元史

志第十八: 礼楽一

伝に曰く、「礼は天地の序なり、楽は天地の和なり」と。礼を致して躬を治め、外貌斯須に荘ならず敬ならざれば、則ち慢易の心之に入る。楽を致して心を治め、中心斯須に和せず楽しまざれば、則ち鄙詐の心之に入る。古の礼楽は、壹に人君の身心に本づく、故に其の用を為すに足りて、綱常を植え風俗を厚くす。後世の礼楽は、既に其の本無く、唯だ執事者の其の間に事に従うに属するのみ、故に僅かに声文を美しくし観聴を侈にするに足るのみ。此れ治の古に如かざる所以なり。

前聖の制は、周に至りて大いに備わる。周公成王を相し、礼を制し楽を作りて、教化大いに行わる、邈乎として及ぶべからず。秦は先代の典礼を廃し、漢は秦の制に因り、朝儀を起し、宗廟楽を作る。魏・晋而して後、五胡雲擾し、秦・漢の制亦た復た存せず。唐初は隋礼を襲用し、太常多く肄する所は、教坊の俗楽のみ。宋に至り、五季の衰を承け、唐礼に因り、太常因革礼を作り、而して製する所の大晟楽は、古雅と号す。靖康の変に及んで、礼文楽器、掃蕩して遺す所無し。

元の国を有つや、朔漠に肇興し、朝会燕饗の礼は、多く本俗に従う。太祖元年、諸侯王を阿難河に大会し、即皇帝位し、始めて九斿白旗を建つ。世祖至元八年、劉秉忠・許衡に命じて始めて朝儀を制せしむ。是より、皇帝即位・元正・天寿節、及び諸王・外国の来朝、皇后・皇太子の冊立、群臣の尊号を上ぐ、太皇太后・皇太后の冊宝を進む、並びに郊廟の礼成り、群臣の朝賀するは、皆な朝会の儀の如し。而して宗親を大饗し、大臣に錫宴するは、猶お本俗の礼を用いること多し。

若し其の楽を為すこと有らば、則ち太祖西夏より旧楽を徴用し、太宗燕京に金の太常遺楽を徴し、及び憲宗登歌楽を用いることを始め、日月山に天を祀る。而して世祖宋周臣に命じて楽工を典領せしめ、又た登歌楽を用いて祖宗を中書省に享く。既にして又た王鏞に命じて大成楽を作らしめ、詔して民間の蔵する所の金の楽器を括る。至元三年、初めて宮県・登歌・文武二舞を太廟に用い、烈祖より憲宗に至る八室、皆な楽章有り。三十年、又た社稷楽章を撰す。成宗大徳の間、郊廟曲舞を製し、復た宣聖廟楽章を撰す。仁宗皇慶初、太常に命じて楽工を補撥せしめ、而して楽制日々に備わる。大抵其の祭祀に於けるは、率ね雅楽を用い、朝会饗燕には、則ち燕楽を用う、蓋し雅俗兼用する者なり。

元の礼楽、之を古に揆うれば、固に議すべき有り。然れども朝儀既に起りてより、規模厳広にして、人の九重大君の尊きを知るに至り、其の楽声雄偉にして宏大なるは、又た足りて一代興王の象を見るに、其の当時に在りても、亦た盛んなりと云うべし。今其の書くべき者を取りて篇に著し、礼楽志を作る。

朝儀制始末

世祖至元八年秋八月己未、初めて朝儀を起す。是に先立ち、至元六年春正月甲寅、太保劉秉忠・大司農孛羅旨を奉じ、趙秉温・史杠に命じて前代礼儀を知る者を訪ね朝儀を肄習せしむ。既にして、秉忠奏して曰く、「二人之を習うと雖も、之を知るとも、行うこと能わず」と。旨を得て、十人を用いることを許す。遂に儒生周鐸・劉允中・尚文・岳忱・関思義・侯祐賢・蕭琬・徐汝嘉を徴し、亡金の故老烏古倫居貞・完顔復昭・完顔従愈・葛従亮・于伯儀及び国子祭酒許衡・太常卿徐世隆に従い、諸の古典を稽え、時宜を以て参じ、情に沿いて制を定め、而して之を肄習す、百日にして畢る。

秉忠復た奏して曰く、「楽無くして以て相須わば、則ち礼備わらず」と。旨を奉じ、旧教坊の楽工を捜訪し、杖鼓色楊皓・笛色曹楫・前行色劉進・教師鄭忠を得て、律に依り譜を運び、諸の楽歌に被す。六月にして成り、音声克く諧い、万寿山便殿に陳べ、帝聴きて之を善しとす。

秉忠及び翰林太常奏して曰く、「今朝儀既に定まる、請うらくは執礼員を備えん」と。旨有りて、丞相安童・大司農孛羅に命じて蒙古宿衛士の容止を習うべき者二百余人を択び、之を一月肄す。七年春二月、丙子を以て礼を観ることを奏す。前期一日、綿蕝を金帳殿前に布き、帝及び皇后露階に臨観し、礼文楽節、悉く遺失無し。冬十有一月戊寅、秉忠等奏請して官を建て朝儀を典せんとす、帝命じて尚書省と論定して以て聞かしむ。

八年春二月、侍儀司を立て、忽都于思・也先乃を以て左右侍儀と為し、奉御趙秉温を礼部侍郎兼侍儀司事と為し、周鐸・劉允中を左右侍儀使と為し、尚文・岳忱を左右直侍儀事と為し、関思義・侯祐賢を左右侍儀副使と為し、蕭琬・徐汝嘉を僉左右侍儀事と為し、烏古倫居貞を承奉班都知と為し、完顔復昭を引進副使と為し、葛従亮を侍儀署令と為し、于伯儀を尚衣局大使と為す。夏四月、侍儀司奏請して内外仗を製し、歴代故事の如くせんとす。之に従う。秋七月、内外仗成る。八月帝の生日に遇い、号して天寿聖節と曰い、朝儀を用いること此より始まる。

元正受朝儀

前の三日、聖壽萬安寺あるいは大興教寺において儀式の習練を行う。前の二日、殿庭に陳設を整える。当日の明け方、侍儀使が導従護尉を引き連れ、それぞれその服を着用し、寝殿の前に至り、牙牌を捧げて跪き、外の準備が整ったことを報告する。内侍が入って奏上し、出て制を伝えて「可」とし、侍儀使は俯伏して起つ。皇帝は閤を出て輦に昇り、鞭を三度鳴らす。侍儀使と通事舍人は左右に分かれ、護尉を引いて斧を執り正を劈くものは中を行き、大明殿の外に導く。劈正斧は正門の真っ直ぐ北に向かって立ち、導従は倒巻して順に立ち、扇のみは錡に置く。侍儀使が駕を導く時、引進使は内侍官とともに、宮人を引いて執り導従し、皇后の宮庭に入り、牙牌を捧げて跪き、外の準備が整ったことを報告する。内侍が入って啓し、出て旨を伝えて「可」とし、引進使は俯伏して起つ。皇后は閤を出て輦に昇り、引進使が導従を引いて殿の東門の外に導き、引進使は分かれて退き、押し直して堊塗の次に至り、導従を引いて倒巻して出る。両宮が御榻に昇るのを待ち、鞭を三度鳴らし、劈正斧は退いて露階の東に立つ。司晨が時を報せて鶏唱が終わり、尚引が殿前班を引き、皆公服を着て、左右に分かれて日精門・月華門に入り、起居の位に就き、相向かって立つ。通班舍人が唱えて「左右えい上將軍兼殿前都點檢臣某以下起居」と言い、尚引が唱えて「鞠躬」と言い、「平身」と言い、丹墀の拝位に引き至り、知班が班の整ったことを報ずる。宣贊が唱えて「拝」と言い、通贊が賛して「鞠躬」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「都點檢稍前」と言う。宣贊が報じて「聖躬萬福」と言い、通贊が賛して「復位」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平身」と言い、「搢笏」と言い、「鞠躬」と言い、「三舞蹈」と言い、「跪左膝、三叩頭」と言い、「山呼」と言い、「山呼」と言い、「再山呼」と言う。凡そ「山呼」を伝える時、控鶴が呼譟して応和して「萬歳」と言い、「再山呼」を伝える時、応えて「萬萬歳」と言う。後はこれに倣う。「出笏」と言い、「就拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平立」と言う。宣贊が唱えて「各恭事」と言うと、両班の点検・宣徽将軍は左右に分かれて殿に昇り、宿直以下は殿前に分立し、尚厩は仗の南に分立し、管旗は大明門の南楹に分立する。

后妃・諸王・駙馬が順に賀献の礼を終えるのを待ち、典引が丞相以下を引き、皆公服を着て、日精門・月華門に入り、起居の位に就く。通班が唱えて「文武百僚・開府儀同三司・録軍国重事・監修国史・右丞相具官無常。臣某以下起居」と言い、典引が賛して「鞠躬」と言い、「平身」と言い、丹墀の拝位に引き至る。知班が班の整ったことを報ずる。宣贊が唱えて「拝」と言い、通贊が賛して「鞠躬」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平身」と言い、「搢笏」と言い、「鞠躬」と言い、「三舞蹈」と言い、「跪左膝、三叩頭」と言い、「山呼」と言い、「山呼」と言い、「再山呼」と言い、「出笏」と言い、「就拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平身」と言う。侍儀使が丞相の前に詣でて進酒を請い、双引して殿に昇る。前行の楽工は左右に分かれ、登歌者及び舞童舞女を引いて、順に殿門外の露階上に昇る。登歌の曲はそれぞれ名があり、音は本月の律に中る。事前に、儀鳳司が譜を運び、翰林院が辞を撰して習練する。丞相は宇下の褥位に至って立ち、侍儀使は左右に分かれて北に向かって立つ。前行の色曲が半ばになろうとするのを待ち、舞旋が列定し、通贊が唱えて「分班」と言い、楽が奏される。侍儀使が丞相を引いて南東門より入り、宣徽使が奉随して御榻の前に至る。丞相は跪き、宣徽使は東南に立ち、曲が終わる。丞相が祝賛して言う、「溥天率土、天地の洪福を祈り、同じく上皇帝・皇后の億万歳の寿を上る。」宣徽使が答えて言う、「祝の如し。」丞相は俯伏して起ち、退いて進酒の位に詣る。尚醞官が觴を丞相に授け、丞相は笏を搢えて觴を捧げ、北面に立ち、宣徽使は復位する。前行の色が降り、舞旋は露階上に至る。教坊が楽を奏し、楽舞が第四拍に至ると、丞相が酒を進め、皇帝が觴を挙げる。宣贊が唱えて「殿上下侍立臣僚皆再拝」と言い、通贊が賛して「鞠躬」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平身」と言う。丞相が三度酒を進め終わり、觴を尚醞官に授け、笏を出し、侍儀使が双引して南東門より出て、復位し、楽が止む。至元七年の進酒儀:班首が殿前の褥位に至って立ち、前行が曲を進め、尚醞官が空杯を執り、正門より出て、班首に授ける。班首は笏を搢えて空杯を執り、正門より入り、御榻の前に至って跪く。曲の終わるを待ち、杯を尚醞官に授け、笏を出して祝賛する。宣徽使が「諾」と言い、班首は俯伏して起つ。班首・宣徽使は南東門より出て、それぞれ復位する。班首以下は舞蹈山呼して五拝し、百官は分班し、教坊が楽を奏し、尚醞官が酒を進め、殿上下侍立の臣僚は皆再拝する。三度酒を進め終わり、班首は降りて丹墀に至る。至元十八年十二月二十八日に今の儀に改める。

通贊が賛して「合班」と言う。礼部官が進奏表章・礼物の二案を押して横階の下に至り、宣礼物舍人が進み出て礼物の目を読み、第二重の階に至る。進読表章官等(翰林国史院の属官一人)が宇下に斉しく跪くのを待つ。宣表目舍人が先に中外百司の表目を読み、翰林院官が中書省の表を読み終わり、皆俯伏して起ち、退き、第一重の階の下に降りて立つ。進読礼物舍人が階を昇り、宇下に至り、跪いて礼物の目を読み終わり、俯伏して起ち、退く。ともに降りて横階に至り、表章に随って西に行き、右楼の下に至り、侍儀がなおこれを領し、礼物は東に行き左楼の下に至り、太府がこれを受ける。宣贊が唱えて「拝」と言い、通贊が賛して「鞠躬」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平身」と言い、「搢笏」と言い、「鞠躬」と言い、「三舞蹈」と言い、「跪左膝、三叩頭」と言い、「山呼」と言い、「山呼」と言い、「再山呼」と言い、「出笏」と言い、「就拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「拝」と言い、「興」と言い、「平立」と言う。僧・道・耆老・外国蕃客が順に賀する。

礼が終わり、諸王宗親・駙馬・大臣を大会し、殿上で宴饗し、侍儀使が丞相等を引いて殿に昇らせ侍宴する。凡そ大宴では、馬は一を過ぎず、羊は多くとも必ず獣人の献ずる鮮及び脯鱐をもって、その数の半を折る。予宴の服は、衣服同じ制、これを質孫という。宴饗の楽節は、宴楽篇に見える。四品以上は、殿上で酒を賜う。典引が五品以下を引いて、日精・月華二門の下で酒を賜う。宴が終わり、鞭を三度鳴らす。侍儀使が駕を導き、引進使が后を導き、寝殿に還る、来たる儀の如し。

天寿聖節の受朝儀は元正の儀の如し。

郊廟の礼が成り賀を受ける儀は、元正の儀の如し。

皇帝即位して朝を受ける儀

前もって三日、万安寺にて儀を習う。前二日、殿庭に陳設す。前一日、闕前に宣詔の位を設く。期日に至り大昕、侍儀使が導従護尉を引き、各その服を服し、皇太子の寝閤前に至り、牙牌を捧げて跪き外辦を報ず。内侍が旨を伝えて曰く「可」、侍儀使は俛伏して興る。皇太子閤を出で、侍儀使が前導し、崇天門より入り、大明殿に昇る。引進使が導従を引き、皇太子妃の閤前に至り、跪きて外辦を報ず。内侍出でて旨を伝えて曰く「可」、引進使は俛伏して興り、前導して鳳儀門より入る。諸王が国礼をもって皇帝を扶けて宝位に登ることを畢えるを俟ち、鞭を三たび鳴らす。命引が点検以下を引き、皆公服し、入りて起居の位に就く。起居の賛拝は、元正朝儀の如し。両班の点検・宣徽将軍・宿直・尚厩・管旗、各恭しく事に従う。后妃・諸王・駙馬が次第に賀献の礼を畢えるを俟ち、参議中書省事四人、篚をもって詔書を奉じ、殿の左門より入り、御榻前に至る。参議中書省事が跪きて詔文を奏し、俛伏して興り、詔を典瑞使に授けて宝を押し畢え、篚に置き、対挙して正門より出で、楽作し、闕前に至り、詔を案上に置く。文武百僚各公服して位に就き北向して立つ。侍儀使が制有りと称し、宣賛が唱えて曰く「拝」、通賛が賛して曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」、曰く「班首稍前」、典引が班首を引いて香案前に至らしむ。通賛が賛して曰く「跪」、曰く「在位官皆跪」、司香が賛して曰く「笏を搢げ」、通賛が賛して曰く「上香」、曰く「上香」、曰く「三上香」、曰く「笏を出せ」、曰く「拝に就け」、曰く「興」、曰く「位に復せ」、宣賛が唱えて曰く「拝」、通賛が賛して曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。侍儀使が詔を左司郎中に授け、郎中が跪きて受け、訳史とともに稍西に、木榻に昇り、東向して宣読す。通賛が賛して曰く「在位官皆跪」。詔を読み、先ず国語をもって宣読し、随いて漢語をもってこれを訳す。読み畢え、榻を降り、詔を侍儀使に授け、侍儀使が案上に置く。通賛が賛して曰く「拝に就け」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「笏を搢げ」、曰く「鞠躬」、曰く「三たび舞蹈」、曰く「左膝を跪き、三たび叩頭」、曰く「山呼」、曰く「山呼」、曰く「再び山呼」、曰く「笏を出せ」、曰く「拝に就け」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平立」。典引が丞相以下を引き、皆公服して起居の位に入らしむ。起居・拝舞・祝頌・進酒・献表・賜宴は、並びに元正朝を受ける儀に同じ。宴畢え、鞭を三たび鳴らす。侍儀使が駕を導き、引進使が后を導き、寝殿に入る、来たる儀の如し。次日、詔を以て頒行す。

群臣が皇帝に尊号を上る礼成りて朝賀を受ける儀

前もって二日、儀鸞司が大明門外に大次を設け、また進冊案を殿内御座前の西に、進宝案をその東に設け、受冊案を御座上の西に、受宝案をその東に設く。侍儀司が冊案を香案の南に、宝案をまたその南に設く。礼儀使の位を前にし、冊使・冊副の位を廷中に、北面す。引冊・奉冊・挙冊・読冊・捧冊の官の位を右に、引宝・奉宝・挙宝・読宝・捧宝の官の位を左に、北を上とす。百官が金玉府より冊宝を迎え、中書省に奉安す、常儀の如し。

前もって一日、右丞相が公卿を率い朝服し、儀衛音楽を従え、冊宝二案を導き出で中書より、闕前に至り、控鶴が案を奠め、方輿は中道にす。冊使等が奉随して大次内に入り、方輿が案を奠む。侍儀使が冊使以下を引き、左門より以て出で、百官は趨退す。

期日に至り大昕、右丞相以下百官、各公服して闕廷に集い、儀仗護尉は位に就く。侍儀使・礼儀使が導従を引き駕を導き皇帝を大明殿に昇らしめ、引進使が導従を引き后を導き殿に昇らしむ。尚引が殿前班を引き起居の位に入らしめ、起居山呼拝舞畢え、宣賛が唱えて曰く「各恭事」。皇太子・諸王・后妃・公主が次第に殿に昇り、鞭を三たび鳴らす。侍儀使・引冊・引宝が冊宝を導き正門より入り、楽作す。奉冊使・右丞相が冊官を率い右門より入り、奉宝使・御史大夫が宝官を率い左門より入り、殿下に至り、冊案を香案の南に置き、宝案をまたその南に奠め、楽止む。侍儀使が冊使以下を引き起居の位に就かしめ、典引が群臣を引き位に就かしむ。通班舍人が唱えて曰く「文武百僚具官臣某以下起居」、典引が賛して曰く「鞠躬」、曰く「平身」、引きて丹墀の拝位に至らしむ。宣賛が唱えて曰く「拝」、通賛が拝・舞蹈・山呼を賛す、常儀の如し。

畢り、承奉班都知が唱えて曰く「奉冊使以下進みて冊宝を上る」。侍儀司が冊使以下を引き進み位に就かしむ。楽作す。掌儀が賛して曰く「奉冊宝官稍前、笏を搢げ、冊宝を捧げよ」。侍儀使が前導し、中道より正階を昇り、宇下に立つ。奉冊使諸冊官が右階より隮り、奉宝使諸宝官が左階より隮るを畢えるを俟ち、俱に左門より入り、冊宝を奉じて御榻褥位前に至り、冊は西、宝は東。楽止む。掌儀が賛して曰く「捧冊宝官稍前、冊宝を以て跪き案上に置け」、曰く「笏を出せ」、曰く「拝に就け」、曰く「興」、曰く「平身」、曰く「位に復せ」、曰く「奉冊使以下皆跪け」、曰く「挙冊官興り、俱に案前に至り跪け」、曰く「笏を搢げ、匣より冊を取り、盤に置き、対挙せよ」、曰く「読冊官興り、俱に案前に至り跪け」、曰く「冊を読め」。読冊官が臣某謹んで冊を読むと称す。読み畢え、挙冊官が冊を匣に納め、興り、以て典瑞使に授け、笏を出し、冊案の西南に立ち、典瑞使が受冊案上に置く。掌儀が賛して曰く「挙宝官興り、俱に案前に至り跪け」、曰く「笏を搢げ、盝より宝を取り、対挙せよ」、曰く「読宝官興り、俱に案前に至り跪け」、曰く「宝を読め」。読宝官が臣某謹んで宝を読むと称す。

読み終えると、挙宝官は宝を盝に納め、起立して典瑞使に授け、笏を出し、宝案の東南に立つ。典瑞使は受宝案に置く。掌儀が「奉冊使以下皆就いて拝せよ」と唱え、「興(起て)」、「平身(身を起こせ)」と言う。参議中書省事四人が篚に詔書を奉じて、殿の左門より入り、御榻の前に至り、跪いて詔文を読み、常の儀式の如く、典瑞使に授けて押宝を終え、篚に置き、対挙して正門より出て、丹墀の北に至り、詔案に置く。冊使以下は南東門より出て、位に就き詔を聴く、儀式の如し。儀鸞使四人が冊宝案を舁いて進め、左門より出る。侍儀使が班首を導き左階より登り、前行の色楽が奏され、宇下に至ると楽が止み、舞旋して露階に至り立つ。班首が殿に入ると、宣徽使が随い奉じ、班首が跪くと、宣徽使は西北に向かって立つ。班首が詞を致して言う、「冊宝の礼畢りぬ。願わくは上皇帝・皇后に万万歳の寿を上らん。」宣徽使が応えて言う、「祝の如し。」楽が奏される。通贊が「分班(班を分て)」と唱える。進酒が終わると、班首は南東門より出て、階を降り、位に復する。楽が止む。通贊が「合班(班を合せよ)」と唱える。進表章・礼物の礼を奏し、拝を賛し、舞蹈し、山呼し、錫宴するは、並びに元正の儀式の如し。

冊立皇后の儀式

前二日、儀鸞司が大明殿の御座前稍西に発冊宝案を設け、発宝案を稍東に設ける。掌謁が皇后殿の前に香案を設け、殿内の座榻前稍西に冊案を、稍東に宝案を設け、座榻上稍西に受冊案を、稍東に受宝案を設ける。侍儀司が板位を設け、冊使副は廷中に位し、北面し、冊官は右に、宝官は左に位し、礼儀使は冊案の前に、主節は太尉の左に位す。皇后殿の廷もまた之に如し。

期日に大昕(夜明け)に至ると、引贊が太尉以下を闕廷に敍し、各々公服を着る。侍儀使・礼儀使が冊使を導き、引冊・奉冊・挙冊・読冊・捧冊の官を率い、月華門より入る。侍儀使・礼儀使が冊副を導き、引宝・奉宝・挙宝・読宝・捧宝の官を率い、日精門より入る。露階の下に至り、板位に依って立つ。侍儀使が牙牌を捧げて寢殿の前に入り、跪いて外辦を報ずる。内侍が入って奏し、出て制を伝えて「可」と言う。侍儀使が俛伏して興(起)つ。皇帝が閤を出て輦に昇り、鞭を三たび鳴らす。侍儀使が導従を引導し、皇帝を大明殿に導き入れ、御座に昇る。鞭を三たび鳴らす。

司晨が時を報じて鶏唱が終わると、尚引が殿前班を起居位に引き入れ、起居・拝賛・舞蹈・山呼を儀式の如く行う。宣贊が「各々恭しく事に当たれ」と唱える。引贊が冊使以下を引き入れ位に就かせ、掌儀舍人が承奉班都知・侍儀使・礼儀使・主節・捧冊・捧宝の官を導き、左階より昇り、南東門より入り、御座の前に至り、左右に分かれて相向かって立つ。掌儀が「礼儀使稍前へ跪け」と賛し、「太尉以下皆跪け」と言う。礼儀使が跪いて皇后冊宝を進発することを請う。掌儀が「就いて拝せよ」と賛し、「興て」、「平身せよ」、「太尉以下皆興て」、「復位せよ」と言う。掌儀が「内謁者稍前へ」と賛し、「笏をせ」、「冊宝を捧げて跪き進み皇帝に奉れ」、「冊宝を捧冊宝官に授けよ」と言う。捧冊宝官が跪いて受け、興つ。掌儀が「主節官笏を搢げて節を持て」と賛し、礼儀使が節を引き導き冊宝を正門より出し、露階に至り、南向きに立つ。礼儀使が制有りと称し、承奉班都知が「太尉以下皆再拝せよ」と唱え、通贊が「鞠躬(身をかがめよ)」、「拝せよ」、「興て」、「拝せよ」、「興て」、「平身せよ」と言う。礼儀使が制を宣して「太尉某等に命じて節を持たせ皇后に冊宝を授けしむ」と言う。通贊が「鞠躬」、「拝せよ」、「興て」、「拝せよ」、「興て」、「平身せよ」と賛す。露階の下に降り、次第に位に就く。掌儀が「冊宝を案に置け」と唱え、「笏を出せ」、「復位せよ」と言う。方輿が舁いて行く、楽が奏される。侍儀使・礼儀使が太尉及び冊宝の官を導き、奉随して皇后宮庭に至り案に奠め、楽が止む。掌儀が「捧冊宝官稍前へ、笏を搢げよ」と唱える。捧冊宝使・太尉以下が奉随して正階より登り、案の前に至る。掌儀が「冊宝を案に置け」と賛し、「笏を出せ」、「復位せよ」と言う。侍儀使が稍前へ進み跪いて外辦を報じ、内侍が入って啓し、出て旨を伝えて「可」と言う。侍儀使が俛伏して興つ。

皇后が閤を出て、褥位に詣る。太尉が制を称して「臣某等を遣わし、恭しく皇后に冊宝を授けしむ」と言う。内侍が礼を賛して「跪け」と言い、掌儀が「太尉以下皆跪け」と賛す。内侍が皇后に賛して「香を上げよ」、「香を上げよ」、「三たび香を上げよ」、「拝せよ」、「興て」、「拝せよ」、「興て」と言う。掌儀が「太尉以下皆興て」と賛す。皇后が殿に昇り、座榻の前に立つ。承奉班都知が「太尉以下冊宝を進めよ」と唱え、掌儀が「捧冊宝官稍前へ、笏を搢げよ」と唱える。捧冊宝が正門より殿内に入る。掌儀が「冊宝を跪きて案に置け」と賛し、「捧冊宝官笏を出し、興ち、復位せよ」、「太尉以下皆跪け」、「挙冊官興ち、案の前に至り跪け」、「笏を搢げ、匣より冊を取り、盤に置き、対挙せよ」、「読冊官興ち、案の前に至り跪け」、「冊を読め」と言う。読冊官が臣某謹んで冊を読むと称し、読み終えると、冊を匣に納める。掌儀が「笏を出せ、挙宝官興ち、案の前に至り跪け、笏を搢げ、盝より宝を取り、対挙せよ」、「読宝官興ち、案の前に至り跪け」、「宝を読め」と賛す。読宝官が臣某謹んで宝を読むと称し、読み終えると、宝を盝に納める。掌儀が「笏を出せ」、「太尉以下皆就いて拝せよ」、「興て」、「平身せよ」と賛す。捧冊宝官が冊宝を太尉に授け、太尉が掌謁に授け、掌謁が冊宝を受冊宝案に置く。掌儀が「太尉以下跪け」と唱え、「衆官皆跪け」と言う。太尉が祝辞を致して言う、「冊宝の礼畢りぬ。伏して願わくは皇后、天と算を同じくせん。」司徒しとが応えて「祝の如し」と言う。就いて拝し、興ち、平身する。太尉が酒を進め、楽が奏される。皇后が飲み終えると、楽が止む。礼儀使が節を引き導き主節を正門より出さしむ。侍儀使が太尉以下を導き、左門より階下に至り、北面して立つ。承奉班都知が「太尉以下皆再拝せよ」と唱え、通贊が「鞠躬」、「拝せよ」、「興て」、「拝せよ」、「興て」、「平立せよ」と言う。侍儀使が太尉以下を導き還って皇帝の御座の前に詣らせ、跪いて奏して言う、「制を奉じて皇后に冊宝を授け、謹んで礼畢る。」就いて拝し、興ち、左門より出て、降りて旁折位に詣る。

侍儀使が先導し、従者を引き連れて皇后を大明殿前に導き謝恩させ、掌謁が唱えて曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」。侍儀使は分かれて退き、掌謁が皇后を導いて御座に昇らせる。典引が丞相以下を起居の位置に引き入れ、起居の礼を唱え拝礼は儀式の通り。侍儀使が右丞相の前に進み進酒を請い、両名で導いて殿上に昇り、宇下の褥位に立つ。侍儀使は左右に分かれて北向きに立ち、前行の色曲が半ばに及ぶのを待ち、舞旋が列を定めると、通贊が唱えて曰く「分班」。楽が奏される。侍儀使が右丞相を南東門から導き入れ、宣徽使が随従して御榻の前に至る。右丞相は跪き、宣徽使は東南に立つ。曲が終わる。右丞相が祝辞を唱えて曰く「冊宝の礼が終わり、臣ら慶びに堪えず、同じく皇帝・皇后の万々歳の寿を上る」。宣徽使が応えて曰く「祝の如し」。右丞相はうつぶして起き上がり、退いて進酒の位置に至る。進酒、進表章の礼物、拝礼の唱和、僧道の賀献、殿上の大宴は、いずれも元正の儀式の通り。宴が終わると、鞭を三度鳴らす。侍儀使が駕を導き、引進使が后を導き、寝殿に還る。来た時の儀式の通り。

皇太子冊立の儀式

期日の三日前、右丞相が百官を率いて金玉局の冊宝案の前に至り、舍人が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。曰く「班首稍前」、曰く「跪」、曰く「在位官皆跪」、曰く「搢笏」、曰く「上香」、曰く「上香」、曰く「三上香」、曰く「出笏」、曰く「就拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。侍儀使・舍人が分かれて群臣を導き、儀衛・音楽が先導して中書省に至り、正位に安置する。

期日の二日前、儀鸞司が発冊案を大明殿の御座の西に、発宝案を東に設ける。典宝官が香案を太子殿前の階上に設け、冊案を西に、宝案を東に設ける。また受冊案を殿内の座榻の西に、受宝案を東に設ける。侍儀司が板位を設け、太尉・冊使副は大明殿廷に位置し、太尉の位は中央、冊官は右、宝官は左、礼儀使は前、主節官は太尉の左とする。太子殿廷も同様、楽位の布置も同様。右丞相が百官を率いて朝服を着し、中書省の冊宝案前に至り、序列を定めて立つ。舍人が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。曰く「班首稍前」、曰く「跪」、曰く「搢笏」、曰く「在位官皆跪」、曰く「上香」、曰く「上香」、曰く「三上香」、曰く「出笏」、曰く「就拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平立」。舍人が分かれて群臣を導き、儀衛が先導し従い、音楽・傘・扇が先導して闕前まで至る。控鶴が案を安置し、方輿官がこれを担ぎ、中道より崇天門に入り、冊使以下が奉随して露階下に至る。方輿官が冊案を西に、宝案を東に置き、分かれて退き両廡に立つ。冊使副は北面し、引冊官・挙冊官・読冊官・捧冊官は冊案の西に位置し東向き。引宝官・挙宝官・読宝官・捧宝官は宝案の東に位置し西向き。掌儀舍人が唱えて曰く「捧冊官稍前」、曰く「搢笏」、曰く「捧冊」。また唱えて曰く「捧宝官稍前」、曰く「搢笏」、曰く「捧宝」。侍儀使・引進使・引冊官・引宝官が前導し、捧冊宝官がこれに次ぎ、冊使副以下が奉随して大明殿の午階を昇り、正門より入り、進発冊宝案の前に至る。冊使副は北面して立ち、引冊官・引宝官・挙冊官・挙宝官以下は、左右に分かれて冊宝案を挟んで立つ。掌儀が唱えて曰く「冊宝を以て案に置く」、曰く「出笏」、曰く「復位」。侍儀使が奉冊使以下を左門より導き出し、百官は急ぎ退く。

期日が到来し大昕(明け方)に、引贊が冊使以下を導き、皆公服を着し、闕廷に序列を定めて位置する。侍儀使が導き従って皇帝を閤より出し、鞭を三度鳴らし、大明殿に昇り、御座に登る。尚引が殿前班を起居の位置に引き入れ、起居の礼を唱え拝礼は儀式の通り。宣贊が唱えて曰く「各恭事」。引贊が冊使以下を導き入れて就位させ、掌儀舍人が承奉班都知・侍儀使・礼儀使・主節郎・捧冊官・捧宝官を導き、左階より昇り、左門より入り、御座前に至り、左右に分かれて立つ。掌儀が唱えて曰く「礼儀使稍前」、曰く「跪」、曰く「衆官皆跪」。礼儀使が奏して皇太子冊宝の発遣を請う。掌儀が唱えて曰く「就拝」、曰く「興」、曰く「平身」、曰く「衆官皆興」、曰く「復位」。曰く「内謁者稍前」、曰く「搢笏」、曰く「捧冊宝跪進皇帝」、曰く「冊宝を以て捧冊宝官に授く」。捧冊宝官は跪いて受け、起き上がる。掌儀が唱えて曰く「主節郎搢笏持節」。礼儀使が節を導き、冊宝を正門より出し、露階で南向きに立つ。礼儀使が制有りと称し、承奉班都知が唱えて曰く「太尉以下皆再拝」。掌儀が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。礼儀使が制を宣して曰く「上命太尉等に節を持たしめ、皇太子に冊宝を授けしむ」。掌儀が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。礼儀使が節を導き冊宝を降ろし、露階下に至り、順次就位する。掌儀が唱えて曰く「冊宝を以て案に置く」、曰く「出笏」、曰く「復位」。方輿が担いで行き、楽が奏される。侍儀使・礼儀使・主節が前導し、冊使以下が奉随して正門より出る。闕前に至り、方輿が案を安置し、控鶴が担いで行く。皇太子殿廷に至り、控鶴が案を安置し、方輿が担いで行く。入りて露階下に案を安置し、方輿は退き、楽が止む。冊使以下は順次立ち、掌儀が唱えて曰く「捧冊宝官稍前、搢笏、捧冊宝」。侍儀使が節を導き、主節が冊宝を導いて行き、冊使以下は正階より昇り、節は香案の西に立つ。掌儀が唱えて曰く「捧冊宝官跪、冊宝を以て案に置く」、曰く「出笏」、曰く「興」、曰く「就位」。右庶子が跪いて外の準備を報じ、内侍が入り啓し、出て旨を伝えて曰く「可」。右庶子はうつぶして起き上がる。

皇太子が宮門を出て、香案の前に立つ。掌儀が唱えて曰く「皇太子跪ひざまずけ」、曰く「上香(香をあげよ)」、曰く「上香」、曰く「三上香(三たび香をあげよ)」、曰く「拜(拝礼せよ)」、曰く「興(起き上がれ)」、曰く「拜」、曰く「興」。太尉が進み出て詔を称え、臣某等を遣わして謹んで皇太子に冊宝を授けると告げ、元の位置に戻る。掌儀が唱えて曰く「皇太子拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」。皇太子を褥位に進ませ、南に向かって立たせる。曰く「皇太子跪」、曰く「諸執事官皆跪(諸執事官は皆跪け)」。曰く「舉冊官興(冊を捧げる官起き上がれ)、案前に至れ」、曰く「跪」、曰く「讀冊(冊を読め)」。読み終わると、曰く「冊を匣に納めよ」、曰く「笏を出せ」。掌儀が唱えて曰く「舉寶官興(宝を捧げる官起き上がれ)、案前に至れ」、曰く「跪」、曰く「讀寶(宝を読め)」。読み終わると、曰く「宝を盝に納めよ」、曰く「笏を出せ」、曰く「舉冊寶官、讀冊寶官皆興(冊宝を捧げる官、冊宝を読む官は皆起き上がれ)、復位(元の位置に戻れ)」。掌儀が唱えて曰く「太尉進みて冊宝を授けよ」。侍儀使が太尉、司徒を導いて冊宝案の前に至らせ、笏を帯に挿し、冊宝を捧げて跪いて進上する。皇太子が謹んで受け、左右の庶子に授ける。左右の庶子は笏を帯に挿し跪いて受け取る。掌儀が唱えて曰く「皇太子興、冊使以下皆興」。右庶子が冊を捧げ、左庶子が宝を捧げ、皇太子を導いて殿内に入る。右庶子は冊を受冊案に置き、左庶子は宝を受宝案に置く。引節が主節を導いて殿の西北に立たせ、引贊が太尉以下を導いて階を降り元の位置に戻らせ、北に向かって立たせる。承奉班都知が唱えて曰く「太尉以下皆再拜(太尉以下は皆再拝せよ)」。掌儀が唱えて曰く「鞠躬(身をかがめよ)」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「平身(身を起こせ)」。楽が奏される。侍儀使が太尉の前に詣でて進酒を請う。太尉が入って殿内に至り、進酒を終えると、降りて元の位置に戻る。楽が止む。

侍儀使、禮儀使、主節が太尉以下を導いて還り大明殿の御座の前に詣で、跪いて奏上して曰く「制を奉じて皇太子に冊宝を授け、謹んで礼を終えました」。俯伏して起き上がり、降りて位置に詣でる。侍儀使、左右庶子が皇太子を導いて大明殿の御座の前に詣でて謝恩する。右庶子が唱えて曰く「拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」。進酒し、また唱えて曰く「拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」。殿を降り、府に還る。

侍儀使が右丞相の前に詣でて進酒を請う。二人で導いて殿に昇り、宇下の褥位に立つ。侍儀使は左右に分かれ、北に向かって立つ。前行の色曲が半ばになろうとするのを待ち、舞旋が列を定めると、通贊が唱えて曰く「分班(班を分かれ)」。楽が奏される。侍儀使、右丞相が南東門より入り、宣徽使が奉じて随い御榻前に至る。右丞相は跪き、宣徽使は東南に立つ。曲が終わる。右丞相が祝詞を唱えて曰く「皇太子冊宝の礼畢り、臣等慶抃に勝えず、同じく皇帝、皇后の万々歳の寿を上る」。宣徽使が応えて曰く「祝う所の如し」。右丞相は俯伏して起き上がり、退いて進酒の位置に詣でる。進酒、進表章礼物、贊拜は、元正の儀式の如し。御駕が発し、鞭を三たび鳴らす。侍儀使が駕を導いて寢殿に還る。来たる時の儀式の如し。

皇太子が府に還り、殿に昇る。典引が群臣を導き入れて起居の位置に就かせる。通班し、班の西より行き中道に至り、唱えて曰く「具官某以下起居」。典引が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「平身」。進みて拜位に就く。宣贊が唱えて曰く「拜」。通贊が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「平身」。侍儀使が班首の前に詣でて進酒を請う。二人で導き左階より殿宇下の褥位に立つ。侍儀は左右に分かれ、北に向かって立つ。前行の色曲が半ばになろうとするのを待ち、舞旋が列を定めると、通贊が唱えて曰く「分班」。班首が左門より入り、右庶子が随って座前に至る。班首は跪き、右庶子は東南に立つ。曲が終わるのを待ち、班首が祝詞を述べて曰く「冊宝の礼畢り、願わくは殿下の千秋の寿を上らん」。右庶子が応えて曰く「祝う所の如し」。班首は俯伏して起き上がり、退いて進酒の位置に至り、笏を帯に挿し、觴を捧げ、北に向かって立つ。右庶子は退き元の位置に戻る。舞旋が露階に至り、楽舞が第四拍に至るのを待ち、班首が進酒する。宣贊が唱えて曰く「文武百僚皆再拜」。通贊が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「平身」。班首は東門より出て、元の位置に戻る。楽が止む。通贊が唱えて曰く「合班(班を合わせよ)」。中書が箋及び礼物の案を押し進めて横階の下に至らせる。進読箋官は左階より登り、進読礼物官は階下に至る。進読箋官が宇下に至るのを待ち、先ず箋目を読み、次いで箋を読む。読み終わると、俯伏して起き上がり、階下に降りる。進読礼物官が階を昇り、宇下に至り、跪いて礼物の状を読み終わると、俯伏して起き上がり、退く。読箋官と共に横階に至り、箋案に随って西行し右廡の下に至り、礼物案は東行し左廡の下に至り、各々所司に付す。宣贊が唱えて曰く「拜」。通贊が唱えて曰く「鞠躬」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「拜」、曰く「興」、曰く「平立」。右庶子が皇太子を導いて閤に還らせる。

太皇太后に尊号を上り冊宝を進める儀式

前二日、儀鸞司が大明殿の御座の前に冊宝を進発する案を設け、掌謁が太皇太后殿の座榻の前に冊宝を進める案を設け、座榻の上に冊宝を受ける案を設ける。共に冊は西、宝は東とする。侍儀司が廷中に冊使副の位置を設け、北面し、冊官の位は右、宝官の位は左、禮儀使の位は前にし、北を上とする。太皇太后殿の廷もまたこれに同じ。

定刻の大昕(辰の刻)に至ると、群臣は皆公服を着し、闕前(宮門前)に位次を整えて列をなす。侍儀使、禮儀使、引冊使、引冊・奉冊・舉冊・讀冊・捧冊の各官は、月華門より入る。侍儀使、禮儀使、引冊副使、引寶・奉寶・舉寶・讀寶・捧寶の各官は、日精門より入る。露階(階段)の下に至り、定められた板位に立つ。侍儀使が牙牌を捧げて進み、寢殿の前に至り、跪いて外辦(外の準備が整ったこと)を奏上する。内侍が入って奏上し、出て制(命)を伝えて「可」とし、侍儀使は俯伏してから起き上がる。皇帝は閤を出て輦に昇り、鞭を三度鳴らす。大明殿に入り、御座に昇り、鞭を三度鳴らす。司晨が時を報せ、鶏唱(時辰の唱え)が終わると、侍儀使、禮儀使、引冊使以下は東階より昇り、左門より入り、御榻の前に至り、相対して立つ。掌儀が「中厳を奏せよ」と唱え、侍儀使は牙牌を捧げて跪き「中厳」と奏する。また「拝せよ」と唱え、「興(起き上がれ)」、「平身(身を起こせ)」、「復位(元の位置に戻れ)」、「禮儀使、やや前に進み跪け」、「冊使以下皆跪け」と唱える。禮儀使が太皇太后の冊宝を進発することを奏請し、掌儀が「拝せよ」、「興」、「平身」、「復位」、「内謁者、稍前に進め」、「笏を搢て、冊宝を奉じて進上せよ」、「冊使副・捧冊宝官、稍前に進め」、「笏を搢て」、「内謁者、跪いて冊宝を進めよ」と唱える。皇帝が立ち上がり、冊を冊使に授ける。冊使は跪いて受け取り、立ち上がり、捧冊官に授けて笏を出す。宝を冊副使に授ける。冊副使は跪いて受け取り、立ち上がり、捧宝官に授けて笏を出す。侍儀使、禮儀使、引冊・引宝の各官が冊宝を導き、正門より出る。冊使以下は奉じて随い、階下に至る。掌儀が「冊宝を案の上に置け」と唱え、「笏を出し、復位せよ」と唱える。方輿(輿)がき進み、楽が奏される。侍儀使、禮儀使、引冊・引宝の官が前導し、冊使以下が奉じて随い、興聖宮の前に至り、案を置くと、楽が止む。

侍儀使が導従を率いて太皇太后の寢殿の前に至り、跪いて外辦を報ずる。掌謁が入って啓上し、出て旨を伝えて「可」とし、侍儀使は俯伏してから起き上がる。侍儀使、掌謁が前導して太皇太后を殿に昇らせる。太皇太后を導く時、侍儀使は大明殿に入り、跪いて冊宝が興聖宮に至ったことを奏上し、礼を行なうことを請う。駕(皇帝の乗り物)が動き出し、鞭を三度鳴らす。侍儀使が前引して導従を興聖宮に至らせ、御座に昇る。侍儀使が出て、案の所に至り、楽が奏される。方輿が入り、露階の下に至って案を置く。冊使副使は案の前に立ち、冊官は東向き、宝官は西向きとなる。方輿は分かれて退き、両廡に立つ。楽が止む。

尚引が殿前班を引いて起居位に入り、相対して立たせる。起居・拝舞は元正の儀と同じ。礼が終わると、宣贊が「各々恭しく事に当たれ」と唱え、贊引が冊使以下を引いて起居位に退かせる。通班舍人が「某官を摂る具官(あるいは太尉、具官は一定しない)臣某以下、起居」と唱え、引贊が「鞠躬(身をかがめよ)」、「平身」と唱える。丹墀に入り、知班が「班斉(列が整った)」と報じ、宣贊が「拝せよ」と唱え、通贊が「鞠躬」、「拝」、「興」、「拝」、「興」、「平身」と唱え、宣贊が「各々恭しく事に当たれ」と唱える。案の前に進み、定められた位に立つ。宣贊が「太尉以下、冊宝を進上せよ」と唱え、掌儀が「捧冊宝官、稍前に進み、笏を搢て、冊宝を捧げよ」と唱える。侍儀使が引冊宝官を前導させ、冊使が奉じて随い、御榻の前、冊宝案の前に至る。掌儀が「跪け」と唱える(捧冊宝官は跪かない)。「冊宝を案の上に置け」、「捧冊宝官、笏を出して復位せよ」、「太尉以下皆跪け」、「読冊・挙冊宝官、興(立ち上がれ)、共に案の前に至り跪け」と唱える。掌儀が「挙冊官、笏を搢て、匣より冊を取り、盤に置き、むかいあって挙げよ」と唱え、「冊を読め」と唱える。読冊官は「臣某謹んで冊を読む」と称する。読み終わると、挙冊官は冊を匣に納める。掌儀が「笏を出せ」、「挙宝官、笏を搢て、はこより宝を取り、対挙せよ」、「宝を読め」と唱える。読宝官は「臣某謹んで宝を読む」と称する。読み終わると、挙宝官は宝を盝に納める。掌儀が「笏を出せ」、「拝せよ」、「興」、「平身」、「衆官皆興(立ち上がれ)」、「復位」と唱える。「太尉・司徒・奉冊宝官、稍前に進め」、「捧冊宝官、稍前に進め」、「笏を搢て」、「冊宝を捧げて進上せよ」、「皇帝自ら太皇太后に冊宝を授けよ」と唱える。太皇太后は冊宝を内掌謁に授け、内掌謁は案の上に置く。皇帝が立ち上がり、酒を進める。太皇太后が觴を挙げて飲み終わると、皇帝は再び御座に着く。掌儀が「衆官皆復位せよ」と唱える。侍儀使が引冊使以下を分かれて左右より導き、出て就位する。皇帝は皇后及び后妃・公主を率い、丹墀を降り、北面して拝賀し、殿に昇る。皇太子及び諸王が拝賀し、殿に昇る。典引が百官を引いて起居位に入らせ、通班舍人が「文武百僚具官臣某以下、起居」、「鞠躬」、「平身」と唱え、丹墀の拝位に引く。知班が班斉を報じ、宣贊が「拝せよ」と唱え、通贊が「鞠躬」、「拝」、「興」、「拝」、「興」、「平身」と唱える。侍儀使が班首の前に詣でて進酒を請い、両名で引いて殿宇の下の褥位に立たせる。舞旋が列を定めるのを待ち、通贊が「分班(班を分かれ)」と唱え、楽が奏される。侍儀使が班首を南東門より導き入れ、宣徽使が奉じて随い、御榻の前に至る。班首が跪くと、曲が終わる。班首が祝詞を唱えて「冊宝の礼が終わりました。臣等は欣抃(喜び躍る)の念に堪えず、太皇太后・皇帝に億万歳の寿を願い上げます」と称える。宣徽使が「祝の如し」と応える。班首は俯伏してから起き上がり、退いて進酒の位に詣でる。以下は全て元正の儀と同じ。

皇太后に尊号を上り冊宝を進める儀礼は、前の儀礼と同じ。

太皇太后に尊号を加え冊宝を進める儀礼は、前の儀礼と同じ。

冊宝を進発する際の導従。

清道官二人、警蹕二人、共に左右に分かれ、皆摂官(臨時の官)であり、本品の朝服を着る。

雲和楽一部:署令二人、左右に分かれる。次に前行に戯竹二、次に排簫四、次に簫管四、次に板二、次に歌四、共に左右に分かれる。前行に内琵琶二十、次に箏十六、次に箜篌十六、次に𥱧(笙)十六、次に方響八、次に頭管二十八、次に龍笛二十八、これで三十三重となる。一重に四人。次に仗鼓三十、八重となる。次に板八、四重となる。板の内に大鼓二、工(楽人)二人、舁人八人。楽工の服装は全て鹵簿と同じ。法物庫使二人、本品の服を着る。次に朱団扇八、二重となる。次に小雉扇八、次に中雉扇八、次に大雉扇八、左右に分かれ、十二重となる。次に朱団扇八、二重となる。次に大傘二、次に華蓋二、次に紫方傘二、次に紅方傘二、次に曲蓋二、共に左右に分かれる。傘扇を執る者の服装は、全て立仗と同じ。

圍子頭一人、中道。次に圍子八人、左右に分かれる。服装は鹵簿内の者と同じ。

安和楽一部:署令二人、本品の服を着用す。札鼓六、二重と為し、前四後二。次に和鼓一、中道。次に板二、左右に分かれる。次に龍笛四、次に頭管四、並びに二重と為す。次に羌管二、次に笙二、並びに左右に分かれる。次に雲璈一、中道。次に𥱧二、左右に分かれる。楽工の服は鹵簿内と同じ。

傘一、中道。椅は左、踏は右。執る人は、皂巾、大団花緋錦襖、金塗銅束帯、行縢鞋韈。

拱衞使一人、本品の服を着用す。

舍人二人、次に引宝官二人、並びに左右に分かれ、四品の服を着用す。

香案、中道。輿士控鶴八人、服は立仗内の表案輿士と同じ。侍香二人、左右に分かれ、四品の服を着用す。

宝案、中道。輿士控鶴十六人、服は香案輿士と同じ。方輿官三十人、香案・宝案を挟み、左右に分かれて趨る。殿門に至れば、控鶴は退き、方輿官は案を舁いで昇る。唐巾、紫羅窄袖衫、金塗銅束帯、烏靴。

引冊二人、四品の服を着用す。

香案、中道。輿士控鶴八人、服は宝案輿士と同じ。侍香二人、左右に分かれ、四品の服を着用す。

冊案、中道。輿士控鶴十六人、服は宝案輿士と同じ。方輿官三十人、香案・冊案を挟み、左右に分かれて趨る。殿門に至れば、控鶴は退き、方輿官は案を舁いで昇る。巾服は宝案方輿官と同じ。

葆蓋四十人、次に閲仗舍人二人、四品の服を着用す。次に小戟四十人、次に儀鍠四十人、雲和楽の傘扇を挟み、左右に分かれて行き、服は立仗と同じ。

拱衞使二人、本品の朝服を着用す。次に班剣十、次に梧杖十二、次に斧十二、次に鐙杖二十、次に列絲十、皆左右に分かれる。次に水𤮴左、金盆右。次に列絲十、次に立瓜十。次に金杌左、鞭桶右、蒙鞍左、繖手右。次に立瓜十、次に臥瓜三十、並びに葆蓋・小戟・儀鍠を挟み、左右に分かれて行く。服は並びに鹵簿内と同じ。

拱衞外舍人二人、四品の服を着用し、冊を導く諸官を引く。次に従九品以上、次に従七品以上、次に従五品以上、並びに本品の朝服。

金吾折衝二人、牙門旗二、各旗に引執五人。次に青矟四十人、赤矟四十人、黄矟四十人、白矟四十人、紫矟四十人、並びに兜鍪甲靴、各々矟の色に随い、導冊官の外を行く。

冊案後舍人二人、四品の服を着用す。次に太尉右、司徒左。次に礼儀使二人、左右に分かれる。次に挙冊官四人右、挙宝官四人左。次に読冊官二人右、読宝官二人左。次に閤門使四人、左右に分かれ、並びに本品の服。

知班六人、左右に分かれ、服は立仗と同じ、往来して諸官の失儀を視て罰を行ふ。

冊宝摂官

上尊号冊宝の儀において、摂官は総計二百五十六人:奉冊官四人、奉宝官四人、捧冊官二人、捧宝官二人、読冊官二人、読宝官二人、引冊官五人、引宝官五人、典瑞官三人、糾儀官四人、殿中侍御史二人、監察御史四人、閤門使三人、清道官四人、点試儀衛五人、司香四人、備顧問七人、代礼官三十人、拱衛使二人、押仗二人、方輿官百六十人。

皇太后に冊宝を上る儀において、摂官は総計二百五十人:摂太尉一人、摂司徒一人、礼儀使四人、奉冊官二人、奉宝官二人、引冊官二人、引宝官二人、挙冊官二人、挙宝官二人、読冊官二人、読宝官二人、捧冊官二人、捧宝官二人、奏中厳一人、主当内侍十人、閤門使六人、充内臣十三人、糾儀官四人、代礼官四十二人、掌謁四人、司香十二人、折衝都尉二人、拱衛使二人、清道官四人、警蹕官四人、方輿官百二十人。

太皇太后に冊宝を上る摂官は、前と同じ。

皇后に冊宝を授ける儀において、摂官は総計百八十人:摂太尉一人、摂司徒一人、主節官二人、礼儀使四人、奉冊官二人、奉宝官二人、引冊官二人、引宝官二人、挙冊官二人、挙宝官二人、読冊官二人、読宝官二人、内臣職掌十人、宣徽使二人、閤門使四人、代礼官三十七人、侍香二人、清道官四人、折衝都尉二人、警蹕官四人、中宮内臣九人、糾儀官四人、接冊内臣二人、接宝内臣二人、方輿官七十四人。

皇太子に冊を授ける儀において、摂官は総計四十九人:摂太尉一人、奉冊官二人、持節官一人、捧冊官二人、読冊官二人、引冊官二人、摂礼儀使二人、主当内侍六人、副持節官五人、侍従官十一人、代礼官十六人。

尊号を受ける時と同様に摂行して宗廟に告げる儀礼は、太皇太后・皇太后に冊宝を上る時、皇后・皇太子を冊立する時、凡そ国家の大典礼には、皆宗廟に告げる。

前々日に、太廟令が内外を掃除し、翰林国史院学士が祝文を撰述し書写する。前日に、告官らは一日の致斎を行う。その日、告官らは各々紫服を着用し、奉祝版を奉じて進み、御署を請うて済むと、控鶴を差し、紅羅銷金案を用いて担ぎ上げ、黄羅帕で覆い、併せて御香・御酒を奉じ、常儀の如く、祀所の斎宿に迎える。告げる日の明け方前三刻、礼直官が太廟令を導き、その属を率いて廟殿に入り、室を開き、儀式に従って陳設する。礼直官が告官らを導き、各々紫服を着て、順次に入り位に就き、東向きに立って定まる。礼直官が稍々前に進み、唱えて曰く「有司謹んで具え、行事を請う」。賛者が曰く「再拝」、在る者は皆再拝する。礼直官が先ず執事者を各々の位に就かせ、次いで告官を盥洗・爵洗の位に導き、北向きに立たせる。笏を搢し、手をすすぎ、手をぬぐい、爵を洗い、爵を拭い終わり、笏を執り、酒尊所に詣でることを請う。笏を搢し、爵を執り、尊者がおおいを挙げ、良醞令が酒を酌み、爵を奉爵官に授け、笏を執り、太祖室に詣で、再拝する。執事者が香を奉じ、告官は笏を搢して跪き、三たび香をたてまつり、爵を執り三たび酒を祭り、虚爵を奉爵官に授け、笏を執り、俛伏してきる。挙祝官が笏を搢して跪き、祝版を対挙し、読祝官が跪いて祝文を読み終わり、祝を案にささげ、笏を執り、俛伏して興きる。礼直官・賛告官が再拝し終わり、毎室皆上記の儀の如し。告げ終わり、告官以下を導いて降り、復位する。再拝し終わり、望瘞ぼうえいして祝をき、再拝し、半ばえ、告官以下は皆退く。

国史院が先朝実録を進上する儀礼

その日大昕(明け方)、諸司の官は公服を具えて、光天門外に立ち、侍儀使が実録案を導いて入り、監修国史以下が奉随し、光天殿前に至り、分班して立ち、皇帝が御座に昇る。宣賛が唱えて曰く「拝」、通賛が賛して曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。待制四人が実録を奉じ、午階より昇り、監修国史以下が奉随し、御前の香案の南に至り立ち、衆官は降り、復位する。応奉翰林文字が昇り、実録の前まで至り、跪いて表を読み、読み終わり、俛伏して興き、復位する。翰林学士承旨が昇り、御前に至り、分班して立ち、御覧が終わるのを俟ち、降りて復位する。宣賛が唱えて曰く「監修国史以下皆再拝」、通賛が賛して曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」。待制が昇り、実録を取り、午階より降り、案に置き、光天門より出て、音楽儀従が前導し、国史院に還り、堂上に置く。通賛が賛して曰く「鞠躬」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平身」、曰く「搢笏」、曰く「上香」、曰く「上香」、曰く「三上香」、曰く「出笏」、曰く「就拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「拝」、曰く「興」、曰く「平立」。百僚は趨退する。