十煇
『周礼』に、眡祲氏は十煇の法を掌り、以て妖祥を観、吉凶を弁ずとある。一に曰く祲、陰陽五色の気を謂い、昆淫相侵す。或いは曰く、抱珥背璚の属、虹の如くして短き是なり。二に曰く象、雲気の形象を成すを謂い、雲赤烏の如く、日を夾みて飛ぶの類是なり。三に曰く鐫、日旁の気日を刺し、形童子の佩く所の鐫の如きなり。四に曰く監、雲気日上に臨在するを謂う。五に曰く暗、日月の蝕、或いは日光の暗きを謂う。六に曰く曹、瞢瞢として光明ならざるを謂う。七に曰く弥、白虹天に弥りて日を貫くを謂う。八に曰く序、気山の如くして日上にあるを謂う。或いは曰く、冠珥背璚、重疊次序し、日旁にあるなり。九に曰くU、暈気を謂う。或いは曰く、虹なり。『詩』に所謂「朝U於西」の者なり。十に曰く想、気五色にして形想有るを謂い、青は饑、赤は兵、白は喪、黒は憂、黄は熟。或いは曰く、想は思なり、赤気人獣の形を為し、思いて以て其の吉凶を知るべし。周より已降、術士間出す、今其の著しき者を采りて之を言う。
日は、君土に乗じて王たるに、其の政太平なれば、則ち日五色なり。又曰く、或いは黒或いは青或いは黄、師破る。又曰く、遊気天を蔽い、日月色を失う、皆是れ風雨の候なり。若し天氣清静にして、諸の遊気無く、日月明らかならざれば、乃ち失色と為す。或いは天氣降下し、地気未だ昇らず、厚ければ則ち日紫、薄ければ則ち日赤、若し夜に於いては則ち月白、皆将に雨ならんとす。或いは天氣未だ降らず、地気上升し、厚ければ則ち日黄、薄ければ則ち日白、若し夜に於いては則ち月赤、将に旱且つ風ならんとす。亦た日月暈の候と為し、雨少なくして陰多し。或いは天氣已に降り、地気又升り、上下未だ交わらざれば則ち日青、若し夜に於いては則ち月緑色、将に寒の候なり。或いは天地の気交わりて未だ密ならざれば則ち日黒、若し夜に於いては則ち月青、将に雨にして雨降らず、雺霧に変じ、暈背虹蜺す。又曰く、沈陰、日月倶に光無く、昼は日を見ず、夜は星を見ず、皆雲之を鄣う有り、両敵相当し、陰相図議す。日曚曚として光るは、士卒内乱す。日薄赤にして、日中に烏を見るは、将軍出で、旌旗挙がる、此れ不祥にして、必ず敗亡有り。又曰く、数日倶に出でて斗の若きは、天下の兵大いに戦う。日斗の下に城を抜く。
日戴とは、形直状の如く、其の上微かに起り、日上にあるを戴と為す。戴は徳なり、国に喜有り。一に云う、日上に立つを戴と為す。青赤の気日上に抱く、小なる者を冠と為し、国に喜事有り。青赤の気小さくして日下に交わるを、纓と為す。青赤の気小さくして円く、一二日下の左右にあるを、紐と為す。青赤の気小半暈の状の如く、日上にあるを負と為す。負は地を得て喜と為す。又曰く、青赤の気長くして斜に日傍に倚るを戟と為す。青赤の気円くして小なり、日の左右にあるを珥と為す。黄白なる者は喜有り。又曰く軍有り。日に一珥有るは喜と為し、日の西にあれば、西軍戦に勝ち、日の東にあれば、東軍戦に勝つ。南北も亦た之の如し、軍無くして珥有れば、将を拝するに為る。又日旁半環の如く、日に向うを抱と為す。青赤の気月初めて生ずるが如く、日に背く者を背と為す。又曰く、背気青赤にして曲がり、外向するは叛の象と為し、分かれて反城と為す。璚は帯の如く、璚は日の四方に在り。青赤の気長くして日旁に立つを直と為す。日旁に一直有れば、敵一旁に在りて自立せんと欲し、直の撃つ所に従う者は勝つ。日旁に二直三抱有れば、自立せんと欲する者成らず。抱に順いて撃つ者は勝ち、将を殺す。気形三抱、日の四方にあるを提と為す。青赤の気横たわりて日の上下にあるを格と為す。気半暈の如く、日下にあるを承と為す。承は、臣君を承く。又曰く、日下に黄気三重抱の若き有り、名づけて承福と曰い、人主吉喜有り、且つ地を得。青白の気履の如く、日下にある者を履と為す。日旁五重を抱けば、戦に抱に順う者は勝つ。日一抱一背は破走と為す。抱は順気なり、背は逆気なり。両軍相当し、順抱逆を撃つ者は勝つ、故に破走と曰う。日抱き且つ両珥し、一虹抱を貫きて日に至れば、虹に順いて撃つ者は勝つ。日重ねて抱き、内に璚有れば、抱に順いて撃つ者は勝つ。亦た曰く、軍内に反せんと欲する者有り。日重ねて抱き、左右二珥し、白虹有りて抱を貫けば、抱に順いて撃てば勝ち、二将を得。三虹有れば、三将を得。日黄白潤沢を抱き、内赤外青なれば、天子喜有り、和親有りて来降する者有り。軍戦わず、敵降り、軍罷む。色青ければ、将喜ぶ。赤ければ、将兵争う。白ければ、将喪有り。黒ければ、将死す。日重ねて抱き且つ背けば、抱に順いて撃つ者は勝ち、地を得、若しくは師を罷むる有らん。日重ねて抱き、抱の内外に璚有り、両珥すれば、抱に順いて撃つ者は勝ち、軍を破り、軍中和せず、信ぜず。日旁に気有り、円くして周市し、内赤にして外青、名づけて暈と為す。日暈は、軍営の象なり。周環日を匝して厚薄無く、敵と軍勢斉等。若し外に軍無ければ、天子禦を失い、民多く叛く。日暈五色有れば、喜有り。五色を得ざれば、憂有り。
凡そ両軍相当するを占うには、必ず謹みて日月の暈気を審らかにし、其の起こる所を知り、留止遠近、応ずるか応ぜざるか、疾遅大小、厚薄長短、抱背多少を為すか、有無実虚久亟、密疏沢枯を弁ず。相応じて等しき者は勢等し。近きは遠きに勝ち、疾きは遅きに勝ち、大なるは小なるに勝ち、厚きは薄きに勝ち、長きは短きに勝ち、抱は背に勝ち、多きは少きに勝ち、有るは無きに勝ち、実は虚に勝ち、久しきは亟きに勝ち、密なるは疏なるに勝ち、沢は枯に勝つ。重背は大いに破れ、重抱は和親と為す。抱多きは親しむ者益多く、背は和せざるなり。分離相去るは、内に背く者は内に離れ、外に背く者は外に離るるなり。
凡そ分離相去るを占うには、赤内青外は、以て和して相去り、青内赤外は、以て悪して相去る。日暈明らかに久しければ、内赤外青は外人勝ち、内青外赤は内人勝ち、内黄外青黒は内人勝ち、外黄内青黒は外人勝ち、外白内青は外人勝ち、内白外青は内人勝ち、内黄外青は外人勝ち、内青外黄は内人勝つ。日暈周匝し、東北偏に厚ければ、厚きは軍の福と為し、東北に在れば戦に勝ち、西南に在れば戦に敗る。日暈黄白なれば、鬭わず兵未だ解けず、青黒なれば和解して地を分かち、色黄なれば土功動き、人安からず、日色黒なれば水有り、陰国盛ん。日暈七日風雨無ければ、兵大いに作し、起こすべからず、衆大いに敗る。日蝕に及ばず、日暈きて明らかなれば、天下兵有り、兵罷む。兵無ければ、兵起こりて戦わず。日暈始めて起こり、前滅して後成る者は、後成る面勝つ。日暈し兵外に在る者有れば、主人勝たず。日暈し、内赤外青なれば、群臣外に親しみ、外赤内青なれば、群臣内に其の身を親しみ、身外に其の心をす。日に朝夕の暈有れば、是れを失地と謂い、主人必ず敗る。
日暈に珥が生ずれば、主に謀あり、軍は外に在り、外軍に悔いあり。日暈に抱珥が上れば、将軍易わる。日暈に珥ありて井幹の如き者は、国亡び、大兵交わる。日暈の上西すれば、将軍易わり、両敵相当たる。日暈に両珥あり、平等に俱に起こりて色同じければ、軍勢等しく、色厚く潤沢なる者は賀喜す。日暈に直珥ありて破軍となり、貫きて日に至れば将を殺す。日暈員くして戴すれば、国に喜びあり、戦い戴する所に従いて撃てば勝ち、地を得。日暈に珥背左右にありて、大軍の輞の如き者は、兵起こり、其の国は城を亡ぼし、兵野に満ちて城また帰す。
日暈、暈内に珥一抱あり、所謂る囲城の者は内に在り、内人則ち勝つ。日暈に重抱あり、後に背あれば、戦い抱に順う者は勝ち、地を得て軍あり。日暈に一抱あり、抱は順となり、暈内を貫き、日の西に在れば、西軍勝ち、軍あり。
日暈に一背あり、背は逆となり、日の西に在れば、東軍勝つ。余の方も此に放う。日暈に背あれば、兵起こり、其の分、城を失う。日暈に背あり、背は逆となり、降叛する者有り、城を反す。日の東に在れば、東に叛あり。余の方も此に放う。日暈の背気、暈内に在るは、此れ不和にして、分離して相去る。其の色青く外赤く内なるは、節臣王命を受けて之く所あり。日暈の上下に両背あり、兵無ければ兵起こり、兵有れば兵入る。日暈に四背、暈内に在り、名づけて不和と曰い、内乱あり。日暈に四背ありて大車の輞の如き者四提すれば、其の国衆の外に在るを設し、反臣あり。日暈に四提あれば、必ず大将出亡する者有り。日暈に四背璚あり、其の背端尽く暈を出づれば、反内より起こる。
日暈に両珥外にあり、聚雲内外にありて、三日を出でず、城囲みて出戦す。日暈に背珥直ありて、虹之を貫けば、虹に順って之を撃てば、大勝して地を得。日暈、白虹ありて暈を貫き日に至れば、虹の指す所に従いて戦勝し、軍を破り将を殺す。日暈、虹ありて暈を貫き、日に至らざれば、戦い貫く所に従いて之を撃てば勝ち、小将を得。日暈、一虹ありて暈内を貫けば、虹に順って撃つ者勝ち、将を殺す。日暈、二白虹ありて暈を貫けば、戦あり、客勝つ。日重暈、四五の白虹気あり、内より出でて外に至れば、此を以て城を囲めば、主人勝ち、城抜かず。又日重暈、城を攻め邑を囲みて抜かず。日暈二重、其の外清く内濁りて散ぜず、軍会聚す。日暈三重、城を抜くことあり。日交暈厚薄無く、交争し、力勢均しく、厚き者勝つ。日交暈、人主の左右に争う者有り、兵は外に在りて戦う。日暈上に在れば、軍罷む。交暈日を貫けば、天下に破軍死将あり。日交暈にして争う者先ず衰え、勝たざれば即ち両敵相向う。交暈日月に至れば、順って以て戦勝し、将を殺す。一法、日の上に在る者勝つ。日に交ある者は、赤青く暈の状の如く、或いは合背の如く、或いは正直に交わる者は、偏交なり、両気相交わるなり、或いは相貫穿し、或いは相向い、或いは相背く。交は内乱を主り、軍内和せず。日交暈連環の如ければ、両軍の兵起こり、君地を争う。日に三暈あれば、軍三つに分かる。日方に暈りて上下に二背聚まれば、将敗れ人亡ぶ。日暈井垣の若く、車輪の若ければ、二国皆兵亡ぶ。又た曰く、軍あり。
又た曰く、軍外に在り、月暈師上にすれば、其の将戦いて必ず勝つ。月暈黄色ければ、将軍益ます秩禄を得、位を得。月暈に両珥あり、白虹之を貫けば、天下大戦す。月暈に珥あれば、兵珥に従いて攻撃する者利あり。月暈に蜺雲あれば、之に乗じて戦い、蜺の往く所に従えば大勝す。月暈、虹蜺直に指して暈より月に至れば、軍を破り将を殺す。
雑気
天子気は、内赤く外黄にして四方正しく、発する所、当に王者有るべし。若し天子游往せんと欲する処あれば、其の地亦た先ず此の気を発す。或いは城門の如く、気霧中に隠々として、恒に殺気森森然たり、或いは気霧中に華蓋の如く、或いは五色有り、多く晨昏に見ゆ。或いは霧中に千石倉の如く、恒に殺気を帯び、或いは霧気中に高楼の如く、或いは山鎮の如し。蒼帝起これば、青雲日を扶く。赤帝起これば、赤雲日を扶く。黄帝起これば、黄雲日を扶く。白帝起これば、白雲日を扶く。黒帝起これば、黒雲日を扶く。或いは日気青衣人の象、手無く、日の西に在るは、天子の気なり。敵上の気龍馬の如く、或いは雑色鬱々として天に衝くは、此れ帝王の気、撃つべからず。若し吾が軍に在れば、戦いて必ず大勝す。凡そ天子の気は、皆多く上天に達し、王相の日に見ゆ。
凡そ猛将の気は龍の如し。両軍相当たるに、若し気其の上に発すれば、則ち其の将猛鋭なり。或いは虎の如く、殺気中に在り。猛将行動せんと欲すれば、亦た先ず此の気を発す。若し行動無くとも、亦た暴兵起こる。或いは火煙の状の如く、或いは白く粉沸の如く、或いは火光の状の如く、夜人を照らし、或いは白くして赤気之を繞らし、或いは山林竹木の如く、或いは紫黒く門上の楼の如く、或いは上黒く下赤く、状黒旌に似、或いは弩を張るが如く、或いは埃塵の如く、頭鋭くして卑く、本大にして高し。両軍相当たるに、敵軍上の気囷倉の如く、正白く、日に見えて逾よ明らかなり、或いは青白く膏の如ければ、将勇なり。大戦気発すれば、漸々として雲の如く、此の形に変作すれば、将に深謀有らん。
凡そ気上に天と連なれば、軍中に貞将あり、或いは云う賢将と。
凡そ軍勝気は、堤の如く阪の如く、前後地を磨るが如く、此れ軍士衆強盛にして、撃つべからず。軍上の気火光の如ければ、将軍勇、士卒猛、好んで撃戦し、撃つべからず。軍上の気山堤の如く、山上林木の若ければ、将士驍勇なり。軍上の気埃塵粉沸の如く、其の色黄白、旌旗風無くして颺り、揮揮として敵を指せば、此の軍必ず勝つ。敵上に白気粉沸して楼の如く、赤気を以て繞らせば、兵鋭し。営上の気黄白色、重厚潤澤なれば、与に戦うこと勿れ。両敵相当たるに、気ありて人の斧を把りて敵に向かうが如ければ、戦いて必ず大勝す。両敵相当たるに、上に気ありて蛇の首を挙げて敵に向かうが如ければ戦勝す。敵上の気一匹の帛の如きは、此れ雍軍の気、攻むべからず。敵上の気を望むに覆舟の如く、雲牽牛の如く、白気出でて旌幟に似、軍上に在り、雲ありて鬭鶏の如く、赤白相随い、気中に在り、或いは黄気を発すれば、皆将士精勇にして、撃つべからず。軍営上に赤黄気あり、上天に達すれば、亦た攻むべからず。
凡そ軍営上の五色気、上に天と連なれば、此れ天応の軍、撃つべからず。其の気上小下大なれば、其の軍日に士卒を増益す。軍上の気堤の如く、以て其の軍上を覆い、前赤後白なれば、此れ勝気。若し吾が軍を覆わば、急ぎ往きて之を撃てば、大勝す。天気鋭く、黄白団団として潤澤なれば、敵将勇猛、且つ士卒能く強戦し、撃つべからず。雲日月の如くして赤気之を繞らし、日月暈の状の如く光ある者は、見ゆる所の地大勝し、攻むべからず。
およそ雲気において、獣が上に居るものは勝つ。軍の上に気が塵埃の如く、前は低く後は高いものは、将兵精鋭なり。敵の上の気が乳武豹の伏するが如きものは、攻め難し。軍の上に常に気あるものは、その軍は攻め難し。軍の上の雲が華蓋の如きものは、往って戦うことなかれ。雲が旌旗の如く、蜂が人に向かうが如きものは、戦うことなかれ。両軍相対するに、敵の上に雲が飛鳥の如く、その上を徘徊し、或いは来たりて高きものは、兵精鋭にして、撃つべからず。軍の上の雲が馬の如く、頭は低く尾は仰ぐものは、戦うことなかれ。軍の上の雲が狗の形の如きものは、戦うことなかれ。四方を望むに気が赤鳥の如く、烏気の中にあり、烏の人が赤気の中にあるが如く、赤杵が烏気の中にあるが如く、人が十十五五するが如く、或いは旌旗の如く、烏気の中にあり、赤気が前にあるものは、敵人は精悍にして、当たるべからず。敵の上に雲が山の如きものは、説くべからず。雲が素を引くが如く、陣前の鋭きが如く、或いは一或いは四、黒色は陰謀あり、赤色は饑饉あり、青色は兵に反あり、黄色は急ぎ去れ。
およそ気において、上が黄で下が白なるものは、名づけて善気という。臨むところの軍は、和を求め退かんと欲す。もし気が北方に出ずれば、退くを求め北に向かい、その衆は死散す。東に向かえば則ち信ずべからず、終に害を為す能う。南に向かえば将死す。敵の上の気は囚われて廃れ枯れ散ず。或いは馬の肝の色の如く、死灰の色の如く、或いは偃蓋に類し、或いは偃魚に類し、皆な将敗るるなり。軍の上の気が乍に見え乍に見えず、霧の起こるが如きは、これ衰気なり、撃つべし。上が大にして下が小なるは、士卒日々に減ず。
およそ軍営の上に十日気の発することなきは、則ち軍必ず勝つ。而して赤白の気が乍に出でて即ち滅し、外は声を戦わんと欲すれども、その実は退散せんと欲す。黒気が壊れたる山の軍の上に堕つるが如きものは、名づけて営頭の気という、その軍必ず敗る。軍の上の気が昏く発して夜に連なり、夜人を照らせば、則ち軍士散乱す。軍の上の気が半ばにして絶つは、一敗、再び絶てば再敗、三たび絶てば三敗す。東に発して白気あるものは、災い深し。軍の上の気の中に黒雲が牛の形の如く、或いは猪の形の如きものあり、これは瓦解の気なり、軍必ず敗る。敵の上の気が粉の如く塵の如きものは、勃勃として煙の如く、或いは五色雑乱し、或いは東西南北定まらざるものは、その軍敗れんと欲す。軍の上の気が群羊群猪の気の中に在るが如きは、これ衰気なり、これを撃てば必ず勝つ。軍の上に赤気あり、天に炎降すれば、則ち将死し、士衆乱る。赤光が天より流れ下りて軍に入れば、軍乱れて将死す。彼の軍の上に蒼気あり、須臾にして散ずれば、これを撃てば必ず勝つ。我が軍の上にあれば、須らく自ら堅守すべし。軍に黒気が牛の形の如く、或いは馬の形の如く、気霧の中より下り、漸漸として軍に入るものあり、名づけて天狗下りて血を食らうという、則ち軍破る。軍の上の気が或いは群鳥の乱れ飛ぶが如く、或いは衣を懸くるが如く、人相随うが如く、或いは紛紛として転蓬の如く、或いは灰を揚ぐるが如く、或いは雲が席を巻くが如く、匹布の乱れ穣れるが如きものは、皆な敗徴なり。気が乍に見え乍に没し、乍に聚まり乍に散じ、霧の始めて起るが如きは、敗気なり。気が繋がれたる牛の如く、人の臥するが如く、敗車の如く、双蛇の如く、飛鳥の如く、堤垣の決するが如く、壊屋の如く、人相指すが如く、人頭なきが如く、驚鹿の相逐うが如く、両雞の相向うが如きは、皆な敗気なり。
およそ降人の気は、人が十十五五するが如く、皆な叉手して頭を低うす。また云う、人が叉手して相向うが如し。白気が群鳥の如く、趣きて屯営に入り、連結すること百余里絶えず、而して能く徘徊し、須臾にして見えざるものは、当に他国来降すべし。気が黒山の如く、黄を以て縁とせるものは、降服せんと欲す。敵の上の気が青くして高く漸く黒きものは、将まさに死散せんと欲す。軍の上の気が生草を燔く煙の如きは、前は鋭と雖も、後必ず退く。黒気が営に臨み、或いは聚まり或いは散じ、鳥の将に宿らんとするが如きは、敵人は我を畏れ、心意定まらず、終に必ず逃げ背き、これを逼れば大勝す。
およそ白気が城中より南北に出ずるものは、攻むべからず、城は屠るべからず。城中に黒雲が星の如きものあり、名づけて軍精という、急ぎ囲みを解き去れ、突兵出でば、客敗る。城上の白気が旌旗の如く、或いは青雲城に臨めば、喜慶あり。黄雲城に臨めば、大いなる喜慶あり、青色中より南北に出ずるものは、城は攻むべからず。或いは気が青色の如く、牛頭の人のを触るるが如きものは、城は屠るべからず。城中の気が東方に出で、その色黄なるは、これ太一なり。城の白気中より出で、青気城北より入り、反って向き還るものは、軍入るを得ず。城を攻め邑を囲み、旬を過ぎて雷雨あるは、城に輔あるとなす。疾くこれを去り、攻むることなかれ。城上の気が煙火の如きは、主人出でて戦わんと欲す。その気極まりなきものは、攻むべからず。城上の気が双蛇の如きものは、攻め難し。赤気が杵の形の如く、城中より外に向かうものは、内兵突出し、主人戦いに勝つ。城上に雲あり、分かれて両彗の状なるは、攻むるを得ず。赤気城上にあり、黄気四面これを繞れば、城中の大将死し、城降る。城上の赤気が飛鳥の如く、敗車の如く、及び雲気なきは、士卒必ず散ず。城営の中に赤黒の気あり、狸皮の斑及び赤きが如きものは、並びに亡ぶ。城上の気上が赤くして下が白色なる、或いは城中の気聚まって楼の如く、外に現れ出づるは、城皆な屠るべし。城営の上に雲が衆人の頭の如く、赤色なるは、下多く死喪流血す。城上の気が灰の如きは、城は屠るべし。気出でて北するは、城は克つべし。その気出でてまた入るは、城中の人逃亡せんと欲す。その気出でてその軍を覆うは、軍必ず病む。気出でて高く、止まる所なきは、用いること日久しく長し。白気が蛇の如く来たりて城を指せば、急ぎ攻むべし。白気が城より営を指せば、宜しく急ぎ固守すべし。城を攻むるに若し雨霧死風至れば、兵勝つ。日色光なきを日死と為す。雲気が雄雉の城に臨むが如きは、その下必ず降る者あり。濛氛城を囲みて城に入るものは、外勝ち、入るを得。雲が立つ人五枚の如く、或いは三牛の如きものあり、辺城囲まる。
およそ軍の上に黒気あり、渾渾として円長く、赤気その中にあるは、その下必ず伏兵あり。白気粉沸き起こり、楼の状の如きは、その下必ず兵万人を蔵す、皆な軽く撃つべからず。伏兵の気は、幢節の状の如く、烏雲の中にあり、或いは赤杵の烏雲の中にあるが如く、或いは烏人の赤雲の中にあるが如し。
およそ暴兵の気は、白くして瓜蔓の連結するが如く、部隊相逐い、須臾にして罷みてまた出で、八、九たび来たりて断えざるは、急賊卒至る、宜しくこれを防ぎ固むべし。白気が仙人の衣の如く、千万連結し、部隊相逐い、罷みてまた興る、是の如く八、九たびするものは、当に千里の兵来るべし、起こる所を視てこれを備うべし。黒雲が敵の上より来たり、我が軍の上に至るは、我を襲わんと欲す。敵人の告発するは、備うるに宜しく戦うに宜しからず。壬子の日、四望に雲なく、独り赤雲が旌旗の如きを見るは、その下に兵起こる、若し四方に遍くするは、天下尽く兵あり。若し四望に雲なく、独り黒雲天に極まるを見るは、天下の兵大いに起こる。半天は、半ば起こる。三日の内に雨あれば、災い解く。敵来たらんと欲するは、その気の上に雲あり、下に氛零あり、中天よりして下る、敵必ず至る。雲気が旌旗の如きは、賊兵暴に起こる。暴兵の気は、人が刀楯を持つの如く、雲が人の如く、赤色なる、臨むところの城邑は、卒兵至り、驚怖し、須臾にして去る。赤気が人が節を持つが如きは、兵来りて未だ息まず。雲が方虹の如きは、暴兵あり。赤雲が火の如きものは、向かうところ兵至る。天に白気あり、状匹布の如く、醜未を経るものは、天下に兵多し。
およそ戦気は、青白く膏の如きは、将勇なり。大戦の気は、人頭なきが如く、死人臥するが如し。敵の上の気が丹蛇の如く、赤気これに随うは、必ず大戦し、将を殺す。四望に雲なく、赤気が狗の営に入るが如きを見るは、その下に流血あり。
およそ連日陰天十日、昼は日を見ず、夜は月を見ず、乱風四方より起こり、雨あらんと欲して雨なし、これを蒙と名づけ、臣、君を謀る。故に曰く、久陰にして雨降らずは臣、主を謀る。霧気、昼の如く夜の如く、その色青黄、互いに掩い覆い、忽ち合い忽ち散ず、臣、君を謀り、逆者は喪う。山中冬霧十日解けざるは、崩れんとする候なり。四方を見て常に大雲あり、五色備わるものは、その下に賢人の隠るるあり。青雲潤沢にして日を蔽う、西北に在れば賢良を挙ぐるなり。雲気乱穰の如きは、大風将に至らんとす、その来たる所を視てこれを避く。雲甚だ潤にして厚きは、大雨必ず暴かに至る。四始の日に、黒雲気陣の如きあり、厚く重く大なるものは、雨多し。気霧に似て霧にあらず、衣冠雨降らずして濡るれば、見ればその城甲を帯びて趣く。日の出没する時、雲ありてこれを横截す、白きは喪、烏きは驚。三日の内に雨ある者は各解く。黒気営に入るものあり、兵相い残す。赤青の気営に入るものあり、兵弱し。雲蛟龍の如きあり、見る所の処将軍魄を失う。雲鵠尾の如きあり、来たりて国上を廕す、三日にして亡ぶ。雲日月の暈の如きあり、赤色、その国凶。青白色、大水あり。雲状龍行の如きあり、国に大水あり、人流亡す。雲赤黄色、四塞終日、竟夜地を照らすものあり、大臣恣にす。雲気の如きあり、昧にして濁る、賢人去り、小人位に在り。
およそ白虹は、百殃の本、衆乱の基なり。霧は、衆邪の気、陰来たりて陽を冒す。
およそ四方の盛気に遇うは、これに向かって戦うことなかれ。甲乙の日は青気東方に在り、丙丁の日は赤気南方に在り、庚辛の日は白気西方に在り、壬癸の日は黒気北方に在り、戊巳の日は黄気中央に在り。四季戦この日の気に当たるは、これを背くは吉なり。日中に黒気あり、君小過ありて臣諫めず、また君の悪を掩い君の善を揚ぐる故に、日中に黒気ありて明らかならざるなり。
およそ白虹霧は、奸臣君を謀り、権を擅にし威を立てる。昼霧夜明るきは、臣の志申さる、夜霧昼明るきは、臣の志申さず。霧終日終時するは、君憂いあり。色黄は小雨。白は兵喪を言い、青は疾を言い、黒は暴水あり、赤は兵喪あり、黄は土功を言い、或いは大風あり。
およそ夜霧、白虹見ゆるは、臣憂いあり。昼霧白虹見ゆるは、君憂いあり。虹頭尾地に至るは、流血の象なり。
およそ霧気四時に順ぜず、逆相交錯し、微風小雨は、陰陽気乱の象なり。寅より辰巳に至る上、周りて復始す、逆なる者は成らず。日を積みて解けず、昼夜昏暗、天下分離せんと欲す。
およそ霧四方に合し、虹各その方に見ゆ、四時の色に随うは吉、時に非ざる色は凶。気色青黄、互いに掩い覆い、忽ち合い忽ち散ず、臣君を謀らんと欲す、逆なる者は成らず、自ら亡ぶ。
およそ霧気四方より俱に起こり、百歩人を見ず、これを晝昏と名づく、破国なきことなくんば、必ず滅門あり。
およそ天地四方昏濛塵を下すが若く、十日五日以上、或いは一日、或いは一時、雨衣に沾わずして土あり、これを霾と名づく。故に曰く、天地霾れば、君臣乖い、大旱す。
およそ海傍の蜃気楼台の如く、広野の気宮闕を成し、北夷の気牛羊群畜穹閭の如く、南夷の気舟船幡旗に類す。華より以南は、気下黒上赤。嵩高・三河の郊は、気正赤。恆山の北は、気青。勃・碣・海・岱の間は、気皆正黒。江湖の間は、気皆白。東海の気円簦の如し。漢・河水に附くは、気引布の如し。江・漢の気勁くして杼の如し。済水の気黒㹠の如し。滑水の気狼白尾の如し。淮南の気帛の如し。少室の気白兔青尾の如し。恆山の気黒牛青尾の如し。東夷の気樹の如く、西夷の気室屋の如く、南夷の気闍台の如く、或いは舟船に類す。陣雲立垣の如く、杼軸雲軸搏に類し、両端鋭し。㣿雲繩の如く、前に居て天に亙り、その半は半天、その蛪なるもの闕旗に類す、故に鉤雲勾曲す。諸の此の雲見ゆるは、五色を以て占い而して澤摶密なり。その見ゆる、人を動かし及び兵あり、必ず起ちて合鬭す。その直なる、雲気三匹の帛の如く、前広く後鋭く、大軍行くの気なり。韓の雲布の如く、趙の雲牛の如く、楚の雲日の如く、宋の雲車の如く、魯の雲馬の如く、衛の雲犬の如く、周の雲車輪の如く、秦の雲行人の如く、魏の雲鼠の如く、鄭・齊の雲絳衣の如く、越の雲龍の如く、蜀の雲囷の如し。車気乍高乍下、往往にして聚まる。騎気卑くして布き、卒気摶す。前卑く後高き者は疾し、前方にして高く、後鋭くして卑き者は卻る。その気平なる者は、その行徐し。前高く後卑き者は、止まらずして返る。校騎の気正しく蒼黒く、長さ数百丈、遊兵の気彗掃の如く、一に云う長さ数百丈、根本なし。喜気上黄下白、怒気上下赤、憂気上下黒、土功気黄白、徙気白。
およそ気を候うの法、気初めて出づる時、雲に似て雲にあらず、霧に似て霧にあらず、仿佛として見ゆべし。初めて出づる森森然たり、桑榆の上に在り、高さ五六尺なるは、是れ千五百里外なり。平に視れば千里、目を挙げて望めば五百里。中天を仰ぎ瞻れば、百里内なり。桑榆の間を平に望めば二千里、高く登りて望めば、下地に属するは、三千里。
およそ我が軍の気を知らんと欲すれば、常に甲巳の日及び庚・子・辰・戌・午・未・亥の日、並びに八月十八日、軍を去ること十里許り、高く登りてこれを望めば見え、別記に依りてこれを占う。百人以上皆気あり。
およそ災異を占うには、先ず九宮分野を推し、六壬日月、陰霧風雨に応ぜざるに陰霧するは、乃ち占うべし。敵に対して坐し、気来たりて甚だ卑下し、その陰人を覆い、上溝を掩い道を蓋うは、是れ大賊必ず至る。敵東に在れば、日出を候う。南に在れば、日中を候う。西に在れば、日入を候う。北に在れば、夜半を候う。王相の色は吉、囚死の色は凶。
およそ軍上の気は、高きは下に勝ち、厚きは薄に勝ち、実なるは虚に勝ち、長きは短に勝ち、澤なるは枯に勝つ。我が軍西に在り、賊軍東に在り、気西厚く東薄く、西長く東短く、西高く東下り、東枯るれば、則ち知る我が軍必ず勝つと。
およそ気初めて出づる、甑上の気に似て、勃勃として上昇す。気積もりて霧と為り、霧は陰と為り、陰気結びて虹蜺姿暈珥の属と為る。
凡そ気は積もらざれば結ばず、一方に散漫にして災いを為す能わず。必ず殺気と和雑し、森森然として疾く起こりて、乃ち占うべし。軍上の気安らかなれば則ち軍安らか、気安からざれば則ち軍安からず。気南北なれば則ち軍南北、気東西なれば則ち軍も亦東西なり。気散ずれば則ち軍破敗す。
気を候うには、常に平旦・下晡・日出没の時処の気を以てし、以て大なるを知る。占期の内に大風雨久陰あれば、則ち災い成らず。故に風は以てこれを散らし、陰は以てこれを諫め、雲は以てこれを幡し、雨は以てこれを厭う。
五代災変応
四年六月壬戌、歳星昼に見ゆ。占いに曰く「歳星色黄潤し、竿を立て影見ゆれば、大熟す」と。是の歳大穣し、米一斛三十。又曰く「星日と光を争えば、武且つ弱く、文且つ強し」と。此の後より、帝文儒を崇尚し、躬自ら講説し、太清に終わるまで、武備を修めず。八月庚子、老人星見ゆ。占いに曰く「老人星見ゆれば、人主寿昌す」と。此の後より、毎年恒に秋分後参の南に見え、春分に至りて伏す。武帝寿考の象と云う。
七年九月巳亥、月東井を犯す。占いに曰く「水災有り」と。其の年京師大水す。
十年九月丙申、天西北隆隆として声有り、赤気地に上る。占いに曰く「天狗なり、往くの郷に流血有り、其の君地を失う」と。其の年十二月、馬仙琕大いに魏軍を敗り、斬馘十余万、朐山城を克復す。十二月壬戌朔、日食す、牛四度に在り。
十四年十月辛未、太白南斗を犯す。
十七年閏八月戊辰、月行き昴を掩う。
四年十一月癸未朔、日食有り、太白昼に見ゆ。
六年三月丙午、歳星南斗に入る。庚申、月食す。五月己酉、太白昼に見ゆ。六月癸未、太白天を経る。九月壬子、太白右執法を犯す。
四年七月甲辰、星隕ちて雨の如し。占いに曰く、「星隕つは、陽その位を失い、災害の象萌ゆるなり」と。また曰く、「星隕ちて雨の如きは、人民叛き、下に専ら討つことあり」と。また曰く、「大人憂う」と。その後、侯景狡乱し、帝は憂いて崩じ、人衆奔散す、皆その応なり。
五年正月己酉、長星見ゆ。
五年十月辛丑、彗星南斗に出で、長さ一尺余、東南を指し、漸く長さ一丈余となる。十一月乙卯、婁に至りて滅す。占いに曰く、「天下に王を謀る者あり」と。その八年正月、安成の民劉敬躬、左道を挟みて反し、党与数万。その九年、李賁、交州に於いて皇帝を僭称す。
九月癸丑、彗星長さ四尺、芒を見せ、西南を指す。占いに曰く、「彗星見れば則ち敵国兵起こり、本を得る者勝つ」と。その年、周将獨孤盛、衆を領いて巴湘に趣くも、侯瑱襲いこれを破る。
四年六月癸丑、太白が右執法を犯す。七月戊子、熒惑が填星を犯す。八月甲午、熒惑が軒轅の大星を犯す。丁未、太白が房を犯す。九月戊寅、熒惑が太微に入り、右執法を犯す。癸未、太白が南斗に入る。占いに曰く、「太白が斗に入れば、天下大いに乱れ、将相謀反し、国政易わる」と。また曰く、「君死す、死せざれば則ち廃せらる」と。また曰く、「天下爵禄を受く」と。その後、安成王が太傅となり、少帝を廃して自ら立ち、官を改め爵を受ける応である。辛卯、熒惑が左執法を犯す。十一月辛酉、熒惑が右執法を犯す。甲戌、月が畢の左股を犯す。
六年正月己亥、太白が熒惑を犯し、相去ること二寸。占いに曰く、「其の野に兵喪あり、侯王を改め立てる」と。三月丁卯、日入りの後、衆星未だ見えず、流星白色有り、斗の如く大にして、太微の間より南行し、尾長さ尺余り。占いに曰く、「兵と喪あり」と。四月丁巳、月が軒轅を犯す。占いに曰く、「女主に憂いあり」と。五月丁亥、太白が軒轅を犯す。占いに曰く、「女主勢を失う」と。また曰く、「四方禍起こる」と。其の後年、少帝廃され、廃後に慈訓太后崩ず。六月己未、月が氐を犯す。辛酉、彗星有り、長さ丈余りに可し。占いに曰く、「陰謀奸宄起こる」と。一に曰く、「宮中火起こる」と。後、安成王が尚書を録し、中外諸軍事を都督し、少帝を廃して自ら立ち、陰謀の応である。八月戊辰、月が畢の大星を掩う。丙子、月と太白並び、光芒相い著き、太微の西蕃の南三尺所に在り。九月辛巳、熒惑が左執法を犯す。癸未、太白が右執法を犯す。辛卯、左執法を犯す。乙巳、月が上相を犯し、太白が熒惑を犯す。其の夜、月また太白を犯す。占いに曰く、「其の国内外に兵喪あり、侯王を改め立てる」と。明年、帝崩じ、また少帝廃される応である。
七年二月庚午、日光無く、烏現る。占いに曰く、「王者之を悪む」と。其の日庚午は、呉・楚の分野なり。四月甲子、日に交暈有り、白虹之を貫く。是の月癸酉、帝崩ず。
宣帝太建七年四月丙戌、星大角に孛す。占いに曰く、「人主亡ぶ」と。五月庚辰、熒惑が右執法を犯す。壬子、また右執法を犯す。
十一年四月己丑、歳星・太白・辰星東井に合す。
魏武定四年九月丁未、高祖玉壁城を囲み、星営に墜ち、衆驢皆鳴く。占いに曰く、「軍を破り将を殺す」と。高祖豫せず、五年正月丙午崩ず。
八年七月甲辰、月心星を掩う。占いに曰く、「人主之を悪む」と。十年十月、帝崩ず。
九年二月、熒惑鬼質を犯す。占いに曰く、「斧質用いられ、大喪有り」と。三月甲午、熒惑軒轅を犯す。占いに曰く、「女主之を悪む」と。その十年五月、魏氏宗室を誅し、十月帝崩ず。斧質用いられ、大喪有りの応なり。
十年六月庚子、填星井鉞を犯し、太白と並ぶ。占いに曰く、「子は玄枵、斉の分野、君に戮死する者有り、大臣誅せられ、斧鉞用いらる」と。その明年二月乙巳、太師常山王、尚書令楊遵彦・右僕射燕子献・領軍可朱渾天和・侍中宋欽道等を誅す。八月壬午、少帝を廃し済南王と為す。
四年正月己亥、太白熒惑を犯し、相去ること二寸、奎に在り。甲辰、太白・熒惑・歳星婁に合す。占いに曰く、「甲は斉なり。三星若し合せば、是れを驚立絶行と謂い、其の分に兵喪有り、侯王を改め立て、国政を易う」と。三月戊子、彗星見ゆ。占いに曰く、「旧を除き新を布き、王を易うる有り」と。四月に至り、位を太子に伝え、元を改む。
四年五月癸巳、熒惑が右執法を犯す。占いに曰く、「大将死す、執法者は誅せらる、若し罪有らば」と。その年、右丞相斛律明月を誅し、明年、蘭陵王長恭を誅し、後年、右僕射崔季舒を誅す。皆、大将死し、執法誅するの応なり。
四年二月庚寅朔、日食あり。甲午、熒惑が房の右驂を犯す。三月己未、熒惑また房の右驂を犯す。占いに曰く、「上相誅せられ、車馳ぎ人走り、天下兵起こる」と。その年十月、塚宰晉公護、軍を率いて齊を伐つ。十二月、柱国・庸公王雄、力戦して之に死し、遂に班師す。兵起こり將死するの応なり。八月丁亥朔、日蝕あり。
五年正月辛卯、白虹日を貫く。占いに曰く、「兵喪と為す」と。甲辰、太白・熒惑・歳星、婁に合す。六月庚申、彗星、三台より出で、文昌に入り、上將を犯し、後、紫宮西垣を経て危に入り、漸く一丈余に長じ、室壁を指し、後百余日稍々短く、長さ二尺五寸、虚危に在りて滅す。齊の分野なり。七月辛巳朔、日食あり。
六年二月己丑夜、蒼雲有り、廣さ三丈、天を経て、戌より辰に加う。四月戊寅朔、日蝕あり。己卯、熒惑逆行し、輿鬼を犯す。占いに曰く、「兵喪有り、大臣誅せらる、兵大いに起こる」と。その月、又た師を率いて齊の宜陽等九城を取る。六月、齊の将、汾州を攻め陥す。六月庚辰、熒惑太白合し、張宿に在り、相去ること一尺。占いに曰く、「主人兵勝たず、合する国に殃有り」と。
四年三月甲子、月軒轅の大星を犯す。占いに曰く、「女主に憂ひあり、また五官に乱有り」と。
五年十月庚戌、熒惑太微西蕃の上将星を犯す。占いに曰く、「天下安からず、上将誅せられ、若しくは罪有り、其れ止む」と。
六年二月、皇太子西土を巡撫し、仍て吐谷渾を討つ。八月、伏俟城に至りて旋る。吐谷渾辺を寇す、天下安からざるの応なり。六月庚午、熒惑鬼宿に入る。占いに曰く、「喪と旱有り」と。その七月、京師旱す。十月戊午、歳星大陵を犯す。また己未・庚申、月連ねて暈し、昴・畢・五車及び参を規す。占いに曰く、「兵起りて地を争ふ」と。また曰く、「王自ら兵を将ふ」と。また曰く、「天下大赦有り」と。癸亥、帝衆を率いて晋州を攻む。是の日虹晋州城上に見え、首は南に向ひ、尾は紫宮に入り、長さ十余丈。庚午、之を克つ。丁卯夜、白虹見え、長さ十余丈、頭は南に在り、尾は紫宮中に入る。占いに曰く、「その下兵戦し流血す」と。また曰く、「若し兵無くば、必ず大喪有り」と。六年正月に至り、斉を平らげ、斉軍と大戦す。十一月稽胡反し、斉王之を討ちて平らぐ。
六年四月、此に先だち熒惑太微宮に入ること二百日、東蕃の上相を犯し、西蕃の上将を犯し、句已して往還す。此の月甲子に至りて端門を出づ。占いに曰く、「大臣主に代はる」と。また曰く、「臣臣たらず、反する者有り」と。また曰く、「必ず大喪有り」と。後宣帝・武帝継いで崩じ、高祖大運を以て代はりて起る。十月癸卯、月食し、熒惑斗宿に在り。占いに曰く、「国敗れ、その君亡び、兵大いに起り、軍を破り将を殺す。斗は呉・越の星、陳の分野なり」と。十一月、陳の将呉明徹呂梁を侵し、徐州総管梁士彦軍を出して之と戦ひ、利あらず。明年三月、郯公王軌陳の将呉明徹を討ちて擒にし、俘斬三万余人。十一月甲辰、晡時に、日中に黒子有り、杯の如く大なり。占いに曰く、「君過有りて臣諫めず、人主之を悪む」と。十二月癸丑、流星月の如く大にして、西流し声有り、蛇行屈曲し、光地を照らす。占いに曰く、「兵大いに起り、下に戦場有り」と。戌辰平旦、流星三斗器の如く大にして、色赤く、紫宮より出で、天に凝著し、乃ち北下す。占いに曰く、「人主その宮殿を去る」と。是の月、営州刺史高宝寧州に拠りて反す。その明年五月、帝戎を総べて北伐す。後年、武帝崩ず。
八年二月庚子、填星東井に入る。占いに曰く、「填星の居する所に徳あり、兵を称するに利あり」と。その年大いに挙りて陳を伐ち、これを克つ。十月甲子、星牽牛に孛す。占いに曰く、「臣君を殺し、天下謀を合わす」と。また曰く、「内に大乱なくんば、則ち外に大兵あり。牛は呉・越の星、陳の分野なり」と。後年、陳氏滅ぶ。
九年正月己巳、白虹日を夾む。占いに曰く、「白虹日を銜めば、臣に主に背く者有り」と。また曰く、「人主徳無き者は亡ぶ」と。是の月、陳を滅ぼす。
十四年十一月癸未、彗星虚危及び奎婁に孛す、斉・魯の分野なり。その後魯公虞慶則法に伏し、斉公高熲名を除かる。
十九年十二月乙未、星渤海に隕つ。占いに曰く、「陽其の位を失うは、災害の萌しなり」と。また曰く、「大人憂う」と。二十年十月、太白昼に見ゆ。占いに曰く、「大臣強く、革政を為し、王を易うるを為す」と。右僕射楊素、高祖及び献后を熒惑し、嫡を廃し庶を立てんことを勧む。その月乙丑、皇太子勇を廃し庶人と為す。明年元を改む。皆陽位を失い及び革政易王の験なり。
仁寿四年六月庚午、星月中に入る。占いに曰く、「大喪有り、大兵有り、亡国有り、破軍殺将有り」と。七月乙未、日青くして光無く、八日にして乃ち復す。占いに曰く、「主勢奪わる」と。また曰く、「日光無ければ、死王有り」と。甲辰、上疾甚だし、丁未、宮車晏駕す。漢王諒反し、楊素これを討ち平らぐ。皆兵喪亡国死王の応なり。
十一年六月、星文昌の東南に孛す、長さ五六寸、色黒くして鋭く、夜動揺し、西北に行き、数日にして文昌に至り、宮を去ること四五寸、入らず、却行して滅ぶ。占いに曰く、「急兵と為る」と。その八月、突厥帝を雁門に囲み、従兵悉く城に馮りて寇を禦ぎ、矢帝の前に及ぶ。七月、熒惑羽林を守る。占いに曰く、「衛兵反す」と。十二月戊寅、大流星斛の如く、賊盧明月の営に墜ち、其の衝輣を破り、十余人を圧殺す。占いに曰く、「奔星の墜つる所は、軍を破り将を殺す」と。その年、王充盧明月の城を撃ち、これを破る。