元史

志第五十三: 刑法四

詐偽

諸主謀偽造符寶、及び財を受けて鑄造する者は、皆死を處す。同情して工匠を轉募し、及び募に應じて字を刻する者は、杖一百七。制敕を偽造する者は、符寶に同じ。諸妄りに制書を增減する者は、死を處す。諸近侍官輒ち上旨を詐傳する者は、杖一百七、名を除き敍せず。諸省府の印信文字を偽造し、但だ制敕を犯する者は死を處す。若し省府の劄付を偽造する者は、杖一百七、再犯すれば遠流に處す。情を知りて首せざる者は、八十七。其の文理訛謬にして行用に堪へざる者は、九十七。若し司縣の印信文字を偽造し、平民を追呼し、財物を勒取する者は、初犯は杖七十七、累犯して悛まざる者は一百七。諸宣慰司の印信契本を偽造し、及び商稅務の青由を以て商賈を欺冒する者は、杖一百七。諸赦前に省印を偽造し、赦後に曾て銷毀せざる者は、杖七十七、官ある者は受けたる宣敕を奪ひ、名を除き敍せず。諸掾屬輒ち省官の押字を造り、省印を盜用し、官職を賣放する者は、赦に會ふと雖も、遠流に處す。諸稅物雜印を偽造し、私に顏色を熬し、稅物貨を偽る者は、杖八十七。告捕して實を得る者は、中統鈔一百貫を徵して賞に充つ。物主情を知る者は、犯人罪一等を減じ、其の匿稅の物は、一半官に沒し、沒官物の中より一半を告人に付して賞に充つ;情を知らざる者は坐せず、物は元の主に給す。其の捕獲人擅自に脫放する者は、犯人罪二等を減じ、財を受くる者は犯人と同罪。諸省部の小史、人の爲に誤りて行移檢扎を毀り、輒ち自ら印信を刻し、署押を偽補し、本罪を蓋はんことを求むる者、他に情弊無きは、杖七十七、元籍に發す。諸僧道諸王の印信及び令旨抄題を偽造する者は、死を處す。諸盤獲偽造印信の人は、強盜を獲るに同じく賞を給す。諸私に曆日を造ることを告獲する者は、銀一百兩を賞す。若し太史院曆日印信無くば、便ち私曆を造るに同じくし、違制を以て論ず。諸財を受けて他人の敕牒を賣り、及び收買轉賣する者は、杖一百七、面を刺し元籍に發し、買ふ者は杖八十七、元籍に發す。諸職官差され、疾を以て輒ち人をして代はり驛傳に乘じて往かしむる者は、杖六十七、代はる者は笞五十七。諸公差、官船に於て從人を夾帶し、分例を冒支する者は、笞一十七、過を記し、支過分例の米は、追徵して官に還す。

諸使臣と詐稱し、驛に給する文字を偽寫し、馬匹舟船を起す者は、杖一百七。有司覺察を失ひ、輒ち印信無き關牒を憑み倒給する者は、判署官は笞三十七、首領官吏は四十七。諸職官上司の言語を詐傳し、擅に驛馬を起す者は、杖六十七。脫脫禾孫擅に驛馬を給するに依隨する者は、笞五十七、並びに職を解き別に敍し、過を記す;驛官は二十七、職に還す。諸按部官と詐稱し、官吏を恐嚇する者は、杖六十七。諸監臨長官の署置差遣と詐稱し、錢物を欺取する者は、杖八十七、錢物は官に沒す。諸奉使の委する官と詐稱し、民訟を聽理する者は、杖九十七。隨行の令史と詐稱する者は、笞五十七。

諸寶鈔を偽造し、首謀起意し、並びに雕板抄紙し、顏料を收買し、字號を書填し、印造を窩藏する者、但だ同情する者は皆死を處し、仍ほ其の家產を沒す。兩隣知りて首せざる者は、杖七十七。坊〔里〕正、主首、社長覺察を失ひ、並びに巡捕軍兵は、各笞四十七。捕盜官及び鎮守巡捕軍官は各三十七、賊徒未だ獲ざるは、強盜に依り限を立てて緝捕す。偽鈔を買ひ使ふ者は、初犯は杖一百七、再犯は徒一年を加へ、三犯は科斷して遠流に處す。諸偽鈔を捕獲するは、銀五錠を賞し、銀を給して鈔を給せず。諸父子同に偽鈔を造る者は、皆死を處す。諸父偽鈔を造り、子聽給使するも、父と同坐せず;子偽鈔を造り、父同造せざるは、子と同坐せず。諸夫寶鈔を偽造するも、妻は坐せず。諸寶鈔を偽造し、印板全からざる者は、杖一百七。諸寶鈔を偽造し、其の家產を沒するも、其の妻子に及ばず。諸赦前に偽鈔を收藏し、赦後に行使する者は、杖一百七。曾て行使せずして首せざる者は、一等を減ず。諸鈔を偽造する罪死に應ずる者は、親老くして兼丁無きと雖も、上請を聽かず。諸偽造寶鈔の人を捕獲するは、身已に故ると雖も、其の應得の賞錢は、仍ほ其の親屬に給す。諸奴婢偽鈔を買ひ使ふも、其の主陳首する者は、理賞の例に在らず。諸寶鈔を挑剜裨輳する者は、首從を分たず、杖一百七、徒一年、再犯すれば遠流に處す。年七十以上の者は、呈禀して定奪し、輒ち贖ふことを聽かず。買ひ使ふ者は一等を減ず。諸偽銀を燒造する者は、徒す。諸偽銀を造賣し、買主情を知らざるは、價錢は主に給し、偽銀は内銷し、真銀を提げて官に沒し、本犯に依り科罪す。諸各倉支發の糧籌を偽造する者は、笞五十七、已に官糧を支出する者は、盜みに準じ係官錢物を科罪す。倉官人等犯有る者は、監主自盜の法に依り、贓重きは重きに從ひて論ず。諸官錢を冒支するは、贓を計り枉法を以て論じ、並びに名を除き敍せず。

諸名を冒して入仕する者は、杖六十七、受けたる命を奪ひ、俸を追ひ元籍に發し、赦に會ひて首せざれば、笞四十七、仍ほ追奪す。諸奴主命を受けて職官に冒充する者は、杖九十七。其の主及び同僚相容隱する者は、八十七。諸子父の官を冒し職任事に居る者は、杖七十七、犯革前に在り、革後に出首せざる者は、笞四十七、並びに受けたる宣敕及び支過の俸祿を追回して官に還す。諸邊臣、輒ち子婿を以て蠻獠を招徠すと詐稱し、土官に保充する者は、名を除き敍せず、授けたる官を拘奪す。諸軍官承襲し、年を偽增する者は、監察御史廉訪司之を糾察し、濫保の官吏は、並びに坐罪す。諸職官妄りに出身履歷を報ずる者は、名を除き敍せず。諸譯史、令史、過有りて敍せず、作闕と詐稱し、別處に補用する者は、笞五十七、役を罷め敍せず。

諸官物を輸納し、輒ち朱鈔を增改する者は、杖六十七、之を罷む。諸有司の長官、輒ち追到の盜贓を以て支使し、却りて虛に給主の文案を立つる者は、赦に會ふと雖も、職を解き、先職二等を降して敍す。承吏は、名を除き敍せず。諸帥府上功の文字、詐りて有功軍人の名數を添ふるは、主謀者は杖八十七、名を除き敍せず、隨從して書寫する者は笞五十七。諸軍功を詐りて舉を受けて入仕する者は、之を罷め、仍ほ受けたる命を奪ふ。諸已に奏する官員選目の姓名を擅に改むる者は、赦に會ふと雖も、名を除き元籍に發す。諸曹吏輒ち公牘に於て年月を改易し、罪責を逭らんと圖る者は、笞五十七、役を罷め別に敍し、過を記す。諸譁強の人、輒ち人の爲に籍面を偽增する者は、杖八十七、紅泥粉壁を以て其の門に過を識す。諸蒙古譯史、詐偽の文字二起以上を辨出し得る者は、一資を減じて陞轉す。

訴訟

罪を告げる者は、必ず年月を明記し、実事を指摘陳述し、疑わしいと称してはならない。誣告した者は罪に相当する反坐に処し、越訴した者は笞五十七とする。所属の官司に過失があり、冤抑があって、たびたび告げても受理せず、あるいは理断が偏屈であり、また応に回避すべき場合には、上司に赴いて陳訴することを許す。訴訟において本件の争い以外に、別に余事を生ずることを禁ずる。本件の争いが終わって、別件を訴えることは聴許する。軍民・風憲官に罪がある者は、それぞれその所属する上司に訴える。民間の雑犯について、有司に赴いて自首することを聴許する。告言において重事が実で軽事が虚の場合は、坐を免れる。軽事が実で重事が虚の場合は、反坐する。中外の有司が、人の家の私書を捜索して、すぐに獄訟を起こすことを禁ずる。もし本件の事由で引用証拠とする必要がある場合は、なお追照を聴許する。事実を捏造し付会して、文飾して人を罪に陥れる者は、審理して弁別する。本件以外の余事は、すべて受理しない。緦麻以上の親族を告げさせ、および奴婢が主人を告げさせることを教唆した者は、それぞれ告げた者の罪一等を減ずる。もし子孫を告げさせることを教唆した者は、それぞれ告げられた罪二等を減ずる。人を教唆して事を告げさせ、虚偽であって応に反坐すべき場合、あるいは実情を得て応に賞すべき場合、いずれも告げた者を首犯とし、教唆した者を従犯とする。老廃・篤疾の者で、事を争訟する必要がある場合は、同居の親属で本末を深く知る者に代行させるのみとする。もし謀反・大逆、子孫の不孝、同居者による侵侮を受けた場合、必ず自ら陳述することを聴許する。致仕・得代の官で、やむを得ず斉民と訟える場合は、その親属・家人に代訴することを許し、所司は侵撓してはならない。婦人がみだりに男子に代わって告辨争訟することを禁ずる。もし果たして寡居であり、および子男があっても他故によって妨げられ、事を争訟する必要がある場合は、禁例に含まれない。子が父を証言し、奴僕が主人を告発し、および妻妾・弟姪が相容隠しないこと、および名分を犯し義を損なう行為で、風化を汚すものは、すべて禁止する。親族が互いに告発することは、自首と同様とする。妻が夫の悪事を告発することは、自首と同等として原免する。およそ夫に罪があっても、悪逆の重事でない場合は、妻は相容隠することができ、みだりにその夫を告発した者は、笞四十七とする。妻がかつて夫に背いて逃亡し、断罪された後、重罪をもってその夫を誣告した者は、罪に相当する反坐に処し、その夫に従って嫁売させる。職官が同僚を言上した者は、ともに解職して別に叙し、過失を記録する。人を告発する者は、下から上へと順を追い、越訴してはならない。府・州・司・県が応に受理すべきであるのに受理せず、受理しても聴断が偏屈であるか、あるいは遷延して決断しない者は、軽重に従って罪罰する。官吏の賄賂・不法を訴える者が、直接憲司に赴くことは、越訴と論じない。陳訴に理があり、路・府・州・県が行わず、省・部・臺・院に訴え、省・部・臺・院が行わない場合、乗輿に経由して訴える。未だ省・部・臺・院に訴えず、いきなり乗輿に経由して訴えた者は、これを罪する。職官が人を誣告して枉法贓とさせた者は、その罪をもってこれを罪し、除名して叙用しない。奴婢がその主人を誣告した者は処死し、本主が免罪を求める場合は、一等を減ずることを聴許する。奴僕が主人の私事を告げ、主人が自首と同様となる場合、奴僕は杖七十七とする。

鬭毆

およそ鬭毆で、手足で人を撃って傷つけた者は、笞二十七、他の物を用いた者は三十七とする。傷つけ、および方寸以上に髪を抜いた者は、四十七とする。もし血が耳目から出、および内損して吐血した者は、一等を加える。歯を折り、耳鼻を毀損し、一目をすがめ、および手足の指を折り、骨を破り、および湯火で人を傷つけた者は、杖六十七とする。二歯・二指以上を折り、および髪をり、刃物で傷つけ、人の肋を折り、人の両目を眇め、人の胎を堕した者は、七十七とする。穢物で人の頭面を汚した者は、罪もまたこれに同じ。人の肢体を折りとし、およびその目をくらくした者は、九十七とする。辜限内に平復した者は、それぞれ二等を減ずる。すなわち二事以上を損ない、および旧患により、篤疾に至らせ、舌を断ち、および人の陰陽を毀敗した者は、一百七とする。およそ毆打・罵詈を訴え、闌入して告げる者がいる場合は受理せず、違反した者はこれを究める。およそ保辜の場合、手足で人を毆傷した者は、限十日とする。他の物で毆傷した者は、二十日とする。刃物および湯火で人を傷つけた者は、三十日とする。肢体を折り跌し、および骨を破った者は、五十日とする。毆傷は必ずしも相須たず、他の条の毆傷および殺傷はこれに準ずる。限内で死者が出た場合は、それぞれ殺人に論ずる。限外におり、および限内にいても、他故で死者が出た場合は、それぞれ本毆傷法による。他故とは、別に余患を増して死んだことをいう。およそ倡女が良人を鬭傷し、辜限外で死者が出た場合は、杖七十七、単衣で刑を受ける。およそ人を毆傷し、辜限外で死者が出た場合は、杖七十七とする。およそ非理をもって妻妾を毆傷した者は、本毆傷に論じて罪し、ともに離縁させる。もし妻が父母の歓心を得ず、非理の毆傷に至った場合は、罪三等を減じ、なお離縁させる。およそ職官が妻を毆って堕胎させた者は、笞三十七、解職し、一年後に先の品階一等を降格し、辺遠の地に一任を注し、妻は離縁させる。およそ非理をもって未成婚の男婦を苦虐した者は、笞四十七、婦は実家に帰し、聘財は追徴しない。およそ舅姑が非理をもって無罪の男婦を陵虐した者は、笞四十七、男婦は実家に帰し、聘財は追徴しない。およそ蒙古人が漢人と争い、漢人を毆った場合、漢人は還報せず、有司に訴えることを許す。およそ蒙古人が他人の奴僕を斫傷し、罪を知って休和を願う場合は、これを聴許する。およそ他の物で人を傷つけ、廃疾に致した者は、杖七十七、なお中統鈔十錠を追徴し、被傷人に付して養済の資に充てる。およそ鬭毆により、人を斫傷して廃疾に致した者は、杖八十七、中統鈔十錠を徴収し、被傷人に付して養済の資に充てる。父のために還毆して傷つけた場合は、その鈔の半額を徴収する。およそ豪横がみだりに平人を盗賊と誣告し、その夫婦男女を捕らえ、私家で拷訊監禁し、非理に陵虐した者は、杖一百七、遠流とする。被害者が残廃に致された場合は、人ごとに中統鈔二十錠を徴収し、養贍の資に充てる。およそ職官がみだりに義男を去勢し、閹官として進納した者は、杖一百七、除名して叙用せず、過失を記録し、義男は実家に帰す。およそ微故をもって義男の肢体を残傷し廃疾に致した者は、凡人より折跌肢体一等を加えて論じ、義男は実家に帰し、なお中統鈔五百貫を徴収し、養贍の資に充てる。およそ尊長がみだりに微罪をもって弟姪の両目を刺傷した者は、常人と同罪、杖一百七、贍養鈔二十錠を追徴して苦主に給し、流刑を免れ、門に過失を記す。無罪の場合は、なお流刑とする。およそ弟がその兄の仇を聴き、同謀してその兄の眼を剜った場合は、すなわち弟を首犯とし、各々杖一百七、遠流とし、弟はより遠くに流す。およそ卑幼が仇を挟み、みだりに尊長の両目を刺傷して廃疾に致した者は、杖一百七、遠流とする。およそ刃物をもって人の両目を刺し破って篤疾に致した者は、杖一百七、遠流とし、なお中統鈔二十錠を徴収し、養贍の資に充てる。主使した者もまたこれに同じ。およそ仇を挟んで人の目を傷つけた者で、もし一目が元々損なわれており、さらにその一目を傷つけた場合は、両目を傷つけたのと同様に論じ、赦令に会ってもなお流刑とする。およそ争いにより誤って人の一目を瞎くした者は、杖七十七、中統鈔五十両を徴収し、医薬の資に充てる。

諸々の脱脱禾孫が往復の使臣を殴打して傷つけた者は、笞四十七に処し、解職して過失を記録する。諸々の職官が他の物で使臣を殴打して傷つけた者は、杖六十七に処する。諸々の司の属官が本管の上司たる幕官を殴打した者は、笞四十七に処し、解職して過失を記録する。諸々の方鎮の僚属が他の物で主帥を殴打して傷つけた者は、杖六十七に処し、幕官が酒に酔って長官を罵った者は、笞四十七に処し、ともに解職して別途任用し、過失を記録する。諸々の按部官が争論により、有司の官を殴打し、有司の官が殴り返した者は、各々笞三十七に処し、解職する。諸々の監臨官が恨みを抱き、当庁で属官を引きずり殴り、属官がこれを殴打した者は、笞四十七に処し、解職する。諸々の方面大臣が正をもって下を率いることができず、幕属と公堂で争闘した者は、赦令に会っても、ともに罷免して過失を記録し、赦令以前に自白が無い者は職に還す。諸々の職官が監臨する者を殴打して傷つけた者は、殴打して傷つけた法により罪を論じ、過失を記録する。諸々の職官が同署の長官を殴打して傷つけた者は、笞五十七に処し、現任を解き、先の品階一等を降格して任用し、なお過失名を記録する。諸々の有司長官が同位の正官を殴打した者は、笞三十七に処し、佐貳官を殴打した者は、二十七に処し、ともに解職して過失を記録する。諸々の同僚が改除された後、再び私憤をもって互いに殴打し罵った者は、皆その受けた新命を罷免する。諸々の閑職にある職官が、本籍の在任長官を殴打し罵った者は、杖六十七に処する。諸々の職官が互いに殴打した場合、その官等により、傷つけた軽重に従って罪を論ずる。諸々の軍官が酒を恣にし、戯れにより怒り、故意に有司の官を殴打して傷つけた者は、笞三十七に処し、過失を記録する。諸々の幕僚が公事により、悪言をもって長官を罵った者は、笞四十七に処し、長官が殴り返した者は、笞一十七に処し、ともに過失名を記録する。諸々の職官が酔って乗じ、街中で平民を殴打して傷つけた者は、笞四十七に処し、過失を記録する。諸々の職官が閑居し庶民と互いに殴打した場合、職官は一等を減じ、贖罪を許す。諸々の者が他の物で職官を殴打して傷つけた者は、一等を加え、笞五十七に処する。諸々の小民が年老いを恃み、所属の官長を殴打し罵った者は、杖六十七に処し、贖罪を許さない。諸々の悪少無頼が禁近の人を殴打して傷つけた者は、杖七十七に処する。

殺傷

諸々の人を殺した者は死罪とし、なおその家属から焼埋銀五十両を徴収して苦主に給し、銀が無い者は中統鈔十錠を徴収する。赦令により罪を免ぜられた者はこれを倍にする。諸々の部民が官長を殴打して死に至らしめた場合、主謀者及び下手者は皆処死し、ともに殴打して傷つけ致命傷でない者は、杖一百七に処し、遠流にし、均しく焼埋銀を徴収する。諸々の人を殺し、自殺して死ななかった者は、なお処死する。諸々の人を殺し、これに加功したが、故殺の情が無い者は、赦令に会ってもなお釈放する。諸々の闘殴殺人で、先に誤り後に故意の場合は、即ち故殺をもって論ずる。諸々の闘殴により、刃をもって人を殺し、及び他の物で人を殴打して死に至らしめた者は、ともに故殺と同様とする。諸々の争いにより、刃で人を傷つけ、幸いに生を得て免れた者は、杖一百七に処する。諸々の刃を持って人を殺そうとし、人が気づいて逃げ、却って怒りを移して解き勧めた者を殺した場合は、故殺と同様とする。諸々の有司が徴科を急ぎ、民が堪えられず、その徴科する者を殺した場合は、なお故殺をもって論ずる。諸々の酔ってその妻を殺そうとして果たせず、怒りを移してその紛争を解いた人を殺した者は、処死する。諸々の娼女を誘って逃がそうとし、従わないでこれを殺した者は、常人を殺したのと同様とする。諸々の闘殴殺人の者は、結案して上報を待つ。諸々の人がその父を殺し、子がこれを殴打して死に至らしめた場合は、罪に問わず、なお父を殺した者の家から焼埋銀五十両を徴収する。諸々の蒙古人が争い及び酔いに乗じて漢人を殴打して死に至らしめた場合は、出征を断罰し、併せて焼埋銀を全額徴収する。諸々の鬨争により、一人が誤って小児を踏み殺し、一人が人を殴打して死に至らしめた場合、殴打した者は結案し、踏んだ者は杖一百七に処し、ともに焼埋銀を徴収する。諸々の人が戯れてその妻をからかい、夫がこれに遇い殴打し、傷つけて死に至らしめた場合は、死罪一等を減じて罪を論じ、なお焼埋銀を徴収する。諸々の応捕殺すべき悪逆の人を殴打して死に至らしめた者は、罪を免じ、焼埋銀を徴収しない。諸々の他の物で人を傷つけ、傷毒が流注して死んだ場合、辜限の外にあっても、なお殺人罪三等を減じてこれに坐する。諸々の争いにより、頭で人に触れ、人とともに倒れ、肘でその心を押し、邂逅して死に至らしめた者は、杖一百七に処し、焼埋銀を全額徴収する。諸々の出使の従人が舘夫を殴打して死に至らしめた場合は、殴打殺人をもって論ずる。諸々の戯言により互いに殴打し、人を傷つけて命を失わせた者は、杖一百七に処する。諸々の父が亡くなり、母が再び他人を夫に納め、即ち義父とする。もしその子を追い出して外に住まわせた場合は、凡人と同様とし、その闘殴殺傷があれば、即ち凡人の闘殴殺傷をもって論ずる。諸々の互いに罪ある人が、相格闘して死に至らしめた場合は、常人を殺したのと同様とする。

諸々の職官が些細な理由で斉民を殴打して死に至らしめた者は、処死する。諸々の職官が贓物を受け取り、民に告発され、告発者を殴打して死に至らしめた者は、故殺をもって論ずる。諸々の軍官が公事により怒りに乗じ、麾下に命じて人を殴打して死に至らしめた者は、杖八十七に処し、解職し、一年後に先の品階一等を降格して任用し、焼埋銀を徴収して苦主に給する。もし赦令に会えば、なお殿降して銀を徴収する。諸々の閫帥が係官の錢糧を侵盗し、吏がその姦を発したことに怒り、人に命じて殴打して死に至らしめた者は、故殺をもって論じ、大赦に会ってもなお追奪して任用せず、焼埋銀を倍額徴収する。諸々の局院官が些細な理由で匠人を殴打して死に至らしめた者は、処死する。

伯父・叔父が理由なく刃物でその子を殺した者は、杖七十七。子が不孝で、父と弟・甥が共謀してこれを死地に置いた場合、父は罪に問わず、弟・甥は杖一百七。女が既に嫁いだ後、娘に過失があると聞き、直ちにその娘を殺した者は、笞五十七、元々受け取った聘財を追還し、夫に別に娶らせる。父に理由があってその子女を殴打し、偶然に致死した者は、罪を免ずる。後夫が前夫の子を殴打して死なせた者は、処死。妻が故意に妾の子を殺した者は、杖九十七、その夫に従って嫁がせ売却させる。男・婦に過失があっても、舅姑が直ちに残虐を加えて致死させた者は、杖一百七。子が不孝で、父がその子を殺し、ついでその婦に及んだ者は、杖七十七、婦の元々の化粧道具類は全てその父母に帰属させる。些細なことでその弟を殺した者は、処死。兄が立継ぎの子を以て、主謀してその嫡弟を殺した者は、主謀者・下手人ともに処死、その田宅・人口・財物は全て死者の妻子に帰し、その子は宗家に帰す。弟が先にその兄を殴打し、兄が還ってその弟を殺した場合は、兄が有罪の弟を殺したのであり、凡人の闘殺として論じない。争いにより、誤って別居の弟を殴打して死なせた者は、杖七十七、焼埋銀の半分を徴収する。争いにより、故意に族弟を殺した者は、常人を殺したのと同様とする。妹が尼となり人と私通し、兄がこれを聞いて諫めたが従わず、反って罵り兄を引っ張り殴ったため、兄がこれを殺した場合は、兄が有罪の妹を殺したのであり、凡人の闘殺として論じない。兄が弟の妻を殴打し、傷により死なせた者は、杖一百七、焼埋銀を徴収する。嫂がその小姑を溺死させた者は、故殺として論ずる。争いにより、族兄弟の子を殴打して死なせた者は、杖一百七;故意に刃物でこれを殺した者は、処死、併せて焼埋銀を徴収する。兄弟の子を殴打して死なせ、その財を図った者は、処死。夫婦共謀してその兄弟の子を殺した者は、皆処死。尊長が誤って卑幼を殴打して致死させた者は、杖七十七、別居の者はなお焼埋銀を徴収する。些細な過失を以て、直ちにその妻を殺した者は、処死。夫婦反目のため、直ちにその妻を毒殺した者は、常人を故意に殺したのと同様とする。妻がその舅姑に悖逆無礼し、その夫がこれを殴打して致死させた者は、杖七十七。夫が臥病し、妻が湯薬を侍らず、またその舅姑を罵り、以てその夫の心を傷つけたため、夫がこれを殴打し、偶然に致死した場合は、罪に問わない。夫が妻を憎み妾を愛し、直ちに妻の微罪を求めてこれを殺した者は、処死。風聞や疑いを以て、故意に定婚の妻を殺した者は、常人を殺したのと同様に論ずる。妻が残酷を以て、その妾を殴打して死なせた者は、杖一百七、衣を脱がせて刑を受ける。舅が実証なき罪を以て、故意にその甥を殺した者は、常人を殺したのと同様に論ずる。争いにより仇を挟み、その婿を殴打して死なせた者は、常人を殺したのと同様とする。

奴婢がその主を殴打・罵詈し、主が奴婢を殴打して傷つけ致死させた者は、罪を免ずる。故意に無罪の奴婢を殺した者は、杖八十七、酔ってこれを殺した者は、一等を減ずる。放良予定の奴婢を殴打して死なせた者は、杖七十七。既に放良した奴婢を謀殺した者は、常人を故意に殺したのと同様とする。良人が闘殴により他人の奴婢を殺した者は、杖一百七、焼埋銀五十両を徴収する。良人が戯れに他人の奴婢を殺した者は、杖七十七、焼埋銀五十両を徴収する。奴婢がその弟を殴打して死なせ、弟も同じ主人の奴婢である場合、主人が死罪を赦免するよう請うことを聴許する。異なる主人の奴婢が互いに犯し死者が出た場合は、常人と同様;同じ主人の奴婢同士が犯し重刑に至る場合は、なお例に依って結案する。地主が佃客を殴打して死なせた者は、杖一百七、焼埋銀五十両を徴収する。

諸人、酔中に誤って他人を仇人と認め、故意に殺害して致命させた者は、誤りであっても故意と同様とする。諸奴隷が本主の命を受け、仇を執って人を殺した者は、死刑を減じて遠流に処す。諸人、仇を挟んで人を殺し、赦令に会した場合、首謀者及び下手人は赦さず、従犯で下手を加えなかった者は死刑を免じ、徒一年とする。諸人、老病を以て人を殺した者は、老病を以て免罪としない。諸人、謀故殺人を犯し年七十以上である者は、共に枷を着けて禁錮し、帰勘して結案する。両家の子が、暮れに奔走して帰還し、途中で相迎えて撞倒し、地に倒れて傷により死亡した場合は、罪に問わず、なお鈔五十両を徴収して苦主に給付する。諸人、十五歳以下の小児が過失により人を殺した者は、罪を免じ、焼埋銀を徴収する。諸人、十五歳以下の小児が争いにより人を毀傷し死亡させた場合は、贖罪を聴許し、焼埋銀を徴収して苦主に給付する。諸人、盲人が人を殴打し、傷により死亡させた場合は、杖一百七に処し、焼埋銀を徴収して苦主に給付する。諸人、風狂の病を患い、人を殴打して傷を負わせ死亡させた者は、罪を免じ、焼埋銀を徴収する。諸人、庸医が鍼薬を以て人を殺した者は、杖一百七に処し、焼埋銀を徴収する。諸人、磚石を投げて隣家の果実を剥ぎ、誤って人を傷つけ死亡させた者は、杖八十七に処し、焼埋銀を徴収する。諸軍士が射を習い、招箭者が謹まず、傷を負わされて死亡した場合は、射者は罪に問わず、なお焼埋銀を徴収する。諸人、過誤により小児を踏み殺した者は、杖七十七に処し、焼埋銀を徴収して苦主に給付する。諸人、昏夜に馬を馳せ、誤って人に触れて死亡させた者は、杖七十七に処し、焼埋銀を徴収する。諸人、車を駆り馬を走らせ、人を傷つけ死亡させた者は、杖七十七に処し、焼埋銀を徴収する。諸人、昏夜に車を行し、人が地にいることを知らず、誤って轢き殺した者は、笞三十七に処し、焼埋銀の半額を徴収して苦主に給付する。諸幼小が自ら戯れ、誤って傷つけ死亡させた場合は、罪に問わない。諸人、戯れにより人命を傷つけ、自ら和を休めんと願う者は聴許する。両人が戯れて物を争い、一人が手を放し、一人が勢いを失って転倒死した場合、手を放した者は罪に問わない。諸人、物を以て小児を戯れ驚かせ、疾を成して死亡させた者は、杖六十七に処し、焼埋銀五十両を追徴する。諸人、戯れを以て人と相逐い、人を転倒させ傷つけ死亡させた者は、その罪は徒刑とし、なお焼埋銀を徴収して苦主に給付する。諸駱駝が牧場におり、人を噛んで死亡させた場合は、牧人を笞一十七に処し、その駱駝を苦主に給付する。諸驛馬が野にあり、人を噛んで死亡させた場合は、その馬を苦主に給付し、馬主は別に買って役に当たらせる。諸奴隷が故意にその子女を殺し、以てその主を誣告した者は、杖一百七に処す。諸人、争いにより、妻の前夫の男女を溺死させ、人に誣頼した者は、故殺を以て論ずる。諸後夫が毒を飲食に置き、前夫の子女に食わせて死亡させた者は、常人を薬殺した者と同罪とする。諸人、無罪の子孫を故意に殺し、以て仇人に誣頼した者は、常人を故意に殺した罪を以て論ずる。諸人、人を殺し苦主がない者は、焼埋銀の徴収を免じ、犯人の財産及び人口をその妻子に付与し、なお民として差役に当たらせる。諸人、有罪の人を殺した者は、焼埋銀の徴収を免ずる。諸人、財を図り謀って故意に人を多く殺した者は、皆陵遅に処して死に至らしめ、各賊の殺した人数を検証し、その家属より均しく焼埋銀を徴収する。諸同居者が相毆って死亡し、及び殺人罪が未だ結正せずして死亡した者は、共に焼埋銀を徴収しない。諸人、人を殺した場合、殺された者の家が他所にあるときは、官が焼埋銀を徴収し本籍に移送し、その家属を得て給付する。諸鬭毆殺人で、焼埋銀を徴収すべきところ、犯人が貧窮して備えることができず、かつその他の親族に徴収すべき人がいない場合は、官が支給する。諸人、人を傷つけ死亡させ、焼埋銀を徴収すべき場合は、銀価中統鈔十錠のみを徴収する。諸人、争いにより、共に人を殴打して死亡させ、赦令に会い焼埋銀を倍徴すべき場合、首謀者で致命させた者は中統鈔十錠を徴収し、従犯は均しく十錠を徴収する。諸人、人を殴打して死亡させ、屍を見ずとも、招証が明白である場合は、なお焼埋銀を徴収する。諸僧道が人を殺した場合、焼埋銀は常住より追徴する。諸人、庸作中に人を殴打して傷つけ死亡させた場合、焼埋銀を徴収するが、庸作の家には及ぼさない。諸奴隷が人を殴打して死亡させ、主家において犯した場合は、本主より焼埋銀を徴収し、主家において犯さなかった場合、焼埋銀を徴収すべきところがないときは、その主より徴収しない。

禁令

諸度量衡が一致しない場合、犯人を笞五十七に処す。司県の正官は、初犯は俸給一月を罰し、再犯は笞二十七に処し、三犯は別に議し、なお過名を記録する。路府州県の達魯花赤長官が提調を失職した場合は、初犯は俸給二十日を罰し、再犯は別に議する。諸奏目及び官府の公文は、共に国字を用い、畏兀字を襲用する者はこれを禁ずる。諸人、詔旨条画を降したのみで、民間で輒ち小本を刻して市に売る者はこれを禁ずる。諸内外の符を佩くべき職官が、輒ち符をその傔従に付して佩服させる者はこれを禁ずる。諸官員が朝会に際し、その朝服を着用し、私的に人臣に致敬した者は罰する。諸随朝の文武百官で、朝賀に至らなかった者は中統鈔十貫を罰し、儀を失した者は中統鈔八貫を罰する。諸宰相の出入に、輒ち敢えて衝犯した者はこれを罪する。

諸々の章服については、蒙古人及び宿衛の士のみ、龍鳳の文様を服することを許さず、その他は全て禁じない。龍とは、五爪二角のものをいう。職官一品・二品は渾金花を服することを許し、三品は金答子を服し、四品・五品は雲袖帯襴を服し、六品・七品は六花を服し、八品・九品は四花を服する。職事散官は一高い方に従う。命婦一品から三品は渾金を服し、四品・五品は金答子を服し、六品以下は銷金及び金紗答子のみを服する。首飾りは、一品から三品は金珠寶玉を用いることを許し、四品・五品は金玉真珠を用い、六品以下は金を用いるが、耳環のみは珠玉を用いる。同籍の者は、親疏を限らず、期親は別籍であっても、また出嫁しても同じである。車輿はともに龍鳳の文様を用いることを得ず、一品から三品は間金粧飾・銀螭頭・繡帯・青幔を用いることを許し、四品・五品は素獅頭・繡帯・青幔を用い、六品から九品は素雲頭・素帯・青幔を用いる。内外の有出身で考満し流内に入るべき現役人員は、服用は九品と同じとする。各投下の令旨・鈞旨を受け、印信のある現任人員も、九品と同じとする。庶人は暗花紵絲・絲綢綾羅・毛毳を服することを許すのみで、赭黄を用いることを許さず、冒笠は金玉で飾ることを得ず、鞾は花様を裁ち置くことを得ない。首飾りは翠花金釵篦を各一事用いることを許すが、耳環のみは金珠碧甸を用いることを許し、その他は全て銀を用いる。車輿は、黒油の齊頭平頂で皂幔とする。

諸色目人は、行営帳を除き、その他は全て庶人と同じとする。職官で致仕した者は現任と同じとし、解降された者は応得の品級に依る。不敍の者は庶人と同じとする。父祖に官があり、既に歿して年深く、除名不敍に犯していない者は、その命婦及び子孫は現任と同じとする。諸楽人工芸人等の服用は庶人と同じとし、凡そ承応の粧扮の物は、上例に拘わらない。皂隸公使人は、綢絹を服することを許すのみとする。倡家の出入りは、皂褙を服するに止め、車馬に乗ることを許さない。応服すべき色等の等級は、上は下を兼ねることができ、下は上を僭ることを得ず、違反した者は、職官は現任を解かれ、期年の後一等を降って敍され、その他の者は笞五十七とし、違禁の物は告げ捉えた人に与えて賞とする。御賜の物は禁限に含まれない。諸官員が黄金で甲を飾ることはこれを禁ず。違反した者は甲匠も同罪とする。諸常人の鞍韂は、虎・兎を画くことはこれを聴し、雲・龍・犀牛を画くことはこれを禁ず。諸段匹で周身に大龍を織造することはこれを禁じ、胸背に小龍を織造することは禁じない。諸市で鞍轡・箭鏃・鞾履及び諸雑帯を造り、金を以て飾ることはこれを禁ず。

諸郡県の達魯花赤及び諸投下が、軍器を擅に造ることはこれを禁ず。諸神廟の儀仗は、土木紙綵を以てこれに代えるに止め、真の兵器を用いることは禁ず。諸都城の小民が、弾弓を造り及びこれを執る者は、杖七十七とし、その家財の半分を没収する。在外の郡県は禁限に含まれない。諸打捕及び捕盗巡馬弓手・巡塩弓手は、弓箭を執ることを許し、その他は全て禁ず。諸漢人が兵器を持つことはこれを禁ず。漢人で軍となる者は禁じない。諸軍器を売る者が、応に執把すべき人に売ることは禁じない。諸民間に鉄尺・鉄骨朵及び含刀鉄拄杖を蔵することを禁ず。

諸私蔵で甲全副ある者は、死に処す。不成副の者は、笞五十七、徒一年。零散の甲片で穿繫し敵を禦ぐに堪えざる者は、笞三十七。鎗若しくは刀若しくは弩を私有して十件ある者は、死に処す。五件以上の者は、杖九十七、徒三年。四件以下の者は、七十七、徒二年。使用に堪えざる者は、笞五十七。弓箭を私有して十副ある者は、死に処す。五副以上の者は、杖九十七、徒三年。四副以下の者は、七十七、徒二年。不成副の者は、笞五十七。凡そ弓一、箭三十をもって一副とする。

諸嶽瀆の祠廟に、敢えて触犯し作践することを禁ず。諸伏羲・媧皇・堯・舜・禹・湯・后土等の廟に、軍馬使臣が敢えて沮壞することを禁ず。諸名山大川の寺観祠廟へいびに前代の名人の遺蹟を、敢えて拆毀することを禁ず。諸寺を観に改め、観を寺に改めることを禁ず。諸祠廟寺観が、御宝聖旨及び諸王の令旨を模勒することを禁ず。

諸子として孝を行い、輒て肝を割き、股を刲き、児を埋むるの属を以て孝とすることを禁ず。諸民間の喪葬で、紙を以て屋室とし、金銀を以て馬とし、雑綵の衣服帷帳を用いることは、悉くこれを禁ず。諸墳墓で甎瓦を以てその上に屋とすることを禁ず。諸家廟の春秋祭祀で、輒て公服を用いて礼を行うことを禁ず。諸民間の祖宗の神主で、皇の字を称することを禁ず。諸小民の房屋で、鵝項銜脊を安置し、鱗爪瓦獣ある者は、笞三十七とし、陶人は二十七とする。諸職官で現任に居り、善政あれども碑を立てることを許さず、既に立てて贓污を犯した者はこれを毀ち、治状なく虚誉を以て碑を立てた者はこれを毀つ。

凡そ毎月の朔望及び二弦の日には、一切の生物を殺すことを禁ずる。凡そ諸郡県は毎年正月・五月に、各々十日間の屠殺を禁ずる。その飢饉の地においては、朔日より始めて三日間の殺生を禁ずる。凡そ毎年十二月より来年正月にかけて、牝羊を殺すことを禁ずる。凡そ宴会においては、たとえ高官であれ、馬を殺して礼とすることは禁ずる。その老病で鞍勒に耐えられないものも、必ず衆人に検分させた後に殺すことを許す。凡そ私的に牛馬を屠殺する者は、杖刑一百、鈔二十五両を徴収し、告発者に与えて賞とする。両隣が知りながら申告しない者は、笞刑二十七。本管の頭目が察知しなかった者は、笞刑五十七。殺害を見て告げず、脅して金品を取る者は、杖刑七十七。もし老病で用をなさない者は、官司の検分を経て、初めて屠殺を許す。既に病死したものは、検分を申し出て皮を剥ぎ、その筋角は直ちに官に納め、皮肉は自用しないならば、必ず税を納めて売らねばならず、違反者は匿税法に同じ。官司が厳しく取り締まらない者は、糾弾する。凡そ官有の馬牛を私的に屠殺する者は、首謀者は杖刑一百七、従犯者は八十七。凡そ私的な馬牛の屠殺を助力する者は、正犯より二等を減じて論罪する。凡そ牛馬驢騾が死んで、筋角を全て官に納めない者は、一副以上で笞刑二十七、五副以上で四十七、十副以上で杖刑六十七、なお犯した物の価を徴収し、告発者に与えて賞とする。

凡そ体膚を傷つけて市中で物乞いをすることを禁ずる。凡そ城郭内外で鈴を付けた鳩を放つことを禁ずる。凡そ諸王・駙馬及び諸権貴豪右が、山場を侵奪し、民の樵採を妨げる者は、これを罪する。凡そ関所の検問が厳しからず、賄賂を受けて故意に通過を許す者は、これを罪する。凡そ江河の渡し場で、潮の時刻が来たことや風濤が起こらんとすることを知りながら、渡し賃を貪り、渡しを遅らせて中流で転覆・溺死させ、人命を害した者は、首謀者は死罪、従犯者は一等を減ずる。

凡そ俗を捨てて出家するに当たり、官司の審査を受けず、すぐに僧道として剃度した者は、その師は笞刑五十七、剃度を受けた者は四十七、原籍に戻す。凡そ白衣善友を名乗り、衆を集めて結社することを禁ずる。凡そ色目の僧尼・女冠が、民家に押し入って強引に托鉢することを禁ずる。凡そ僧道が経文を偽造し、上を犯し衆を惑わす者は、首謀者は斬刑、従犯者は各々軽重により刑を論ずる。凡そ道理に合わない迎賽祈祷を行い、衆を惑わし民を乱すことを禁ずる。凡そ俗人が衆を集めて鐃を鳴らし仏事を行うことを禁ずる。凡そ軍官が財を集め衆を糾合し、儀えいを設け、鑼鼓を鳴らし、神社の迎賽を行い、民の先導となる者は、笞刑五十七、その副は二十七、ともに過失を記録する。凡そ陰陽家の天文図讖など禁ずべき書物を、敢えて私蔵する者はこれを罪する。凡そ陰陽家が図讖を偽造し、釈老の家が私的に経文を撰し、すべて邪説左道をもって民を誣い衆を惑わすことを禁ずる。違反者は重く罪する。寺観にある者は、主守の者に罪が及び、外に居る者は、所在の官司がこれを察する。凡そ禁書について妄りに言う者は、徒刑に処す。凡そ陰陽家の流れが、人に代わって燈を燃やし星を祭り、人心を蠱惑することを禁ずる。凡そ星変や災祥について妄りに言う者は、杖刑一百七。凡そ陰陽法師が、諸王・公主・駙馬の家に入ることを禁ずる。凡そ陰陽相法・書符呪水など、あらゆる異端の術をもって人の聴きを惑わし、仕進を求めることを禁ずる。違反者はこれを罪する。

凡そ匿名文書を作成し、その内容が重い者は死罪、軽い者は流刑に処し、妻子を没官し、捕獲者に与えて賞とする。事主が自ら捕獲した場合は賞を与えない。凡そ匿名文字を作成し、人の私罪を暴き、公事に関わらない者は、杖刑七十七。凡そ匿名文字を人家に投げ込み、脅して金品を取る者は、杖刑八十七、原籍に戻す。凡そ匿名文書を見て、直ちに捕獲できなかった場合は、すぐに焼却すべきであり、すぐに官に報告した者は、犯人より二等を減じて論罪する。すべて匿名文字で、その言うところが官府に及ばず、ただ人の罪を暴こうとする者は、暴かれた罪に従って論ずる。

凡そ民間の子弟が、生業に務めず、城市や坊鎮で詞話を演唱し、雑戯を教習し、衆を集めて淫らな戯れを行うことは、全てこれを禁治する。凡そ禽蛇や傀儡を弄び、藏擫撇鈸・倒花錢・魚鼓を打ち、人を惑わし衆を集め、偽薬を売ることを禁ずる。違反者は重く罪する。凡そ本を棄て末に逐い、角觝の戯れを習い、攻刺の術を学ぶ者は、師弟ともに杖刑七十七。凡そ詞曲を乱製し、譏議とする者は、流刑に処す。

凡そ金品を賭博する者は、杖刑七十七、金品は没官し、官職ある者は現任を罷免し、一年後に雑職内に叙する。賭博場を開く家も、罪はこれに同じ、再犯の場合は徒刑一年を加える。捕らえるべき者が故意に放免した場合は、笞刑四十七、賄賂を受けた者は同罪。官司が平人や以前の同賭人を指摘させた場合は、官吏に罪が及ぶ。飲食を賭ける者は、罪に問わない。凡そ金品を賭博し、同賭の者が自首した場合は、論じない。凡そ賭博が事発し、賭場に追い至り、賭具と贓物の証拠が明白な者は、直ちに本法により科断し、転々と指摘して取り消さない。

凡そ故意に牛馬を放って田禾を食い踏みにさせることを禁ずる。凡そ所在の鎮守する蒙古・漢軍は、各々営所を立てる。理由なく人家に入り、酒食を求め、また頭匹を放って田禾桑果を食い踏みにした場合は、主将に罪が及ぶ。凡そ藩王が都省の文書なく、各所で差発を徴収し、飲食草料を強奪し、民害となることを禁ずる。

凡そ虎豹が害をなす所では、官司は官兵及び打捕人を厳しく督し、多方に捕らえる。その捕らえるべきでない者が、自ら機を設けて捕獲した場合は、皮肉は官に納める必要なく、直ちに賞に充てる。凡そ職官が定例に違反して鷹を放った場合は、当日使用した鞍馬・衣物を追奪して没官する。凡そ各官に割り当てた囲猟の山場は、民の樵採を禁じてはならず、違反者はこれを治める。凡そ五穀が実らず、人民が困窮する時は、諸王・達官で囲猟に出るべき者も、全てこれを禁止する。凡そ田禾が未収穫の時は、囲猟を許さず、迤北の耕作しない地での囲猟は聴許する。凡そ軍人が賄賂を受け、火印を偽造し、管轄する官馬を盗んで人と交換した者は、杖刑九十七、贓物を追徴して没官する。凡そ五穀が実らず、百姓が飢え困窮し、禁地の野獣を捕えて食う場合でも、直ちに袖に入れてはならない。凡そ打捕鷹坊官が、進上すべき御膳用の野物を売り、私的に代金を得た者は、贓物の額により枉法を論じ、除名して再叙しない。凡そ舟車の贅沢、器服の珍奇は、方面大臣が貢賜されなければ、擅りに進上してはならない。

凡そ闌遺の人口が監に到れば、直ちに称する籍貫を移し、主に識認を求める。半年以上主の識認がない者は、戸として配偶させ、官司に付して差役に当たらせる。障害者・老病者は、文引を与えて放遣する。頭匹に主の識認がある者は、既に用いた草料の代価を徴収してから主に返す。主の識認がない者は、その毛色・歯齢を記録して養う。凡そ闌遺の奴婢が私的に配偶し、たとえ子女を生んでも、主の識認があれば各々その主に帰し、本主がない者は官が収容する。凡そ闌遺の鷹犬を隠匿する者は、笞刑三十七、家財の半分を没収する。その闌遺の鷹犬を収拾する者が、これによって民害となる者は、これを罪する。

凡そ宿蔵の物を鋤き獲た場合、他人の地内にあれば、地主と半分ずつ分け、官地内にあれば半分を官に納め、自己の地内にあれば即ち業主と同様とする。古器珍寶の物を得た者は、官に報告して進献し、相応の代価を与える。もし詐偽・隠匿があれば、断罪して追没する。

諸監臨官が民に借金を申し込む者は、取る者も与える者もともに罪に処す。 諸々の金銭穀物の貸借は、年月がどれほど長くとも、元金と一割の利息を超えてはならず、もし勝手に人から余分を取り立て、あるいは証文を書き換え、利息の上に利息を重ね、あるいは人の牛馬財産を占有し、人の子女を奪って奴婢とする者は、罪を重くし、なお余分に取った利息を償わせ、その元金と利息は没収する。 諸々の質入れで、正規の倉庫を設けず、信憑性のある証文を立てず、定例に違反して利息を取る者は、これを禁ずる。

諸関所や城壁外の町の宿屋が、旅人を宿泊させる際、知らない者であれば必ずその所持する官府の発行した通行証を問い、少しでも疑わしい点があれば、宿泊させてはならず、違反した者は罪に処す。 諸官戸や商人の船が、勝手に旗号を掲げ、弓箭や鑼鼓を備え、金主の役所の官職名を掲げて江河を往来する者は、これを禁ずる。 諸々の商売や用事で外出する者は、必ず役所が隣保に問い合わせ、通行証を発行させねばならず、違反した者は取り調べ処罰する。 諸投下およびその他の印鑑を持つ役所は、みだりに通行証を発行してはならない。

諸々の毒薬を、医者でない者が勝手に売買し、人命を傷つけるに至った場合は、買い手も売り手も死刑に処す。人を傷つけなかった者は、それぞれ杖六十七回とし、なお至元鈔一百両を追徴し、告発者に賞与として与える。 医術に通じず、偽薬を調合し、市井で売りさばく者は、これを禁ずる。

諸々の海外派遣使臣および船商が、勝手に中国の生口(奴隷)、宝物、武器、馬匹を外国に与える者は、廉訪司にこれを監察させる。 諸商人が金銀を買い集めて海外に持ち出す者は、これを禁じ、違反した者は罪に処す。 諸海浜の豪民が、勝手に外国商人と交わり貿易し、銅銭を海外に持ち出す者は、杖一百七とする。

諸娼妓の家で生まれた男女は、毎季、遅くとも翌月十日までに、その数を集計して中書省に報告する。まだ生まれていない胎児を堕胎し、あるいは生まれた子の命を勝手に絶つ者は、これを禁ずる。 諸娼妓の家が、勝手に良民を買って娼妓とし、役所が審査せずにみだりに公的証明書を発行し、税務機関が根拠もなく印税を課すことは、すべて厳しく禁じ、違反した者は厳しく処罰する。

雑犯

諸々の争いや論争で、勝手に相手の諱(実名)を口にする者は、罪に処す。 諸職官が公務中に失言し、でたらめを言う者は、笞二十七とする。 諸快意の最中、あるいは酒後、および狂疾にかかって、でたらめを言い、他に情理のない者は、免罪とする。

諸悪少無頼が徒党を組み、善良な者を陵轢し、故意に争いを起こし、互いに罪をでっち上げる者は、木偶と鎖でつなぎ、街路を巡回させ、後から犯した者と交代させた後、処罰を執行する。 諸悪少が白昼、都市の中で刀剣を持ち、本部の官長を殺そうとする者は、杖九十七とする。 諸無頼の軍人が、勝手に財を受け取って人を殴打し、その際に金品を奪い取る者は、杖八十七とし、家の門に赤泥で壁に過失を記録し、徒刑は免除する。 諸以前に過犯を犯し、すでに赤泥壁に記録され、後に犯した罪が移住に該当しない者は、元の赤泥壁に過失名を追加して記録する。

諸豪右が権勢をもって官府を動かし、郷里に威を振るい、淫暴で貪虐であり、累犯して悔い改めない者は、遠く悪地に移して屯田耕作させる。 諸頻繁に過悪を犯し、繰り返し処断されても改めない者は、遠方に流す。 諸兇人が善良な者を残害し、強引に男子を去勢して、人の子孫を絶やし、幸いにも命は助かった者に対しては、杖一百七とし、遠方に流す。 諸貴勢の家が、奴隷が罪を犯すと、勝手に鉄の枷を用意し、首に釘を打ち込んで監禁し、あるいは勝手にその顔に刺青をする者は、これを禁ずる。 諸逃亡奴隷を捕らえ、勝手に顔に刺青をし、鼻を削ぎ、道理に外れた残酷な苦しみを与える者は、これを禁ずる。 諸理由なく勝手に自分の奴隷に刺青をする者は、杖六十七とする。 諸囉哩、回回で民に害をなす者は、所在の役所が取り締まり処罰する。

捕亡

諸盗難事件で、捕盗官が期限を定めて盗賊を捕らえず、却って他の家に被害者の財物を賠償させる者は、俸給を二か月分罰し、なお期限を定めて追捕させる。 諸強盗殺人事件で、三回の期限内に犯人が捕まらず、恩赦があった場合、捕盗官は本来受けるべき罪罰・免職の処分を受け、なお捕盗を続けさせ、任期満了でも捕まえられない場合は、解由(離任証明書)の中にその旨を記載し、定例に従って降格・免職とする。 諸他地域の盗賊が、境内に逃げ込んで隠れ、捕盗官が勝手に境界を分け、直ちに捕捉しない者は、笞四十七とし、現職を解いて別の職に就かせ、過失を記録する。

諸すでに流刑と決まった囚人が、監禁中で未だ発遣されていないうちに、牢獄を襲い看守を負傷させ、逃亡後再逮捕された者は、死刑に処す。監獄から出ていない者は杖一百七とし、すでに決まった流刑地に送る。 諸護送中の囚徒が、通過する州県で宿泊する際、牢房に収監せず、勝手に旅籠に監禁し、そのため脱獄逃亡した場合は、長押官(護送責任者)は笞二十七とし、元の役務に戻す。防送官は四十七とし、過失を記録する。 諸囚徒が牢獄を襲って逃亡した場合、主守(看守)は犯人の罪より二等減じ、提牢官(監獄長)はさらに主守より四等減ずる。随時に半数以上を捕獲した場合は、俸給を一か月分罰する。

諸奴婢が主人に背いて逃亡した場合は、杖七十七とする。誘引し匿った者は、六十七とする。隣人、社長、坊里正が知りながら自首・逮捕しなかった者は、笞三十七とする。関所の検問官や応捕人(逮捕担当者)が賄賂を受け取って逃亡を許した者は、枉法(法を曲げる罪)をもって論ずる。寺観、軍営、権勢家が隠蔽し、あるいは投下が勝手に戸籍に収めた者は、隠匿罪に準じて論じ、自首した者は免罪とする。 諸逃亡奴隷を告発・捕獲した者は、その所持していた財物の中から三分の一を、告発・捕獲者に賞与として与える。 諸逃亡奴隷が逮捕を拒み、人命を傷つけるに至らなかった場合は、杖一百七とする。

恤刑

諸獄の囚人は、必ず軽重を異にし、男女を異室とし、或いは雑居せしめざるべし。司獄はその慎みを致し、獄卒はその虐げを去り、提牢官はその誠を尽くすべし。諸禁中の囚徒にして、親属の供給なく、或いは親属あれども貧しくして給し能わざる者は、日に倉米一升を給し、三升の中より粟一升を給して、疾ある者を食わしむ。凡そ油・炭・席・薦の類は、各々時に応じて具すべし。その飢寒にして衣糧継がず、疾患にして医療時ならず、非理の死損を致す者は、有司の罪に坐す。諸各処の司獄司、囚徒を看守するに、夜は清油一斤を支給す。諸路・府・州・県、但だ囚を停め置く処は、鼠耗糧の中より囚糧を放支す。諸禁中に在りて家属なき囚徒は、歳十二月より正月に至るまで、羊皮を給して披蓋と為し、袴・韈及び薪草を給して暖匣・熏炕の用と為す。諸獄訟に、必ず聴候帰対の人あるは、保を召して在るを知らしむ。もし保識なきは、有司糧を給して養済し、民家に寄養する勿れ。諸流囚、路に在りては、有司日に米一升を給し、疾あるは良医を命じてこれを治し、疾癒えしだい随時発遣す。諸獄医は、囚の司命なり。必ず試して後にこれを用う。もし称せざるあらば、掌医及び提調官の罪に坐す。諸獄囚、病二分に至れば申報し、漸く増して九分に至れば死証と為す。もし重きを以て軽きと為し、急きを以て緩きと為し、誤って人命を傷つくる者は、これを究む。諸獄囚病あるは、主司実を験し、医薬を給す。病重き者は枷鎖杻を去り、家人の入侍を聴す。職事散官五品以上は、二人の入侍を聴す。悪逆以上を犯し、及び強盗死に至り、奴婢主を殺す者は、医薬を給するのみ。諸有司、禁中の囚徒の飢寒、衣食時ならず、病に医を督して看候せず、枷杻を脱がず、親人の入侍を令せず、一歳の内に死十人以上に至る者は、正官笞二十七、次官三十七、職に還る。首領官四十七、職を罷め別に叙し、過を記す。諸妊婦罪あるは、産後百日にして決遣す。臨産の月は、保を召すを令して聴し、産後二十日、復た追いて禁に入る。保なく及び死罪を犯す者は、産時に婦人の入侍を令す。諸死罪を犯す者にして、親年七十以上あり、兼丁侍養する者なきは、陳請を許して奏裁を請う。諸罪ありて年七十以上、十五以下、及び篤廃・残疾罰贖の者は、笞杖一ごとに、中統鈔一貫を罰す。諸疑獄、禁中五年以上にして明らかにし能わざる者は、赦に遇いて釈免す。

平反

諸官吏冤獄を平反し、賞に応ずる者は、有司の保勘に従い、廉訪司の体覆を経て、而る後にこれを議す。その冒濫実ならざるあるは、罪保勘体覆の官吏に及ぶ。諸路府の軍民長官、反叛を収捕するに因り、輒ち平民を羅織し、室女を強姦し、人口財産を殺虜し、并せて人の家を覆す。その同僚能く平民の冤を理め、犯人の罪を正し、その俘虜を帰し、その死命を活かす者は、本官の上に優に一等を陞し遷用す。凡そ職官能く重刑一起以上を平反するは、陞等同し。諸職官能く冤獄一起以上を平反するは、一資を減ずるを与う。諸路府の曹吏、能く冤獄を平反する者は、各道の宣慰司部令史に補用す。