奉って進め、楽が奏され、飲み終わると楽が止む。師・少に回し勧め終わると、それぞれ元の位置に戻る。典儀が師・少の再拝を唱え、皇太子が答拝する。師・少が出ると、皇太子は座に就く。次に親王を欄子内に導き入れ、一品の宗室を欄子外に、その他の宗室は庭下に序列して立ち、拝礼して祝賀し、酒を進めることは上の儀式と同じである。皇太子が答拝し終わると、座に就く。また随朝の三師・三公・宰執を殿上に導き、三品以上の職事官を露階上に、四品以下を庭下に、北向きで、毎等重行して東を上とし、立たせる。皇太子が褥位に詣でる。典儀が「再拝」と言うと、上下皆再拝し、終わると、班首が少し前に進んで祝賀し、元の位置に戻る。執事者が酒一卮を酌み、班首が奉って進め、楽が奏され、飲み終わると楽が止む。もし進献があれば常の儀式の通りとする。三師・三公に回し勧め、その他の殿上の群官には執事者に盤で酒を行わせ、飲み終わると、典儀が「再拝」と言い、上下皆再拝し、そこで答拝し、群官を導いて順次退出させる。少詹事が跪いて奏上する。「礼畢」。ここより毎年の祝賀が定制となる。

皇太子と百官との相見の儀

三師・三公は欄子内で北向きに躬揖し、班首が少し前に進んで問候し、皇太子は位を離れ少し前に進み、正南に立って答揖する。宰執及び一品の職事官は欄子を叩いて北向きに躬揖し、答揖は前と同じである。二品の職事官は欄子外で南向きに躬揖し、皇太子は起立して揖する。三品の職事官は露階のやや南で躬揖し、皇太子は座したまま揖する。四品以下の職事官は庭下で躬揖し、跪いて問候し、皇太子は座して受ける。太子太師・太傅・太保は随朝の三師と同じである。東宮の三少は随朝の二品と同じである。詹事以下は、皆庭下で北を向き、毎品重行して東を上とし、再拝し、少し前に進んで問候し、また再拝し、皇太子は座して受ける。大定二年に定められたものである。七年、定制として、皇太子が朝に赴くときは、親王・宰執との相見を許し、その他の官・宗室は皆回避させる。後にはまた、枢密使副・御史大夫・判宗正・東宮三師との相見をも許した。九年、定制として、凡そ皇太子が出る時は、都門の三里外に褥位を設け、三公・宰執以下は公服を着て重行して立ち、皇太子は便服で、三公・宰執以下は鞠躬し、班首が「青宮萬福(東宮に萬福あれ)」と辞を述べ、再拝し、皇太子が答拝し、退く。迎えも送りも皆同じである。