金史

志第二:暦上 歩気朔第一 歩卦候第二 歩日躔第三

昔、聖人は天道に因って人時に授け、百工を厘正して庶政をひろめ、歩推の法は、その来たりひさし。漢の太初より前宋に至るまで、暦を治むる者は七十余家に止まらず、おおよそ或いは百年、或いは数十年にして、率ね一たびわる。蓋し日月五星の盈縮進退、及び夫れ天運は、至ってひとしからず、人は方に器を制してこれを求め、その斉しきをむ。寡を積みて多に至れば、あやまち無き能わざるが故なり。

金は天下を有すること百余年、暦は唯一たび易わるのみ。天会五年、司天楊級がいで『大明暦』を造り、十五年春正月朔、始めてこれを頒行す。その法は、三億八千三百七十六万八千六百五十七を暦元とし、五千二百三十を日法とす。然れどもその本づく所を詳らかに究むる能わず、或いは曰く、宋の『紀元暦』に因りてこれを増損せしものなりと。正隆戊寅三月辛酉朔、司天言う、日当に食すべしと、而して食せず。大定癸巳五月壬辰朔、日食し、甲午十一月甲申朔、日食す。加時皆な先天す。丁酉九月丁酉朔、食は乃ち後天す。ここによりて占候漸くたがう。乃ち司天監趙知微に命じて『大明暦』を重修せしめ、十一年にして暦成る。時に翰林応奉耶律履も亦た『乙未暦』を造る。二十一年十一月望、太陰虧食す。遂に尚書省委の礼部員外郎任忠傑をして司天暦官と食の時刻分秒を験せしめ、知微・履及び見行暦の親疏を比校し、知微の暦を以て親しきと為し、遂にこれを用う。明昌初、司天又た新暦を改進す。礼部郎中張行簡言う、「請う、他の月食を俟ち、覆校して差無くして、然る後にこれを用いん」と。事遂にむ。ここを以て金の世を終わるまで、惟だ知微の暦を用う。我が朝初めも亦たこれを用い、後に始めて『授時暦』に改む。今その書は太史に存す。これを采りて録し、以て『暦志』と為す。

歩気朔第一

演紀:上元甲子、今の大定庚子にへだたること八千八百六十三万九千六百五十六年。

日法:五千二百三十分。

歳実:百九十一万二百二十四分。

通余:二万七千四百二十四分。

朔実:十五万四千四百四十五分。

通閏:五万六千八百八十四分。

歳策:三百六十五日、余一千二百七十四分。

朔策:二十九日、余二千七百七十五分。

気策:十五日、余一千百四十二分、六十秒。

望策:十四日、余四千二分、四十五秒。

象策:七日、余り二千一分、二十二秒半。

没限:四千八十七分、三十秒。

朔虚分:二千四百五十五分。

旬周:三十一万三千八百分。

紀法:六十。

秒母:九十。

天正冬至を求む。

上元甲子以来の積年を置き、歳実をこれに乗ずれば、通積分と為す。旬周を以て満たし去り、尽きざるを日法を以て約して日と為し、盈たざるを余と為し、甲子を算外に命ずれば、即ち求めし天正冬至の日大小余なり。

次気を求む。

天正冬至の大小余を置き、気策を以て累次これに加え、秒は秒母に盈てば分に従い、分は日法に満てば日に従う。即ち次気の日及び余秒を得。

天正経朔を求む。

朔実を以て通積分を去り、尽きざるを閏余と為し、以て通積分を減じ朔積分と為す。旬周を以て満たし去り、尽きざるを日法に如くして一と為し日とし、盈たざるを余と為す。即ち求めし天正経の大小余なり。

弦望及び次朔を求む。

天正経朔の大小余を置き、象策を以て累次これに加うれば、即ち各おの弦・望及び次朔の経日及び余秒を得。

没日を求む。

没日を有する恒気小余を置き、没限以上ならば、没日を有する気とする。秒母を以て之を乗じ、其の秒を内し、四十七万七千五百五十六を減ずるに用い、余り六千八百五十六に満てば一と為し、得る所並びに恒気大余を以て、没日と命ず。

滅日を求む。

滅日を有する朔小余を置く。経朔小余が朔虚分に満たざる者なり。六を以て之に因り、四百九十一に如くして一と為し、得る所並びに経朔大余を以て、滅日と命ず。

歩卦候第二

候策:五、余三百八十、秒八十。

卦策:六、余四百五十七、秒六。

貞策:三、余二百二十八、秒四十六。

秒母:九十。

辰法:二千六百一十五。

半辰法:一千三百七半。

刻法:三百一十三、秒八十。

辰刻:八、百四分、秒六十。

半辰刻:四、五十二分、秒三十。

秒母:一百。

七十二候を求む。

中気の大小余を置き、これを初候と定め、候策を累次加えれば、すなわち次候及び末候となる。

六十四卦を求む

中気の大小余を置き、これを公卦と定め、卦策を累次加えて辟卦を得、また之を加えて侯内卦を得る。貞策を以て之を加え、節気の初めを得て、侯外卦と為す。また貞策を以て之を加えて大夫卦を得、また卦策を以て之を加えて卿卦と為す。

土王用事を求む

貞策を以て四季中気の大小余を減じ、すなわち土王用事の日なり。

発斂を求む

小余を置き、六を以て之を乗じ、辰法にて一として辰と為す。尽きざれば、刻法を以て之を除して刻と為す。子より下算外に命じ、即ち加時所在の辰刻及び分を得。半辰法を加うれば、即ち子刻初と命ず。

表は略す

日躔を歩む第三

周天分:百九十一万二百九十三分、五百三十秒。

歳差:六十九、五百三十秒。秒母一万。

周天度:三百六十五度、二十五分、六十八秒。

象限:九十一、三十一分、九秒。

二十四気日積度及び盈縮

毎日の盈縮朓朒を求む

各々その気の損益率を置き、盈縮の損益を求め、朒朓を用いる朒朓の損益を求む。六を乗じ、象限を以って除し、気中率と為す。後気の中率と相減じ、合差と為す。合差の半分を加減してその気の中率に加え、初末の泛率と為す。至後は:初に加え、末を減ず。分後は:初を減じ、末に加う。また合差を置き、六を乗じ、象限を以って除し、日と為し、その半分を以って初末の泛率に加減し、初末の定率と為す。至後は:初を減じ、末に加う。分後は:初に加え、末を減ず。日差を以って累次加減してその気の初末の定率に加え、毎日の損益分と為す。至後は減じ、分後は加う。各々毎日の損益分を以って気下の盈縮・朒朓に加減し、毎日の盈縮・朒朓と為す。二分前一気の元後の率相減じて合差と為す者は、皆前気の合差を用いる。

経朔弦望の入気を求む。

天正閏餘を置き、日法を以て除して日と為し、満たざるを餘と為し、気策以下の如くは、以て気策を減じ、大雪の気に入るを為す。以上は之を去き、餘も亦た気策を減じ、小雪の気に入るを為す。即ち天正経朔の気に入る日及び餘を得るなり。象策を以て累加し、気策に満てば之を去き、即ち弦・望の次気に入る日及び餘を得る。因りて加へ、後朔の気に入る日及び餘なり。

毎日の損益、盈縮、朒磕を求む。

日差を以て益加減損加減し、其の気初損益率を為し、毎日の損益率と為す。馴に積みて損益し、其の気の盈縮・朒磕積を為し、毎日の盈・朒磕積と為す。

経朔弦望の入気朒朓の定数を求む。

各々、その入る恒気の小余を以て、その日の損益率を乗じ、日法にて一と為し、以てその下の朒朓積を損益して定数と為す。

赤道の宿度

斗宿二十五度、牛宿七度少、女宿十一度少、虚宿九度少秒六十八、危宿十五度半、室宿十七度、壁宿八度太

右は北方七宿九十四度秒六十八なり。

奎十六度半、婁十二度、胃十五度、昴十一度少、畢十七度少、觜半度、參十度半

右は西方七宿八十三度、井三十三度少、鬼二度半、柳十三度太、星六度太、張十七度少、翼十八度太、軫十七度である。

右の南方七宿は一百九度少なり、角十二度、亢九度少、氐一十六度、房五度太、心六度少、尾十九度少、箕十度半。

右は東方七宿七十九度なり。

冬至の赤道日度を求む。

通積分を置き、周天分を以て之を去り、余を日法にて一たび除して度と為し、満たざるは退除して分秒と為す。百を以て母と為す。赤道虚宿七度外より起算し之を去り、満たざる宿に至るまで、即ち求めし年の天正冬至加時の日躔赤道度及び分秒なり。

春分・夏至・秋分の赤道日度を求む。

天正冬至加時の赤道日度を置き、象限を累加し、赤道宿次に満てば之を去り、即ち各々春分・夏至・秋分加時の日の在る宿度及び分秒を得。

四正の赤道宿積度を求む。

四正の赤道宿全度を置き、四正の赤道日度及び分を以て之を減じ、余を距後度と為す。赤道宿度を以て累加之し、各々四正後の赤道宿積度及び分を得。

赤道宿積度の初末限に入るを求む。

四正後の赤道宿積度及び分を視るに、四十五度六十五分秒五十四半以下は初限に入るものと為し、以上なる者は象限を以て減じ、余を末限に入るものと為す。

二十八宿の黄道度を求む。

四正後の赤道宿の初末限に入る度及び分を以て、一百一度より減じ、余に初末限度及び分を乗じ、進位し、百に満てば分と為し、分百に満てば度と為す。至後は以て減じ、分後は以て加ふるに赤道宿積度を以てし、其の宿の黄道積度と為す。前宿の黄道積度を以て之を減じ其の四正の宿は、先づ象限を加へ、然る後に前宿を以て之を減ず。其の宿の黄道度及び分と為す。其の分は就きて約めて太・半・少と為す。

黄道宿度

斗二十三度 牛七度 女十一度 虚九度少(秒六十八) 危十六度 室十八度少 壁九度半

右は北方七宿九十四度六十八秒なり。

奎十七度太 婁十二度太 胃十五度半 昴十一度 畢十六度半 觜半度 參九度太

右は西方七宿八十三度太(一百七十七、七十五、六十八)なり。

井三十度半 鬼二度半 柳十三度少 星六度太 張十七度太 翼二十度 軫十八度半

右に南方七宿の度分は、一百九度少二百八十七、六十八。

角十二度太、亢九度太、氐十六度少、房五度太、心六度、尾十八度少、箕九度半。

右に東方七宿の度分は、七十八度少三百六十五、二十五、六十八。

前掲の黄道宿度は、今の暦法による歳差の所在に依拠して算定したものである。上は往古を考証し、下は将来を検証するに当たり、歳差に拠るべきであり、一度移動するごとに、術に依って当時の宿度を推変し、然る後に七曜を歩推し、その所在を知ることができる。

天正冬至加時の黄道日度を求む。

冬至加時の赤道日度及び分秒を以て、一百一度を減じ、余りを冬至赤度及び分秒に乗じ、位を進め、百に満てば分と為し、分百に満てば度と為す。これを黄赤道差と命ず。用いて冬至加時の赤道日度及び分秒を減じ、即ち求めるところの年の天正冬至加時の黄道日度及び分秒を得る。

二十四気加時の黄道日度を求む。

求めるところの年の冬至日躔黄赤道差を置き、次年の黄赤道差を以てこれを減じ、余りを求めるところの気数に乗じ、二十四で除す。得るところを以てその気の中積及び約分に加え、又その気初日の盈縮数を以て、盈は加え縮は減じ、用いて冬至加時の黄道日度に加え、宿次に依ってこれを去り、即ち各々その気加時の黄道日躔宿度及び分秒を得る。もしその年の冬至加時の赤道宿度空分秒が歳差以下にある場合は、即ち前宿の全度を加え、然る後に黄赤道差を求め、余りは術に依って算す。

二十四気毎日晨前夜半の黄道日度を求む。

副にその気の小余を置き、その気初日の損益率を以てこれに乗じ、盈縮の損益なり。一万を以て約して分と為し、益すべきものは盈は加え縮は減じ、損すべきものは盈は減じ縮は加え、その副に加え、日法を以て除して度と為し、満たざれば退除して分秒と為し、以てその気加時の黄道日度を減じ、即ち各々その気初日晨前夜半の黄道日度を得る。毎日一度を加え、百を以て毎日の損益率を約し、盈縮の損益なり。益すべきものは盈は加え縮は減じ、損すべきものは盈は減じ縮は加え、毎日晨前夜半の黄道日度及び分秒と為す。

毎日午中の黄道日度を求む。

一万分を置き、入る所の気日の盈縮損益率を以て、益すべきものは盈は加え縮は減じ、損すべきものは盈は減じ縮は加え、皆損益率を加減し、余りを半ばにし、百に満てば分と為し、満たざれば秒と為し、以てその日清晨前夜半の黄道日度に加え、即ちその日午中の日躔黄道宿度及び分秒を得る。

毎日午中の黄道積度を求む。

二至加時の黄道日度を以て、至より求めるところの日午中の黄道日度に距り、二至後の黄道積度及び分秒に入る。

毎日午中の黄道入初末限を求む。

二至後の黄道積度を視るに、四十三度一十二分秒八十七以下は初限と為し、以上は象限を以て減じ、余りを入末限と為す。その積度象限に満てば之を去り、二分後の黄道積度と為し、四十八度一十八分秒二十二以下は初限と為し、以上は象限を以て減じ、余りを入末限と為す。

毎日の午中赤道日度を求む

求めんとする日の午中黄道積度を以て、至後の初限、分後の末限に入る、度及び分秒、三位を進め、二十万二百五十少を加え、開平方して之を除き、得る所四百四十九半を減じ、余り初限にある者は、直ちに二至の赤道日度を以て加え而して之を命ず。末限にある者は、象限を以て減じ、余り二分の赤道日度を以て加え而して之を命ず。即ち毎日の午中赤道日度なり。求めんとする日の午中黄道積度を以て、至後の末限、分後の初限に入る、度及び分秒、三位を進め、三十万三百五十少を以て減じ、開平方して之を除き、得る所、五百五十半を以て減ず、其の初限にある者は、減じたる余りを以て、直ちに二分の赤道日度を以て加え而して之を命ず。末限にある者は、象限を以て減じ、余り二至の赤道日度を以て加え而して之を命ず。即ち毎日の午中赤道日度なり。

太陽黄道十二次の宮宿度に入る、雨水、危十三度三十九分五十秒外、衛分に入り、陬訾の次、辰は亥に在り。春分、奎二度三十五分八十五秒外、魯分に入り、降婁の次、辰は戌に在り。穀雨、胃四度二十四分三十三秒外、趙分に入り、大梁の次、辰は酉に在り。小満、畢七度九十六分六秒外、晉分に入り、実沈の次、辰は申に在り。夏至、井九度四十七分一十秒外、秦分に入り、鶉首の次、辰は未に在り。大暑、柳四度九十五分一十六秒外、周分に入り、鶉火の次、辰は午に在り。処暑、張十五度五十六分三十五秒外、楚分に入り、鶉尾の次、辰は巳に在り。秋分、軫十度四十四分五秒外、鄭分に入り、壽星の次、辰は辰に在り。霜降、氐一度七十七分七十七秒外、宋分に入り、大火の次、辰は卯に在り。小雪、尾三度九十七分九十二秒外、燕分に入り、析木の次、辰は寅に在り。冬至、斗四度三十六分六十六秒外、呉越分に入り、星紀の次、辰は丑に在り。大寒、女二度九十一分九十一秒外、斉分に入り、玄枵の次、辰は子に在り。

入宮の時刻を求む

各々入宮の宿度及び分秒を置き、其の日の晨前夜半の日度を以て之を減じ、相近なる一度の間にある者を求む。余り日法を以て其の分を乗じ、其の秒は下より従い、亦通じて之を乗じ、実と為す。其の日の太陽行分を以て法と為し、実法の如くして一と為し、得る所、発斂加時に依りて之を求め、即ち其の日の太陽入宮の時刻及び分秒を得。

○歩漏第四

中限:一百八十二日、六十二分、一十八秒。

冬至初限、夏至末限:六十二日、二十分。

夏至初限、冬至末限:一百二十日、四十二分。

冬至地中晷影常数:一丈二尺八寸三分。

夏至地中晷影常数:一尺五寸六分。

周法:一千四百二十八。

内外法:一万八百九十六。

半法:二千六百一十五。

日法:四分の三:三千九百二十二半。

日法:四分の一:一千三百七半。

昏明分:一百三十分、七十五秒。

昏明刻:二刻、一百五十六分、九十秒。

刻法:三百一十三分、八十秒。

秒母:一百。

午中入気中積を求む。

求めるところの日の大余及び半法を置き、入るところの気の大小余を以て之を減じ、其の日の午中入気と為す。以て其の気の中積を加へ、其の日の午中中積と為す。小余は日法を以て除し約分と為す。

二至後の午中入初末限を求む。

午中中積及び分を置き、中限以下の如きは、冬至後と為す。以上は中限を去り、夏至後と為す。其の二至後、初限以下の如きは、初限と為す。以上は覆減して中限し、余りを入末限と為すなり。

午中晷影定数を求む。

冬至後の初限、夏至後の末限を視るに、百通日、内分、自ら相乘じ、副え之を置く。一千四百五十を以て之を除し、得る所を五萬三百八十に加へ、半限分を折りて之に並ぶ;其の副を除して分と為す。分十に満てば寸と為し、寸十に満てば尺と為し、用て冬至地中晷影常数を減じ、求めるところの晷影定数と為す。夏至後の初限、冬至後の末限を視るに、百通日、内分、自ら相乘じて上位と為す。下に入限分を置き、二百二十五を以て乗じ、百を以て約し、一十九萬八千七十五を加へて法と為す。夏至前後の半限以上なる者は、半限を減じ去り、上位に列す。下位に半限を置く。各百通日、内分、先ず相減じ、後に相乘ず。七千七百を以て之を除し、得る所を以て其の法に加へ反って上位を除し、分と為し、分十に満てば寸と為し、寸十に満てば尺と為し、用て夏至地中晷影常数を加へ、求めるところの晷影定数と為す。

四方所在の晷影を求む。

各其の処に於て冬夏二至の晷影を測り、乃ち相減じたる余りを、其の処の二至晷差と為す。亦地中の二至晷数を以て相減じ、地中の二至晷差と為す。求めるところの日、冬至後の初限、夏至後の末限にある者は、半限以下の如きは、之を倍す;半限以上の如きは、覆減して半限し、余り亦之を倍し、入限日に併せ、三因折半し、日を以て分と為し、十を以て寸と為し、以て地中の二至晷差を減じて法と為す。地中の冬至晷影常数を置き、求めるところの日の地中晷影定数を以て之を減じ、余り其の年の二至晷差を以て之を乗じて実と為す。実法の如くして一を得、得る所を以て其の処の冬至晷数を減じ、即ち其の処其の日の晷影定数を得。求めるところの日、夏至後の初限、冬至後の末限にある者は、半限以下の如きは、之を倍す;半限以上の如きは、覆減して半限し、余り亦之を倍し、入限日に併せ、三因四除し、日を以て分と為し、十を以て寸と為し、以て地中の二至晷差を加へて法と為す。求めるところの日の地中晷影定数を置き、地中の夏至晷影常数を以て之を減じ、余り其の処の二至晷差を以て之を乗じて実と為す。実法の如くして一を得、得る所を以て其の処の夏至晷数を加へ、即ち其の処其の日の晷影定数を得。

二十四気の陟降及び日出分。

表は略す

二分前後の陟降率

春分の前三日は太陽が赤道内に入り、秋分の後三日は太陽が赤道外に出る。故にその陟降は他の日と同類でない。今、各別に数を立てて用いる。

驚蟄、十二日、陟四六十七、一十六(これが末率なり。ここに用いて畢る。その減差もまたここに止まる)。十三日、陟四四十一、六。十四日、陟四三十六、九十。十五日、陟四一。

秋分、初日、降四三十八。一日、降四三十九。二日、降四五十七。三日、降四六十八(これが初率なり。始めてこれを用いる。その加差もまたここに始まる)。

毎日の出入及び晨昏半晝分を求む

各おの陟降の初率をもって、陟は減じ降は加ふ、その気の初日の日出分に、一日の下の日出分となす。増損差をもって、なお加減差を加減す。陟降率を増損し、馴らし積みてこれを加減すれば、即ち毎日の日出分となる。日法を以て覆減すれば、余りは日入分となる。日出分と日入分を以てこれを半ばにすれば、半晝分となる。昏明分を以て日出分を減ずれば晨分となり、日入分に加ふれば昏分となる。

日の出入の辰刻を求む

日出入分を置き、六を以てこれを因み、辰法に満てば一と為し、辰数と為す。尽きざれば、刻法を以てこれを除き刻数と為し、満たざれば分と為す。子正より算外に命ずれば、即ち求めるところを得。

昼夜の刻を求む

日出分を置き、十二を以てこれを乗じ、刻法を以て一と為し、刻と為す。満たざれば分と為し、即ち夜刻となる。百刻を以て覆減すれば、余りは晝刻となる。

更点率を求む

晨分を置き、四を以て因み、位を退けて更率と為す。更率に二を因み、位を退けて点率と為す。

更点の所在する辰刻を求む

更点率を置き、求めるところの更点数を以てこれを因み、又六を以て因み、内に昏明分を加へ、辰法に満てば一と為し、辰数と為す。尽きざれば、刻法に満てばこれを除き刻数と為し、満たざれば分と為す。その辰刻より算外に命ずれば、即ち求めるところを得。

四方の所在する漏刻を求む。

各々其の所在に於いて水漏を下し、以て其の処の冬至或は夏至の夜刻を定め、乃ち五十刻と相減じ、余りを至差刻と為す。求め置く所の日の黄道去赤道内外度及び分を、以て至差刻を乗じ、一位を進め、二百三十九にて一と為し、刻と為し、尽きざるは刻法を以て之を乗じ、退除して分と為し、内減し外に加へて五十刻と為し、即ち求め所の日の夜刻なり。之を以て百刻を減じ、余りを晝刻と為す。其の日の出入辰刻及び更点差率算等は、並びに術に依りて之を求む。

黄道内外度を求む。

日出分を置き、日法四分之一以上なるは之を去り、余りを外分と為す。日法四分之一以下なるは覆減し、余りを内分と為す。内外分を置き、千を以て之を乗じ、内外法にて一と為し、度と為し、満たざるは退除して分と為し、即ち黄道去赤道内外度なり。内減し外に加へて象限と為し、即ち内道去極度を得。

距中度及び更差度を求む。

半法を置き、晨分を以て之を減じ、余りを距中分と為し、百を以て之を乗じ、周法にて一と為し、距中度と為す。用ひて一百八十三度一十二分八十四秒を減じ、余り四因退位し、毎更差度と為す。

昏明五更中星を求む。

距中度を置き、其の日の午中赤道日度を以て加へて之を命じ、即ち昏中星の格む所の宿次なり、因りて初更中星と為す。更差度を以て累加し、赤道宿次を命じて之を去り、即ち逐更及び明中星を得。